今回はタイトルにある通りなんですが、伊藤穣一さんの「テクノロジーが予測する未来 web3、メタバース、NFTで世界はこうなる」を読んだので、まだ読んでいない人のためにざっくりと要約していきながら、本書をレビューしていこうと思います。
個人的なオススメとして、確かメンタリストのDaiGoさんだったかな?
が、本を読むときに「どんな人であるか?」っていうことを認識した方が、本の読解力が上がるってな話をしていました。
本を読むよりも、友人と話した内容の方がよく覚えているのは、対話している相手の人となりっていうのが分かるからですね。
んで、伊藤穣一さんもYoutubeなんかで結構これらのweb3、メタバース、NFT辺りの話はしているので、一度動画で伊藤穣一さんの人となりを知ってから、本書を読んだ方が理解が深まるかなっていう感じはしますね。
伊藤穣一「テクノロジーが予測する未来」のざっくりとした要約
では早速。
一応まだ伊藤穣一「テクノロジーが予測する未来 web3、メタバース、NFTで世界はこうなる」という本を読んだことない人のために、ざっくり本書がどんな本であるか?っていうことを要約していくと。
基本的には冒頭にweb3とはなにか、メタバースとはなにか、NFTとはなにか、っていう解説が入っていて。
その後に、これらのテクノロジーがどのように未来を変えていくのか?っていうことが描かれます。
サブタイトルにもありますけど、「世界はこうなる」っていうような未来予測なので、未来予測の部分が様々なジャンルごとに描かれていますね。
それこそ
- 働き方
- 文化
- アイデンティティ
- 教育
- 政治
これらのジャンルに沿って、テクノロジーによる未来予測を本書では語っているっていう感じですね。
じゃあ、そもそものテクノロジーによる未来変化っていう部分の「テクノロジー」っていった何なのか。
それが先ほどから挙げられているweb3、メタバース、NFTっていうそれぞれの単語です。
web3っていうのは、本書でも書かれますが
- 読む:web1:過去
- 書く:web2:現在
- 参加する:web3:未来
ってな感じで紹介されたりします。
要するに、これまでは企業がホームページや発信場所を持っていて、個人はそれらを読むことしかできなかった。
そこからブログ、Twitter、Facebook、Youtube、などのそれぞれのSNSが台頭してきたことにより、誰でも情報を発信できるようになった。
ただし、それは反対に「中央集権型=プラットフォーム」の力を拡大させる状況を作った。
今でいうapple、アマゾン、Googleらがすべての情報やプラットフォームを持っており、これらに逆らうことができない”既得権益”を生み出す形になっていった。
ただweb3という状態は、ブロックチェーンによって、中央集権型の情報統制ではなく、皆で共通して情報を共有しておくという、非中央集権型の存在になる。
より個人が活躍でき、DAOなどを介して、自らが参加するという世界線になる。
これがweb3にある背景と、未来変化の基盤になってくるということですね。
そしてメタバース。
メタバースっていうのは、仮想現実何かでよく出てきますし、VRなんかも混合されることがあったりしますし、最近のバズワードだったりもします。
ただこれは個人的な話を加えて解説しておくと、基本的に定義があいまいでまだはっきりとしたものがあるわけじゃない。
VR界隈だったり、NFT界隈だったり、ゲーム界隈だったりが、それぞれの分野で作り出しているもので、まだまだ発展途上だったりするわけです。
ただし、フォートナイトの運営元のエピックゲームスが、プラットフォームを開設したり、その中でライブをやったり、イベントをやったり。
ドンドンとバーチャル世界と現実世界との垣根がなくなっているのも事実。
要するに働くということが、このバーチャル世界でのつながりになってくることだって、未来的にはあったりするわけです。
そして、NFT。
これは先ほどのブロックチェーンの技術を応用し、バーチャルな空間で「所有権」をトークンというものの存在によって証明することができるというもの。
だから、デジタルアートなんかが盛り上がり、普通に書いたバーチャルな絵が数億円なんかでやり取りされたりしているわけです。
それは中央集権型の承認ではなく、非中央集権型で、皆が価値を証明しあっているからこそ、所有権というものを認められ、その根底にはブロックチェーンという技術が組み込まれているわけですね。
伊藤穣一「テクノロジーが予測する未来」を読んだ感想レビュー
という感じで、ここまでが「テクノロジーが予測する未来」という本のタイトル部分にあるテクノロジーの概要です。
これらの技術がどんな未来に変えていくのか?っていうことがこの本書のメインテーマなわけですね。
んで。
個人的に読んでいてポイントが高いなって思ったのは、基本的にこれらのテクノロジー系の本って、前提知識が結構必要なんですよね。
先ほど説明した、web3、NFT、ブロックチェーン、DAOなんかが今回はそれにあたりますよね。
で。
多くの本ってこれらの前提知識を解説するので、本の半分ぐらいのボリュームを使っていたりします。
でも、これらのテクノロジー系の本を手に取ったときに知りたいのって、「それによってどう未来が変わるのか?」っていうことですよね。
メインストリームで走っている人が、僕らのような凡人に「こんな風に未来が変わる」っていう風に一つの道筋を示してくれて、その未来予想に胸がときめいたりする。
だから、知りたいのって「その後の未来」なんですよね。
だけど、どうしても前提知識とかが必要だから、長々と横文字の単語を解説してて、気づいたらほとんどが前提知識だけの説明になってしまっている。
ただ、この「テクノロジーが予測する未来」は、冒頭に前提知識をさらったうえで、未来予測にかなり多くのページ数解説されているんですね。
以下は本書の目次なんですけど、
- web3,メタバース,NFTで正解はこうなる
- 働き方
- 文化
- アイデンティティ
- 教育
- 民主主義
- 全てが激変する未来に、日本はどう備えるべきか
これらの目次からも、前提知識の解説をなるべくパッと解説して、皆が知りたいって思っている未来予測の方にすぐに映ってくれている。
ここはポイントが高いなって素直に思ったところですね。
後冒頭でも伝えた通りで、すでに伊藤穣一さんという人を動画とかで見たことがあったので、知り合いから話を聞いている感じで、スーッと話が入ってきて読みやすい印象が個人的にはありました。
ただ、良い部分だけ解説していても面白みがないとは思うので、若干デメリット部分を最後に伝えておくと。
個人的には、本書で挙げられている未来予測は、そこまで起こらないんじゃないかなっていう感じがしてます。
やはり本を書く以上は、「今すぐに未来が変わる」っていう感じで打ち出さないと売れないので、そのキャッチコピーのニュアンスはわかるんですが、残念ながらそれらを大衆が認知するには膨大な時間がかかります。
仮想通貨のみで生活する若者と称して、銀行を持たないことが当たり前になる可能性なんかも示唆していますが、やっぱり仮想通貨が貨幣に変わるまでの信頼には時間がかかるわけです。
(貨幣=信頼のパロメーターなので)
会社に属さずにDAOを介して、プロジェクト単位で集まり、ディスコードによってコミュニティが図られるような働き方になる。
っていうのも、確かにそうだし今現在進行しているDAOもあるわけですが、それがじゃあ社会のマジョリティになるか?っていうのはだいぶ時間がかかる。
Youtubeだって、今でこそかなり大きなメディアで、テレビ局と双璧を成す影響力がありますが、ここに成長するまで何十年とかかっているわけです。
皆がインタネットを当たり前に活用するようになるまでにも、大きな時間がかかった。
でもっといえば、ブロックチェーンを支えにしているweb3界隈のテクノロジーですが、ブロックチェーンの技術はもう何十年も前に存在している。
winny事件のwinnyなんかはかなりそれに近しい技術を活用して、匿名性を担保させてたわけですよね。
それが今になって、バズワードと絡み付けて、話題になっている。
仮にそれが未来予測がすでに実行可能で、かつ社会生活にとって必須なのであれば、とうの昔に広まっていってもおかしくない。
当然インフラ側の設備だったり、通信速度の向上といったハード、ソフトともに技術向上があっての今ですから、昔と状況が違うのはその通り。
だから、当然便利なものは浸透していくし、新しい価値観や働き方などが生まれるのは間違いないとは思いますが、本書にあるような未来になるか?っていうとそれはわからない。
少なくとも10年以上はかかるんじゃないかなっていう風には思っています。
つまり、本書だけではないですが、こうしたテック系の本はあおり要素がふんだんに盛り込まれていて、未来は誰にもわからないっていうことを前提して読んだ方がいいかなっていう感じがしますね。
ぜひ参考程度にどうぞ。