今回はタイトルにある通り。
「若い頃はいっぱい失敗した方が成功しやすい」なんてよく聞くことがありますし、よく会社なんかでは「若い頃の苦労は買ってでもした方がいい」なんて言われることがあります。
この「若い頃は苦労した方が成功しやすいのか?」ということに関して、あくまで個人的な経験則に過ぎなかった、いわゆる「噂」が嘘か本当かの答えが、科学的に出てたことを知ったので、それをシェアしておこうと思います。
結論から言えば「若い頃の苦労は買ってでもした方が、成功しやすい」ということが、科学的にも証明されています。
根拠
これは2019年のノースウェスタン大学が発表した論文が元になっていて。
(※参考文献)
この論文では1990年から2005年にわたる15年間の間で、国立衛生研究所に、研究費用を申請した研究者を調べ、その後10年間にわたって「どんな論文を作ったのか」を調べていくことによって、「若い頃の苦労は買ってでもした方がいいのか?」ということを算出していきました。
なぜ国立衛生研究所に申請した研究者を調べて行ったのかというと、要するに何かしらの研究をする際に、「費用」というものが生じます。
その研究に価値あると評価された研究は国立衛生研究所から研究資金を募ることがで、一方で「価値がない」という風に判断されれば、「研究資金を受け取れない」ことを意味しています。
このノースウェスタン大学の研究における「若い頃の苦労は買ってでもしろ」ということの対象にしたのが「研究者や学者」であり、いわば「費用を工面できなかった=苦労が多かった」という風に定義していって、「失敗が多い人と失敗が少ない人」のどちらの学者の方が、のちにいい成績を残していったのかを調べて行ったということでした。
そのために「国立衛生研究所」の申請状況を調べて行ったということなんですね。
要するに、「失敗が多かった人」と「失敗が少なかった人」との2つのグループに分けていき、その後の10年間で「どっちの方が成功した人が多いのか?」を研究していったのが、この研究だということですね。
その上で「研究を断られた=苦労が多かった人」の方が、「研究を受け入れられた=苦労が少なかった人」に比べ、およそ6.1倍ものちに好成績を残していることが、この研究より明らかになりました。
対象としていたのは「研究者としての成功」ということなので、過去10年間において「論文の提出回数」や「論文の引用回数」などを調べていくことで、「研究者としての成果と質」を見ていき「成功しているのか否か」というものをチェックしていきました。
答えとして先ほども伝えた通り「苦労している人=研究を断られている人」の方が、成功している確率も、論文の引用回数も多いことから、「量と質」が苦労していない人よりも上回っていることが、この論文で判明したということでした。
要するに、「若い頃に買ってでも苦労はしろ」という風に言われるのは、あながち間違いではなく、「若い頃に失敗した方が成功しやすい」ということが、この研究より明らかになったということですね。
理由
ではなぜ、若い頃に苦労をした方が成功しやすいのか。
まあ単純に考えれば、ほとんどの人がその理由について、考えつくと思いますが、この研究チームはこのようにコメントしているそうです。
「国立衛生研究所の資金援助に断られ、挫折してやめていった人が、淘汰されていったため、6.1%の成果に関して懐疑的な意見を持つ人を否定はできないが、それを加味してもこの数字やデータを裏付ける証拠にはならない」
これは要するに、失敗いて苦労していった人が、その分やめているので、調査に残った人の割合から考えて「失敗した人の中の母数が減るため」、うまくいった人たちがフューチャーされているのでは?っていう意見に対してのアンサーで。
当然やめていった人もいるので、残った人の中で「成功する人」の割合は増えて当然ですが、それ以外において、成績や長期的な成果、安定した成績を説明することはできない。
=つまり、若い頃の失敗や苦労は少なからず、成功への要因として考えられる要素だ、っていう風に研究者はコメントしているんですね。
シンプルに「苦労や失敗」が若い頃に多い方が、その失敗から学ぶことによって「どうやって進んでいったらいいか」がわかりますし、チャレンジ精神という「努力のくせ」もつくことになる。
やっぱり固定概念や価値観が固まってくる年齢に達してから、いきなり「チャレンジする」ということだったり、「失敗する」ことはなかなかできない。
だからこそ、若いうちに失敗して「努力のくせ」や「チャレンジ精神」を養っておくに越したことはない、ということなんですね。
僕も10代の頃は「若いうちにいっぱい失敗しておけよ」っていう風に言われていましたが、「それ本当かよ」って思っていたうちの一人。
ただ、このデータを見てみても、さらには10代を振り返ってみても「失敗してよかった」と思うシーンが多くあります。
習慣化の研究なんかを見ていても、人の行動のおよそ50%は習慣によって決まる、という研究もあるぐらいなので、若い頃の苦労や失敗が、今の習慣につながっていることを考えたら、当然といえば当然のことでしょう。
まとめ
つまりまとめておくと。
「若い頃の苦労は買ってでもしろ」というのは、嘘か本当かでいったら「本当」である。
それはノースウェスタン大学の研究において「失敗が多かった研究者と失敗が少なかった研究者」との10年間の成果を比較した時、「失敗が多かった=研究費用を断られた回数」が多い人ほど、優秀な論文を数多く提出していたことから。
まとめるとこんな感じ。
要するに「若い頃はいっぱい失敗した方がいい」っていうことですね。
ぜひ参考にしてみてください。