今回はタイトルにある通り。
「判断力の低下を防ぐ」ということに関して、面白いことを知ったので、それをシェアしておこうと思います。
結論から先に伝えておくと、判断力の低下を防ぐための方法というのは「感謝」で、「他人に感謝したいことを思い出す」ということをすることで、判断力の低下を防ぐことが出来ることが分かっています。
まあここまで聞けば「なんだ?そんな簡単なことで?」って思うかもしれません。
また、「そんな簡単なことで効果があるわけない」と思っても仕方ないことですが、これは結構効果が高く、しかもきちんとしたエビデンスベースなので、判断力の低下を防ぎたい人は、ぜひ試してみてください。
根拠
ではまず。
他人に感謝をするってだけで、判断力の低下を防ぐことなんてできるのか?
この本題に関して、そのエビデンスを紹介しておくと。
これは2014年にノースイースタン大学行った研究がもとになっていて。
この論文では、学生を集め3つのグループに分けていきました。
その3つのグループというのが、
- 過去にあった普通の日の1日を思い出してもらったグループ
- 過去にあった幸せを感じた出来事を思い出してもらったグループ
- 過去にあった他人に感謝したい出来事を思い出してもらったグループ
この3つのグループに分けて、ある同じ質問をしました。
その質問というのが「今1000円をもらうのと、1年後に1万円をもらうのと、どちらがいいか」という質問でした。
普通に考えれば、今1000円もらうよりも、1年後に1万円もらったほうがいいということは、想像に難しくありません。
今や銀行に預けておいても、金利はつかない超低棋院理時代ですし、不動産投資なんかでは年率数%上がれば御の字といわれています。
普通に考えれば、1000円が10000円になるわけですから、その年率は1000%。
破格の年率なわけです。
アメリカのS&P500なんかでも、そんな年率はありえずに、世界1の投資かといわれているウォーレンバフェットでさえも、20%あれば御の字といわれている投資の世界。
普通に考えれば、1年後に1万円もらったほうがはるかにお得なわけです。
ただ実際に学生たちは、面白い回答をしていて。
- 過去にあった普通の日の1日を思い出してもらったグループ
1番目のグループの学生は、今貰える金額と1年後にもらえる1万円とが「1700円」だった場合、同等に考えるという結果となりました。
これはつまり「今1700円もらえるなら、1年後にもらえる1万円と同じ」と考え、あまり合理的に判断することが出来なかったことを指しています。
次の
- 過去にあった幸せを感じた出来事を思い出してもらったグループ
2つ目のグループは、先ほどの「普通の1日」を考えたグループよりは、若干上がったものの「1800円と1万円とが同等」という風に回答しました。
そしてこの中で一番高く合理的に判断することが3つ目のグループで、
- 過去にあった他人に感謝したい出来事を思い出してもらったグループ
他人に感謝したい出来事を想定してもらったグループが、「今貰える3000円と1万円とが同等の価値」という風に回答しました。
当然学生には投資の知識はなく、年率の高さからの優越はつけられなかったわけですが、それでも「他人に感謝したい出来事」を想像した学生が、一番判断力が高くなったことが、このノースイースタン大学の研究より明らかになった、ということでした。
なぜ他人に感謝をすると判断力が上がるのか
では続いて。
なぜこういった「他人に感謝をする」ということをした結果、判断力が上がったのか。
その理由に関して解説していくと。
研究チームは「客観性」がポイントだと語っています。
どういうことかというと。
他人に感謝をする、または感謝をする出来事を思い浮かべることによって、自分だけの「主観的」な視点から「客観的な視点」を持つことにつながります。
この主観的と客観的というところがポイントで。
よくDVなどをしている最低の男にハマってしまう女性がいたりしますが、往々にして「好きが故に殴っている」と主観的に信じ、あまり友達なんかに相談しないそうです。
ただ客観的な視点を持っている友達は「好きな人を殴るなんてありえない」と、普通に考えられる。
要するに人間というのは「どういった視点で物事を見るか」によって、判断が異なり、バイアスに支配されると物事が正しく判断することが出来なくなるんですね。
この視点を「他人に感謝をする」ことによって、客観的な視点を持つことが出来るので、冷静に判断することにつながり、判断力が上がった、ということが言えるわけです。
その他の他人に感謝をすると得られるメリット
また「他人に感謝をする」というごくごく当たり前の行為に思える出来事は、意外にも自分自身に対してかなりいい影響があることが分かっています。
例えば上記記事のサイモンフレーザー大学の研究を見てみると、他人に尽くすことで「自分自身の幸福度」が高まることが分かっています。
自分のためにお金を使うよりも、少額でもいいので他人のためにお金を使ったほうが幸福度が高まった、というのが上記の研究で、他人に尽くすこと=自分の幸せにもつながることが分かっています。
あとはウォータールー大学の研究を見てみると、やっぱり「バイアス」に支配されづらく、偏見をなくす効果があることが分かっています。
あと面白いのは、他人に親切にしている人のほうが年収が高いということもわかっています。
他人に親切にしている人ほど年収が高い、というのは様々な要因が考えられ、1つに原因を絞ることは難しくありますが、その1つの要因として「ヘルパーずハイ」というものが挙げられます。
ヘルパーズハイというのは上記記事でも解説していますが、簡単に言えば「他人に親切にするとモチベーションが上がる」というもの。
そういったモチベーションと年収との相関性も考えられますが、そうなんです。
他人に親切にすると、自分自身のモチベーションも上がるんですね。
つまり、他人に親切にする、他人に感謝する、というのは「判断力を上げる」ということだけではなく、「幸福度」「モチベーション」「年収」などにも大きく影響している、ということなんですね。
まとめ
少し長くなってしまったので、最後にまとめておくと。
判断力の低下を防ぎ、逆に判断力を上げるためには「他人に感謝する」こと。
そういう日を想像するだけでも効果があることを、ノースイースタン大学が行った研究により証明された。
それは他人に感謝するをすることで、主観的ではなく、客観的な視点をもつことにより視野が広がるため、バイアスに支配されづらくなるので、判断力の低下を防ぐことにつながる。
また、他人に感謝することは
- 幸福度
- モチベーション
- 年収
などにも影響するため、感謝をするというありきたりなことは、多くの人が思う以上に効果がある。
まとめるとこんな感じですね。
ぜひ参考にどうぞ。