今回はタイトルにある通り。
「外国に出れば人生観が変わる」ということに関して、面白いことを知ったので、それをシェアしておこうと思います。
先に結論から伝えておくと、外国に出れば人生観が変わるかどうかはさておき、「人生が変わる可能性がある」というのが科学的なアンサーになっていて。
それは「創造性がアップする」ことによって、人生が変わる可能性があるということが知られているからです。
海外に2~3週間行けば創造性が上がる
ではさっそく。
外国に行くと人生が変わる可能性がある、というその根拠から解説していくと。
これはオランダで行われた研究がもとになっていて。
この論文では46人の男女を集めて、2~3週間ほど海外に行ってもらい、その文化や風習などに触れていってもらいました。
その後帰国した被験者に対して、創造性のテストを行ってもらいました。
ここで行われた創造性のテストというのは「ギルフォード代替用途課題」と呼ばれるもので、日常にあふれているものを「なるべく多く別の使い方を考える」というもので、一般的に良く創造性のテストとして使われる問題になります。
日常にあふれているものでいえば「コップ」や「箸」、「スプーン」や「タイヤ」といったものなどが考えられますが、いづれも「決まった使い方」が存在します。
この「決まった使い方以外」での用途を考えることこそが、「固定概念」を覆さなければならず、アイデアや創造性を図るうえで重要なファクターとなっているわけです。
そしてこのギルフォード代替用途課題を行ってもらい、被験者に対しての創造性を測定していったわけですが、結果としては明らかで。
2~3週間ほどの海外渡航していたメンバーはそうじゃないメンバーに比べて、創造性がアップしていることが判明しました。
つまり、海外に行くと少なくとも「創造性が上がる」ということはこのオランダの研究が示しているということ。
物事を見る視点が変われば人生観が変わる
その上で「創造性」というのは言い換えれば、「物事を見る視点」のことを意味します。
そして物事を見る視点が変われば、世の中の見え方が変わり、ひいては「人生観が変わる」ということは容易に想像がつきます。
例えばの話。
映画を見る前と見た後じゃ、目に付くものが変わった、という経験があるかと思います。
ハリーポッターを見た後なら、単なる枝木であっても「これは魔法の杖になるんじゃないか?」なんて思ったりしますし。
ジョーズを見た後であれば、お風呂に入ったとき「もしかしたら浴槽にサメがいるんじゃないか?」と思う人もいるでしょう。
このように「物事を見る視点」が変われば、当然世の中のことも変わったように見えることが多々あるのが僕ら人間。
つまり、「海外に出ることによって物事を見る視点が変われば、人生観が変わる」ということが、イコールとして結びつくわけで、人生が変わる可能性も多分に秘めている、ということが言えるわけです。
なぜ海外に行くと創造性が上がるのか
話を戻して。
オランダで行われた研究を紹介しましたが、根本の話である「なぜ海外に行くことによって創造性が高まったのか」
この部分を解説していくと。
先ほども触れましたが、「物事を見る視点」が変わったことが、創造性を高めたことの原因だと考えられています。
当然の話ですが、僕ら日本の文化と近いアジアの国としての北朝鮮の文化は大きく違います。
僕ら日本人にとっての「当たり前」と北朝鮮の人たちの「当たり前」というのは、まったく異なるわけです。
どちらが良い悪いはここでは抜きにしておいても「まったく異なる文化」を持った国であることに違いはありません。
そして「まったく違う考え方や風習」に触れることによって、ある種の「固定概念」を崩してくれることになります。
こうした経験を海外に行くことによって得られるため、ギルフォード代替用途課題のような「一つの決まった使い方があるものをどう別の使い方として使うか」という課題に真摯に取り組んでいけるようになったわけです。
そしてこの取り組みこそが「創造性を高める結果となった」ということが、研究者のコメントとしても上げられています。
この「物事を複数の視点で見る」ということを、専門的には「バイカルチュラルパースペクティヴ=複数文化による視点」という風に言いますが、バイカルチュラルパースペクティヴのおかげで創造性が高まったということが言えるわけです。
まとめ
少し長くなったので、最後にまとめておくと。
海外に行くことによって、人生観が変わるか否かの科学の答えは「変わる可能性が高い」。
ひいては「人生が変わる」可能性も秘めている。
それは海外に行くことによって、創造性が高まるということが分かっていて、物事を見る視点が広がることによっておこる「バイカルチュラルパースペクティヴ」が影響していると考えられる。
だからこそ、人生観や人生そのものを変えたい場合は、海外旅行に行くことは科学的にもおすすめできる。
まとめるとこんな感じですね。
ただ一個注意が必要なのは、バイカルチュラルパースペクティヴというのは、「同じ文化を持つ人が身近にいる」状況ではあまり機能しません。
よく「留学」という形で海外にはいくが、日本人コミュニティにずっといる人がいます。
この同じコミュニティで過ごしてしまうと異文化に触れる回数が減るので、あまり効果的ではなくなってしまいます。
(そういう人は得てして外国語取得も遅い)
これは旅行に関してもまったく同じですね。
旅行でもガイドをつけたり、同じ国の人にアテンドしてもらうと、その国の文化を体感するには至らないので「複数文化の視点」を持つことが難しくなります。
なので、効果的なのは「留学」や「旅行」のどちらであっても、なるべく同じ国の人同士でかかわらず、現地の風習や文化、生活に触れることが大切になってきます。
こうした生活をなるべく「2~3週間」ほど続けることで、人生観が変わると言えるわけですね。
1週間未満の旅行で「インドに行ってみな!人生観が変わるよ」といわれるのは、まったくもって効果が薄いと言えるので、なるべくそうはならず「現地の生活を2~3週間過ごす」ようにしましょう。
それでは。