この前メルマガ読者方から、「コミュニティ運営に関して」の質問をもらったんですよね。
「コミュニティを運営する上で重要なことは何ですか?」みたいな。
この部分に関して、僕としては共通言語を作ることの重要性をかなり大切にしていて。
共通言語とフレーミング効果って何がつながるの?って思うと思うんですが、実はかなり大切な概念です。
その上で、このフレーミング効果のやり方を使うとマジでコピーライティングの質がぐっと上がります。
なので、本当に使えるフレーミング効果の応用方法を紹介しておこうと思います。
横軸で活用するフレーミング効果の実例
まず一応。
フレーミング効果を知らない人のためにざっくりと解説すると。
フレーミング効果っていうのは、「タウリン1000mg配合の○○です」みたいなあれ。
1000mgってめちゃくちゃ入っているように感じるけど、言い換えると1gです。
1gって1円玉の重さとほぼ同じなので、それが実際に多いか少ないかっていうと、1000mgとは印象が異なって見えるし聞こえる。
この心理学的な効果をフレーミング効果っていうんですね。
例えば、10000円のものだとすごく高く感じるけど、1万円という文字に変えるとインパクトが弱くなる。
要するに、10000円と表記するよりも、安く感じるというもの。
これが一般的に言われるフレーミング効果です。
なじみのない単位を使う
その上で、フレーミング効果を最大にするときに大切になってくるのは、「ぼかし」です。
ぼかしっていうのは何かっていうと、一つに言えるのはなじみのない単位を使うっていうこと。
先ほど1000mgっていうのがいい例ですが、mg=ミリグラムっていう単位は日常生活でほとんど使いませんよね。
15000mgってめちゃくちゃ多いように感じますよね。
実は↑これおおさじ1杯です。
mgっていう単位は日常生活でほとんど使わない。
だからこそ、1000mgっていうものがものすごく多いように感じるし、なんだかすごいように感じる。
この部分を抜かして、とりあえず単位を上げたり、下げたりすればいいんだってい風に思っている人が多いんですよね。
フレーミング効果を最大化させるには、このぼかしの部分が重要で、一つの要素として考えられるのが「なじみのない単位」を使うっていうことなんですよね。
特徴量を最大化させる
そしてもう一つのぼかしのテクニックが特徴量を最大化させるっていうことです。
特徴量を最大化させている代表的な例っていうのは、レモン○○個分のビタミンC配合みたいなやつです。
実はレモンはそこまでビタミンCが多い果実ではないことが指摘されています。
要するにレモン3個分のビタミンCといっても、さほどビタミンCの含有量は高くないわけです。
ただレモン=すっぱい=ビタミンCは豊富だろうというイメージ=特徴量を最大化させているから、そこに凄みを感じるわけで、フレーミング効果を最大にさせることができているわけです。
これは「レタス○○個分の食物繊維」っていうのも全く同じです。
ポップコーンなんかに多いイメージですが、レタス5個分の食物繊維みたいに表現されていますが、実はレタスはさほど食物繊維が多い野菜ではないことは有名な話。
でもレタスの特徴量=イメージっていうのは、キャベツに並んでいるその大きさ。
このイメージから食物繊維が多いことを連想させてしまいます。
要するに、この「実態がぼかされている」ということを利用し、特徴(レモン=すっぱい、レタス=大きい)を最大化させて表現することによって、フレーミング効果を最大にすることができるわけです。
9割の人が知らないフレーミング効果の真の使い方
ってな感じで、ここまでのフレーミング効果の活用方法が、一般的に言われることで、上記の使い方だけでもそれなりに効果が出ると思います。
ただ、数字を上げたり下げたり、表現の仕方を変えたり、ぼかしをうまく活用したりするのは、あくまでフレーミング効果の一つの方法に過ぎません。
本当に効果的な使い方は別に存在するんですね。
それを僕は縦軸のフレーミング効果と呼んでいます。
1gを1000mgと表現したり、10000円を1万円と表記したりするのを横軸のフレーミング効果としているのに対して、縦軸のフレーミング効果っていうのは”概念”の言い換えのことを表しています。
縦軸のフレーミング効果
”概念の言い換え”っていうのは、どういうことかっていうと。
代表的な例っていうの”iPhone”です。
iPhoneっていうのは、知っている人は知っていますが、携帯電話ではなくコンピューターです。
でもあのスティーブジョブズは、iPhoneという名前にめちゃくちゃこだわり、あの有名なプレゼンテーションの場で「電話を最発明する」という風に言いました。
これだけ”電話”という表現にこだわったんですね。
なぜ電話という名前や表現にこだわったのか?っていうと、今でもそうですが当時は「コンピューター」に対するアレルギーが多くありました。
要するに「コンピュータは難しい。私には扱えない。」という風に思っている人が大半だったんですね。
今でも多いと思います。
スマホは使えるけどパソコンは苦手、みたいに言う人。
でも厳密に言えば、スマホとパソコンってOSが違うだけで性能的にほとんど変わらない、むしろPCによりけりですがスマホの方が性能として高いケースはザラにあります。
ただ人の深層心理の中にパソコン=難しい、すまほ=簡単というのがあるため、ジョブズはiPhoneという名前にこだわり、手のひらサイズのコンピュータをほぼすべての人類の手に届けることができたわけです。
例えばあの時「手のひらサイズにコンピューターを小さくしました」という風にプレゼンしていたら、ここまでiPhoneがヒットすることはなかったでしょう。
これが縦軸のフレーミング効果、”概念”の言い換えです。
成約率を爆上げする縦軸のフレーミング効果
ここから少しマニアックなコピーライティングの話になりますが、ライティングの中に問題提起からの解決策の提示という流れが一つあります。
パソナの法則やクエストフォーミュラといった有名なライティングの型の中で、絶対的に共通してくるのが、この問題提起と解決法なわけです。
問題提起っていうのは、いうなれば共感がすべてなので、突発的な表現はいらないわけですが、解決策っていうのは突発的でインパクトがない表現だと全く効果を成しません。
例えば、ダイエットに関する商品を扱っていて、問題提起はカロリーの取りすぎだとしましょうか。
その解決法として、「カロリー制限をすること」として、据え置きできるサプリメントを紹介する的な流れがあるとする。
ただ「カロリー制限をしましょう」「食事の量を減らしましょう」っていう解決策を提示したとしても、それはダイエットできないと苦しんでいる人からすれば、既知の出来事です。
そしてここからがすごく大事なんだけど、人間というのは既知=知っていることが、単語や文章から見えてしまうと「あ。これはすでに知っている情報だから私にとって価値がない情報だ」という風に耳を塞いでしまいます。
要するに、その後提供するサプリメントがいかに優秀だろうが、いかに新しい物であろうが「カロリー制限」という解決策にインパクトがなければ、その先にはいかないんですね。
先ほどのジョブズの例で言えば、コンピューターという言葉にアレルギーがある人に対して、「手のひらサイズのパソコンです」といくらいっても、言葉は届かないってこと。
だから、カロリー制限という言葉を縦軸のフレーミング効果で、”概念”ごと言い換える。
それはカロリー制限として”カロリミット”っていう言葉かもしれない。
「ダイエットに重要なのは、カロリミットです」
そう言われた人は「カロリミット?」と頭の中ではてなマークが浮かぶため、次の言葉にも耳を傾けてくれるようになる。
この解決法を提示するとき、縦軸のフレーミング効果を活用することによって、「この情報は新しい道のことが知れる」という期待感を上げることができるわけです。
実は上記で伝えた”横軸のフレーミング効果”っていうのも、僕の造語です。
そんな言葉はないけど、新しく概念ごと言い換えることによって、わかりやすくイメージしやすいように言い換えている。
まあ、ブログなんでパッと思いついたやつに命名していますが、これがセールスライティングだとか、がっつりとしたLPなんかだったらもっと作りこみますが、イメージできたと思います。
後、レモンとかレタスの例の時に話した”ぼかし”なんかも、全く同じです。
(まあ、本来であればぼかしっていう表現はほぼ0点で、もっとかっこいい横文字を付けた方がそれっぽくなるし、いいんですけどめんどいんで、してないですw)
例えばですけど、レタスとかレモンの下りの時に、「フレーミング効果を最大限活用するには、ブラウの法則に乗っ取ることが大切です」って言ったら「ブラウの法則ってなんだ?」ってなりますよね。
ブラウ=blur=ぼかし。
こうすることで、一気に言葉のインパクトが強くなり、その後の言葉の訴求力が高くなる。
これが縦軸の変更による効果です。
コミュニティの結束力を高める
そしてこの縦軸のフレーミング効果は、コミュニティの結束力をも高めます。
冒頭できたメルマガ読者へのアンサーの部分ですね。
(長くなって最後でごめんね。)
概念の変更やそれにともなう”共通言語”っていうのは、そのコミュニティにおいて特別な意味や関係値を表します。
例えば、日本人同士が韓国人や中国人よりも仲良くなれるのは、”日本語”という共通言語を持っているからです。
端的に言えば、この共通言語の多さが、そのコミュニティの親密度に比例していくわけです。
その上で、オンラインコミュニティにおいても、そのコミュニティ上で使う共通言語が多ければ多いほど、コミュニティへの帰属度を高めてくれるので、帰属欲求を刺激してくれるようになる。
そのために、優秀な人や優秀なコミュニティ主催者の多くには、造語を作るのがうまい人が多くいるわけです。
要するに造語がうまく作れ、その共通言語を使えば、「自分は○○のコミュニティに属している」という表現をすることができるので、より結束力を高めることにつながるということ。
概念を言い換え、造語を作る。
これこそが実はフレーミング効果としてかなり大きな力を持つっていうことが言えるわけです。
まとめ
ちょっと長くなったので最後にまとめると。
フレーミング効果は、縦軸と横軸の変化が可能である。
横軸の変化とは、1000mgを1gと言いかえたり、10000円を1万円というように言い換えることで、「多い、少ない」「高い、安い」という人間の印象をコントロールする方法。
この横軸を変更するときに効果を最大化させるためのポイントは”ぼかし”で、なじみのない単位を使うことで、容量が大きく見えるように使える。
また、レモンやレタスのように”中身がぼかされている”ものを利用し、特徴量やイメージを最大化させることでも活用が最大化される。
これらが横軸の使い方。
そして縦軸の使い方は”概念”自体を変更し、言い換えるフレーミング効果。
コンピューターを携帯電話という風に表現したり、ありきたりな表現を言い換え、新しいトピックだと認識させたり。
概念ごと買えてしまうのが縦軸のフレーミング効果であり、それらはコミュニティ運営にもコピーライティングにも大きな影響をもたらす。
まとめるとこんな感じですね。
ぜひ参考にどうぞ。