今回はタイトルにある通り。
速読は科学的には出来ないと否定され、嘘である可能性が非常に高いってことを知ったので、それをシェアしておこうと思います。
「嘘である可能性が高い」っていうのは、なんでも決めつけるのは良くないし、あるのであればそれを教えて欲しいって意味も込めて。
まあでも昨今の科学的な見解では、よく言われる巷の方法の速読法は「出来ない」ってことが強く言われているのが現実です。
根拠
この速読はできない、という嘘に関する根拠はカリフォルニア大学の論文が元になっています。
この論文では、カリフォル大学のレイナート教授、エリザベス教授などらが、過去に上がっている速読に関する論文をかき集め、レビューしていくということを行いました。
まあ過去に遡って、研究の内容や結果などを見ていったレビュー論文になるわけですが、そこでもやはり速読に関する効果は確認できませんでした。
速読の技法でよく上がっていのは「目」に対するもので、「本を2行づつ読む」だとか「3行づつ読む」だとか。
はたまた「本を見開き、面で捉える」だとか、「視覚的動作を早くする」だとか、こういった「視覚」に関する速読法が多かったわけですが、残念ながらこのレビュー論文にてわかったことは、読書に関して「内容を理解する」という点において、視覚は10%以下の効果しか内容を理解することには繋がらないということがわかりました。
つまり、過去研究した論文の中で挙げられている「視覚動作」を鍛えたところで、目が情報処理をする割合は10%以下しかないので、90%以上理解できないことがわかります。
(この過去の研究は速読を肯定するのではなく、速読の効果があるのか?を研究した内容のため、決して速読の効果を肯定しているわけじゃないです)
また別の例では、ハリーポッターの新刊発売に伴い、速読のチャンピオンを決めるという謎の大会があるそうなのですが、その瘡毒のチャンピオンはあの分厚いハリーポッターの本をわずか47分程度で読み終えたそうです。
1時間足らずで、あの分厚い本を読みきったわけですが、謎が多いのはここからで。
この速読のチャンピオンを決める大会を主催しているのは「速読を教える人」が主催しているそうです。
まあ、これは闇が深い。
そしてこのチャンピオンは、読み終えた後感想文を書くわけですが、その感想というのが小学生でも書けそうな内容だったそうで。
シンプルに要約すると「ページをめくる手が止まらなかった。とても楽しかった。子供でも読めると思う。しかし子供には耐えられない悲しい出来事もあった」
こんな感じの感想文だったそうです。
映画にしても2時間の収まりきらず、泣く泣くカットするシーンが往往にしてあるあの分厚い小説をこの4つのポイントしかあげられない感想文。
果たして内容を理解しているかと言われると、甚だ疑問です。
本当の速読
そんな感じで、かなり科学的に速読は怪しい観点が強く、基本的にはどの論文でも認められていないため、「嘘である」という見解を取らざるを得ないという状況。
ただもちろん、よくある「1冊10分で読める」というありえない速読法はないにしても、「これが認められる速読の限度」と科学が教えているポイントがあるにはあります。
ページをパラパラめくり、その一瞬で内容を覚え理解する、なんてことは全くもって嘘にしかなり得ませんが、「慣れ」により読むのが早くなった、というのは往往にして認められていることです。
ここが限度。
難しい本やまだ見たことないジャンルの本であれば、内容を理解することから始まります。
ここをすっ飛ばして速読することは、先ほど伝えた通りできるはずもありませんが、
(これさえもできると言ってしまうのが速読の嘘で、そのほとんどがすっ飛ばしであることが言われています。)
基礎知識を身につけ、内容をスムーズに理解できるようになって行ったため、「以前より早く内容を理解できるようになった」ということは考えられます。
これがいわゆる「慣れ」で、今のところ科学的にはこの慣れ以外の速読はほぼ認めていないという見解です。
また、基礎的な知識を身につけ、「以前知った内容」であれば、飛ばすことも選べます。
一度読んだ内容や既に知っている知識であれば、新しく習得する必要はないため、飛ばすことができるわけですが、この取捨選択による速読はあり得ます。
つまり、限界でできる速読というのは2つのポイントで。
- 基礎知識が増えたことにより、早く理解できるようになった
- 知識が増えたことにより、いらない部分を取捨選択できるようになった
この2つだという風に言われています。
これ以上に早く読めると歌われる速読は、基本的に嘘、かあるいは科学的に証明されていない方法なので、気をつけたほうがいいですね。
科学的に正しい読書法
じゃあ、本当の意味の速読とはどういうものなのか。
その本質を伝えておくと。
上記記事でも伝えていますが、実は読書って「すべての内容を知る必要」はなくって、わずか16%の内容を理解するために読むものが、読書だということが分かっています。
これは簡単に説明すると、自分が理解できない内容が50%を超えると、その本を読む気力がなくなってしまうことが分かっています。
その一方で、簡単すぎる内容やすでに知っている情報が大半を占めると、読書をするモチベーションが減っていってしまいます。
上記記事で紹介している研究からも分かる通り、実は「知らない内容が16%ほど」入っている本が、一番モチベーションが高く読めることが分かっているんですね。
つまり、読書というのは「ほとんど知っている内容から、知らないところを見つける作業」が読書といえるわけです。
多くの人は、本に書いてある内容をすべて覚えようとしてしまい、そのために挫折してしまったり、はたまた「積読」というような買っただけであとは読まないというような状況になってしまう。
そうしないためにも、まずは「読書とは、自分が知らない16%を探す作業だ」ということを知っておく必要がまずはあります。
そのうえで、本当の速読というのは「16%の部分を見つける速さ」というのが、本当の速読の意味になります。
上記で紹介した論文のように、いくら動体視力を上げようが、フォトリーディングを鍛えようが、まったく効果ないことは証明した通りです。
ただ、1から100までを読むのではなく、自分にとってはたった数ページが必要で知りたい部分だったとしたら、「自分自身に必要なところだけを読む」ことによって、速読は完了します。
まさにこの「自分にとって必要な部分だけを見つけ読破する」
これこそが本当の速読ということを意味しますし、これまでの2行ずつ読むだとか、1ページを写真のように見る、という謎の方法が意味をなさないことが見えてくるわけです。
まずはこの速読の定義と、読書の意義に関して、間違った知識をつけないことをお勧めします。
その上で、合わせて覚えておきたいことは、学んだ内容をきちんと忘れないようにする。
その学習方法についてです。
正直、読書法に関してはかなり記事を書いていて、科学的に効果が立証されている方法なんかもいろいろありますが、上記記事ではかなり厳選して、「一度読んだ本の内容を忘れづらくさせる」ためのテクニックを盛り込んでいます。
速読に関しては、いろんなセミナーや講演なんかがあるみたいで、結構なお金がかかったりするところもあるそうですが、正直上記記事を見ておくだけの方が、何倍も得で効果のあるものだと思います。
なので、変なセミナーや講演なんかに騙されず、やれるところからやってみるといいかなと思いますね。
あくまで「科学的に速読のほとんどのテクニックは、効果が確認されていない」ということは覚えておいた方がいいと思います。