下積みは必要ない説は科学的に正しいのかもって話。

今回はタイトルにある通り。

「下積み」に関して、面白いことを知ったので、それをシェアしておこうと思います。

少し前にホリエモンが「寿司屋になるための下積みは必要ない」なんて言ったことが話題になりましたが、実はこの下積みに関しては科学的に「必要ないかも」ということが、明らかになっていて。

案外ホリエモンが言っていたことが正しいことが言われています。

根拠

この根拠となるのは、ハーバード大学のムクンダ博士が調べた研究が元になっていて。

この論文では、リーダーや大統領など、成功している人の経歴などを参考にして、「下積みと成功」の関連性を調べていきました。

まず大統領においては、最も人気があった歴代大統領と、不人気の歴代大統領を統計的に調べ、その相互性を調べていきます。

(アメリカの研究なので、アメリカ大統領の調査)

その上で、最も人気があった大統領の経歴を調べていくと、実は人気があった大統領は政治の経験が少ない大統領が大きことが判明しました。

一方で不人気となってしまった大統領は、比較的政治の経験が豊富であることが判明し、下積みがあれば「人気の大統領」になれるか否かは、関係性が薄いということがわかりました。

またこの経験と実績の関係性に関して、他のリーダー職に関しても同様の関係性があることがわかっており。

企業の社長やCEOといった職業においても、優秀な成績を残せている起業家が「その分野の下積み」があるかどうか、といった経験とは関連性が薄いことが判明しました。

つまり、「下積みがあればあるほど、成功しやすい」ということは全くもって別物である可能性が高く、大統領においても経験と人気とは一致しない、ということが言えるわけです。

例えば、CEOに関しても、テスラ・モーターズのイーロンマスクは自動車の会社を始める前はペイパルとなる会社を創業していたIT企業の経営者ですし。

スペースXを立て上げた時も、もともと宇宙の経験があったわけではありません。

このように、その分野において経験があることと、「成功する」ということは、あまり関係ないケースが多く。

「下積みがなければ成功しない」というある種芸人チックな考えは、この論文を見ると結構疑問が残る話なわけです。

理由

ではなぜ。

下積みと成功との関連性が低いと言えるのか。

普通に考えれば、政治経験がある人の方が、大統領として優秀になる得るだろうし。

その分野の経験があったほうが、経営者としても優秀だと感じます。

これに関して、上記の研究を行なったムクンダ教授は「業種を変えたり、下積みがなく他業種に移る人は、クリエイティビティが高く柔軟性が高いため、成長スピードが早い」

そんな風に言っています。

これはもちろん「今まで培った経験が全くの無駄」ということが理由なのではなく、今まで培ったスキルを転用することができることを意味しています。

「必ず食える1%の人になる方法」

といった本にも出てきますが、例えば営業のスキルを持った人が、事務作業の仕事に移ったとする。

そうした時、営業経験がある事務となれば「どうすれば営業しやすいか?」といった視点を持っているため、営業職の人のため「一目で契約数が見える」ためのワークシートを作れるかもしれない。

はたまた、そのクロージング率から計算し、その営業の弱点を補う事務作業ができるかもしれない。

この仕事と仕事の掛け合わせが、「1%の人になる方法」という書籍では紹介されていますが、これと同じように「他分野の知識」が応用できるため、クリエイティビティが高いとされているわけです。

また同様に、他業種から移動してきた場合、既存の考え方にとらわれずに考えられ、さらに「現状維持」に恐れをなさないことから、柔軟性も培われている。

こういった「チャレンジ精神」と「稀少性の高いスキル」によって、より速い速度で成長できるため、大統領やCEOといったリーダーには「下積み経験が浅くても優秀な人」が多い傾向にあったわけでした。

応用方法

この論文を応用していくと、結構いろんなことが見えてきます。

例えば、今までの社会であれば「年功序列」や「終身雇用」的な考えがはびこっていて。

今でこそ少なくなりましたが、転職=悪、といった概念が少なからずあったりしました。

でも実は全くの逆で。

どんどん転職して新しい経験を積んだ方がいいし、同じ業種に居座る必要もない。

そういったことが、この論文からも見えてくるわけです。

また冒頭に伝えた「寿司屋の下積みなんか必要ない」といったホリエモンの発言も、ある種的を得ていて。

とかく寿司屋といった「職人肌」の人たちは、往々にして「美味い寿司を握れば客が来る」という風に思い込んでいる人が多い。

でも、格安のチェーン店もひしめく中、美味い寿司だけを提供すれば客が来る時代はとうの昔にさった。

そうなった今は、「ある程度の寿司が握れるスキル」があるのであれば、それ以外の「マーケティング」や「斬新なアイデア」があったほうが、はるかに寿司屋として成功を収められる。

むしろ情報が色々と開示した今、味だけで差別化を測れるほど甘くはなくなっているわけです。

むしろ回転寿司でもかなりのクオリティがあるぐらいですから、「最低限のスキル」を持ったのなら、それ以外で差別化を図って否書くてはいけない。

厳密に一緒ではないと思いますが、そんな意図があって「寿司屋の下積みなんか必要ない」と発言したと推測しますが。

これはまさしく、科学的にも「下積み」と「成果」は比例しないことが判明したのでした。

まとめ

最後にまとめておくと。

大統領やCEOなどのリーダーの経歴と成果の相関関係を調べたところ、経験があればその分野で成功する、という相関性は見られなかった。

むしろ、その分野においての経験が少ない人の方が、人気の大統領、優秀なリーダーであることの相関性が見られた。

つまり、下積みがあれば成功する、ということではないということ。

だからこそ、能力を活かせるのであれば、転職をしたっていいし。

下積みをすっ飛ばしていけるのなら、無駄に下積みをする必要はない。

まとめるとこんな感じですね。

ぜひ参考にどうぞ。