現在バイアスをフル活用した闇マーケティング三選!

今回はタイトルにある通りなんですが、以前メルマガ読者の方から「ライティングやマーケティングに関して教えてください」ってな質問をもらっていたので、今回は現在バイアスに関して伝えていきながら、その質問に対して答えていこうと思います。

現在バイアスとは

前置きは抜きにして、現在バイアスを知らない人もいると思うので、現在バイアスって何?っていう所から解説していくと。

現在バイアスとは、未来よりも現在の方が重要であるという風に錯覚してしまう人間心理のことを現在バイアスという風に言います。

もちろん未来よりも現在の方が重要であることが多いわけですが、現在の価値よりも未来の価値の方が多いシーンというものも存在する。

ただそれが現在バイアスにかかっていると、未来というものが見えず、絶えず「現在」の価値基準によって物事を決定してしまう。

それが現在バイアスなんですね。

例えば、今この瞬間に1万円上げるといわれた場合と、来月に1万1千円上げるという風に言われた場合、ほとんどの人は「今この瞬間に1万円をもらう」方を選択します。

ただ投資で考えてみると、1万円が来月には1万1千円となるわけですから、月率10%の増幅となるわけです。

投資の世界では年率10%でも相当いい成績と言われているわけですから、合理的に考えれば、1か月間で10%アップして、1万1千円をもらった方お得といえるわけです。

ただし人間というのは、わずか1か月後に1千円増えると聞いてそれがお得だったとしても、現在バイアスにかかるために、今目の前の1万円に大きな価値を感じてしまうわけです。

自制心の強い子供ほど成功しやすい

それに合わせて紹介しておくと。

マシュマロ実験というものが存在していて。

このマシュマロ実験というのは、この現在バイアスに関する研究を行った実験でした。

簡単に言えば、幼稚園児ぐらいの子供に「マシュマロを我慢することができれば、マシュマロを多く上げる」という風に我慢するように促します。

要するに、現在バイアスを自制心によってコントロールできる子供とそうじゃない子供を、マシュマロ実験によって見極めていったということ。

その後に、この子供たちが成長していき、社会に出てどれぐらい成功するのか?ということを追跡調査していきました。

その結果分かったのは、現在バイアスに負けず、自制心が強い子供ほど、社会的に成功している割合が高かったということが判明したんですね。

つまり、先ほどの1万円の例で言えば、1万円を今貰うのではなく、1か月後に1万1千円もらった方が得と考えられ、それを我慢する自制心を持つ人ほど成功しやすい、ということ。

現在バイアスに関しては、このマシュマロ実験と合わせて理解しておくと、自分自身においても応用が利くので、おすすめです。

キャッシュバックの闇

じゃあ、続いて。

先ほどのマシュマロ実験っていうのは、自分自身に起こったことに対する出来事でした。

ただ自分自身が商売をしたりビジネスをしたりっていうように、”仕掛ける側”となると、この現在バイアスを理解し、利用していかなければいけません。

自分では現在バイアスを理解し対応する。

ビジネスでは現在バイアスを理解し利用する。

これが重要になるわけで、多くの企業がこの現在バイアスを利用しています。

どのように利用しているのか?というその実例をもって紹介してきますが、まず一つ目はキャッシュバックです。

一時期はスマホ、光回線などなど。

契約してくれれば、キャッシュバックという形でお金をプレゼントし「実質0円」というように宣伝することが多くありました。

実はキャッシュバックというのは、全員が申し込みをするとほぼ100%赤字であることが分かっています。

つまりどういうことかっていうと、キャッシュバックを申請しない人が一定の割合いる、ということ。

そのことを分かったうえで、計算に入れながらキャッシュバックという戦略をとっているわけです。

さらに、キャッシュバックというのは、ほとんどのケースで半年後や1年後という長期に還元することがほとんどです。

しかし、最初にはほとんど知らなかった、あるいはキャッシュバックの適応条件にクリアするまでに、大よそ半年ぐらいかかると後に知った。

そんなケースが大半です。

これも現在バイアスを利用したテクニックで。

目の前の負担がキャッシュバックにより「実質0円になる」と表現されることで、目の前の負担が軽く映ります。

ただ現実には「実質0円」なので、先出しでお客さんがお金を払うわけです。

その後に、キャッシュバックをもらい、相殺することで0円になるわけですが、現実バイアスとは遠くのことに価値が見えなくなることを意味しますから、キャッシュバックで遠い期間にもらえるお金に価値は感じれなくなるんですね。

その結果、キャッシュバックを申請しなくなる。

要するに、キャッシュバックという文言によって、現在の負担を減らし、遠い未来にキャッシュバックをすることによって、お客さんにとっての価値を低下させる、重要度を低下させる。

これがキャッシュバックがそもそも成り立つ仕組みです。

このようにかなりリアルな部分に現在バイアスっていうのは潜んでいるわけですから、お客さんとして利用する際には注意して利用しなければいけないわけです。

分割払いの闇

次に現在バイアスを利用しているもので、紹介するのは「分割払い」です。

分割払いっていうのは、分割払いする分のお金を負担することで、金利をもらうという商売。

しかもこの金利っていうのは、かなり高めに設定されていて、住宅ローンとかに比べると破格の金利だったりするわけです。

だから、そういったサービスを展開する業者というのは、分割払いにしてもらった方が利益につながる。

その上で、分割払いっていうのは何度も言っている通り「目先の負担を、後にする」という現在バイアスをもろに応用しているビジネスモデルです。

現在バイアスとは、目先の価値が大きく見え、未来の価値が小さく見えるということですから、これは「目先で払う金額が多くなる」ということを意味しています。

例えば、今すぐ10万円払えって言われるのと、来年10万円払えって言われるのとではメンタル的な余裕が違う。

また例えば、今すぐ10万円払うか、12か月後に11万円払うかどっちかにしろと言われた場合、結構な割合で「12か月後に11万円払う」と選択するでしょう。

ただこれも冷静に考えてみると、10%の金利が上乗せされているので、めちゃくちゃ高い借金の利率なわけです。

この人間心理を応用しているのが分割払いやリボ払いと呼ばれるもの。

人間は目先の苦悩からすぐに逃げ出したくなり、問題を先送りにする性質があるからこそ、その心理を利用し分割払いを促す。

そして未来という人間が見えづらい部分に、高額な金利を付与して、大きな利率を得る。

めちゃくちゃ考えられているビジネスモデルが分割払いなので、ここら辺は気を付けておいた方がいいですね。

即日発送の闇

続いて現在バイアスを利用しているマーケティング例は、即日発送の闇です。

この即日発送は、上記2つに比べるとそこまで闇の度合いは高くありませんが、めちゃくちゃ上手い戦略ということで紹介しておきます。

アマゾンなんかでもありますが、即日発送と称して、アマゾンプライムという自社サービスに導入するように促していたりします。

アマゾンプライムじゃない会員だったとしても、「すぐにこの商品なら届く」と錯覚し、いざ買うときになると「あなたはプライム会員じゃないので、届くのは3日後です」と現実を突きつけられる。

そうなるとすでに明日には届いているという錯覚を起こすわけなので(保有効果)、それが手に入らないという認知的不協和から、プライム会員になり即日配送してもらうということを行っています。

普通であれば、「あなたはプライム会員じゃないので、届くの3日後です」とだけ表記すればいい。

ただ、多くのケースで「最短で届く日数」が記載されていて、その人のプランで届く最短の日数じゃなかったりするわけです。

これは携帯とか色々なの料金プランでもおんなじことが言えますね。

「最安値は○○円です」

というような広告に踊らされて実際に申し込もうとすると、自分のプランでは全然安くなかった、みたいな。

目先の価値を最大化させ、その価値を享受できなかった場合、その価値を享受できるように未来に負担を先送りする。

まさに現在バイアスを利用しているビジネスモデルといえるわけです。

まとめ

ちょっと長くなったので最後にまとめておくと。

現在バイアスとは、目先の価値を大きく認識し、遠くの価値を小さく認識する人間のバイアスのこと。

今1万円をもらうのと、来年1万1千円をもらうのとでは、ほとんどの人が「今1万円をもらう」を選択する。

それは時間軸が遠くにある価値を正しく認識できず、時間軸が目先の価値を大きく感じてしまうため。

しかし、マシュマロ実験から明らかになっている通り、目先の欲求に負けない自制心の強い人ほど、社会的に成功しやすい傾向にあるため、現在バイアスにかからずにきちんと自制心をもって制することが大切ということが言える。

その上で、企業が現在バイアスを利用しているケースモデルとして考えられるのは、以下の3つがあげられる。

  1. キャッシュバックの闇
  2. 分割払いの闇
  3. 即日配送の闇

いづれのビジネスモデルも、問題の先送りや目先の価値の最大化が根本にあり、人間の根源的欲求や、損失の先送りを利用しているビジネスモデル。

ただその裏には、未来への大きな負担が隠されているので、上記のサービスを利用する際にはきちんと考え利用することが大切。

まとめるとこんな感じですね。

見てもらったらわかる通り、結構企業ってえぐいことをやっています。

もちろんそれが悪いことではなくって、人間の心理というものを理解しつくしたうえで、それを利用しているのが企業。

当然ビジネスをするのであれば、今度は企業と同じく活用しなくてはいけない側になるわけですから、こうした心理状態やバイアスなどを理解し、ビジネスに転用することが大切になってくるわけです。

そういった意味でも様々なビジネスモデルを理解し活用するっていう視点が重要になるので、ぜひ覚えておいてください。

こんな感じで、僕のメルマガ読者の方限定で質問に答えたりしているので、気になる人はメルマガ登録して質問してみてください。

全てには答えられないですが、気になったものや多い質問に関してはまとめて答えていこうと思います。

ぜひ参考にどうぞ。