今回はタイトルにある通りなんですが、以前メルマガ読者の方から「マーケティングやライティングなどのテクニックがあれば教えてください」ってな質問をもらっていたんですね。
なので今回は損失回避を活用したマーケティング手法を解説していこうと思います。
多くの人が、損失回避という心理学用語があって、それを紹介するだけのケースが多いわけですが、ビジネスをやっているのであれば、そうした性質を理解し活用していかないといけない。
ただ実践的に落とし込んだ方法やら、具体的なやり方みたいなのを解説している人がほとんどいない。
なので今回はそうした超実践的なやり方やマーケティング手法なども併せて解説していこうと思います。
損失回避とは
では早速。
まずそもそも損失回避とはいったい何なのか。
損失回避に関して知らない人もいると思うので、どういったことを指しているのか説明しておくと。
損失回避とは、人間は得られる利益よりも、失う損失の方を大きくとらえ、損失を回避できた時の喜びの方が、得られる利益を失うよりも大きいという心理学用語のことを損失回避と言います。
例えば、5万円得られるという状況よりも、5万円失うという状況から5万円失う状況を回避できた、という状態の方が人は喜びを感じるということですね。
もっと言うと、例えば病気でがんになったとして。
そのがんが治り、再発の心配もないというようなことが起こったとする。
これも一種の損失回避と考えられ、初めから健康な人は健康なことに喜びを感じませんが、病気から治った人は、その喜びは大きなものになります。
また例えば、きれいな肌の人はきれいな肌であることに感謝はしませんが、肌中ニキビだらけの人がきれいな肌を手に入れた時、大きな喜びを感じます。
このように、人間というのは「損する」という状況やすでに「損している」という状況を大きく嫌う生き物。
さらに言うと、損というものを大きく過大評価してしまう生き物。
5万円得るという得よりも、5万円失うという損を大きく感じるので、5万円失う痛みがなくなると、5万円得るときの喜びよりも大きくなるわけです。
これが損失回避の根底の部分で、心理学で呼ばれる用語の意味になります。
コンプレックス商品
じゃあ、この損失回避をどのようにマーケティングとして生かしていくのか。
よく言われることですが、ネット上でモノを売っていくときや案件、広告代理を行っていく際に「コンプレックス商品ほど売れやすい」という風に言われます。
これはなぜかというと、「損失回避」につながる商品だからです。
この損失回避を活用するのであれば、「コンプレックス商品」を選んだ方が、心理学的には賢い選択であり、売りやすい商品だということが言えます。
例えば、商材として「ヨーロッパ旅行」というものと、「ダイエットサプリ」があったとして。
ヨーロッパに旅行に行けるというのは、プラスの感情を生み出す要素です。
ダイエットサプリというのは、”太っている”というコンプレックスを直す商品であり、マイナスをゼロに戻す要素を含んだ商品です。
ネットで売りやすいのは断然後者であり、価格などの要因を差し引いても、コンプレックス系の商品は売りやすいんですね。
それは損失回避という人間の性質をうまく利用した商品だから。
またさらに言うと、コンプレックス系というのは「人に相談しづらい」という特性を持っています。
薄毛だったり、低身長であったり、なかなか人に相談しづらいのが「コンプレックス」というものです。
だからこそ、人間に相談しなくてもいい”ネット上”での買い物にニーズが生まれやすく売れやすいというわけです。
ですので、損失回避を活用すると考えるのであれば、マーケティング的に「コンプレックス商品」を取り扱うと自然と損失回避を活用することにつながるので、売れやすくなるということが言えると思います。
ネガティブを気付かせるor広げる
次に損失回避を活用するマーケティング手法は、気づかせることと広げるということです。
実際にライティングするシーンなんかでよく使いますが、コンプレックスをほっておくとどうなるのか?ということをより具体的に伝えることが多くあります。
これは要するにコンプレックスを広げているわけです。
例えば、女性をターゲットにしたダイエットなんかで、そのまま肥満体系を続けていたら、当然異性から見向きもされない。
ドンドンと自信を失っていき、ドンドンと年齢を重ねていく。
その結果、40代50代でも独身で、子供を授かることなく一人孤独に生活していく。
家と職場の往復で、SNSなんかを見れば、同級生が結婚して子供を授かって、小学校の運動会なんかに出席しているのを目撃してしまう日々。
そんな孤独になりたくなければ、今まさに変える必要があり、そのためにダイエットに取り組むことが必要なんです。
みたいな感じで、コンプレックスをほっておくとどうなるのか?ということ広げることで、ユーザーは損失を回避するように努めます。
そしてその損失を回避するということは、イコールあなたから商品を買うということにつながるので、商品が売れるということになるわけです。
これが”広げる”ということ。
そしてそもそも”気づいていない”というケースも存在します。
ダイエットで例えてしまったので、同様にダイエットで例えていくと、「自分自身が太っていると認識していないケース」というのも当然考えられます。
なので、ダイエット商品を売るために「あなたは太っている」ということを認識させる必要があり、それを認識してもらうことで「損失回避=ダイエット商品」を手に取ってもらうことができるわけです。
この際は、もう少し広めにターゲティングをして、広い客層にリーチしていきながら、徐々にセールスをかける手法になっていきます。
最初からコンプレックスに該当している人以外もターゲティングできるので、幅広い層にアプローチできるのも特徴。
さらに、新たな市場にまでアプローチできるうえ、人というのは最初に得た情報、または情報提供者のことを信用しやすい傾向にあるので、市場や顧客を独占できるので、かなりチャンスが見込めます。
ぜひ”気づかせる”ということを意識してアプローチできないか考えてみてください。
どうにでもなれ効果を利用する
そして3つ目は「どうにでもなれ効果」を利用するという手法です。
このどうにでもなれ効果っていうのは実際の心理学用語の名前で、適当につけた名前じゃないですw
どうにでもなれ効果っていうのは、パチンコで負けがかさんでいき、一定のラインを越えたら「どうにでもなれ」といって全財産つぎ込んでしまう、というような現象を指していて。
ダイエットを毎日頑張っていたのに、少し甘いケーキを食べてしまったことをきっかけに、どうにでもなれといって、リミッターが外れ爆食いしてしまう、などの現象を指しています。
これも損失回避と共通するところがあって。
人間は損失の方が大きく感じるわけですが、その損失を回避するために頑張っていることが、一定量のストレスを感じると爆発してしまうということがあるわけです。
マーケティング的には、いかにこの「リミッターを外すか?」あるいは「リミッターが外れるタイミングに寄り添うか?ということが、重要になってきます。
例えば、ダイエットしているのに爆食いしてしまった際。
ライザップなどを筆頭にしたワンツーマンの人がいれば「そういうことは多くの人にあるので、チートデイだと思って明日から頑張りましょう」というように適切にサポートできますので、ビジネスチャンスになりえます。
また、多くの人に共通するタイミングがあるので、どうにでもなれ効果が発生するタイミングで、クロスセルやダウンセル、バックエンドなどの商品をセールスするということも考えられます。
さらにもっと黒い方法でいえば、このどうにでもなれ効果を誘発するように、誘惑を小出しにしていくことも考えられます。
誘惑を小出しにしていき、どうにでもなれ効果を誘発し、爆食いさせるように誘導する。
その後に来た罪悪感を損失ととらえ、その損失を回避させるような商品を提案していく。
ここら辺は黒すぎるので、具体的な事例とかは控えますが、上記のやり方だけでかなりの売り上げを上げた人もいます。
どうにでもなれ効果を誘発する方法もあるということは覚えておいて損はないでしょう。
リミッターが外れたときに寄り添うというのは、コンサルとかサポート系のサービスを展開している人は強いですね。
リミッターが外れた時に、メンター的な役割をしてあげることによって、大きなニーズが生まれますし、そこでやめたときの機会損失などを提案してあげることで、サポートの重要性を売り込むこともできます。
この損失回避と合わせて、どうにでもなれ効果は覚えておきたい現象の一つです。
まとめ
ちょっと長くなったので最後にまとめておくと。
損失回避とは、人間は得られる利益よりも、損失を避けられた時の方が、感じる喜びが大きいという人間心理を、損失回避という心理学用語で呼ぶ。
この損失回避をマーケティング的に生かす方法は以下の3つ考えられる。
- コンプレック商品
- 気づかせるor広げる
- どうにでもなれ効果と併用する
まとめるとこんな感じですね。
この損失回避は知っているのと知らないのとでは大きな差が開くので、ぜひ覚えておきたい内容です。
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全部の質問には答えられませんが、こうして代表して答えてはいくので、ぜひ参考にどうぞ。