今回はタイトルにある通りなんですが、以前メルマガ読者の方から「ライティングとかマーケティングに関して具体的なテクニックを教えてください」ってな質問をもらっていたので、今回は心理の錯誤効果に関して解説していこうと思います。
正直これはメルマガだとか、セールスだとかでかなり使える手法で、たぶんだけど使っていない人はいないんじゃないかな。
後結構多いのは勘違いして「一回行ったら伝わっている」って思っている人も多いんですよね。
真理の錯誤効果にある通りで、何度も何度も伝えないと伝わらないし、1回伝えたからもう言わなくて大丈夫ってことはないんですよね。
教育とか洗脳とかでも行われている通り、繰り返し行うことがやっぱり重要で。
今までにない価値観だったり、生活習慣に落とし込むためには、やっぱり何度も何度も伝えていくっていうのが大切なんですよね。
今回はそんな真理の錯誤効果に関して解説していこうと思います。
真理の錯誤効果とは
では早速。
真理の錯誤効果に関して知らない人もいると思うので、わからない人のために真理の錯誤効果に関して解説していくと。
真理の錯誤効果とは、人間は何度も何度も繰り返し伝えられていると、その真意がどうであれ、真実だと思い込んでいくという心理学用語のことを”真理の錯誤効果”と言います。
繰り返し、繰り返し伝えられると、あたかもそれが「真実」のように思っていってしまうんですね。
例えるなら「貯金」
多くの人が「貯金することがいいこと」っていう風に思い込んでいます。
ただ貯金をすることがいいことだっていう風な価値観になっていったのは「昭和」からなんですよね。
具体的な事例は「戦争」でした。
太平洋戦争が勃発したとき。
日本に比べて多くの資金や資源を持つアメリカとの戦いにのめりこんでいく。
そしてこの前の第一次世界大戦と第二次世界大戦から本格的に「総力戦」という様相が当たり前になっていく。
総力戦となる以前っていうのは、国が抱えた傭兵が戦うことが”戦争”だったわけです。
世界大戦以前の戦争っていうのは、国民にとっては全くの他人行事であり、被害が民間に及ぶことは多くなかった。
しかし総力戦となると「国民が兵士」ということになるので、攻撃対象は「民間人」ということになってくる。
だからこそ、戦費自体も「国民」が負担し、被害自体も「国民」が被ることになる。
そうなると、当然国民には散財するのではなく、「貯金」することを国は推奨するわけです。
貯金すれば、そのお金を戦争に使えるわけですから。
こうして国のプロパガンダとして「貯金すること」を推奨し、「ぜいたくは敵だ」ということを繰り返し繰り返し伝えていくようになる。
そのことによって、「貯金することがいいこと」という風に根付き、戦後もずっと貯金=正義だという風に信じ込んでいるわけです。
逆にこの国民に被害がなかったアメリカには貯金=正義という感覚が根付くことはなく、VCなどの投資額もぶっちぎりの一位になり、ドンドンと富を気付く結果になったといえるわけです。
つまり「貯金=正義」のように、これまで価値観として根付いていなかった考えを「貯金することはいいこと」という風に何度も伝えた結果、貯金することがいいことなんだと信じるようになったということ。
普通に考えれば、自分で稼いだお金を自由に使えないっていうのはおかしな話ですから、当時の人が信じるようになるには中々に難しいことだったわけです。
これがまさに「真理の錯誤効果」と言えるわけです。
そしてもう一つ余談として伝えておくと。
先ほど例に出した「戦争」に関しても、真理の錯誤効果が使われています。
というのも、今でこそ僕らは「戦争=悪」という風に考えていますし、僕自身も全く異論はありません。
しかし、先ほども伝えた通り、近代になり戦争が総力戦になってから、国民も強制的に戦争に参加させられるようになったわけで、それまでは「選ばれた人」しか戦いに行けなかったわけでした。
つまり、昔の戦争、戦士っていうのは「憧れの職業」であり、なりたいと願ってもなれるものじゃなかったということなんですね。
逆に、戦争=正義と考えられていた時代だってあるわけです。
それは戦争に行ければお金がもらえ、より裕福になれる。戦争に行けば地位が手に入る。
そう思う人が大半だったからです。
キングダムなんかを見てもらえれば分かりますが、主人公の”信”は戦争に行きたいと懇願していますし、そこで大将軍になるって言ってますからね。
大将軍=大量殺人犯なので、中々すごいことを言っているわけですが、現代の人と古代の人とでは考え方が違うのは当然のこと。
そして近代では先ほども伝えた通り、総力戦となったため、戦争が民主化し、被害が強制的に国民に向けられるようになったからこそ、「戦争=悪」だという価値観が根付いていったわけです。
さらに言えば、世界大戦が終わった教育で、「戦争=悪」だという風に何度も何度も学校で教えられるため、僕らは「戦争=悪いものだ」という価値観が醸成されていったといえるわけです。
これも心理の錯誤効果が影響している例と言えるでしょう。
真理錯誤効果をビジネスに活用する方法
じゃあ次に。
この「何度も何度も繰り返し伝えられた情報を信じるようになる」という真理錯誤効果をどのようにビジネスシーンで活用していけばいいのか。
この部分を解説していくと。
まずは「あなたが提供する価値っていうのを明確にしていく」というのが一つ目の手順になってきます。
例えば、ネットビジネスにおいて「アフィリエイト」なんかをしている場合。
数あるネットビジネスの中から「なぜアフィリエイトがいいのか」ということを明確にしなくちゃいけない。
せどりや転売、バイマ。
アフィリエイト、オンラインサロン、note、メルマガ。
数ある中でアフィリエイトは「在庫不要で、商品販売者がケアをするので、アフターケアもいらない」
ということが、アフィリエイトにおける価値だとする。
そうなったときに、「在庫を抱えるリスク」というのを繰り返し伝えていく。
この在庫を抱えるリスクなどを繰り返し伝えるということが、真理錯誤効果を活用する部分で、在庫を抱えるリスクを恐怖に思えば、必然的に”アフィリエイト”が候補に挙がってくるようになるわけです。
また、アフィリエイトの価値が「収入は青天井」という部分を押し出したい場合は、物販の場合基本的に「仕入れ額」が収入に大きく既存するという事実を伝える。
仮に利益率20%という高水準だったとしても、20万円稼ぐためには100万円の仕入れ資金が必要になる。
仮に利益率が平均の10%だった場合は、20万円稼ぐために200万円の仕入れ資金が必要になる。
一方で、アフィリエイトの場合、かかる初期費用はブログのためのドメイン代とサーバー代なので、月1000円以下でも始めることができる。
またさらには1個販売するのにかかる費用と100個販売するのにかかる費用に変わりはないので、収入は青天井になる。
この部分を何度も何度も繰り返し伝えることで、「アフィリエイトがいいんだな」という風に信じてもらうことができる。
このように「あなたが提供できる価値」というのを見出していき、その価値を何度も伝えることによって、「あなたのサービスや商品が優遇される選択肢を生み出す」ことが、真理錯誤効果をビジネスシーンに応用するための方法と言えるわけです。
そして次からは、この真理の錯誤効果を活用するための具体的なテクニックに関して解説していきます。
言葉を変える
ここまでで、真理の錯誤効果に関する説明。
そして、それらの影響と効果に関して解説してきましたが、次からは「どのようにしていけば真理の錯誤効果を活用できるのか」という実践部分に関して解説していこうと思います。
まず一つ目は「言葉を変える」ということです。
言葉を変えるっていうのがどういう意味かっていうと。
まあ、その名の通りなんですが、言い方を微妙に変えて繰り返し伝えるというテクニックになります。
っていうのも、僕ら人間というのは「同じ言葉」を短期間で浴びてしまうと、「それはもう知っている」ということでインプットに対してブロックをしてしまいます。
ここら辺の脳の仕組みなんかは、ファスト&スローなんかを見てもらうとしっくりきますが、簡単に言えば、僕ら人間は脳を使わない「エコモード」が存在していて、判断に関してかなり省エネを貫こうとします。
省エネモードになると決断するときに、脳が取捨選択をして情報を取得しないという風に勝手に選択するようになっていってしまう。
駅から自宅までの道を、いちいち観察しないのと同じで、脳というのは「同じ情報である」という風に思い込むと、そこから情報を取得することを辞めてしまうという性質があるんですね。
だから基本的に繰り返し伝えるという、真理の錯誤効果というのは脳への反発を生んでしまうわけです。
この反発を突破するからこそ、真理の錯誤効果が効果が大きいといえるわけですが、この反発を回避し脳に「この情報は得るべき情報である」と促すためには、言い方を変えるということが大切になってきます。
これは僕自身もかなり活用しますし、単語を細かく変えたりもしています。
このブログでもそうですし、メルマガなんかでも、毎日のように使っています。
それこそ同じ単語が2個並ぶと、その文章は一気にくどくなる。
そうならないように、別の単語や別の言い方で伝えるようにしたり、こういった細かいところまで創意工夫が必要なのが、真理の錯誤効果です。
↑
この文章を打つ時も、最初浮かんだ文章というのは「別の単語や別の言い方で言うようにする」という文章が浮かびましたが、”言い方”と”言う”が2つ並んでしまっている。
そのため、”言う”を”伝える”という言葉に変換したりしています。
こんな感じで、短くは単語から言い換えるようにすると、同じことを伝えていても、脳の反発を受けずに伝えることができるので、かなり重要なテクニックだと思います。
根拠を変える
次に紹介するのは根拠を変えるという方法。
基本的に文章というのは、ビジネス書なんかを見てもらうとわかりやすいですが「主張+根拠」から成り立っています。
○○である。
なぜなら○○だからである。
シンプルに文章の構成を考えると、この2つのパートから成り立っているわけですね。
例えば、成功するために必要なことは「行動すること」である。
なぜなら世の中のほとんどの人が「行動しないから」である。
みたいな感じ。
んで。
ここからがすごい大切で。
世の中にある自己啓発本と呼ばれるものが、なぜ枯渇しないのか。
それは「主張」に変わりはないが、「根拠」に変化があるから。
成功するには行動することが一番大切。
このことを自己啓発本では、どの本でも伝えているわけですが、その裏付けとなる根拠が人それぞれだから、自己啓発本というのにネタ切れがないわけです。
そしてこの根拠の部分が変わってくると、同じ主張であったとしても、まったく違った話のように聞こえてくるんですね。
要は伝え方が最も大切だということ。
上記で伝えた言葉を変えるということの「構成自体を変える版」という方が、認識として近いかもしれないですね。
この”根拠を変える”っていうのは抽象的で、ちょっと難しい部分ですが、実際にやってみるとめちゃくちゃ理解が深まると思います。
また、根拠を「自分の経験談」なんかにするとかなりオリジナル性も高まるし、説得力もあがる。
その上で、主張に特質性がなかったとしても、根拠に独自性があるので、同じことを言っているように感じず、すんなりと主張が頭の中に入ってくる。
かなり強力的な手法になるので、意識してやってみると良いと思います。
ただ言っておくと、結構難しいです。
時間を開ける
次に紹介するのは「時間を空ける」ということ。
これは真理の錯誤効果を活用するには、かなり重要なファクターで。
なぜ真理の錯誤効果を活用するのに、時間を空けることが大切なのかというと、僕ら人間の「記憶」のメカニズムが関係しています。
僕ら人間の記憶っていうのは、短期記憶と長期記憶という2つの種類に分けられています。
短期記憶っていうのは、脳の中のワーキングメモリーという個所が担っていて、その名の通り短期的にしか物事を記憶することができません。
このワーキングメモリー内で、使用頻度が高い物や何度も出てくるものだけに関して、海馬などの記憶をつかさどる部位に情報が保存されていきます。
つまり、短期記憶と長期記憶というのは、保存する個所がそもそも違うんですね。
そしてこの短期記憶から長期記憶へ移行する際に、最も大切になってくるのが「反復」であり、だからこそ真理の錯誤効果が引きおこるわけです。
その上で、また大切になってくるのが「睡眠」です。
日中に得た情報が、睡眠によって記憶に定着していくことが分かっています。
だから、受験生なんかが一夜漬けの徹夜をしていても全く効果はなく、逆にきちんと寝た方が成績がいいことが知られています。
つまり、情報をきちんと短期記憶から長期記憶へ移行するためには「睡眠」は欠かせないんですね。
だからこそ、真理の錯誤効果を活用するためには「時間を空ける」ということが大切なわけです。
カルト宗教の洗脳なんかでよく使われるのが「合宿」と称したものですが、これも「洗脳は一夜にしてならず」ということの一つの証明で。
時間を空けて、何度も何度も刷り込んでいく。
そのことによって、長期記憶へ情報が刷り込まれたときに、その情報が正しいと認識してしまう。
この記憶に大切な睡眠をまたぐために、時間を空けるということがものすごく大切になってくるわけです。
アクションを促す
次に紹介するのは「アクションを促す」ということ。
このアクションっていうのは「体を動かす」ということになります。
というのも、先ほどの「記憶」に関してのメカニズムですが、一番記憶に残りやすい勉強法として知られているのが「アクティブラーニング」です。
アクティブラーニングっていうのは、その名の通り「能動的な学習」のことを指しています。
たいして、日本の学校教育なんかに用いられている「受動的な学習」というのは、学習効率がめちゃくちゃ悪いことが知られています。
だから、勉強法がそもそも間違っているっていうわけなんですが、この真理の錯誤効果を活用する際にも「記憶の定着率」が重要なのは先ほども伝えた通り。
だからこそ「アクティブラーニング」を用いて、何度も情報を伝えていくということが、より大切になってくるんですね。
例えばですけど、アンケートに参加してもらうなんて言うのも一つの手です。
情報をこちらから与えるのではなく、「○○についてどう思いますか?」というように、質問をして考えてもらう。
そうすることで、情報は一方通行の受動的な学習からアクティブラーニングへと変わります。
このアンケートをうまく活用することで、能動的な学習へ移行することが可能となるわけです。
このアンケートにも細かなテクニックは存在するし、質問によってコミットメントを得て、そこから認知的不協和を獲得し、クロージングまでもっていきやすくするなんてテクニックもありますが、需要があれば今度解説でもしようと思います。
このアンケート以外にも色々と考える余地はあって、様々に応用が可能のなので「いかに能動的に学習させられるか?」ということを考えてみると良いと思います。
余談:なぜマルチが流行るのか
ちょっとここいらで余談入れていいですか?
マルチやらねずみ講がなぜ流行るのか。
この部分をちょっと話したいんですけど、先ほどから伝えている「記憶のメカニズム」と「真理の錯誤効果」
何度も何度も同じ情報を得ることにより、その情報の真意がどうであれば「真実」だと思い込んでしまう。
この情報というのは、記憶でいう所の「長期記憶」に移行することによって、より「真実」だと認識してしまいやすくなる。
こんな感じで、記憶のメカニズムと真理の錯誤効果って密接にかかわってくるんですよね。
で。
マルチ商法とか、ねずみ講っていうビジネスモデルあるじゃないですか。
もはや勧誘する人がカルト宗教の信者かのように、めちゃくちゃしつこく勧誘してくる、あれ。
僕自身めちゃくちゃ嫌いなんですけど、なんであれが「カルト信者になりえるのか」っていうのが、真理の錯誤効果を知っていると理解できるんですね。
というのも、アクティブラーニングが長期記憶するには大切だという風に伝えましたが、このアクティブラーニングのうちの一つに「教えるつもりで学習する」という方法があるんですね。
この教えるつもりで学習する効果っていうのは科学的にも実証されていて、学生に教えるつもりで学習した生徒っていうのは、学習率が跳ね上がったことが分かっています。
要するに「誰かに教えることで、記憶はより定着する」っていうこと。
これをマルチやねずみ講の勧誘信者に当てはめていくと。
信者っていうのは「勧誘する」ということと同時に「自分を洗脳する」っていうことを二つ同時にやっているんですね。
勧誘するっていうのは、教えることと同じなわけで、教えるように伝えていくことによって、余計にドンドンと自分を自分で洗脳していく。
記憶することにおいては理にかなっているので、勧誘すればするほど、自分自身はどっぷりとその世界にハマっていくことが科学的には理にかなってしまっているわけです。
信者度にグラデーションがあるとするなら、最初は「勧誘すれば儲かる」っていう感じで、情報自体の信ぴょう度が50%だったとしても。
何度も何度もその怪しいビジネスを勧誘することで、次第に「これって本当だよね」っていう感じで自分で自分をだましていき、徐々に60%、70%、80%と上がっていく。
それは何度も教えることで、記憶に定着していくからであって、この経路をたどることで、自分自身で信者を作り上げているって言えるんですよね。
結構面白い話で、人類はこれまで数万年間にわたっていろんな動物を家畜化してきました。
犬とかもそうだし、牛豚鳥なんかがその典型で。
ただし。
ある科学者曰く、「人間が一番家畜化できた動物は”人間である”」
そんな風に言っているんですよね。
これがカルトやマルチ、ねずみ講が無くならない理由なんじゃないかなって思いますね。
まとめ
ちょっと長くなったので最後にまとめておくと。
真理の錯誤効果とは、人間は何度も繰り返し情報を伝えられると、情報の信ぴょう性とは関係なく、その情報を真実だと思い込んでしまう心理学的な現象のこと。
この真理の錯誤効果を悪用すれば、カルト宗教や悪質なビジネスにも活用できてしまう、強烈な心理学のテクニックとなる。
反面、正しく活用すれば商品販売の促進やセールスプロモーションに大きなメリットを与える。
良い悪いは使う人次第だが、世の中の多くで活用されているテクニックなので、知っておくに越したことはない。
ビジネス的に活用する場合は以下のようなポイントを押さえておくことが大切。
- 言葉を変える
- 時間を空ける
- アクションを促す
まとめるとこんな感じですね。
このようにメルマガ読者の方限定で、質問に答えたりしているので、気になることがあればメルマガ登録して質問してみてください。
量が量なので、個別に答えることは出来ませんが、こんな感じで質問が多ければ答えていければと思います。
ぜひ参考にどうぞ。