今回はタイトルにある通り。
樺沢紫苑さんが書いた「脳のパフォーマンスを最大まで引き出す 神・時間術」を読んだので、まだ読んでいない人のためにざっくりと分かりやすく要約していきながら、感想をレビューしていこうと思います。
先に結論から伝えておくと、ライフハック系や集中力、生産性などを上げたい人や脳の構造や体にいい習慣を身に着けたい「初心者」の方には結構おすすめで。
一回は読んでおいて損はないかなという感想ですね。
脳のパフォーマンスを最大まで引き出すためには
じゃあさっそくこの「脳のパフォーマンスを最大まで引き出す 神・時間術」の要約からしていくと。
ポイントになってくるのは「脳のパフォーマンスを最大まで引き出す」という部分。
要するに、「脳の最適化」を図るための習慣や論理を科学的に解説しているのが、この本なんですね。
そのうえで、一番気になるのが「いったいどうやって脳のパフォーマンスを最大まで引き出すのか」という部分。
先に結論から伝えておくと、「集中力の仕組みを理解し、最適化すること」
これが、脳のパフォーマンスを最大まで引き出す方法になります。
具体的に解説していくと。
集中力の仕組みを理解する
集中力というのは、基本的に朝が一番活性化して、頭がすっきりしている状態にあり、夜になるにつれて徐々に落ちていきます。
右肩下がりで落ちていくものだ、ということを理解することが大切で。
この集中力は朝にかけて最大化し、夜にかけて落ちていく、ということを理解しておかないと集中力が切れかけているときに、「知的労働」などの作業を入れ込んでしまいます。
こうなると集中力が続かないため、当然生産性は落ち、作業は進まない。
この神・時間術の表紙にもある通り「24時間を科学的に2倍にする」というのは、「生産性」と同義語なんですね。
だからこそ、集中力が低下し、生産性が落ちる夜に知的労働をしていては、「時間を短くしている」ことにつながるわけです。
一方で、朝などの集中力が高い状態の時に、頭を使う仕事などを入れることによって「生産性」を高めることにより、作業効率が上がり「24時間が2倍になるほどの生産性を手に入れる」ということが、この本の伝えたいメッセージなんですね。
なので、「集中力は朝が高く、夜にかけて落ちていく」ということを知り、そのうえでスケジュールを管理することが大切、ということが最初に語られるわけです。
最適化する
集中力が夜にかけて徐々に落ちていく、ということを知れば、その対応をすることが出来ます。
この脳のメカニズムにそって対応することを、いわゆる「最適化する」ということで、伝えています。
どういうことか。
簡単なポイントから具体的に解説していくと。
先ほども伝えた通りで、頭がすっきりしており集中力が高い状態である朝には「頭を使う仕事」を入れ込む。
一方で疲労がたまり、集中力が切れる夜には「単純作業」を入れ込む。
こうすることで、脳のメカニズムにそってスケジュールを管理することが出来ます。
まずこのスケジュール管理がベースにあって。
そのうえで、なるべく集中力を低下させないような工夫も紹介されています。
それが主に以下の4つで。
- 運動
- 睡眠
- 咀嚼
- 日光
このいづれも、集中力を回復させる効果があり、脳をリフレッシュさせることが期待されていることです。
つまり、集中力が高い状態にある朝に頭を使う知的労働をして、なるべく集中力が低下しないように、適度に回復させながら、集中力が低くなる夜に単純作業をすることで、生産性を最大限引き出す。
その結果「24時間を2倍にする」ということが、この本で伝えたい主題であり、大トロ部分なんですね。
最適化された1日の例
ここまでで「脳のパフォーマンスを最大まで引き出す 神・時間術」の大まかな内容は理解できたと思います。
ここから具体的に上記で要約した内容を当てはめていきながら、1日をスケジューリングしていくと。
朝起きて仕事を始める際に、まずは知的労働をする。
僕自身でいえば、こうしてブログで解説するための本を読んだり、新しい仕事のアイデアを創出したり。
ちなみに言えば、「メール」などの単純作業が割り込んでしまう作業も、朝にしないほうがいいことがブリティッシュコロンビア大学の研究で分かっています。
これは本書にはない内容ですが、一応補足しておきます。
そうしてお昼になったら、なるべく外に出て「日光」を浴びながら、ご飯を食べる。
この時はなるべくスマホなどをいじらずに、「咀嚼」することを意識する。
噛むことはかなり脳にいいことで、セロトニンなどの脳内物質も分泌されるので、余計なものを見ずに食事を楽しむ。
そうして、ランチが終わったら、「昼寝」をする。
ペンシルベニア大学の研究などでも証明されていますが、昼寝は集中力を回復させたり、記憶力を高めたり、様々な好影響があることが分かっているので、なるべく昼寝を2~30分ほど入れる。
そのあと、午後から仕事を再開するわけですが、徐々に集中力が落ちていく時間帯でもあるので、午後イチからの仕事は知的労働をして、徐々に単純作業にシフトしていく。
僕の例で例えるなら、午後イチはブログを執筆して、そのあとにメールなどのチェックや返信などをする。
そんな感じですかね。
また集中力が落ちるのをなるべく防ぎ、さらに回復させるために、1時間おきに散歩に出たりして、「日光」に浴びながら「運動」も兼ねる。
散歩が難しいという人は、デスクから立ち上がり、屈伸するだけでも効果はあるし、窓際に行って背伸びをして日光を浴びてもいいでしょう。
こうして仕事の種類を徐々に変えていきながらも、運動や睡眠、咀嚼、日光などを取り入れていき、随時集中力を回復させていくのがベストだということです。
あくまでこれは例なので、あなたのルーティンに入れやすいものから取り入れるといいと思います。
神・時間術の感想レビュー
とまあ、ここまででこの「脳のパフォーマンスを最大まで引き出す 神・時間術」の内容を要約してきたわけですが、当然本書にはもっと多くのノウハウや具体的なエビデンスなんかも紹介されています。
昼の活動や日光から放出されるセロトニンが、体内でメラトニンに変わり、快適な睡眠につながること。
夜の睡眠のために、寝る1~2時間前にしてはいけないこと。
夜の睡眠の重要性や運動による効果など、さらに詳しいことが描かれます。
なので、気になる方はぜひ買って手に取ってもらいんですが、上記で解説したことでもおおよその流れは理解できるように要約はしてきました。
そのうえで。
この神・時間術の感想を伝えていくと、
体系化されて分かりやすい内容なので、初心者にはいいなと思う反面、2つ弱点があるかなと個人的には思ってます。
まず1つ目が、「ノウハウが多いため、アウトプットする際に迷う」という点。
「ノウハウが多くてどれから手を出そうか迷う」というのは、この神・時間術に限ったことじゃないですが、やっぱりこれは弱点になってしまう。
それこそ全部のノウハウをできれば、それが一番ですが、やっぱりそうもいかない。
個人的にこの弱点を解決するには、「体感して効果を感じられるものから習慣にしていく」というのがおすすめで。
まず先にアウトプットすべきは、ベースとなり「朝に知的労働、夜に単純作業」
この部分だと思います。
ここから手始めに取り組み、徐々に生産性を落とさないための「運動」や「咀嚼などの食事」、「日光」や「昼寝などの睡眠」などを取り入れていくのがベストかなと。
大切なのは「初めからすべてをやろうとは思わない」ということで、徐々に進めていくのが「迷わない」ために重要になるポイントかなと思います。
そして2つ目の弱点は、「習慣化」に関して、この神・時間術は弱いところ。
どういうことかというと、これらの知識を知って実生活の中に落とし込んでいくことが、最重要になってくる。
知っていてもできていなければ意味ないですからね。
となってくると、実生活の中に落とし込む=習慣化の方法を同時に知る必要がある、ってことです。
ただ残念なことに、この神・時間術には「習慣化」のノウハウは結構乏しい面がある。
(まあ、こういうノウハウ系の本ではしょうがない部分もあるし、そのポイントを解説した本じゃないので仕方ないうえ、習慣化を解説しようとするとそれこそ1冊の本になる。)
なので、僕の方で補足しておくと、習慣化を合わせて知っておくと、よりこの神・時間術を消化し応用することが出来るなって思ってます。
このブログでは、習慣化のテクニックや科学的な方法なども解説しているので、是非一読してみてください。
この「多くて迷う」と「習慣化」の弱点を補えれば、かなり良書かなとは思いました。
ぜひ参考にしてみてください。