書籍:年収90万円でハッピーライフを読んだ感想レビュー!

今回はタイトルにある通り。

大原扁理さんが書いた「年収90万円でハッピーライフ」を読んだので、まだ読んでいない人のために、ざっくりと内容を要約していきながら、その感想をレビューしていこうと思います。

最近では「FIRE」を筆頭に、アーリーリタイアメント系の本が売っていたり、流行といえば流行な気がしますが、結構この本は面白かったです。

なぜスローライフ系の本が流行っているのか

まずさっそく。

この大原扁理さんが書いた「年収90万円でハッピーライフ」の要約をする前に、どうして「FIRE」や「アーリーリタイアメント」系の「稼いだ後ゆったり過ごそう」というスローライフ系の本が流行っているのかを分析していくと。

結構今の日本人の現代病が反映されていると推測しています。

というのも、失われた30年を筆頭に経済成長が見込まれなくなった平成の時代を経て今に至ります。

それまでは高度経済成長から始まり、バブルなど、昭和を代表する好景気に渦巻いていました。

そこで先進国筆頭となり、GDPは世界2位になった。

その名残が色濃く残った2000年代を見てみると、時代の寵児やバブリーな人たちが横行していたように感じます。

「お金を稼いでテッペンを目指す」

こんなムーブメントがあった気がします。

「ヒルズ族」なんてのはその象徴で。

そこから、経済成長は止まり、GDPは中国に抜かれるなどして、徐々に衰退していくわけですが、僕的にはバブルに抱いていた幻想から目を覚ましたのが、この平成だった気がしてます。

その幻想というのが「お金を稼ぐイコール成功なのか?」

これはオリラジのあっちゃんも同じ疑問を抱いていて、そのことをまとめた本「幸福論」というものでも、その葛藤が描かれますが、「成功して世間からちやほやされたけど、どこかむなしかった」という感情。

中田敦彦「幸福論」を読んだ感想レビュー!
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詳しくはこの記事でレビューをしているので見てみてほしいのですが、傍から見ると順風満帆な成功を収めているように見えるテレビのスターであっても自殺をしてしまうような世の中。

そしてハタと気が付き「成功イコール幸せじゃない」と悟っていく。

要するに、「成功=幸せ」という価値観を植え付けられ、走らされ続けたのが昭和という時代。

そしてそのある種、資本主義のテッペンに立ってみて、「成功=幸せではない」という資本主義の幻想に気づいた。

だからこそ、現代では「ほどほどに働く」や「アーリーリタイアメント」などの、スローライフ系の本が流行っているのだと感じます。

あの有名はロックスターであるえいちゃんこと、矢沢永吉の名言で「成りあがった延長線上に幸せがあると思っていたけど、そのレールには幸せはなかった」

「成功するのに時間はかからなかったけど、幸せになるのには時間がかかった」

こんなニュアンス名言を残していて、まさしく資本主義の頂に立った人の言葉という名言を語っていたりします。

資本主義に見せられた幻想に突き動かされ続けていただけ。

そう気づき始めているのが現代だと、感じさせられる名言です。

どうやって年収90万円で生きるのか

そうした時代背景があるからこそ、こうしたスローライフ系の本が流行っているんだと僕は分析しています。

ではどうやって年収90万円で生きていくのか。

ここからこの「年収90万円でハッピーライフ」という本の要約に入っていこうと思いますが、FIREやアーリーリタイアメント系の本とこの手のとの大きなポイントが「お金」で。

多くの本で「大きなお金を早くに稼いで、セミリタイア」という本と「生活費を下げて、お金をよりも幸せを追求する」という本の2種類があると思っています。

当然この「年収90万円でハッピーライフ」は、後者の「生活費を下げてお金よりも幸せを追求する」という本。

どっちがいい、どっちが悪いというのはなく、個人の価値観が重要だと思っていて、それぞれの生活や価値観を知ることは重要だと思います。

なので、解説していくと。

まず胆となっていく「年収90万円でどう生きるのか」は、月の生活費を7.5万円におさえる、ということがこの本の胆になっています。

年収90万円ということなので、12か月で割ると「75000円」。

結論を言えば、月75000円に抑えることが出来れば、生きていける、とこの本では伝えられていて。

現在著者の大原さんは「この生活は海外でも可能なのか?」という実験のため台湾で生活されているそうですが、東京郊外での生活をずっと行っていました。

具体的には、食費が月1万円。

玄米をベースに、みそ汁や漬物と、おかずが1品程度。

もともと小食なのもありますが、江戸時代の食事かと思うぐらい質素なもの。

そして家賃は28000円と共益費が1500円の物件。

5畳1Rの家で、バストイレ、ロフト付きのアパート。

最寄り駅から20分ほど離れ、スーパーやコンビニが遠くにある、立地がいいとは言えないからこそ抑え込まれた家賃の場所に住んでいたそうです。

そして水道光熱費とネット回線を合わせて15000円ほど。

ここまでで54500円。

その他に月1回の外食とたまの温泉などの娯楽を含めて、月6~7万円ほどの生活費で暮らしているそうです。

どこがハッピーライフ?

こうして突き詰めて生活している大原さんですが、ふと疑問に思うのが「どこがハッピーライフたる所以なのか」というところ。

生活費が月6~7万円で食事も質素で、生活も豪華じゃない。

ここからがハッピーライフという部分ですが、週休5日で、週の2日しか働いていない。

週2日働くのは介護の仕事で、月75000円ほどの収入を得て、月々生きていくのに十分な額を稼いだ後は、週の5日は好きなことをしていきている。

「イヤなことはしない」「嫌いなことはやらない」

この部分がハッピーライフたる所以なんですね。

そこでふと疑問に思うのは、「休みの日は何をしているのか」というところ。

そこで大原さんが答えているのは「無料のものを使い倒す」ということ。

大原さん自身が読書好きというのもあり、図書館で本を読んだり、公園に出かけたり、散歩をしたり。

そうした無料のもの、かつ好きなことをして過ごしているそうです。

それこそ今では月500円で映画が見放題のサービスもありますし、無料で動画や音楽を聴くことだってできる。

「必要以上に稼ぐことはなく、必要なだけ稼いだら、自分のやりたいことに時間を使う」

これこそが年収90万円でハッピーライフを送れる所以なんですね。

年収90万円でハッピーライフを読んだ感想

ただ、実際問題まだまだ疑問はあって。

「将来に対しての不安はないのか」という点に関しても、「半年生きるぐらいの貯金はあるので、不安はないです」と答えています。

要するに、不測の事態や予測の出来ないことを人間は怖いと感じるわけですが、不測の事態に対する「対応策」を講じることで、不安と向き合っているということ。

まあここまでが、かなりざっくりとした大原扁理さんが書いた「年収90万円でハッピーライフ」の内容で。

んで。

ここからが僕自身この本を読んだ感想として伝えたい部分なんですが、当然こうした生き方は極論でマネできない人が大半だと思います。

家族がいる人や仕事がある人。

様々な環境の人がいるので、こうした生活ができない人がほとんどだと思う。

そして多分著者の大原さんも、すべての人にこうした生活を勧めたいわけでもないと思う。

大切なのは「こうした生き方がある」という保険を知ることで、視野を広げることに一番の意味があると思います。

実際にこの本の中で「幸せの定義」に関して、大原さん自身が伝えているメッセージがあって。

「他人から100の良いねをもらうより、自分自身の1いいねがあればいい」とも語っている通り、世間体や他人の評価などはどうでもいいと語っています。

僕はこの考え方や価値観にはかなり共感して。

SNSが発達した現代では、知名度や権威、出世など、「他人の評価」に突き動かされている人が多くいる。

それこそ世間体やSNSでの承認欲求を満たすために、自分自身の行動さえ決めている。

でも依然見たテレビ番組で「100歳の人が後悔していること」として1位に上げていたのが「やりたいことをやれなかったこと」という風に言っていました。

世間体を気にして仕事をする。

他人に評価されたいから頑張る。

-でも本当にそれでいいのか。

この「幸せの定義」を思い返す時、いつも「伊能忠敬」を生き方を思い出します。

小さいころに夢を見た「世界の大きさを知りたい」という夢。

でもその夢よりも藩主となって周りから期待されて、他人のために働いて、気が付いたら50歳。

平均寿命が50歳もない時代なので、今でいえば「他人のために生きていて、きづいたら80歳になっていた」

そんな感覚でしょうか。

そこから「他人のためじゃなく、自分のために生きてもいいんじゃないか」と思い、小さいころから夢だった天文学を学ぶため、すべてを捨てて江戸へ。

そして「日本地図を描く」という名目で、世界の大きさを知らべていった。

くしくも。

日本地図を描くために歩いた距離が、世界一周の距離だったことは有名な話です。

この伊能忠敬の生きざまを見ていると、「他人のために生きることよりも、自分のために生きること」の大切さを思いだたせてくれる。

まさに年収90万円でハッピーライフで大原さんが伝えたいメッセージが浮かび上がってくるわけです。

だからこそ「幸せとは何か?」ということの定義を改めて説明して、「他人からもらう100のイイネより、自分の1イイネのほうが大事」と伝えているんですね。

当然のことながら、そして何度も言うように「同じ生活を真似る」ということはかなりハードルが高いことに思います。

それは僕も同意見。

でも「無理して他人の人生を生きるより、自由に自分の人生を生きる」

そろそろ気づいてもいいんじゃないか?とこの本を通して考えさせられる部分です。

そして。

現代ではそのツールはそろっており、これほど生きやすい時代はないと語られます。

衣食住は工夫次第で安くなり、娯楽は無料でごまんとある。

ネットを活用すれば、お金を稼ぐことだってできる。

これからはじめる人に対して、大原さんは最後にアドバイスとして語られていて。

「なるべく生活費を下げること」+「ネットで情報を発信して稼ぐこと」

この2つがあるからこそ、これほど生きやすい時代はないと僕自身も思います。

かなり読みやすく内容も面白いので、ぜひ一度読んでみるといいと思います。

それでは。