今回はタイトルにある通り。
ベンジャミンハーディさんが書いた「FULL POWER:科学が証明した自分を変える最強戦略」を見たので、まだ読んでいない人のためにざっくりと要約していきながら、その感想をレビューしていこうと思います。
さきに結論として、感想を伝えておくと、この本は現在壁にぶち当たっていたり、今の自分を変えたい、ブレイクスルーしたい、という人にはマジでおすすめで。
ぜひ一度手に取って読んでおくことをお勧めします。
それぐらいいい本です。
意志力に頼るな!
ではさっそく。
このベンジャミンハーディさんが書いた「FULL POWER:科学が証明した自分を変える最強戦略」をまだ読んでいない人のためにざっくりと要約していくと。
この本の結論というのは、一言で言うと「自分を変えたいのであれば、意志力に頼るな。環境を変えろ」ということになります。
多くの人が自分を変えたいだとか、何か成し遂げたい、としたときに「意志力」に頼ります。
ダイエットしたい、年収を増やしたい、出世したい。
こうした目標を持った時に、多くが「5キロ痩せる」「今年中に年収を2倍にする」といったように、目標を掲げます。
そしてどう達成するかという部分で「カロリーを制限し、運動をしまくる」「死ぬほど働く」というように決めます。
要するに、多くの本にある通り
- 具体的な目標を決める
- 目標を達成するためのアクションを決める
こうして自分を変えるためのプランを練るわけです。
でもほとんどの人が挫折し、「変わらない自分を責める」。
でも本当は、「変わらない自分が悪いのではなく、意志力が確固たるもの」だと過信しすぎたことが一番の悪なんですね。
これは数々の研究で判明していることで本書でも書かれますが、「意志力」というのは、そこまで強い力を持っていません。
意志力というのはすぐに誘惑に負けるし、時間がたてばたつほど減少していきます。
それが意志力の本質であり、努力が続かない自分が悪いわけではないんですね。
そもそも「意志力に頼る」という決断が間違っていただけの話で、個々人の力量ではない、ということなんです。
それ以上に僕ら人間というのは「環境」によって大きく影響し、対応することが出来る生き物で。
環境にフィットしていくことで生き抜いてきた生物が僕ら人間です。
環境を変えろ!
そのことが分かるエピソードとして本書の「FULL POWER:科学が証明した自分を変える最強戦略」で描かれるのが、肥満の話で。
現代病ともいえる「肥満」ですが、これは産業革命が起こった18世紀から19世紀にかけて、どんどんと肥満が増えていったことが明らかになっています。
これは産業革命により、ライフワークが変化したことが原因とされていて。
現代のオフィスや仕事環境を見れば一目瞭然ですが、仕事がITが主塾となりデスクワークなどが横行した。
その結果座り仕事が増え、仕事に対する刺激物として「糖質」や「炭水化物」などの摂取が増えた。
(産業革命以降の食料の大量生産が出来るようになったことも大きく影響している)
仕事のストレスや刺激から、ジャンクフードなどの食べ物という様々な環境の変化によって、僕らの体はどんどんと「肥満」体系として増加していった。
ある研究によれば2025年に総人口において肥満の割合は「50%」を超えるとされていて、どんどんと増加傾向にあると語られます。
つまり、良い影響も悪い影響もどちらにおいても人間は「環境によって形作られる」ということがこの研究からもわかるわけです。
裏を返すと、この「環境」を利用することが、どんな自分へも帰ることが出来る。
それこそが「FULL POWER:科学が証明した自分を変える最強戦略」で描かれる結論であり、意志力に頼るのではなく、「環境に適応するのが人間だからこそ環境をを変えろ」ということが冒頭で伝えられます。
余計なものを徹底的に省く
ではどうやって環境を変えていけばいいのか。
ポイントとしては2つあって、まず1つ目が「余計なものを徹底的に省く」ということ。
これは「なりたい自分にとって相反するもの」ということを定義とした「余計なもの」ということになります。
ここでは仮に「ダイエット」ということに対して考えていくと。
ダイエットしたい、という欲求に対して相反する「余計なもの」というのは「お菓子」や「炭水化物」といったものが考えられる。
今まで「ダイエットをする」とすれば、お菓子や炭水化物を「食べない」と意志力に頼ってきたわけですが、そうではなく。
「そもそも冷蔵庫や台所に置かないようにする」というのが、余計なものを徹底的に省くということになるわけです。
そもそも家にお菓子や炭水化物がなければ、「食べる食べない」という意志力に頼る必要もなく、「考える必要」がなくなります。
意志力に頼らないというのは「考える必要をなくす」ということであり、そのために、無駄なものは捨てて省く、というのが環境を変えるということにつながるわけですね。
これはダイエットにおけるお菓子や食べ物ということでしたが、仕事に関して言えば家にある「漫画やゲーム機」と置き換えることもできますし、スマホのSNS断食などにも言えます。
本書では「着る服」も6着のみでよく、60日間着なかったものはすべて捨てて、「考える」ということを徹底的に省くことが描かれていて。
それぐらい「徹底して環境づくりをすることの重要性」が描かれます。
「食べたいけど我慢する」ということをしてしまってはもうダメで。
そもそも「食べれない状況を作る」ということが本当に自分を変えたいのであれば大切だ、ということが1つ目の環境づくりだ、ということです。
努力を自動化させる
続いて2つ目の環境づくりは「努力を自動化させる」ということ。
本書の「FULL POWER:科学が証明した自分を変える最強戦略」ではジョンバークというピアニストの話が出てきて。
それが面白いので紹介しておくと。
ジョンバークという人は、作曲をするときに今の自分では絶対に引けないような曲を作るそうです。
そして、その自分では引けないほどの難曲を自分に課し、練習する。
そのうえで作りたいアルバムの構成が決まれば、最初にアルバムの完成日と発表日を先に決め、そこから逆算してレコーディング日やスタッフのスケジュールなどすべて決めるそうです。
レコーディングのためのスタジオやスタッフなどの人件費は当然ピアニストのバークさん持ちですが、先にアルバムの制作費の支払いを済ませておくそうです。
そしてそのアルバムのスケジュールが決まった後は、自信のSNSで告知し「アルバム制作中です」とアナウンスする、と。
このアルバム制作の一連の流れに「努力を自動化する環境づくり」の重要なエッセンスがふんだんに盛り込まれていて。
まず一つ目が事前に日程を決めアルバム制作費を払うことで、「リスクを負う」ということ。
これはサンクコストの呪縛という心理効果が有名ですが、お金を払うとその「元を取ろう」という心理が働きます。
典型的ななのが映画館ですが、お金を払って映画を見るのなら、その映画が詰まらなくても最後まで見てしまう、ということがあると思います。
本来であれば「つまらないのならお金を払ったとしても途中で退出したほうが得」です。
ただ、「もったいない」という心が働き、お金を払ったのならどうにかして元を取ろうとする。
これがいわゆるサンクコストの呪縛といわれるものですが、これを利用し、ジョンバークは先にアルバムにおける製作費を払いリスクを負うことで、努力を自動化しているわけです。
次にそのアルバム制作をファンに向けてSNS告知ですることによって、「社会的なプレッシャー」をあえて作っています。
この社会的プレッシャーが2つ目の大切なポイントで。
SNSでファンに「アルバム制作中です」とアナウンスしてしまえば、どれだけやる気がなくなってしまったとしても「作らないといけない」というプレッシャーが襲います。
そうした「やらざるを得ない環境」をファンに告知することによって自らで作り出す。
そのために「社会的プレッシャー」という環境を構築しているわけですね。
そうして作った曲というのは、当然「レベルの高いもの」を作りたいと願う。
そのために「今の自分では出来そうにない難易度の高い曲」を練習する。
当然ですが今できることを継続していても、元の自分を超えることはできません。
お金を払いリスクを負い、ファンに公言することで社会的プレッシャーを演出し「今の自分では出来ないレベルの高い曲」を練習することで、必然的にピアニストとしてのレベルアップにつなげています。
こうした、
- 今の自分を上回る課題
- リスク
- 社会的プレッシャー
この3つを意図的に作り出し、「やらざるを得ない環境」を作り出すことで、努力を自動化している。
なので、先ほどのジョンバークというピアニストには努力を自動化するためのエッセンスがふんだんに盛り込まれているエピソードなんですね。
感想レビュー:一度手に取って読んでみてほしいオススメの本
つまりこの「FULL POWER:科学が証明した自分を変える最強戦略」をまとめていくと。
意志力に頼るのではなく、環境を変えることが重要で、今まで決めたことやコミットしたことが出来なかったのは「意志力に頼っていたから」だということがまず1つ目のポイント。
そのうえで「環境づくり」としてやるべきことが2つあり、
- 無駄なものを徹底的に省く
- 努力を自動化する
この2つの環境を作り出すことが大切だ、ということです。
無駄なものを徹底的に省くというのは「考える必要性をなくす」ことが目的で。
食べたいけど我慢する、遊びたいけど我慢する、といったように「考える」ことをなくし、「食べられない」「遊べない」といった環境にあらかじめセットしておくことが大切。
そして努力を自動化するためには
- 今の自分を上回る課題
- リスク
- 社会的プレッシャー
この3つをうまく組み合わせていくことが重要。
上手く応用するなら、スポーツプレイヤーなども利用しているシーンを見ますが、社会的プレッシャーを生み出すために友達に「私3か月後に5キロ痩せるね」と公言してもいい。
ジムに通うために3か月間のジム利用料を前払いで支払っておき、リスクをあらかじめとる。
練習や努力をしないと、活動できない状況を作る、など。
そうやって応用が可能です。
という感じで、簡単に要約して内容をまとめてきましたが、冒頭にも伝えた通り、この本はマジでオススメ。
このブログにすべての内容をかけるわけじゃないので、ぜひ買って中身を見ておくといいと思います。
おそらく買って損はしないと思いますね。
損する人というのは、積読してしまう人や読んだけど実行に移せない人。
まあこういう人はどんな本を手にとっても、活用できないのでどの本もおすすめはできませんが、買って実行できる人(環境づくりに着手できる人)なら損しないと思います。
あらかた内容は伝えてしまってはいるから、この要約記事を見るだけで十分という人もいると思うんだけど、実際の書籍には「科学的なエビデンス」がきちんと乗っているんですよね。
やっぱり理解度が深い段階で行動できる人と、理解度が浅くても行動できる人の2パターンいて。
理解度が深くないと行動できない人っていうのも少なからずいるし、きちんとロジックを知ったうえで行動したほうが実践力も高くなるので、概要を理解できても全然手に取る価値はあると思いますね。
さらに言ってしまうと自己啓発とかって「根性論」だとか、それこそ「意志力」に訴えかける内容がほとんどで。
僕もそうした内容の本に触れてきますが、結局のところ「根性論」の話なので、多分その自己啓発本を読んで成功したという人であれば、他の本を読んでも成功できる。
むしろこのFULLPOWERって意志力がない人や根性論に挫折した人にとっての本で、これまでとか昭和の常識を覆した本だと思いますね。
頑張ったけど出来なかった、だとか。
努力したけどうまくいかなかった、という人って努力や頑張りのベクトルが違ってたってだけで「頑張ることが出来る人」だと思うんですよね。
なので、ベクトルを「環境」にスイッチするだけで成功できると思うので「間違った努力をしないため」にも一読しておくといいと思います。
結構おすすめの本です。