佐藤航陽著「お金2.0」を読んだ感想と辛口レビュー

今回はタイトルにある通りなんですが、佐藤航陽さんの「お金2.0」を呼んだので、その感想を書いていきながら、ざっくりと簡単に要約していき、レビューをしていこうと思います。

先に結論から伝えておくと、この「お金2.0」っていう本はどんな内容なのか?っていうと、サブタイトルにもある通りなんですが、「新しい経済のルールと生き方」っていうのがサブタイトルになっています。

要するに、お金とはどういったものなのか?ということから、資本主義から価値主義へとルールチェンジがこの先行われるから、そのための生き方を準備しなければいけないというメッセージが込められた本になっているっていう感じですね。

ちょっと余談なんですが、同じ佐藤航陽さんの「世界2.0」という本も読みましたが、おそらく「2.0」というタイトルに味を占めている感があって、正直タイトルは「コピーライティング」の観点から、決めているんだと思います。

なので、タイトルからだと「どういった本なのか?」っていうのがいまいちつかめないっていう印象で。

サブタイトルを見てみた方が、この本がどういう本なのか?っていう内容が理解できる特徴があるなっていう風に思います。

この「お金2.0」のサブタイトルが「新しい経済のルールと生き方」になっているので、このサブタイトル通りの内容っていうのを把握しておくと、中身もすっと読めるんじゃないかなって思います。

お金の正体

では早速。

この佐藤航陽さんの「お金2.0」をまだ読んだことない人や、このレビューを見てから買うかどうか決めるっていう人もいると思うので、めちゃくちゃざっくりではありますが、要約していくと。

まず先に語られるのは「お金の正体」です。

お金とは何か?どういった経緯で作られて行った文明なのか?

そうした経緯が描かれていきます。

お金というのは、昔から「貝殻」などを用いて使われていて、何千年も歴史のある文明のものとなっている。

そもそも物々交換を行っていた時代には、肉や魚などは時間とともに劣化していくし、持ち運びも簡単ではない。

その交換するためのツールとして、持ち運びが便利で、腐ることの無い「お金」という概念が生まれていった。

それが国家などが運営するようになっていき、銀などを用いて「コイン」として扱われるようになっていった。

そこからこの銀などを担保するようにして、借用書のようなもので、お金というものを表すようになっていった。

この借用書が、紙幣となって変化していき、今は電子マネーやインターネット上でお金がやり取りできる電子証明書のようなものへと変化していってきている。

ここから金本位制というものがなくなり、元々は「コイン=金」に価値があったのに対して、その金と交換できる券(=紙幣)というものは本来の意味をなくすが、それでも皆が価値として感じているものが、お金という概念。

つまり、今は「信用」こそが、お金の価値であり、皆がお金と認識するものの正体である。

そんなお金の歴史が語られ「お金とはどういったものなのか?」ということが語られていきます。

お金の民主化

これまで何度も姿を変えてきたお金の歴史。

この歴史を見ていくと、「お金というものが絶対的な価値ではない」し、「この先同じ紙幣というものが使われるということはあり得ない」ということが見えてくるわけです。

じゃあ、この先どういったものが「お金」というものさしに変わっていくのか。

このお金というものの概念を理解すると、その全容が見えてくる。

そもそも先ほど伝えた通り、お金というのは「金と交換できる」というものから紙幣という概念が広がっていった。

そこから金本位制がなくなり、今はお金を持っていっても金と交換できるわけじゃない。

ここのシフトに何が行われているのか?というと、「信用対象の変化」が行われている。

信用する対象が金という「モノ」から「国家」という国に対しての信用にシフトしていることが分かる。

つまり、金と交換できる紙幣ではなくなったが、国家がお金というものの価値を担保してくれているため、国家に対する信用がお金の価値を担保するように変わっていったということ。

これがこれまでの流れだったわけです。

ただ現在どういった現象が起こっているのかというと、ブロックチェーンや暗号資産などのテクノロジーが進化していき、「お金の民主化」が起ころうとしている。

中央政府が通貨発行権を有し、日本銀行やFRBなどがお金の価値をコントロールする、いわば「中央集権」の体制だったのが、今の経済です。

その一方で、ブロックチェーンなどの技術を利用すれば、中央集権である必要はなく、皆が自然節理の中で信用を担保する「お金」を生み出すことができる。

要するに、テクノロジーの進歩によって、お金が民主化していった。

これが現在起こっている変化なわけです。

インターネットによって情報が民主化された。

それまで情報というのは、一部の知識人や権力者しか得られなかった情報。

それがインターネットによって、すべての民衆に情報が流れていくようになったことで、世界はめまぐるしく変わった。

同様に、お金というものも、今は「国家」が主導になってコントロールしている。

しかし、そのお金というものが民主化されようとしている。

それが、この佐藤航陽さんの「お金2.0」の前半部分で語られることなんですね。

資本主義から価値主義へ

この「お金の民主化」が起こるとどういう経済への変化になっていくのか。

佐藤さんは「資本主義から価値主義へ変わる」という風に言っています。

この価値主義というものの世界はどういう世界なのか。

資本主義は今ある経済循環のものなので分かりやすいと思いますが、例えばYOUTUBERへの投げ銭やスパチャという文化は資本主義では表せないものです。

SNSなどを通して「お金を上げる行為」が、スパチャや投げ銭と言われるわけですが、何か対価としてもらったわけじゃないのに、お金を払うというのは理に合わない行為でしかない。

ただ、今もうその文化圏が広がっており、1日で数億円のスパチャをもらった配信者もいる。

これは「自分に理がある」という資本主義の在り方ではなく、「価値をもらった」という価値主義というあり方があるからこそ、行われる経済活動なわけです。

本書の中で「価値」に対して3つの価値というものが定義されていて、ここでは割愛しますが、「応援する」ということや自分の自己肯定感を高めてくれたり、はたまた「自分の名前を呼んでもらう」などを通して特別感を得られたり。

そうした今まで目に見えて経済価値を生み出していなかったものへと価値が付与される世界、それが「価値経済」であり「価値主義」なんですね。

そしてこの価値主義が、お金が民主化したときに起こってくる次の主流の経済活動だという風に、本書では語られます。

それこそ昨今では「SDGs」などをはじめとした環境問題が活発に言われている。

その他の社会活動やNPO法人などの非営利団体での活動も活発化している。

要するに「儲かるならどんなやり方でもいい」という資本主義のやり方から、「儲かるかわからないけどそれよりも大切なことがある」というやり方に、今以上にお金が集まってくるし、そうした経済活動が人を呼び込むということが現在でも起こっています。

また、この本の中で紹介されているエピソードの1つで面白かったのは、投資家が新しい指標を見つけて、その指標によって投資するか否かを決めているという話がすごく面白くて。

ある投資家は「その会社で働く従業員の満足度が高いか?」という指標を投資するかどうかに組み込んでいるそうなんですね。

IT企業などは特に「固形の財産」を持っているわけではない。

そのため、その企業で働いてくれている「従業員」がものすごく大切な社内リソースになってくる。

グーグルやアマゾンなどは「優秀な従業員がどれだけ入ってくるか?」という所にものすごく力を入れている。

(インドなどに学生をヘッドハンティングしにいき、初任給には年収で数千万円渡すなんて言うのも知れた話です)

それだけIT企業において「人材」というのは大切なリソースなんですね。というかそれ以外ないといってもいいぐらいのもの。

だからこそ、従業員の満足度が高ければ、仕事の生産性も高まるし、優秀な人材も多く集まる。

そのため、投資家は「その会社がいくら設けているのか」という財務諸表だけを見るのではなく、「その会社で働く従業員の満足度が高いか?」という価値を見ているという話があります。

要するに一貫して「これまで見過ごされてきた価値」というものが可視化していき、その見過ごされてきた価値にドンドンとお金が集まるようになる。

だからこそ、資本主義から価値主義へと移行するし、そのためのテクノロジーは集まっているっていうことなんですね。

お金2.0を読んだ感想とレビュー

ってな感じで、めっちゃざっくりではありますが、この「お金2.0」を要約してきました。

正直伝えきれていない部分も多くって、佐藤さんは新しい技術やテクノロジーにも明るい方で、そういった会社を運営していたりするので、最新テクノロジーの面白い話なんかもいっぱいでてきます。

なので、気になる方は実際に手に取って読んでみてください。

んで。

ここからこの本を読んだ僕なりの感想とそのレビューをしていこうと思いますが、本書の最後の方に「じゃあこの価値主義の時代にどう生きたらいいのか?」っていう話になっていきます。

そこで佐藤さんは「好きなことをし続ける」という風に回答していて、今まで見向きもされなかったものが価値へと変わるため、そこに応援する人が集まり、お金も集まってくる。

だからこそ「好きなことをするべきだ」という風に言っているんですね。

個人的にこの部分には2つの解釈を僕はもっていて。

その通りだという側面と、まだ経済の流れはそこまで変わらないという側面の2つ持っているんですね。

たぶんだけど、この本のメッセージ性っていうのはこの最後の「好きなことをするべきだ」という所に集約されると思うんですが、まず一つ目の「その通りだ」っていう見解から伝えていくと。

先ほども例にある通り、今まで「それって何の価値があるの?」と見過ごされてきたものが、お金や価値に変わっていくし、そのためのテクノロジーが出てきている。

SNSなどのフォロワーなんてのはその典型で、「フォロワーが多ければ何になるの?」って言われていたものが、今や「影響力」として様々な方法でマネタイズができるようになった。

だから若者はみな「影響力」を欲するし、それが価値になっている。

そして応援するというフォロワーの性質上「応援できるほど何かに熱中している人」というのは、応援されやすい傾向にある。

また脳科学の側面から見ても同様で、好きなことをしている時に神経回路から報酬系の脳内ホルモンが放出される。

いわゆるドーパミンやアドレナリンといった類のもので、好きなことであれば、どれだけ続けていたって苦じゃない。

そう考えれば、好きなことすべきっていうのは「好きなことであれば、いくらでも続けられるし、続けていても苦じゃない」っていうことが言えるし、好きなことで食っていける世の中になるっていうのが、価値主義のメインテーマ。

この部分に関してはすごく賛成できるんですね。

でも、そのもう一方の反対意見として持たざるを得ないのは、資本主義の抵抗が必ずあるっていうこと。

例えば、「お金の民主化」としてブロックチェーンなどのテクノロジーが普及していっているわけですが、あくまで「仮想通貨」や「暗号資産」として投機的な意味合いしか持てていないのが現状です。

もちろん社内トークンなどを利用することもできなくはないですが、いわゆる「楽天経済圏」のように、一つのコミュニティや場所でしか使えないもの。

要するに、これまで中央集権で力を持っていた人たちがそういったテクノロジーや文明を阻むし、その壁が大きいというのが、価値主義へのネガティブな僕の反応です。

これに対して「テクノロジーや流行りは止められない」という風に言う人もいますが、UBERは日本に入ってこれなかった歴史があるし、未だに国家のビットコインのような通貨も出てきていない。

そうしてしまえば、市場を国家がコントロールできなくなるから、絶対的に抵抗する。

アメリカなんかを例に挙げれば、FacebookやVISAなど大企業が連携して、仮想通貨を作りそこに紙幣と紐づけて信頼を生み、ドルに代わる仮想通貨を作ろうとしましたが、国によって拒絶され、その計画は白紙になったことがあります。

未だに行政は国家が行っているので、ホリエモンのテレビ局買収の時のように、ザッカーバーグなどを逮捕して脅すなんてこともできるわけです。

それだけ中央集権が加速してきている中で、中々テクノロジーというものが浸透せず、それを阻む存在が大きいので、それほど劇的に世の中が変わるとは思えないんですよね。

そしてもっと言えば、それこそトークンネイティブのような世代が主力になれば行けるとは思いますが、現在日本では3~4000万人ぐらいが年金受給者で、超高齢化社会です。

ただ、人口のパイを考えていくと、超高齢者が「マジョリティ」になっている。

マジョリティが世の中の当たり前や常識を作っていく自然節理を考えていっても、中々価値主義が浸透していくとは思えないんですよね。

だから、好きなことをして食っていくのが一番いいとはいえ、それが主流になるほどの世の中の反発が大きいっていう風に思うんですよね。

その証拠にYOUTUBERとして収益化しているチャンネルも全体の数%しかいませんし、その中で食えている人数を探せば、さらにその中の数%っていう世界です。

もし仮に資本主義から価値主義に代わっていくのだとすれば、それは今後数十年先(少なくとも、今の上の年齢層の人が死んだとき)なのかなって思いますし、だからこそこの本を読んで「好きなことだけで生きていける世の中なんだ」って思うのは時期尚早なのかなとは思いますね。

それこそ、この本の中でも書かれていますが、そうした価値主義と資本主義っていうのは混同していって、その割合が変化していくっていうのが、この先の近未来の話なのかなって思いますし、数年後すぐに劇的な変化があるっていう感じではなく、時間をかけてじわじわと変わっていくっていう感じなのかなって思います。

僕個人では、「好きなことをするためには我慢も必要だ」って思っているので、きちんとスキルを身に着けることもそうだし、好きなことをするためにも嫌なことをやらないといけないと思っていて。

ベーシックインカムなんかが導入された未来っていう感じが、価値主義の分かりやすいパラダイムシフトだとは思いますが、そうはなっていない現状を考えると、両輪でやっていくのがいいんじゃないかなって思いますね。

ただ、未来のテクノロジーとお金に対する考えなど、改めて再考察できた本だったので、個人的にお金を2.0は結構面白かったかなって思います。

「未来には絶対こうなる」っていう視点じゃなくって、考えるきっかけっていう意味ですね。その点ではおすすめできる本かなって思いました。

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経歴: 実家で営んでいる美容院が経営悪化により倒産し、父親が自己破産。大学生だった当時、学費が払えず大学を中退し、家族4人どん底生活へ。中退した後、あえなく就職し、工場勤務や営業など様々な労働地獄の波に呑まれる。

ブラック企業の会社員として、12時間以上働きながら始めた副業が、開始2ヶ月で23万円稼ぎだしサラリーマンの給料を超える。さらに4ヶ月目には月収30万円、その後も月収63万円と減ることはなく、サラリーマン時の約4倍の収入を得る。

これまでの経緯やノウハウを電子書籍化した結果、大手電子書籍掲載サイトにて、新着ランキングトップ10位入りの常連と化し、最高位2位を受賞。更に2017年4月にはAmazonに電子書籍を出版し、アマゾンランキング1位を2部門で受賞。見事2冠を達成し大きな反響を得る。

現在は独立しオウンドメディア運営、情報ビジネス、webマーケティング関連など様々な事業を展開。節税の為に法人化するか現在検討中。

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