今回はタイトルにある通り。
「人付き合い」に関して、面白いことを知ったので、それをシェアしておこうと思います。
先に結論から伝えてしまうと。
一瞬で仲良くなるためのとある方法というのが「一緒に同じことをする」ということ。
まあ、これはよくあるミラーリング効果だとか、よく本に書かれる小技など、そういった心理学的なテクニックなどの小賢しいテクニックではなく、人間の深層心理を応用したテクニックになるので、ぜひこの先も見て参考にしてみてください。
根拠
「同じことをすると仲良くなれる」
ということに関して、まずは根拠から解説していくと。
これはアメリカのスタンフォード大学が行った研究がもとになっていて。
スコットウィルターマスが行った研究では、被験者を集め3つのグループに分けていきます。
それが
- 国家を黙読したグループ
- 大声で国家を一緒に歌ったグループ
- 一人で耳にヘッドフォンをつけて歌ったグループ
それぞれ3つのグループに分けていくわけですが、「国家」を歌ってもらうというところは共通した部分で、「歌い方」に違いをつけているのが特徴的な研究です。
それぞれのグループで国家を歌ってもらった後、特定の人(リーダーのような人)に対して報酬を渡していきました。
この報酬を「どう分配し、活用するか?」ということを経過観察していったわけですが、面白いことが判明しました。
2番の「一緒に大声を出して歌ったグループ」が一番グループの中で協力的な姿勢を取り、報酬も分配しあう傾向が高かったことが判明しました。
つまりこれは「一緒に同じことをする、共有する」ということが、見知らぬ人同士であっても連帯感や親近感を沸かせ、協力的な姿勢を作り出し、ということがこの研究により判明したんですね。
仲良くなるための3つのポイント
当然会社で上司や同期、または後輩と「一緒に大声で歌う」というシーンはなかなか作れないかと思います。
カラオケなんか行って歌えれば話は別ですが、カラオケに行くぐらい仲良ければ「人付き合いが苦手」ということにはならないでしょう。
なので、このスコットウィルターマス教授の研究をそのまま応用するのは難しい。
ただ、3つのポイントさえ押さえておけば、応用が利き、いろんなシーンにおいて人と仲良くなることは可能です。
一緒に同じ経験や体験をする
まず1つ目のポイントとして挙げられるのは、先ほどから何度も出ている「同じ体験や経験をする」というところ。
ここは言わずもがなですね。
ただポイントとなるのは「同じ立場で体験する」とより効果が高い、ということ。
仮に「同じプロジェクト」として仕事を共有していても、「上司からの指示をやっている状態」であれば、上司と部下とで立場が違う状態になります。
立場が違うと共有や同じ体験ということ、共通項は見つけづらいので、「上司も同じ状態、立場」ということを踏まえて「一緒に同じことをする」と覚えておくといいと思います。
羞恥心や困難を共有し乗り越える
また次のポイントは「羞恥心」や「困難」を一緒に乗り越えるということ。
このポイントを押さえておけば、かなり親密度は高まります。
スコットウィルターマス教授の研究を思い出してもらいたいのですが、「大声で歌う」というのは、3つのグループに分けた時一番恥ずかしいグループです。
1つ目のグループは黙読なので、羞恥心はなく恥ずかしさもない。
3つ目のグループはヘッドフォンをしているので、一人の世界での話です。
周りに歌声が聞こえていて、しかも大声で歌っている。
それらを「同じグループの人たちと乗り越えた」という気持ちが「共感」「連帯感」を産み、より親密になっていくことを推進してくれるわけです。
この羞恥心や同じ困難を乗り越えるというのは、かなり強力なエッセンスとなるので、「どうやったら羞恥心や困難を取り入れられるか?」を考えてみてください。
一緒にプレゼンをしたり、人前で共同で発表するなど、いろいろな方法での活用も考えられますね。
認識してもらう
そして最後が「認識してもらう」ということ。
これは当然の話ですが、「僕らは同じことをしている」ということを相手に認識してもらわなければいけません。
相手が認識していなければ、スコットウィルターマス教授の研究でいうところの「黙読」や「ヘッドフォンでの合唱」というような状態と同じになってしまいます。
そもそも会社組織でいえば、部署によっては同じタスクや問題を解決するために働いています。
そこでもし仮にあまり仲がよくなかったり、連帯感が生まれていないというのは、この「認識しあえていない」ということが可能性として挙げられます。
デスクワークなんか顕著ですが、パソコンの前に座っていると、どこか一人の世界が作り出され「一人で仕事をしている」と認識してしまいがちです。
自分自身がそうなる可能性と、相手が一人の世界に入ってしまっている可能性もある。
そうなれば「同じことをしている」という親和性を上げる今回の研究もまったく意味をなさなくなってしまうので、どうにか認識してもらうように努める方法を考えるのが得策です。
「同じ問題に取り組んでいて、汗水たらしているのに、認識されていないかも」
そう考えるといろいろとアイデアは浮かんできそうです。
逐一状況を報告しあい、同じタスクに取り組んでいることを認識してもらうことや、共同で仕事をこなすことなど、アイデアや状況次第で様々な方法が思いつきそうです。
つまりまとめると、
- 一緒に同じ体験や経験をする
- 羞恥心や困難を共有し乗り越える
- 認識してもらう
この要点をうまく活用すると、人付き合いが苦手でコミュニケーション能力がなかったとしても、一瞬で距離を詰めることが出来るということになるわけですね。
まとめ
少し長くなったので、最後にまとめておくと。
人付き合いが苦手な人でも仲良くなる方法は「同じ体験をする」ということ。
これはスタンフォード大学のスコットウィルターマス教授の研究で判明していることで、「大声で一緒に歌ったグループ」が一番協力的で親和性が高かったことが明らかになっている。
これをビジネスシーンで応用するとすれば、同じ仕事やタスクなどに取り組んだり、一緒に困難を乗り越えることで協力的な関係を作ることが可能。
また仲良くなるために押さえておきたいポイントとしては3つあり、
- 一緒に同じ体験や経験をする
- 羞恥心や困難を共有し乗り越える
- 認識してもらう
この3つを押さえておくと尚よい。
まとめるとこんな感じですね。
ぜひ参考にどうぞ。