いつものように。
僕の日課である書店に行って、「面白そうな本ないかなぁ〜」なんて探したら、新しく出版されていたこの「GACKTの勝ち方」という本。
僕としては、結構Gacktは好きな方で。
年始の格付け番組もよく見ていましたし、ミステリアスなキャラクターも結構好き。
んでもって。
音楽以外に不動産業やら、海外のコーディネートというか、アテンドというか。
そう行ったビジネスでうまく行っているのも、テレビとかで見ていて。
多少興味を持って手に取ったのがこの本でした。
ただ、僕の個人的な感想としては、「単なる自己啓発」に近い本だと感じましたね。
Gacktの勝ち方をオススメしたい人
まあ結構こういった有名人が本を出すケースって多くって。
有名人が出す本って結構初心者向けっていう感じがする。
まあ僕がそれほど本を読む上級者か?って感じはしますが、本を読む上で重要なのって著者との対話。
例えば、友人と学生時代話した会話はよく覚えているけれど、難しい専門書はあんまり覚えていないってことが往往にしてある。
これは、「知っている人」と「知らない人」とでは、記憶への残りやすさが違うため、同じ情報であっても内容を覚えているかどうかが変わってくる。
だからこそ、初めから「知っている人」の話は入って来やすいから、本を普段からあまり読まない人であっても有名人の本は結構スラスラ読めるわけです。
なので、あんまり普段本を読まない人やGacktがめっちゃ好きな人。
あるいは、自己啓発が好きな人ならいいんじゃないかなって印象でした。
僕としては自己啓発とかは、全然好きじゃなくて。
もっと「Gackt」について知りたかったから買った本だったわけですが、ボリューム的には「Gackt の生い立ち+考え方」って感じの構成なので、どうしても「考え方」の部分では自己啓発的な意味合いが強くなって来てしまっていて。
それがGacktの体験談ベースの話なら面白いんだけど、それも少なかったので、僕はあんまりかなって印象でした。
Gacktの勝ち方のあらすじ
この本の構成は僕が分解するに、Gacktの生い立ち+考え方っていう構成で。
生い立ちでいうと、19歳の水商売をやっていたところからのスタート。
そこから
- 水商売
- 音楽活動
- ビジネスマン
この3つで構成されてる。
水商売ってのは知らなかったし、そこの生い立ちの話は結構面白かった。
そこから、今に至るまでというか、Gacktを形成している「考え方」がこの本では語られるっていう構成。
Gacktの勝ち方:感想
んで。
このGacktの勝ち方の感想としては、この前半部分「生い立ち」は結構面白いなって感じました。
例えば、19歳あたりで水商売を始めていて。
そこから音楽を始めようと取り組み始めるわけですが、「2つの選択肢があった」というくだりでは。
- 水商売を続けて生活費を稼ぎながら音楽活動をする。
- 会社に就職する
この2つが選択としてあったと。
音楽をやろうと決断したのなら、当然後者はノー。
すると必然的に前者の「水商売をやりながら音楽活動をする」っていう風になるわけですが、Gacktはそれもノーだったと。
というのも、音楽活動をしながら水商売をしているやつは周りには多かったけれど、皆がいつしか「水商売」が本業になっていって。
水商売の忙しさから、本来やりたかった音楽の道がどんどん薄くなって行く人が大半だったと。
だから、生活費を稼ぐためにアルバイトをするだとか、水商売をするとかではなく、「音楽で生きていく」っていうところにフォーカスした。
そんな話が本の中に出て来ます。
これは結構面白いし、多くの芸人とかバンドマンとかが陥る罠だと感じましたね。
んで。ここからがGacktっぽいなというか、普通の人の斜め上だなって感じがしましたが、音楽で生きるために水商売をやらない。
そのためには「サポーターを見つけよう」と決断する。
そこから、「Gacktを応援してくれ」というサポーターを50人見つけるために、何千人と断られる経験をしたそうで。
まあシンプルにナンパですよね。
ここら辺の「完璧Gackt」っていうものを気づいて行った泥臭さが僕は結構好きでした。
やっぱり人とは違う上に、行動力があるエピソードだと感じましたね。
んで。
もう1つ面白いなと感じたのは、「知覚考動」の話。
以外にも完璧主義なGacktにも、数多くのメンターがいて。
「メンターって存在がGacktにもいるんだ」って印象でしたが、そのGacktのメンターから言われた一言がこの「知覚考動」
そこで語られてたのは「ほとんどの人は、知覚考動の順番なんだ。でも本当の順番っていうのは、知覚動考なんだ。要するに、知って覚えたらすぐ動かなきゃダメなんだ。そして動いた後に考えるんだ。」
そんな話をメンターにされたGacktだったわけですが、ここまでだったら単なる自己啓発的な本の中に内容。
そうじゃなく。この知覚動考の話にはまだ続きがあって。
この話をメンターにされているGacktの部分では、「本当に多くの人が行動しようとはしない。だから知覚動考にしないといけない。一文字変わるだけで人生は大きく変わる。
そして、この4文字の読み方はこうなんだ。知覚動考(ともかくうごこう)」
そんな話が、このGacktの勝ち方では出て来ますが、「オシャレだなぁ〜〜」って読んでて思いました。
僕はGacktのライブに入ったことないですが、こんな感じで細部までこだわったオシャレな演出とか、いい意味での期待の裏切りとかがあるんじゃないかなって感じるぐらい、シャレオツな話でしたね。
これは結構好きな話でした。
あとは最後に印象に残ったのは、やっぱり「覚悟」の話。
僕は結構この覚悟の部分が好きでしたね。
Gacktといえば、ラーメン食べない、お米を食べない。さらに1日1食。
それだけ聞いてると、「炭水化物嫌いなの?」とか、思えるけど、実は大のラーメン好きだし、お米も大好き。
少し前のテレビで、「なぜお米を食べないのか?」って聞かれた時に、「何かを成し得たいのなら、何かの代償を払わないといけない。僕はそれに対して一番好きな「お米」を差し出した」
そんな話を言っていました。
その上で、かなりハードなトレーニングもこなす。
正直尋常じゃないです。
やっぱり気になるのは「なぜそこまでストイックなのか?」
これに対して「Gacktを演じるのはそんなに楽じゃない」って本の中でも書かれていたりしますが、僕はその裏にあるのは「覚悟」だと感じました。
まあ、別パートとして覚悟の話を深く掘り下げた「謎の人K氏」の話も出て来ますが、もう覚悟なんだなと。
この覚悟をこの本の中では「喧嘩」として取り上げていましたが、一説には芸能界最強の呼び声も高いGackt。
そんなGacktでも、喧嘩をするときはやはり怖いと感じると言っています。
若干人間っぽさが感じられる一文でしたが、じゃあなぜそこまで恐れることなく突き進んでいけるのか。
それは相応の「覚悟があるから」だと本の中では伝えていて。
シンプルだけどそれ以上のアンサーはないなって感じた言葉でした。
あの年始の格付けも本当はめちゃくちゃ怖いって言っていたりして。
確かに喧嘩は怖い。
これを社会人に置き換えると、上司に刃向かうことだったり、社内の人間関係だったりに置き換えられる。
でも僕らは多くのケースで「嫌われたらどうしよう」だとか、「負けたらどうしよう」ってなって、あまり深くはいけない。
負けるケースだって多くある。
でも「相応の覚悟」があるのであれば、ビビらないし、本気でやり合える。
本では喧嘩に例えていましたが、「喧嘩にビビるのは、死ぬ覚悟がないから。僕だって喧嘩は怖いけど、僕は刺し違える覚悟で喧嘩に行く。」
そんな風に言っていて、これはどのシーンでも応用が効くなって感じました。
ビジネスをやるのに失敗を恐れている自分。
そんな自分がいるのであれば、それは「覚悟」がないから。
もし覚悟を持っているのであれば、もう「引く」ことはできないでしょ。と。
失恋するのに失敗を恐れている自分。
そんな自分がいるのであれば、覚悟がないから。
もし覚悟があるのであれば、死ぬ気で告白するでしょ。と。
そんな風にどんなシーンでも応用が効き、ビビってしまったり怖くなってしまうのは「覚悟がないから」なんだって気付かされたがしましたね。
Gacktの勝ち方:レビュー
こんな感じで、所々面白い話やGacktの生い立ちなんかを知れたので、僕的には結構面白かったです。
(オマエって言葉を読者に向かって指す単語にしているのも)
ただ、一つネックなのが、自己啓発色が強いところ。
自己啓発とかが好きなのであれば、そこまで難色を示すことはないと思いますし、人生において考え方が最重要なのは変わりがないことなので、そこのボリュームが多くなってしまうのは仕方のないことかとは思いますが、僕個人としては「もっとGacktのこと」が知りたかった。
だから、その自己啓発的な「失敗を恐れるな」って言うメッセージをGacktの体験談の中でもう少し語って欲しかったなって言うのがありましたが、それが薄いような気がして。
もう少しGacktの生い立ちとか、葛藤とか、苦しみとか。
そう言うボリュームがあれば、もっとよかったのになぁ〜って感じがしました。
「それは知ってるし、Gacktしか伝えられない内容じゃないな」みたいな。
イメージでいうと、Gacktの体験談3:自己啓発:7ぐらいの印象で。
ミステリアスで、ストイックで、結構好きな人だからこそ、もっと深くまで掘り下げて生い立ちやヒストリーが知りたかったですね。
なので、自己啓発的なものが好きじゃなければ、あんまりオススメはしないですね。
Gackt生い立ちやミステリアスな部分が知りたいっていう人も、本の半分以下しか内容が出てこないので、期待には添えないかなって印象です。
まとめ
結構早くに「音楽一本」を捨てて、様々な事業に手を出して言ったGackt。
その先見性はすごいと思いますし、今ではその流れが当たり前になりつつある。
芸人もオンラインサロンをやりながら、YOUTUBEをやって、「個人ビジネス」を生業にしながら活動している人もいるし。
キンコン西野やカジサック。オリラジあっちゃんなんかはその筆頭芸人。
その宗派とは、「ビジネス色」が強いGacktですが、やっぱり根本は「音楽で生きて行くため」に始めた副業がビジネスだったということ。
ただ本の内容としては、「本の出版がビジネスの拡大」につながらないからなのかわかりませんが、跳ねなかった印象。
一方で、キンコン西野とか落合陽一とかは、本の出版がビジネスの拡大につながる人たち。
だから、本に力を入れているのか、結構おもしろい。
そんな違いも裏にはあるのかなって感じがしましたね。