今回はタイトルにある通り。
「30代を無駄に生きるな」をみたので、まだ読んでいない人のためにざっくりと分かりやすく要約していきながら、最後に感想をレビューしていこうと思います。
結論から言えば、この本の言いたいことっていうのは孫氏の言葉にある「己を知り敵を知れば百戦して危うからず」
ということが、この本のキーパーソンになってきて。
その具体的な方法が書いてある本、というのがこの本のわかりやすい総括。
ただ、この本は結構自己啓発的な側面が多くって、僕個人的にはさほど買って読むべき本か?といわれればそうじゃない感じがしましたね。
それらを踏まえて、解説していこうと思います。
あらすじ
まず初めにあらすじを。
この本のサブタイトルや表紙にもある通り、「人生の9割は30代で決まる」と書かれていて。
「人生の岐路」を分けるのが30代というとらえ方をしています。
だからこそ、タイトルにもつながり「30代を無駄に生きるな=人生を棒に振るな」というメッセージからタイトルがつけられ、「30代の生き方」を提唱してるのが、この本のメインディッシュということになるわけですね。
ポイント1:「自己分析」
では続いて。
30代を無駄に生きないために、僕らは何をすればいいのか。
この本に描かれる1つ目のポイントは「自己分析」としています。
本の中では「棚卸し」という言葉を使って表現されますが、要するに「目的地が分かったところで現在地が分からないまま、どうやって進むことができるのか」
ということを伝えたいため、まずは「自己分析」をし、自分の現在地を知る必要がある、と説きます。
具体的には
- 自分の強みは何か
- 今までやってきたことで誇れることは何か
- これまでの人生でやり切ったといえることは何か
これらを問われたときに、スムーズに返すことができるか。
それぐらい自分のことを棚卸できているか。
そういったことを含めて、まずは自分の現在地を知ることが大切だと、1つ目のポイントで上げられていきます。
ポイント2:人間関係
続いてのポイントは「人間関係」
人間関係ではいろいろな定義やかかわり方がありますが、この「30代を無駄に生きるな」の中で上げられる人間関係は、大きく分けて2つで。
- 出会い
- 別れ
この2つを指しています。
要するに、僕ら人間は「変化」が起こった際に、「現状維持」を好む人か、「変化」を好む人か、の2種類に分かれます。
自分自身が「変わろう」と決心したときに、現状維持を好む人は「やめとけよ」とストップし、周りの人が変わろうとするのを阻止してくる。
一方で「変化を好む人」というのは、自分自身が変わろうとしたときに、それを応援してくれ、仲間になってくれる。
変化を好む人間か、現状維持を好む人間か、これらに分かれるのは人間の本質とも言えるわけです。
そうしたときに、「やめとけよ」と現状維持を好む人とはおさらばし、「応援してくれる人」と仲間になるのは必然のこと。
だから「出会い」と「別れ」がおのずと訪れ、この人間関係を構築して価値観のあった人との交流を増やすこと、恐れないことが重要だというのが2つ目のポイントに挙げられています。
ポイント3:磨くべき力
そして最後は30代を無駄に生きないために、磨くべき力について言及して。
その伸ばすべき力は3つあり。
- プレゼン力
- 想定力
- 読書力
この3つが、30代を無駄に生きないために、重要になってくる力だと語っています。
当然自分の強みを相手に伝えるのも、転職する際に会社に伝えるのも。
それぞれがプレゼン力になってくる。
想定力とは「未来を想像する力」であり、その創造する力が、動き出す原動力につながる。
そして未来を想像するために情報や知識を取り入れる必要があり、その情報を得るために「読書力」が必要になってくる。
未来を読むための知識を身に着け、それを想像し、自分の強みがどう生きるのかを伝える。
それが磨きべき力として挙げられているわけです。
「30代を無駄に生きるな」の感想レビュー
とまあ、ざっくりではありますが、この「30代を無駄に生きるな」の本筋をまだ読んでいない人のためにざっくりと分かりやすく要約してきました。
ここからこの本の感想をレビューしていこうと思いますが、僕はこの本から何かもらっているわけでもなく。
特に忖度する必要がないので、この本を見た感想を本音で語っていくと。
「少々残念である」というのが、率直な感想ですね。
まだこの本を買って読んでいない人は、さほど買って読む必要はないかなって感じます。
というのも、基本的に本の構成って「問題提起」から始まり、第1章では「問題提起の根拠」から入るケースが多い。
そのうえで、「どうすればいいのか」という問題提起の解決策を伝えるのが第2章や第3章の本筋です。
この本でいえば「人生の9割が決まる30代をそのまま生きていいのですか?」という問題提起から始まり、その根拠が述べられていく。
そのうえで、どうすればいいのか?で、先ほど挙げた
- 自己分析
- 人間関係
- 磨くべき力
これらを備えましょう、というのがこの本の構成。
残念だったのは、問題提起は納得いくものの、その対処法として挙げられている上記3つが、「薄い」というのが、残念だと思ったゆえんです。
まず初めのメッセージである「30代が人生の9割を決める」
このメッセージ性に共感してこの本を手に取ったわけですが、残念ながら「自己分析」から始まる解決法に、特に科学的エビデンスはない。
もちろん「現在地が分からないと目的地にはいけない」という言い分は分かりますが、どちらかというと「自己啓発に近い印象」をこの時点で持ってしまった。
さらに言えば、「逆算論」を最近はかなり否定しているポジションにあるのが、僕自身です。
なので、初めの「30代が人生の9割を決める」というメッセージには共感するものの、解決のアプローチには疑問が残る、という段階で、読み進めたのがこの本だったんですね。
そのため、その先の「人間関係」や「読書力」に関しては多少の納得はできるものの、磨くべき力としての「プレゼン力」や「想定力」は希薄のまま進み、特段納得できない状態で読み終える状況になったのが本音でした。
逆算論について少し触れておくと。
これは「嫌われる勇気」でも取り上げられている題材ですが、目標から逆算して進むことを、僕らは「善」としていてます。
仮に「山に登る」としたとき「頂上」を目指し、その頂上から逆算して最短ルートを割り出す。
ただ、逆算論の恐ろしさもここにあって。
もし仮にその頂上に登れなかったとき。
「登っていた」という行動は「達成できなかった負け戦」となり、まったく価値のないものになってしまう。
一方で。
本当に突き詰める人というのは、「登ること」という行為そのものを楽しんでおり、頂上にたどり着くのは「あくまで迷わないため」のもの。
頂上にたどり着くか否かというのはさほど重要じゃない、と考えるのが本当に突き詰めた人の考えです。
これはキンコン西野が言っていたことで、「まさしく」と感じたことですが、「突き抜ける人の共通点は「仮説と検証が楽しくて仕方のない人」というインタビューがありました。
そこでは「初めはかっこつけたいだとか、成功したいだとか、誰かを見返したいだとか。そういったコンプレックスを原動力に突き進むが、これらを原動力にしてしまうと突き抜けることができない。」
「なぜなら、コンプレックスを達成してしまうと、次に進む原動力がなくなってしまうから。じゃあ、成功し続ける人に共通することは何かっていうと、「達成すること」が目標なんじゃなくって。こうじゃないか?って仮説を立てて、それを検証することが楽しいって思っている人」
「そういう人は、達成する目標や直したいコンプレックスなどを超越していて、やることそのものが「楽しい」と感じているから、モチベーションが常に一定。だから「仮説と検証が楽しくて仕方のない人」が突き抜ける」
そんな風に言っていました。
これはまさしくだなぁ、って思っていて。
逆算論の盲点をうまくついたメッセージです。
いわば登山に置き換えて考えると。
もはや「頂上にたどり着く」なんて言うのは超越していて。
「どこが誰も登っていないルートなのか」「誰よりも早く登るにはどうすればいいのか」
ここを知るために行動していて、頂上に上るかどうかは、二の次。
でもそうした自分の中での「知的欲」がモチベーションとなっているので、誰かに左右されたやる気とは大幅に違う「探求心」が働く。
逆算論の弱点は「目標と現在地のギャップ」が大きくなればなるほどモチベーションは下がり、その上っている道中は「苦しく耐えがたいもの」
当然楽しくて仕方のない人に比べ、能動的に進むことはできないうえ、コンプレックスがなくなれば、進むことができない体になってしまう。
これが逆算論の弱点です。
そう考えると、メッセージとしての「30代を無駄に生きるな」というのは共感するものの、「自己分析し、未来を想定する」というこの本の大筋にはあまり共感できなかった。
だから僕的には「メッセージは納得だけど、中身が残念」と感じた理由です。
当然科学的にも「他人との比較」や「他人から与えられたモチベーション」というのは、あまり効果がないことが分かっているし、科学者自身も「知りたいからやっている」という逆算論とは逆の立場をとっている。
そう考えると、少し古い感じの考えな気がして、僕的にはあんまり買って読むほどの本じゃないかなと感じました。
ただ当然メッセージとしては納得で。
「30代を無駄に生きてはいけない」という言葉に嘘はないかと思いますので、少しでも気になる人がいれば、おすすめはしませんが手に取ってみるといいんじゃないかなと思います。
ぜひ参考にどうぞ