なぜか人間って、昔のことを想い出しては、語らいたくなる。
先日、友人と談話しているときに、ふとサラリーマン生活を想い出していました。
サラリーマンとして、色々と大変なことはあった。
人生で一番難しく、そして大変なことは、よく「人間関係だ」なんていわれる。
確かに、上司、同僚、取引先、顧客、人間関係は大変だったし、イヤなことでも頭を下げなくちゃいけないのがサラリーマンの本当の仕事。
けれど、それよりもなによりも辛かったのは、仕事が忙しくて休みが少なく「自分の好きな時間が作れないこと」だと思い返して感じます。
1ヶ月連勤だったときもあった
サラリーマンのときは、営業マンだったから、当然土曜日、日曜日は、仕事で休みなんかもらえない。
飛び込みの営業で、1件1件を訪問している最中、膨大な書類が入ったカバンの紐が、型に食い込んで染みた。
少し休もうと、公園に座り込みSNSを見ると、週末で友人達が、ワイワイ楽しそうに遊んでいる写真をアップしている。
そんな中自分は仕事をしている。それが何かもどかしかったり。
額に汗をかきながら、必至に歩き回る自分。
先日、営業当時に使っていた、靴が見つかったんですが、靴底がすり減り、靴底に穴が出来てました。笑
それぐらい歩き回っていた。
肩にめり込むほどの重さのカバンを持ちながら歩き回り、1日100件以上ノックする。
そして、7時に現場が終わって、1時間以上掛けて会社に戻る。
既にもう8時を回る時刻。
そこから書類整理をし、日中の活動をまとめた日報を提出。
これで帰れると思いきや、上司から時間だけが、淡々と過ぎて行く、何の生産性も無い説教。
いや。トップセールスだけども。
なぜに文句を言われなくちゃ行けない。
そう心の中で思いながら、頭だけ下げておく。
そこから自宅に帰るまで、電車で1時間半。
家に着く頃には、既に日付が変わってる。
多いときには15時間労働とかは当たり前だった。
また唯一ある月曜日の休みも、上司の一言で休みが無くなることもあった。
最大連勤で1ヶ月丸々働き詰めで、「なんでこんな仕事してるんだろ?」って新宿駅で思いふけたことも。
更にいえば、唯一仕事が休みの月曜日も、厳密には休みじゃありませんでした。
友人といたり、遊んでいるのに、問い合わせが入る。会社から仕事の電話が鳴れば、頭は休まらないし、仕事モードに切り替えなきゃいけなくなる。
休みの日なのに、仕事の電話を3時間以上していたこともザラでした。
だから、仕事の休みが少なく、自分の好きに費やす時間が途方も無く欲しかった。
トップセールスだったから、お金はある程度もらっていたけど、そんなことより自分の好きなことを費やす時間を持っていた方が、遥かに幸せに感じることだと、思いました。
そのライフスタイル、全然理想じゃないし、羨ましく無い。
多分このときだと思います。
お金に対する価値観、ライフスタイルへの価値観が大きく変わったのは。
例えばだけど、給料1000万円もらっている人がいる。
端からみれば、羨ましい輝いている存在です。
ただこの人が、週6日、1日12時間以上、働いてると考えたら、一瞬にして、その憧れは無くなる。
お金ってあったらあっただけ、選択肢が広がるもの。
だけど、この人の場合、お金を使う選択肢がそもそもない。
一方で、給料300万円の人がいるとする。
さっきの人よりは、羨ましさは劣る。
ただ、週休5日、1日2時間だけ働く。
そんな事実が加わったら、視点がグンと変わる。
トップセールスとして営業をしながら、多少なりいい給料はもらっていたけど、このときから、ぼくはがぜん後者に魅力を感じる様になった。
というか、前者には全く魅力を感じない。
好きなことだけし放題で月10万円の生活。
イヤなことをし続けなくてはいけないけど月50万円の生活。
どっちがいい?
そう聞かれたら、断然後者の方が楽しそう。
これまで時間を途方もなく、会社につぎ込んできたから、がらりと変わった価値観でした。
休みが少ない会社なら辞めた方が良いよ。だってね、、、
時たま、友人から「仕事の休みが少なすぎる」そんな相談を受けます。
そんなときぼくがいつもいうのは、「休みが少ない会社なら辞めちゃった方が良いよ」ってこと。
まぁこれは極論ですが、ある意味本音です。
だってね。
哲学的にいえば、人間は幸せになる為に生きています。
そして、幸せと感じるとき脳内からエンドルフィンやらセロトニンが発生し、幸福と感じるわけです。
その脳内物質が発生するタイミングは、「楽しい」「幸せ」「気持ちいい」と感じる瞬間。
だから好きなことをしているときが、一番幸福感を味わえる瞬間なんですよね。
休みが少なく、仕事を勤めるのが俺の幸せだ。
そう言うなら無理には勧めませんし、「どうぞどうぞ」って感じですが、基本的に無理をしている形だと、体内に悪玉が貯まり、
幸せ細胞を破壊し続ける。
無理し続けることは、体に取って害な訳です。
またサラリーマンにとって、「お金とか給料とかが上がれば、問題は解決される」と勘違いしている人が時たまいますが、実は一定量の賃金を超すと、人は幸せを感じなくなる様になっています。
一定量とは、大体20万円前後。
だから、ブラック起業の経営者なんかは、給料を上げることで、長時間労働を正当化させますが、全く効果はありません。
「お金で人は幸せにならない」っていうのは、よくいわれることですが、これが理由です。
トップセールスマンとして、成績は残していても、どこか虚無感があったのは、そのためでした。
だから先日、昔を想い出したときに、一番欲しかったのは自分の好きな時間だったんだなって。振り返ると思います。
当然、今すぐに会社を辞めることは、暮らしがあるので、相談をされた友人は今直ぐには無理ですが辞める為の手だて、準備は今すぐにも出来る。
彼はもっと自分の幸せを追求しても良いと思います。
終わりに
ぼくの周りでサラリーマンの友人の話を聞いている限り、仕事の休みが少ない会社に勤めている方は、ほぼ全員「努力家」でした。
多分、努力家で人に期待されたり、お願いされたりしたときに、断れずに頑張ってしまう人が多いなと。
自分を犠牲にして他人の為に尽くす。みたいな。
確かに期待をされたり、お願いされたりすれば、断りづらい場合もありますが、「嫌われる勇気」的にいうとそれは他者の課題です。
自己犠牲が日本人の美徳みたいになってますが、ぼくはぼくの友人達には「もっともっと自分を大切にしてほしい」
少なくともそう思います。