今回はタイトルにある通り。
「迷ったらやる」「迷ったら即行動」といったよくある名言に関して、面白いことを知ったので、それをシェアしておこうと思います。
よく巷では「迷ったらやった方がいい」だとか、「やらない後悔よりやる後悔」といったような「行動」を推進するアドバイスが聞かれます。
確かに理屈的には分からなくはないけれど、本当に行動して失敗はないのか、はたまた選択ミスをする可能性はないのか。
それは誰にだってわからず、わからないから迷ってしまうもの。
では「心理学」といった科学的な視点で見た時に、はたして「迷ったらやる」や「迷ったら即行動」というアクションは正しいのか。
結論から先に伝えておくと、心理学的にも「迷ったらやる」というのは、どうやら正しい、という結論が出ています。
そんなお話を今回はしておこうと思います。
迷ったとき行動する人のほうが幸福度が高い
まず迷ったら即行動が心理学的に正しい、という根拠から解説しておくと。
これは結構面白い研究があって。
心理的の世界で有名で、数々の著書も発表しているスティーブンレヴィット教授が行った研究があります。
その研究では、あるサイトを作成し、サイトを訪問した質問者から、質問を募りました。
このサイトが結構面白い構造になっているわけですが、サイトを訪問した人は自身が抱えている悩みをサイトに投稿します。
その投稿に対して、「行動したほうがいいか」「行動しないほうがいいか」を、アドバイスするというのがこのサイトなんですが、このイエスとノーは「ランダム」で割り当てられていたものでした。
コインを投げた時のように、裏か表かを質問が来るたびにチェックして、表が出れば「もらった質問に行動したほうがいい」とアドバイスをし、裏が出れば「行動しないほうがいい」とアドバイスするように設計されたサイトでした。
仮に、「結婚に悩んでいるのですが、したほうがいいと思いますか?」と質問者が相談すると、サイト内で判定したプログラムにそって裏が出れば「結婚しないほうがいいですよ」とアドバイスをし、表が出れば「結婚したほうが幸せになれます」と質問を返しました。
要するに、質問をした人に親身になって相談に乗っているのではなく、ランダムにイエスかノーかを分けて回答していた、というのがこのサイトの構造だったんですね。
その後、このサイトを利用した約4000人の人たちを追跡調査し、どう変化したのかを観察していきました。
すると面白いことが判明して。
それがコインの表裏の結果にかかわらず、悩みを解決しようと行動した人のほうが、しなかった人に比べて「幸福度が高い」という結果になったことが、この追跡調査によって判明しました。
さらに、仕事や結婚など、人生の大きなポイントを締め、悩みが深い問題であればあるほど、行動に移した人のほうが幸福度が高い、という結果になりました。
先ほど説明した通りで。
サイト内では「ランダム」にイエスかノーかが申告されるので、行動するもしないもランダムに選択されています。
ただ、コインの結果にかかわらず「行動した人=悩みを解決しようと努力した人」のほうが幸福度が高い結果となったわけです。
このことからも、「迷ったらやる」や「迷ったら即行動」というアドバイスは正しい可能性が高く、少なくとも「幸福度」という面から見ると、行動したほうが得だ、ということが心理学的には言えるわけですね。
悩みが現実になる可能性は?
とはいっても、やっぱり迷っているわけですから、その裏には「失敗が怖い」という大きな壁が立ちはだかっているのも事実。
ただ、もう1つ面白い研究を紹介しておくと。
「心配事のほとんどは起こらない」ということが、ある研究によって証明されています。
これは世界的名門のイエール大学が行った研究を紹介している記事ですが、実際に心配事が現実に起こる可能性は15%だということが分かっています。
裏を返すと85%の心配事は起こらない、ということ。
また、この研究を行ったロバートリーヒ教授はこの論文で、心配事が起こるのは約15%で、そのうち97%は自らの力で解決できるもの、という風に明らかにしています。
ということは、ほとんどの不安や心配事というのは起こらないうえに、もし仮に不安が現実になったとしても、自力でどうにかできる範囲がほとんど、ということが言えるわけですね。
恐怖は向かっていくと消える
そして最後に。
「それでもやっぱり迷う」という人に、もう1つ面白い研究を紹介しておくと。
迷ったら行動する、という「行動」の裏には「恐怖」があるわけで、恐怖があるからこそ人は前に進めなくなるわけです。
でも、この恐怖というものを「自らで進む」と決断するとことによって、逆にモチベーションが湧くことが分かっています。
まだ意味がちょっと分からない人が多いと思いますので、どういうことか実際の研究をベースに解説していくと。
上記記事で詳しく解説していますが、ピッツバーグ大学で行われた「お化け屋敷」を用いた研究がもとになっていて。
お化け屋敷やバンジージャンプとかって、お金を払って「恐怖体験」をするわけですよね。
そしてお化け屋敷やバンジージャンプなど、恐怖を体験したのにもかかわらず、人は「楽しさ」を覚えたりする。
このことからピッツバーグ大学が証明したのが、「恐怖に対して受け身であれば恐怖が増幅するが、立ち向かっていくと恐怖はメンタルは強くなる」ということ。
つまり、恐怖に対して「向かっていく」と、メンタルが強くなる=怖くなくなる、ということなんですね。
このことを知っておくと、迷ったら行動するということの本質が見えてきて。
行動する、やる!と決めると、覚悟が決まるため、受け身から脱却できるので、おのずと怖くなくなっていくということなんです。
メンタル的にも、やはり「迷ったらやる!」ということが、プラスに働くことが言えるわけです。
まとめ
ということで、最後に要点をまとめておくと。
迷ったらやる!というのは心理学的に正しいのか?という質問は「正しい」というのが答えで。
それはランダムに行動するかどうかを決めた人たち約4000人を調べた結果、コインの結果にかかわらず、行動した人のほうが幸福度が高いことが分かっているため。
さらに、心配事や不安というのは、そのほとんどが現実にはならず、通り越し苦労であることが大半。
また、失敗する恐怖というのは、受け身であるからこそ増幅するもので、立ち向かっていくことで、対応することが出来る。
まとめるとこんな感じですね。
ぜひ今迷っているという方へ参考になれば幸いです。