昨日は、日本代表対ベルギー戦を見てました。
うん。
悔しい。
悔し過ぎる。
試合終了後に西野監督がインタビュアーに、「ベルギーとの差はなんだったのでしょうか。」
こう聞かれたとき、「なんだったのでしょうか‥‥」
そう答えを絞り出せなかったシーンがありました。
ボクはこの時、「全てやりつくしたけど勝てなかった。」
そんな心の声が聞こえた気がしました。
また、ベルギーと日本との差を聞かれて、「なんだったのでしょうか‥‥」西野監督が言葉を詰まらせたことから、「立てた戦略を遂行し、そのほとんどが上手くいっていた。」
だからこそ、負けた理由や、ベルギーとの差が見つからない。
そんな意図も感じました。
ボクは日本代表がベスト8に行けると確信していた
これは事後報告になるので、全く信憑性はないですが、ボクはグループリーグを突破出来たら、ベスト8に必ず行ける。
そう思っていました。
イヤ厳密に言えば「コロンビア戦に勝てれば」行けるって。
また、ベルギー戦が始まる前にも、「今日は勝てるな」って自然とそう思っていました。
なぜベスト8に行けるって思えたのか。
それは、紛れもなくグループリーグの初戦のコロンビア。
W杯1次リーグの初戦は、何よりも大事な試合。
初戦に勝つと、グループリーグ突破の可能性は80%以上と言われている。
でも逆に負けると、グループリーグ突破の可能性は10%前後と言われている。
だからこそ選手達が胸をそろえて「初戦が大事」と口にする。
でも日本の弱点って、極端な「個」の勝負。
ヨーロッパみたいに、システマチックに守ってくるチームに対しては、組織で対応出来るので、良い試合が出来ることが多い。
一方で南米のチームになると、積極的に前からプレッシャーをかけられ、個体個の戦いになる。
こうやって極端に前からプレッシャーを掛けられ、中盤から自分たちのサッカーが出来なかったときに日本はめっぽう弱い。
それは日本がボールをポゼッションすることでリズムを生むサッカーだから。
ボールがすぐにロストして、自分たちのサッカーが出来ないときに立て直せない。
だからこそ、ヨーロッパの強豪チームより南米のチームの方が日本はやりづらいわけです。
そこで初戦が南米の強豪チーム「コロンビア」
正直かなり分が悪いと思っていたし、負ける可能性の方が高い。って思っていました。
でも蓋をあければ、2−1。
このときに、「最大の敵を突破した」そう思えて、「過去を払拭した」そう思えたからベスト8に行けるって自然と思えたんです。
でもベルギー戦の結果は2−3。
2点先制したときも本当に勝つって疑ってなかったから、特に驚かず。
でも逆に3点返されたときは悔しすぎて。
ちょっと言葉が出なかったです。
少しさかのぼると、議論に議論を呼んだポーランド戦。
あの時間稼ぎのボール回しは「あり」か「なし」か。そんな議論がよくされました。
ポーランド戦の時間稼ぎ。ボクは「なし派」だった
あり派からすれば「勝負は勝つことが全て」
「時間稼ぎはあの状態ならどのチームのやる」
「結果が全てのスポーツで、ルールの範囲内だから問題ない」
そんな意見が占めました。
一方でなし派は、「日本を背負った代表が、その行為は恥ずかしい」
「勝てればなんでもいいのか」
「サムライってそう言う意味なのか」
そんな意見が占めました。
コレって要するに「結果派」「プロセス派」この2つに分断されるんだと思います。
また、直感的に「なし派」だった人達も、プロの解説者や元代表選手達が、軒並み「あり派」の意見をいうことで、どちらかというと「あり派」が多くなって行ったように思います。
でもボク自身は、このポーランド戦はどちらかと言うと「なし派」でした。
確かに勝つことがなにより大切。
そんなことは重々承知。
勝つことでしか、記憶と記録には残らない。
そのことも分かってる。
日本にはマリーシア(ずる賢さ)がずっと足りていないって言われてて、それを達成したのがポーランド戦。
そんなことも分かってる。
でもボクは他のなし派の意見とは全く違って。
ボクは本田圭祐の「W杯に出る以上、優勝しか見えていない」
この一言に夢を馳せた日本人の1人です。
だからこそあのボール回しは悔しかった。
「間違いない。最初からベスト8を狙ってるチームがどこに居る?
ベスト8。ベスト4に残るチームは、ベスト8、ベスト4に残ることを目的にしてたのか?
イヤ違う。
優勝することを目標していた結果、ベスト8、ベスト4に残った。
だからこそ、優勝を目指さないで、なんでW杯に出る?」
そう思った。
ボクは日本人なら絶対に出来ると思っている。
戦争の敗戦からここまで立ち上がった日本人。
世界的に「復興はありえない」。
そういわれて、出来ないと言われたことをこれまでやってのけてきた。
出来ないことなんてない。
だからこそ、ボクはこの本田圭祐の一言で、「W杯優勝」に想いを馳せた日本人の1人でした。
またサッカーがうまくない国って日本では思われているけれど、ジュニアユース年代ではそんなことはない。
実際ジュニアユース年代で行なわれる世界大会「ナイキカップ」で世界の中で5位だったりと、なんどもなんども高順位を記録している。
確かにグループリーグを突破することだけが目標なら、あの時間稼ぎが「あり」という気持ちは分かる。
でもグループリーグで勝ち進むことを目標とするのなら、11人のチームに勝てていないチームがこの先勝てるのだろうか。
だからこそ勝ってほしかった。
いや、他力に頼るんじゃなくって、自力で行ってほしかった。
そうして自力で掴んで、優勝トロフィーを日本が取った姿が見たかった。
それは「バカな日本人じゃなきゃ、世界は変えられない」その一言に、夢を託せたからからこそ。
それでも、決勝トーナメントというスタート地点に立つこと。コレが必要なのは間違いない。その為に「時間稼ぎをした。」
だから結果を重視する気持ちも分かるし、「あり派」の意見も分かりすぎるからこそ、その両方の意見で、凄くもどかしい気持ちになった。
だから意見を言うのなら、「どちらかというと」なし。という前置きが入ってしまう。
そのぐらい難しい判断だった。
でもこのポーランド戦での時間稼ぎが「吉」なのか「凶」なのか。
これはベルギー戦ではっきりする。
そんな想いで見ていたからこそ、負けたときは、ずっと呆然とするしかなかった。
ベルギーに負けて悔しくて「お疲れ様でした」という言葉が出てこない
多分こういう状況って、「選手の皆はよく頑張ったと思う。おつかれさまという声をかけてあげたい。」
サポーターとしてはコレが正解の答えなんでしょう。
でもボクはサッカーが好きすぎて、感情輸入しすぎているから、選手と同じ気持ちで、悔しい。
イヤ。「選手と同じ気持ちになりたいからこそ、悔しくって言葉が出ない」
が正しいのかもしれない。
「おつかれさま」
ってサポーターとしての正解の言葉がまだ出てこない。
ベルギーとの敗戦で見えた日本の欠点
ボクはルールがずっと変わらない将棋で「トレンドが変わる」って言葉を聞いてびっくりした。
時代に合わせて流行は変わるし、将棋でさえも「流行りの攻め方」があることにびっくりした。
そう考えると、ルールや戦術が変わるサッカーで「トレンドが変わる」って言うのは極自然なこと。
2010年にスペインが優勝したことで、世界中で「パスサッカー」がトレンドになった。世界中でパスサッカーを試行錯誤した。
でも2014年。
そのパスサッカーを打ち崩す形で、高いポジションからボールを奪いショートカウンターにつなげる形を生み出したドイツが2014年のW杯で優勝した。
そして「ショートカウンター」のサッカーが世界中でトレンドになった。
じゃあ、2018年のトレンドは?
そうなると、「強固なディフェンス」になる。
今年以上に弱小国と言われた国が、強国を苦しめたサッカーはない。
ロシア、アイスランド、デンマーク、ウルグアイ。
(アイスランドは決勝Tには進めていないけど、かなり善戦だった)
こういったチームが、強固なディフェンスをし、「弱者でも勝てるサッカー」を追求している。
ドイツは敗退し、アルゼンチンも苦しめられ、ブラジルもギリギリの突破。
この強固なディフェンスに苦しめられ、GLの2戦目でやっと価値を拾い、ゴールを決めたネイマールが泣いていた姿が本当にこの物語を語っている。
だから2018年からのトレンドは、「強固なディフェンス」になると思っています。
そしてまさしく、日本の課題もここ。
特にセンターバックの強化。
次に切り替えるにはまだまだ時間が必要で、ショックも大きいけれど、次を見据えて、このW杯の課題を見据えるとしたら、ディフェンスの強化、特に「弱者でも勝つサッカー」を見つめ直すことにあると思います。
やっぱり強いチームはもれなく「ディフェンスが上手い」
サッカーでは、イニシアチブを握るには2つの方法があって。
それはポゼッションをしながらイニシアチブを持つサッカー。
もう一つが、ポゼンッションさせながらイニシアチブを持つサッカー。
弱い国というのは、ボールを持てる時間がやっぱり少ない。
だから、ボールを持ちながらイニシアチブを握るというのは、分が悪く、勝つことが出来ない。
その為に、「ボールを持たせている」という表現にもあるように、ポゼンッションさせながらイニシアチブを持つサッカーに特化している。
それは欧州や南米という普段から強豪チームと当たる環境にあるからこそ、その中で「どうすれば勝てるか」を見極める為に生まれた「弱者が勝つための戦略」。
でも日本が「弱者のサッカー」を見つける、または、ディフェンスを強化することが難しかったのは、その立地にあります。
立地っていうのは、立場。
アジアでは「強国」
世界では「弱国」
この立地の関係があるからこそ、どちらかに特化するのが難しい。
アジアでは強国だから、当然相手は守ってくる。
守っている相手には守っていても勝てない。
つまりボールを持ちイニシアチブを握るサッカーが重要になる。
一方で世界に出ると、弱国になる。
でもアジアで勝ち抜いた、「崩すサッカー」が根付いているから、ディフェンス=弱者が勝つ為のサッカーが出来ずに、失点を重ねる。
そんな立地の難しさが、どちらかに特化することを阻んでいた訳です。
じゃあ、どうすればいいのか。
ボクが思うのは「センターバックの強化」です。
昔のサッカーは、中盤のMFからサッカーが始まった。MFが攻撃を組み立て、パスを捌き、崩しにかかる。
でも今は、最終ラインのDFからサッカーが始まる。
最終ラインのコントロールもセンターバックの役割であり、ゲームを組み立てるのも、選手同士の距離感を積めるのも、全てセンターバックの役割。
「仕掛けるべき相手なのか」
それと「守るべき相手なのか」
これを判断するのが、今のセンターバックの役割だと思います。
野球で言うと、「キャッチャー」の様な役割が、今のセンターバックに求められている。
その上で更に「個体個」も求められる。
今回のベルギー戦でも、「高さ」というウィークポイントを前半のルカクとのマッチアップで見抜かれた。
その後半、ウィークポイントを攻め立てるべく、高さのあるフェライニを投入して、見事ヘディングで決められた。
個人としての能力ももちろん高める必要があるけれど、「試合の舵を握る」これが出来るセンターバックを育て、ディフェンスをより強化することがこのベルギー戦から見えた「世界と渡り歩く為の課題」なんだと思います。
いつまでも下を向いていられない。ボクたちはサムライなんだ。
確かに悲劇の3失点。
でもボクは、日本という国は、何度打ちのめされても立ち上がる「サムライ」なんだと思っています。
いつの日か。
この悲劇の3失点があったからこそ、より高い景色が見えた。
そんな風に言える未来にして行ってほしいと思います。
「おつかれさまでした」
素晴らしい試合でした。
日本代表!!!