中田敦彦「天才の証明」を読んだ感想レビュー

中田敦彦の「天才の証明」を読んで見ました。

その感想。結構長いんで、気になる人だけみてみてください。

「天才の証明」書籍情報

著者:中田敦彦

発行者:渡辺敦美

発行:日経BP者

発売:2017年11月6日 第1版第1刷発行 2017年11月24日 第1版第2刷発行

キャッチコピー:「あなたには才能がある。私がそれを証明する。」

「既存のルールに縛られるな。新しい視野と思考を手に入れろ。」

「オリエンタルラジオ、RADIO FISHの司令塔による才能を開花させる「戦略」と「選択」」

「PROOF OF GENIUS」

説明:「時代が変化していく中で、正しいことや考え方も常に変化していると私は考えています。そのうえで、古いルール、価値観、体制に縛られてもがき苦しんでいる人たちに、その才能を遺憾無く発揮してほしい。タイトル「天才の証明」は自分自身の才能を証明したい思いもありますが、読んでいただいたみなさんも1人1人が天才であり、それを私がこの本で証明したい。そんなメッセージを込めています。」

「天才の証明」中身と内容

これを手に取った時。

特に事前情報もなかったため、「中田敦彦とは天才である」

そんな風に多少感じてました。(こんな誤解をするのは少数だと思いますが)

しかしそんなことはなく。

この天才の証明とは一体どんな内容かというと、タイトルとキャッチコピーにある通り、「読んでいただいたみなさんも1人1人が天才であり、それを私がこの本で証明したい。」

これこそがこの本の中で、中田敦彦が伝えたいことでした。

いわばこの一言を伝えるために、この本がある。そして、それこそが天才の証明という本の内容だと感じました。

早速この天才の証明を紐解いていくと、僕は基本的にまず本の概要を掴み取るために、目次部分から「全体像」を把握していくのが一般的な読み方です。

同様にこの天才の証明も、目次部分から抜粋していくとこのように作られている。

第1章「誰もが天才、まず自分を分析せよ」

第2章「自分を変えるな、ルールを変えろ」

第3章「空気は読まず、時代をつかめ」

こうなっている。

ビジネスシーンではミクロ視点とマクロ視点があるのと同じように。

「敵を知り己を知れば百戦して危うからず」や「自己分析と他者分析」というように、見る視点によって目次が分かれているように感じました。

第1章「誰もが天才、まず自分を分析せよ」

これが自分視点であり、「己を知る」ということ。

第2章「自分を変えるな、ルールを変えろ」

第3章「空気は読まず、時代をつかめ」

この2つが「敵(ルールと時代)を知る」ということ。

こう分けられるかと思います。

最初はこのように天才の証明を読み進めて言ったわけですが、ただ、天才の証明を読み進めていくと、そうではない見方の方がすんなり入ってきた。

それが冒頭に述べた「読んでいただいたみなさんも1人1人が天才であり、それを私がこの本で証明したい。」

このキャッチフレーズからわかる。

どういうことかというと、これは天才の証明でも、テレビ番組の「俺の持論」でも中田のあっちゃんが言っていたことですが、「自分自身に良さがないという人がいるが、そうではない。それに気づけていないだけで、実際には皆才能を持っている。」

そんな風に言っています。

その1つのストーリーとして天才の証明の中にこう描かれています。

新潟県の離島にある「粟島」を訪れた時。

島の人たちに「この島の名物はなんですか?」と聞いた時、皆が口を揃えて「そんなものはない」という風に言った。

テレビ番組のロケで訪れていたため、とれ高が全くなく、中田敦彦含めスタッフの全員が落胆していた。

そのロケの日の夜に粟島にあるスナックに行った時。

店主の方が「この島には何もいいところはないけど、まあ、そんな気を落とすな。」

そんな風に声をかけ「イカ」を差し出してくれたそうで。

そのイカがあまりにも多くて、「このイカどうしたんですか?」と聞くと、島民のおばちゃんがくれたことを店主の方が説明してくれます。

それをきいた中田敦彦は「おばちゃんがこれだけのイカを一人で取れるんですか?」と聞くと、「そりゃ雨が降った後はこのイカが打ち上がってるから、おばちゃんがそれを拾うだけだ」といったそうで。

そのイカを見て見ると「タルイカ」というイカで、おばあちゃんと同じぐらいの大きさを誇る巨大なイカだったそうです。

それに中田敦彦が驚いていると、店主の方が「イカってこれが普通だろ?何でそんな驚くんだ?」と不思議な表情をしていたそうで。

これが天才の証明の第2章「第2章「自分を変えるな、ルールを変えろ」の18「自分のことは他人にしかわからない」の項目で描かれている。

オリエンタルラジオ、RADIO FISH、プレゼンテーション。

このようにそれぞれの時代とネタでヒットしてきた中田敦彦という人は「プロデュース能力」がかなり長けている風に感じられます。

つまり何が言いたいのかというと、この天才の証明という本は「プロデュース能力が長けた中田敦彦が、「中田敦彦」「藤森慎吾」「オリエンタルラジオ」「RADIO FISHと1人1人のメンバー」「渡辺直美」らに対し、戦略と知恵を与え、それぞれの分野で天才の証明をしてきたことを通して「一人一人に才能はある」ということを伝える本」

そうやって見ていくと非常にわかりやすいかなと感じます。

つまり、この本で言うところの自分を知る=中田敦彦自身

敵、他人を知る=中田敦彦から見た「チャラ男藤森」、「渡辺直美」、「オリエンタルラジオ」、「RADIO FISH」と言うことになるわけです。

中田敦彦

じゃあ、プロデュースの才能がある中田敦彦が自分自身。

つまり中田敦彦をどう分析し見ていたのか。

皆が知っている通り、中田敦彦としてデビューは「武勇伝」から始まる音ネタ。

ただこの武勇伝がヒットする前の高校生時代には、僕も含め「慶応大卒」と言う学歴を持ち勉強に勤しんでいた過去が彼にはありました。

「勉強していい大学に入り、いいところに就職する」

それが学生時代の彼の目標だった。そしてそのために進学校に通っていた。

ただそこで1つの挫折を味わう。

進学校に行っている人が通うとある塾での出来事。

その塾ではAランク、Bランク、Cランク、Dランクに分けられるそうで、中田のあっちゃんはCランクorDランクに格付けされたそう。

そのCorDランクであっても、異様な勉強スピードで、黒板に字が書かれると同時に早口言葉のような説明が入り、その瞬間にはもう黒板の字が消されると言うような勉強スピード。

「Cランクがこれなら、Aランクはどうなっているんだ?」

そう気になり、Aランクの授業をのぞいて見ると、そこには授業が始まる前だと言うのに、皆が席に座り、予習をすでに始め、閑散としている教室が見えたそうです。

当然勉強が始まれば、その授業の内容もすさまじく、「勉強の世界では勝てない」

そう悟ったそうです。

そして、「なぜ勉強がこれほどまでにできるやつらがいるのか?」

そう思い当時Aランクの属しており、のちに東京大学医学部に入った友人に聞いて「何故そこまで勉強ができるのか?」を聞いて見ると、

「好きだから」と回答が返ってきたそうです。

「俺は勉強が好きじゃない」

そのことから、「勝てない場所で戦うのではなく、勝てる場所で戦うこと。そして何よりそれが好きであること」にシフトしていく。

それが学生時代、勉強ばかりに没頭し枯渇した心に刺さった「エンタメ」というお笑い番組だった。

そこから「お笑い」という道に興味が湧いたそうでした。

ただ、中田敦彦の分析はそこで終わらずに、「お笑いの世界で勝ち残れるのか?」を分析するため、大学に進学することにし、その傍ら「お笑い」を始める形になった。

天才の証明の中で「もしこの時、一回でも受けない時があれば、すぐやめていた」という風にいっています。

ただそれが現実になることはなく、大学の学園祭の時も、素人で受けた舞台も「受けた」

そのことをきっかけに、当時のアルバイトで出会っていた藤森慎吾とコンビを組み、「お笑い」という道に進むことになった。

そう中田敦彦本人が自分のことを分析しています。

オリエンタルラジオ

そうやって結成したオリエンタルラジオ。

そして、お笑いというフィールドで、当時から今まで正義とされているのは「トーク」であり、「漫才」だった。

当然、時代の正解である「漫才」をやっては見たが、全くうまくいかなかった。

オリエンタルラジオにとって「漫才」というフィールドでは勝てない、という風に悟ったそうです。

そこで見つけたのが武勇伝からなる「音ネタ」

当時日本ではやっていたジャパニーズヒップホップの流行を取り入れ、キャッチーなリズムで中田敦彦のすごい話をフューチャーするネタ。

それが流行に火をつけ、彼らはデビューから間も無く、テレビに出ることができるようになった。

藤森慎吾

しかしそのブームが長く続くはずはなく。

一気に「一発屋」というレッテルを貼られるようになる。

当時、中田のあっちゃんからしてみれば、「武勇伝」というネタを作ったのも、「コンビとしての方向性」を決めてたのも全て自分。

一方で藤森慎吾は何もやっていない、才能がない相方。

そんな風に思っていた。

ただ、才能がないわけでは決してなく、「愛嬌がある」「先輩に好かれる」「声が高い」

そう行った「個性」を持っていた。

「愛嬌があっても、先輩に好かれても売れない。声が高いことは歌手でもないわけだから芸人として意味がない」

そう思っていた矢先、「チャラ男」として藤森慎吾が大ブレイクする。

天才の証明の中で中田敦彦はこう語っています。

「チャラ男が売れたのは、育ちが良く、愛嬌が優れた、いいやつがチャラ男だから売れた。もし仮にあれが、肌黒で育ちが悪そうで、無愛想な奴がチャラ男だったら売れなかった」

そう言っています。

つまり、藤森慎吾が持っていた一見すると芸人には必要ないように見える「個性」こそが最強の強みだったということに、その時気付いたと。

RADIO FISH

そこからRADIO FISHを結成し、「音楽」という分野でお笑いを突き詰めていくわけですが、その時も「芸人は漫才ができてなんぼ。」「芸人は大喜利ができなきゃ芸人じゃない」

そう言った価値観がはびこっている中で、必死に「大喜利」や「漫才」を突き詰めて言ったそうでした。

ただ、前出した通り「オリラジには向いていなかった」

その最中「8.6秒バズーカ」が大ブレイクする。

それを見た中田敦彦は「やはり俺らは音ネタだ」ということを再確認し、「苦手な分野を頑張るのではなく、得意なフィールドで戦うべきだ」ということでRADIO FISHを作り上げる。

もちろんそこには細かな戦略があって。

中田敦彦自身は「歌がへた」だった。一方で相方「藤森」は歌がうまかった。

RADIO FISHで有名なのは「パーフェクトヒューマン」だけど、あれは実は5局目ぐらいの曲。

ファーストシングルではなかった。

というのも、初めは「オリラジが作ったもの」としてやっていたため、中田敦彦自身も歌っていたそうで。

でも歌が下手だからこそ、なかなかヒットに恵まれない。

そこで「センターにいるのに歌わない」という構図に初めてしたのがPERFECT HUMANだった。

「歌がへた」だったから歌わない。

一方で相方「藤森」は歌がうまいから歌う。

「勝てる場所で戦う。そしてそれを見極める」

少し天才の証明で伝えたい部分がここには見えるような気がします。

渡辺直美

ここまでが中田敦彦自身と相方藤森慎吾、そしてオリエンタルラジオとRADIO FISHが「芸人として才能をうまくいかせなかったところから、自分の強みを見いだし勝負をした」話。

それだけではなく、今や世界の「渡辺直美」となり、インスタフォロワー数日本一位の彼女も、「自分の強み=才能」が見出せない時期があったそう。

天才の証明の中で渡辺直美自身が中田のあっちゃんに対して、「大喜利が苦手なんです」と相談したことがあったと書かれています。

そんな渡辺直美に対してあっちゃんは「大喜利なんて直美には必要ない。他の長所がたくさんあるだろう。それを伸ばしたほうがいいよ。」

そう言ったそうでした。

そこから「体を使ったパフォーマンス」を存分に生かし、ビヨンセだったりレディーガガ踊ったりと、自分の強みを生かし世界に羽ばたいて言ったのが渡辺直美でした。

FISH BOY

また自身の弟であり、RADIO FISHのダンサーであるFISH BOY。

ダンスの実力はさることながら、実は「人と人とをつなぐ能力が秀でている」とあっちゃんは分析しています。

エグザエルやAKBなどは、多大なバックダンサーを抱えている。

一方でRADIO FISHは個人グループだからこそ、「バックダンサー」やその他の人を集めようとしてもそう簡単にはいかない。

そんな時にFISH BOYに声をかけると、プロデューサーだろうが、バックダンサーだろうが、瞬時に集めてくれるそうです。

これが弟の抱える才能の1つ。

「人と人とをつなぐ能力」だと。

ただ、弟のFISH BOY自身はそのことに気づいてはおらず、「すごいこと」とはつゆ知っていない。

「それを知り重要視すればもっと羽ばたける」と、中田のあっちゃんは語っています。

RiHiTO

こちらもRADIO FISHのダンサーの一人。

身長も高く、容姿にも恵まれ、ダンスも上手い。

ただRiHiTOと名乗る前は「つとむ」という名前で活動していたようでした。

そしてこのつとむという名前も、本名というわけではなく、「名前がつとむっぽいから」と知人から付けられたものでした。

しかし、その「つとむ」という名前に全てが現れていると感じたそうで。

彼はその恵まれた身長と容姿端麗な顔つきと上手いダンスから、常に嫉妬と戦ってきた。

そしてその嫉妬によって支障をきたすため、コミカルな部分をあえて強調することによって周囲に溶け込んできたのが、その名前への現れだと感じたそうで。

その上で「三枚目」を演じて、男としてダウンサイズするのは、高身長と容姿端麗でありながらダンスが上手いRiHiTOのポテンシャルを抑えてる他ならない。

そう考えた中田のあっちゃんが「つとむ」から「RiHiTO」への改名を進め、「かっこよさ」への追及をアドバイスしたのでした。

Show-hey

show-heyもRADIO FISHのダンサーの一人。

ただ彼の場合、ダンスは文句なしに上手いものの、本人は「身長」に対してコンプレックスを持っていたそうでした。

ただこの身長に対するコンプレックスも中田敦彦からすれば「1つの個性であり強み」だと言います。

「実際に、身長が低いことにより、ファッションによってそれをカバーした。おそらく身長が高ければそこまでファッションにこだわらなかっただろうし、そこのスキルは伸びなかっただろう」と。

事実、RADIO FISHの中で、自前でジョジョの奇妙な冒険の衣装を作りパフォーマンスをする時、このShow-heyのファッションがずば抜けていたそうです。

「目が見えない人は、耳が異様に優れていたりする」ということが言われますが、これに関してこのことを思い出しました。

世界の預言者として有名なババヴァンガも、幼い頃に目の視力を失ったからこそ予知能力が備わり、国が調査を依頼するほどの第6感的な要素を備えるようになった。

人というのは、ないものを「補う」という能力が備わっているわけで、「1つのデメリットがあれば、1つの突出したメリットが生まれる」

それがshow-heyにとっては「ファッションだった」ということをあっちゃんは言っています。

「天才の証明」感想レビュー

このように、「中田敦彦」「藤森慎吾」「渡辺直美」「FISH BOY」「RiHiTO」「Show-hey」「オリエンタルラジオ」「RADIO FISH」

これらの人々やグループを通して、「それぞれの強み」と「戦略」を語りながら、「天才の証明」をしていくのが、この本だということでした。

(中田敦彦が自分で自分を天才だと証明する本ではなかったです笑)

そしてこの一見すると「才能」だと思われる部分も、実は埋もれていたものだったり、コンプレックスだと感じていたりする部分だった。

しかし、時代やフィールド、価値観が変わることによって、それは一気にコンプレックスから「才能」へと変わる。

「大喜利ができない」という渡辺直美のコンプレックスから、「体や動きで笑いを取る」というビヨンセやレディーガガが生まれたように。

そしてこのコンプレックスという名前は、言い方を変えると「個性」という風に表現できる。

そしてその個性とは誰しもが持っているものだからこそ、天才の証明のキャッチコピーである「皆が才能を持っている」という証明につながるのだと感じました。

それが本書にある「優れるな、異れ」

この一言に現れているんだと思います。

僕自身この話はトランプゲームの大富豪とかなり似ていると思います。

「大富豪」では、2や1が強い。

一方で、3や4は弱い数字で、これらの数字が固まると、「勝てない」と勝負を諦めてしまいがち。

しかし、「革命」が起きれば、3や4は一気に最強の数字へと変貌する。

それに革命が起きなくても、「出しどころ」によっては、そのターンにおいて最強のカードが3になったりする。

これはルールによって変わるけれど、ジョーカーという最強カードに唯一勝てるのは「スペードの3」だったりする。

つまり、一見すると最弱の3も出しどころを見極めれば「最強に輝けるシーン」があるということ。

この天才の証明を見た時、この大富豪のことを思い返しました。

そして大富豪でも同じように、強いものは、「カードの引きの運」がいいこともありますが、一番は「カードの使い所が上手い」プレイヤーが大富豪では勝ち続けます。

まさに中田敦彦は「カードの使い所が上手い」という風に言えるんじゃないかなと思います。

まとめ

天才の証明。

それは一見すると「コンプレックス」だったり「弱み」だったりする部分。

だけど、ルールや時代、価値観が変わることによって、一気に強みに変わる。

また。

一見すると「すごく才能に溢れた人」であっても、自分自身のことは「才能なんてない」と思ってしまう。

それは自分にとっては「当たり前」のことだからこそ、「優れてる」とは感じられないため。

そんなことを、いろんな芸能人や成功事例を交えながら「証明」して言ってくれるため、かなり読みやすくスラスラ読めるものでした。

多少なり興味がわけば、読んでみるといいかと思います。