今回はタイトルにある通り。
「目標の高さ設定」に関して面白いことを知ったので、それをシェアしておこうと思います。
よく「目標は高ければ高いほどいい」「低い目標は意味がない」
そんな風に言われたりします。
でも反対に「目標なんていらない」「目標なんて意味がない」
そんな風な声も聞く。
一体どっちなんだって思っている人も少なくないはず。
この疑問に対して、1つの答えを提示してくれた研究を紹介しておきます。
まず先に結論から言ってしまうと「目標は高ければ高いほどいい」というのが、科学的なアンサーになります。
なぜ目標は高い方がいいのか
このブログをよく見てくれている人ならびっくりするかと思います。
こうした「自己啓発」にありがちなメッセージは、ことごとく否定してきているので、「高い目標を持て」といった自己啓発じみたメッセージも今回同様否定するかと思っている人もいるかと思います。
上記記事とかこの記事とか。
基本的には自己啓発は批判しています。
ただ、この「目標やゴール設定」においては「高い方がいい」という結果が出ていて、モチベーションややる気と言った内面的動機が上がることがわかっているんですね。
それはテキサス大学が行った研究が元になっていて。
テキサス大学では高校生の被験者を集めて、あることを行いました。
それは学生たちにまず「今ある社会の問題点」を考えてもらいます。
その次に、考えた社会問題に対して「今やっている学校の勉強がどう活かせるのか」を考えてもらいました。
- 社会の問題を考える
- 学校の勉強がどう生きるのかを考える
この2つのタスクを50分ほどかけて学生たちに行ってもらったんですね。
その後テキサス大学は、彼ら学生を追跡調査していき、「どう学業の成績が変わったのか」を調べていきました。
その結果わかったのは、「社会問題を考え、学業の活かし方」を考えたグループはその後スマホやゲームなどの娯楽に費やす時間が減り、勉強に費やす時間が約2倍ほど増加していることが判明しました。
さらに、普通の生徒と実験を受けている被験者とのテストを比較してみたところ、普通の生徒に比べ「社会問題の解決」といった大きな目標を作った生徒の方が、学業の成績が向上していることが判明しました。
つまり、今の自分じゃ解決できない「社会問題」という大きな目標を設定した方が、集中力や意欲、モチベーションを向上させる、ということがこの研究により判明した、ということなんですね。
なぜ大きな目標はやる気を生むのか
では次に。
なぜ大きな目標を立てた生徒は、普通の生徒よりも無駄なことに費やす時間が減り、成績が向上したのか。
これに関しては「自己超越目標を設定したことにより、モチベーションの質が変化した」ことが原因だとされています。
「自己超越目標を設定したことにより、モチベーションの質が変化した」とはどういうことなのか。
よく例題として挙げられるのが「生産性の高い社員にボーナスをあげたら、やる気が下がってしまった」という例が報告されています。
これはその優秀な社員が「自分の成長や達成感」をモチベーションに仕事に取り組んでいて、やり切った感覚や自身の成長が楽しくて仕事をしていたのにも関わらず、ボーナスをもらうことで「お金」という別のモチベーションに変化したことにより、やる気が低下したことが原因だとされています。
これと同じようにテキサス大学の研究においても、多くの学生が「勉強なんて何の役に立つんだよ」とモチベーションが湧いていない中で、「社会問題」という自己を超越した目標を渡されます。
その上「その社会問題を改善するために、学校の勉強をどう活かせるのか」を考えていく。
このことにより、「何のために役に立つかわからなかった勉強」が「社会のため、他人の幸せのため、自分のため」というように、明確に「目標と学業」が結びついてくる訳です。
要するにモチベーションの質が変わったというのは、「何のための勉強かわからない」から「将来役に立つから勉強する」という意味を持ち始めた、ということですね。
そしてこのモチベーションの質を変えたのは「自己超越目標」であり、高い目標を持てたからこそ、変化して行ったのでした。
実際に高校生である被験者は「食料問題に対して、遺伝子の勉強をし食料問題を解決する」や「社会問題がまだ理解できないので、政治や公民などのシステムから学ぶ必要がある」と、具体的なアクションプランまで考えられるようになっていました。
結論:目標は高ければ高いほどいい
ということで、最後に結論を改めて確認しておくと。
テキサス大学の研究においては、「目標は高ければ高いほどいい」というのが、科学的な1つのアンサーになります。
それは自己超越目標を持つことで、モチベーションの質の変化が期待できるため。
まとめるとこんな感じですね。
そしてもう1つ。
「高い目標を立てられない」という人に向けて最後にアドバイスを伝えておくと。
「あの人ならどう考えるだろう?」と考えるだけでも、効果があることがわかっています。
これを「自己超越目標」として、応用すると「あの偉人ならこの時どう考えるだろう」
そうやってイメージするだけでも、高い目標を自然と持つことができるようになると思います。
仮に営業をやっていたとして、「坂本龍馬なら営業の目標をどうやって立てるだろうか?」と考えるだけでも、効果はあって。
その偉人は好きな歴史上の人物でも、尊敬する上司でもいいので、自分で目標を立てられないという人は活用してみてください。