海外に行ったら人生観が変わる言われる科学的な理由が見つかったよって話。

今回もタイトルにある通り。

海外に行ったら人生観が変わるとよく言われていますが、それに関して科学的な根拠と理由が見つかったので、その話をシェアしておこうと思います。

まず大前提としてお伝えして置くのは、海外に数週間とか数日行くことで人生観が変わったり人生が大きく変化したりするのではなく。

海外に行くことによって、「外国語」に触れることで、「脳の構造が変わる」ため、人生観が変わるっていう順序です。

要するに、海外や外国にって人生や人生観が変わることはないけれど、母国語ではない語学に触れることで、人生や人生観が変わるって話ですね。

根拠

まず1つ目の根拠として挙げられるのは、2013年に「バイリンガル」の脳機能を検証した実験で。

母国語しか話せない人と、2ヶ国語以上話せるバイリンガルとの脳機能の変動を調べた研究があるのですが、その結果わかったのは「ワーキングメモリー」と呼ばれる脳機能が、1ヶ国語しか話せない人たちに比べて発達していることが発覚しました。

このワーキングメモリーというのは、いわゆる「短期記憶」を司る部分で、物事を覚えたり、それを覚えるための集中力や注意力にも関わっている部分。

この部分が、バイリンガルの方が優れていたということが、まずわかっています。

同様に2011年の実験によっても、外国語を学んでいる人の方が、そうじゃない人に比べて「集中力や注意力」が高いことが証明されています。

その証拠に記憶力を司る海馬と呼ばれる部分が、バイリンガルの人はより活性化されていることがわかっています。

そのほかにも、外国語を学んでいる人の方がマルチタスクの作業に強いことが、わかっています。

これは脳の切り替え能力や認知機能の問題で、語学を学ぶことによって認知機能が高まり、様々なことを認知することができるためと言われています。

さらに、海外に出て語学を学ぶことによって、様々な言葉や単語に触れられるため、「多角度的」に物事を考えられることから「問題解決能力」も向上することがわかっています。

言い換えれば「クリエイティブ能力」が高いと言い換えることもできるこの力ですが、海外に出ることによって違う文化や風習に触れられるため、様々な視点から物事を考えられるようになり、その結果問題解決につながる力が養われるとされています。

そして最後に培われる能力というのが、「メンタルコントロール力」

これは上記で挙げた研究とは別のものですが、自分自身のメンタルの強さと「語彙力」との相互関係が立証されていて、語彙力が高い人は自身のメンタルコントロール力が高いとされています。

これは、自分自身の今の状況を言葉に洗わせるほどの語彙力があるおかげで、冷静に自分を分析で、客観的に自分を捉えられるからだと言われており、語彙力を上げることがメンタルコントロール力を上げることにつながるわけです。

この語彙力とメンタルとの相互関係があることを考えると、母国語以外の語学に触れるということは単純に「2倍」の語彙力に恵まれるため、メンタルコントロール力が上がるという風にされているわけです。

結論

つまり結論というのは、海外に出るだけで人生観が変わるのではなく、「海外に出て語学に触れることで脳機能が成長する」ため、人生観が変わり、その結果「人生そのものが変わる」というわけです。

よくネットなんかでは「インドに行ったら人生変わった」という風にいう人たちがいますが、それは「感覚」の問題に過ぎず、大半の人は人生が変わるまでの影響はないとされています。

そして、たった数週間で人生観や人生そのものが変わるのであれば、それは科学的にはなかなかうなづけない事実。

そうではなく、きちんとした根拠を提示するのであれば、先ほど伝えた通り「海外」に原因があるわけではなく、「海外を通した外国語」に理由があり、その結果「脳機能が向上した」ことによる影響です。

応用方法

もちろんこの海外に出て人生観を変えるということにフォーカスすするのであれば、別に英語である必要はありません。

日本の中では英語を学ぶ人が圧倒的に多いかと思いますが、脳機能の向上に大切なのは「外国語」を学ぶことにあります。

ですから、英語でも十分に効果が期待できるものですが、英語ではなくてもフランス語、ポルトガル語、ドイツ語など、日本語以外のものであれば、十分に効果が期待できるとされています。

ワーキングメモリーを鍛えれば人生は変わる

また最後に冒頭に少し話題の出た「ワーキングメモリー」ですが、このワーキングメモリーによる面白い実験があって。

今回の記事はそれが主題ではないので、詳しい研究内容は割愛しますが、物事の「転移」を研究した論文があります。

この「転移」というのは、要するに「将棋がうまいならチェスもうまい」だとか、「テニスがうまいならバトミントンもうまい」というように、何か1つの能力は他の分野に転移するのか?ということを調べた実験になります。

そこでわかったのは「近い転移は起こるが、遠い転移は起こらない」ということ。

要するに、将棋が上手ければチェスがうまいというのは、「近い転移」だからこそおこった現象で。

「サッカーが上手ければ野球もうまい」というような遠い転移は確認されませんでした。

ただ1つだけ。

「この能力を鍛えておけば、あらゆる分野のものに応用が効く」というものが発見されます。

それが「ワーキングメモリー」

このワーキングメモリーを鍛えておくと、物事を覚える際の許容スペースの最大化を図ることができます。

サッカーを新しく始める人で、体力がめちゃくちゃある人と体力が全然ない人。

どちらが成長しやすいかといえば、「体力がめちゃくちゃある人」です。

これと同じで「ワーキングメモリー」の能力が高い人ほど、「新しく物事を習得するのが早い」という風にされています。

スポーツにおける体力のように、万物に応用する土台となるスキル。

それがワーキングメモリーだということですね。

そしてこのワーキングメモリーというものを鍛える方法として「語学学習」というものが存在するわけです。

海外に出て人生観が変わったというのは、もしかするとこのワーキングメモリーの発達のおかげなのかもしれません。

そういう意味においても、新しい語学を学ぶこととは、脳に大きな影響を与え、人生を変える上では多大なる影響をもたらしてくれるので、ぜひやっておいた方がいい勉強かもしれませんね。

まとめ

語学がもたらす効果

  1. ワーキングメモリー
  2. マルチタスク
  3. 問題解決力
  4. メンタルコントロール力

これが主だった脳機能の向上です。

最後にまとめておきます。