今回はタイトルにある通り。
夢をかなえるゾウを読んだので、わかりやすく解説していくとともに、その感想とレビューをやっていこうと思います。
それでは行きましょう。
きっかけ
この夢をかなえるゾウ。
結構前から出ていて、かなり昔に一度読んだことがあった本でした。
んで。
この度改めて読み直してみたんですが、そのきっかけっていうのが、僕がよくいく近くの本屋においてあったんですね。
僕は結構本屋をめぐるときに「ランキング本」っていうのには目を通すんですが、結構前に発売されていたはずの夢をかなえるゾウが、ランキング4位に陳列されていました。
「なんで今更?」ってな感じで思ったわけなんですが、今読み返したらまた違った印象を持つかな?ってことで、改めて読んでみることに。
あらすじと構成
ちょっと長くなってしまいましたが、ここから夢をかなえるゾウの内容に踏み込んでいきます。
まだ読んだことがない人もいると思うので、ざっくりとあらすじと構成を解説しておくと。
ガネーシャというヒンドゥー教の神様である「ゾウ」が、主人公のもとに降り立ち、その主人公に「教え」と称して、成功するのに大切なことを説いていく、というのがこの夢をかなえるゾウのメインストーリーになってきます。
しかも結構面白いのが、この夢をかなえるゾウとして出てくるガネーシャは「関西弁」を話していて。
神様というとかなり遠くの存在のように聞こえますが、かなり親近感を持って接せられるのが印象的。
だからこそ、最初のほうが主人公も結構舐めた口調で話していくわけですが、ガネーシャの話すことが的を得ていることから、徐々に主人公は聞く耳を持っていきます。
こんな感じで、夢をかなえるゾウというのは、メンター的な存在であるガネーシャと主人公との物語をストーリー形式に進められる本なんですね。
この夢をかなえるゾウは、発売されたのちに「ドラマ化」も果たしていますが、ビジネス書という役割から「小説」としても読まれているのが、人気の原因だったりします。
夢をかなえる方法
その中で、このガネーシャは主人公に様々な「夢をかなえるために必要なこと」をレクチャーしていくわけですが、すべてを紹介すると長くなりすぎてしまうので、大切な部分だけかいつまんで解説していくと。
この本の中で「夢をかなえる方法」として、1つの教訓が出てきます。
(これも「主人公」と「ガネーシャ」との会話の中から生まれてくるので、読みやすいポイントだったりするわけですが)
その夢をかなえる方法として、「夢をかなえられない人」と「夢をかなえる人」との人達が生まれるのは、あることが足りていないからだ、という風にガネーシャは説きます。
夢をかなえる人というのは、「楽しい」と思えるように夢を語る人
逆に、夢をかなえられない人というのは、「つまらない」と思うような夢を語る人。
これらが夢をかなえる人とそうじゃない人の大きな違いだ、という風にガネーシャは主人公に伝えます。
どういうことか。
楽しい夢を語れる人になれ
この「楽しい夢」と「つまらない夢」というのは、大きく分けると「共感できるかどうか」
というのが、かかわってきていて。
つまらない夢を語る人というのは、総じて「自分だけの利益」を求めた夢です。
「お金持ちになりたい」「女にもてたい」「良い車に乗りたい」
こんな風に、その人の夢を聞いたときに、上記の夢はほとんどが聞いていて「楽しくない夢」だと感じるでしょう。
それは「自分だけの利益」に過ぎず、その人の夢に対して「まったく共感ができない」ため。つまらないと感じるわけです。
一方で。
楽しい夢というのは、自己の利益だけではなく、聞いている人を含めた「他人を巻き込む夢」であるため、聞いていて楽しい夢だという風にガネーシャは言います。
「世界の貧困をなくしたい」「日本をかっこいい男で埋め尽くしたい」「皆が喜ぶ車が作りたい」
こういった夢を聞くと、その人が夢をかなえた場合、自分に多少なりともいい影響があるように聞こえます。
こうした「共感」ができる夢というのが、聞いていて「楽しい夢」ということ。
そして夢をかなえる人というのは、往々にして「楽しい夢を語れる人」だとガネーシャは言うんですね。
楽しい夢を語れると応援してくれる人が増える
ではなぜ。
自分だけの利益を追求した夢はだめで、周りの人を巻き込む楽しい夢はいいのか。
これに関しては答えはシンプルで「周りの人が応援してくれる」ようになることが、成功への拍車をかけることにつながる、とガネーシャは言います。
僕らの成功に欠かせないのは、いろいろな要因がありますが、大きく分けて「人」「モノ」「金」
これらは欠かせない要因です。
そのうえで。
「お金持ちになりたい」という人が現れた時に、「応援したいと思うか?」と問われると全くそうは思わない。
でも一方で、楽しい夢を語り、「ベーシックインカムを導入して、お金に不自由することをなくし、楽しいことだけを追求する日本にしたい」という夢を語った場合。
(あくまで一例です)
それに共感する人は、応援してくれるようになる。
楽しい夢というのは、周りを巻き込む力があり、応援されることによって、成功に大切な人やモノ、お金といったリソースが集まってくる。
だからこそ、「楽しい夢」を語らないといけないんだ。
そう語られます。
人生を変える方法
またかなり昔に一度この本を読んだとき、一番印象に残っているのが、この人生を変える方法。
主人公は「成功したい」と望んでいるが、まったく変わらない状態。
その主人公の状態に、ガネーシャは「お前は本当は成功したいと思っていない」
そんな風に言います。
「そんなことはない」と主人公は反論しますが、返す刀で「お前の本棚には成功する方法と称した本がいっぱいあるが、じゃあなんでお前の人生は変わっていないんだ?」
そんな風に返します。
これがすごい印象的で、記憶に残っていました。
その言葉に何も言えなくなるわけですが、ガネーシャは「人生を変える方法」として2つの方法を主人公に提示します。
それが
- 絶望的な状況に陥る
- 才能を評価される
この2つで、人生を変えるにはこの2つしかない、とガネーシャは言い切ります。
絶望的な状況に陥る
絶望的な状況に陥るというのは、いわゆる「最悪な状態」で。
会社を首になった。
莫大な借金を背負ってしまった。
離婚した。
こういった絶望的な状況に陥ることでしか、人間は本気になれない。
人間というのは、元来怠け者であり、「今の状態」にさほど満足していなくても、「不便がない」のであれば、楽な道を取る。
だからこそ、絶望的な状況に陥るなどして「今の状況から絶対に抜け出さないといけない」となって初めて本気を出す。
この絶望的な状況とは、本当の意味で本気を出す方法で「絶対に変わらないといけない」とコミットする1つの方法なんだと、ガネーシャは言います。
才能を評価される
いやいや、と。
絶望的な状況に陥るっていうのは、誰しもがなれるものじゃない。
ってことは、成功というのは「限られた人」だけができるものなのか。
多くの人はそう思ったことだと思います。
ほとんどの人が、絶望的な状況に陥ることなんて、そうそうない。
要するに、この絶望的な状況というのは、「それぐらい本気じゃないと人間は変わらない」ということを伝えるためのものなんですね。
そしてガネーシャは僕らに歩み寄り、もう1つ人生を変える方法を伝えてくれています。
それが「才能を評価される」ということ。
そのためにとにかく「評価されるシーン」に、自分を出していけ、という風にガネーシャは言います。
これは要するに「アウトプット」ですね。
アウトプットなくして、人生なんか変わるはずがない。
多くの人がアウトプット=行動しないのは、行動してダメだった時に「才能がない」と知ることが怖いからだ、と。
ただ逆に「才能がない」としれれば、次に才能があるものを見つけるスタート地点に立てる。
そして才能が評価された時というのは「能動的」に自分から率先して、次への行動に結びついていく、と。
だからひたすら「才能が評価されるためのアウトプット」をし続けることが重要なんだ、とガネーシャは説いています。
感想レビュー
とまあ、こんな感じで、この夢をかなえるゾウには数々の教えが出てきて。
今回紹介した
- 夢をかなえる方法
- 人生を変える方法
この2つ以外の教訓もかなり出てきます。
要するに総評すると、王道の自己啓発って感じが、この夢をかなえるゾウっていう感じですね。
そしてここから本音のレビューをしていこうと思いますが、僕は基本的に「自己啓発」と呼ばれるものに興味はありません。
だから、この夢をかなえるゾウも基本的には好きじゃない。
自己啓発というのは、漠然としたものが多く、科学的に数字や統計を用いた事実ではなく、あくまで1人の解釈なので。
さらに言えば、
この記事でも紹介している通り、残念ながら自己啓発をいくら読んでもまったく変わらないことが分かっています。
むしろ逆効果を与えることも多くて、
この記事で紹介している研究では、メンタル面の悪化なんかが報告されています。
だから、僕は完全に自己啓発否定派。
それはこの夢をかなえるゾウも例外ではないですね。
また、「メンター」を神様にすることで、説得力を高める意味合いも、微妙で。
神様=メンターが言うことは絶対、とする構図はあまり好きじゃない。
ただ唯一この夢をかなえるゾウが、評価できるポイントっていうのは、その「構成」にあると思っていて。
この点は唯一評価できるのかな、って感じはしています。
どういうことかというと。
多くの自己啓発本やビジネス書が滑っている理由は、読者に「訴えかける」構成となっているためで。
飲食店のテーブルで例えるなら、著者と読者が対面に座っているイメージです。
こうなると、どうしても「上から目線」となってしまい、読者は「押し付けられている」という印象を受けるので、中身が入ってこない。
逆に抵抗感を産んでしまうので、大半のビジネス書や自己啓発本は滑っていくわけです。
でも、この夢をかなえるゾウは、主人公とガネーシャとの物語を見ているという構図なので、読者というのは俯瞰した「第三者」としてみていられる。
そうなると、押しつけがましい感情を抱かないし、ストーリーの中から「教訓」を導き出せる。
たとえるなら、二人が同じ方向を向いている「ドライブ」に近い感覚で。
この構成は、面白いなと感じます。
人見知りで、二人では話せない人も、ドライブでなら話せる、という人は多いと思います。
それは「互いを見つめあう状況」ではなく、「同じ方向を見る状況」だからで。
ドライブ中は会話しやすい、という人も多いんじゃないかな。
それがこの夢をかなえるゾウの構成の素晴らしいところだと思いますね。
「嫌われる勇気」なんかもまったく同じ構成で。
スーッと内容が入ってくる感覚は似ているかと思います。
そのうえで親近感の湧きやすい関西弁というスパイスが混ざっている。
聖書なんかもそうですが、かなり昔に発売されて、今なお人気というのは、こういった「ストーリー構成が人間は好き」という特徴をうまくとらえているからなんでしょうね。
僕としての感想はこんな感じで、夢をかなえるゾウを含めた自己啓発本は全く好きじゃないですが、構成や「読み物」としては売れている理由が分かった、っていう感じですかね。
ぜひ参考までにとどめておいていただければと思います。