今回はタイトルにある通り。
「ゴールからの逆算」に関して、面白いことを知ったので、それをシェアしておこうと思います。
具体的に言えば「計画」ですかね。
僕らって計画を立てるときもそうですが、ゴールから逆算して考えるパターンと目の前から考えるパターンの2種類が存在します。
これを専門的に「前方プランニング」と「後方プランニング」という風にいいますが、ダイエットなんかで例えるなら。
「今年の夏までに5キロ痩せたいから、今月は〇〇をしよう」というように、ゴールや目標から逆算して行動計画を練るのが後方プランニング。
また一方で。
「痩せたいから今月からランニングを始めよう」みたいな感じで、目標から目の前のやることを計画立てるのが前方プランニング。
このどちらかの計画術が存在するわけですが、これが「科学的にどちらが正しいの?」っていうのが、今回のメインテーマ。
この計画術において。
正しいのは「後方プランニング」の方で、ゴールから逆算して考えて、計画を立てた方が達成率が高くなるってことがわかっています。
2つの行動計画
まずは根拠から。
これはアイオイ大学が学生を対象にして行った研究が元になっていて。
被験者である学生に対して、様々なゴールを目標に計画を練ってもらいます。
この目標というのが、授業における目標であったり、テスト結果に対する目標であったり。
はたまた学生ということで、就職においての面接であったり。
こうした様々なゴールに対して、主に2つの計画に沿って行動してもらいました。
その2つの計画っていうのが、先ほども伝えた「前方プランニング」と「後方プランニング」
この2つ。
先ほどもこの2つの計画術は説明しましたが、今一度今回の研究に沿ってわかりやすく解説しておくと。
例えば、テストの点数に関して目標を立てる場合。
前方プランニングは、「参考書を1日1ページ学習するようにしよう」というように、今ある状態から計画を立てるのに対して。
後方プランニングは、「試験までに100ページある参考書を読んでおきたいから、残り3ヶ月の間で3ページづつ読んだら終わるから、1日3ページ読もう」
というように、ゴールから逆算してプランを練るのが、後方プランニング。
これはいい悪いは抜きにして、僕らも無意識に取り入れてる計画術だったりします。
その2つの計画術を学生に立ててもらい、それぞれの目標に対して、「どちらが達成率が高いのか?」というのを調査して行ったのが、この研究だということ。
そして結論から言えば、2週間から1ヶ月程度の「短期」の目標設定の場合、前方プランニングと後方プランニングに達成率の差はなかったものの。
3ヶ月以上という長期の目標に対しては、後方プランニング、つまりゴールから逆算して考えた方が達成率が高いことがわかりました。
後方プランニングの効果
さらにこの研究が面白いのはここからで。
ゴールから逆算して行動計画を練ったほうが、目標の達成率が高いのはなんとなく理解ができますが、達成率以外にも「プレッシャー」を感じる度合いが低かったことがわかっています。
さらにさらに。
目標達成に対してのモチベーションに関しても、「後方プランニング」の方が高く、やる気を維持しながら目標達成することができていたことが明らかになっています。
つまり。
「ゴールから逆算して考えた方が、モチベーションを維持しながら、プレッシャーとうまく付き合うことができ、なおかつ達成率が高い計画を立てることができる」
ということが言えるわけですね。
よく「ゴールから逆算して考えろ」なんてビジネスシーンで言われたりしますが、その真意は?ということが議論になったりします。
その結論として、「間違いはなかった」ということが、この研究により明らかになったということですね。
ちなみに。
この「後方プランニング」に関しては、他人が立てた計画であっても、達成率は変わらず。
他の人に立ててもらっても、同様の効果があることがわかっています。
なぜゴールから逆算した方がいいのか
ではなぜ。
「前方プランニングよりも、ゴールから逆算して計画する後方プランニング方が、計画の達成率が高かったのか」
これに関しては、様々な原因が考えられますが、大きくあげられるのは「リアリティ」が考えられています。
例えば。
受験勉強を例にして考えてみると。
来年の年始に控えているテストがあったとして。
これから勉強を始めるにあたって、「1日1時間勉強をしよう」としたとします。
ただ来年の年始における試験まで、ある程度時間があった場合「なんのために勉強しているのか?」が結構分からなくなるシーンがあったりします。
そうなると、毎日の勉強へのモチベーションが下がり、「勉強を行う意味」が分からなくなってくるので、計画が一向に進まなくなってしまいます。
一方で「来年の年始の試験までに向けて後1年ある」と逆算して考えると、「何をすべきか?」や「何が足りないか?」が明確になります。
そのおかげで、「半年までは基礎学力を上げなくてはいけない」というように、目標に具体性が生まれ、モチベーションが生まれてきます。
そして一歩一歩進んでいる感覚が芽生えるため「成長」を感じ、モチベーションを維持し続けてくれることにもつながります。
こうした達成までの「リアリティ」を持つことができるため、「ゴールから逆算して考える後方プランニング」の方が、長期の計画の場合達成率が高いとされているわけです。
後方プランニングをやってみた結果
んでね。
ここまでがアイオイ大学の研究の結果で、ここからが僕個人の話。
なので、少しでも参考にしてもらえればって感じなんですが。
僕個人としては、この前方プランニングとか、後方プランニングとか、何も知らないうちから自然と「逆算して考える癖」がありました。
当時はどちらがいいとか、前方プランニングがあるなんてことは知らず。
後になって「意外と逆算して考えていない人が多いんだなぁ」って痛感したのを覚えています。
(意外と何も考えず、ただ単に目の前のタスクに取り掛かる人が多いのに驚きました)
基本的には逆算して考える僕でも、短いシーン(本を読むときとか)では目の前のタスクに取り掛かる時があったりします。
短い短期的なシーンなら、達成率は変わらないのでどちらだっていいんですが、僕個人としては「逆算しないと路頭に迷う」というのが、結構あって。
本を読んでいても「あれ?なんでこの本読んでいたんだっけ?」ってな感じで迷ったり。
あとは長期的な目線がないから、結構「プレッシャー」を感じて、前に進めていない自己嫌悪に陥ったり。
こういったことが結構起こるんですね。
んで。
これはよく言われることですが、僕ら人間っていうのは「自分自身のことを過信しすぎる傾向」にあるとされています。
だからこそ計画を立てるときなんかは、本来「半年」かかるはずの計画も、「自分はできる」と思っているからこそ、「3ヶ月」とかの計画を立ててしまい。
その結果、計画は達成できていないから、プレッシャーや自己嫌悪を感じてしまう。
僕自身も何度も経験があることです。
自然と自分自身に変なバイアスがかかっている状態ですね。
何がいいたいのかっていうと、逆算して考える癖がある人間でも、僕個人では「自分自身の能力を過信して、短期的な目標に時期をヅラしてしまう」ことがあるってことなんです。
そして、僕の中では「短期で立てた目標(過信して短く縮めてしまった目標)」に関しては、圧倒的に達成率が悪いです。
その理由は、達成できていないプレッシャーから、脳のリソースを奪われ。
IQが落ち、試行錯誤がなかなかできていないから起こることが大半。
つまり、そういった人間のバイアスなんかを理解した上で、「長期的な目標であれば、自分に優しく後方プランニングを立てる」ということが重要になってくる。
それを改めて痛感しましたね。
「知っていても陥ってしまう罠」として、抑えておいて欲しいことだと思いますね。
まとめ
ちょっと個人的な感情も入ってしまったので、最後にまとめておくと。
ゴールから逆算して考えるは、正しいのか?という問いに対しては「科学的に正しい」ということが言える。
その根拠としては、学生を対象に「前方、後方プランニング」で計画を立ててもらった達成率を見比べて行ったところ、短期的な目標に関しては達成率に変化はなかったものの。
長期的な目標に関しては、後方プランニングの方が達成率は高く。
その上で、プレッシャーは低く、モチベーションが高いことがわかっている。
つまり、長期的な目標の場合はゴールから逆算して考える方がいい。ということ。
まとめるとこんな感じですね。
あと、計画を立てるときは「偶然生プランニング」を取り入れるといいので、お勧めしておきます。
ぜひ参考にどうぞ。