【レビュー】書籍:イシューからはじめよの感想まとめ

今回はタイトルにある通り。

イシューからはじめよを読んだので、その要点をまとめておくと同時に、感想とレビューをしていこうと思います。

第一印象の感想

まずこの本を手に取ったきっかけですが、2つあって。

1つ目はシンニホンが面白かったことと、2つ目に結構本屋に平積みされていたから。

この2つが手に取ったきっかけで、そこまで「これだ!」って感じで手に取ったわけじゃなく、軽い感じで手にしたのがきっかけでした。

結構売れている本だったので、本屋に立ち寄って目に見かけた人は多いんじゃないかな。

んで。

1つ目の理由の「シンニホン」と同じ作者が書いている、この「イシューからはじめよ」ですが、シンニホンは結構面白くって。

(機会があれば、シンニホンもレビューしようかと思います)

昨今では、ジムロジャースの本なんかでもそうですが、どっちかっていうと日本にとってかなりネガティブな印象を持っている本が多い気がします。

でもこのシンニホンはどちらかというと、これからの日本が世界と戦っていくための戦略や方法など、ポジティブなことを描いていて、結構面白い印象でした。

そんな安宅さんの本だったので、手に取ったっていうのが、今回レビューするイシューからはじめよ、でした。

んで。

ちょっと前置きが長くなってしまうのは申し訳ないんだけど、これもレビューのうちの一つだから許してほしいんですが(早くレビューを知りたいという人はスクロールして飛ばしてやってください)

僕的にこの本の「結論」が、タイトルに来る形式は結構好き。

僕のブログも基本的にタイトルに結論をのっけていて、冒頭に「タイトルにある通り」と今一度念を押しています。

これは何でかっていうと、本を読んでいると「あれ?なんで今俺はこの本を読んでいるんだっけ?」ってな気持ちになりがちで。

本を読むことに満足感を覚えて、「なんでこの本を読んでいるのか?」という本質を忘れてしまいがちなんですよね。

これが「本のタイトルが結論」だったら、そういった忘れることを防いでくれるので、結構好きなんですよね。

この「イシューからはじめよ」もタイトルが結論で「イシューからはじめろ」というのが、本で伝えたいことなんですよね。

だから、読んでいても脱線することがないし、「あれ?今なんでこの本を読んでるんだっけ?」ってな迷子になる可能性が少ない。

結構第一印象の感想としては好きなタイプでした。

あらすじ

じゃあさっそく。

この本にはどんなことが書いてあるのか?っていうイシューからはじめよのあらすじを解説していくと。

本の伝えたいところは、先ほども伝えた通り「イシューからはじめること」が一番のキーテーマになってきます。

このイシューからはじめるための方法やそのメリットなんかを書いているのが、このイシューからはじめよという本の全体像なんですね。

じゃあ一体「イシューとは何なのか」。

これは実際に本を読んだ人ならわかると思いますが、一応読んでいない人もいると思いますので、補足しておくと。

イシューの原文である「issue」を翻訳してみると、「問題点」「論点」といった言葉が並んできます。

要するに、「課題」という意味がイシューの意味で「この課題をきちんと見極めるところから始めよ」というのが、このイシューからはじめよという本の問題提起なんですね。

イシューを見誤ってはいけない

この「課題をきちんと見極めるところから始めよ」とだけを聞いても、なんだか当たり前のように聞こえるし、そこまで大切なことにも思えない。

いや大切に思えないっていうか、もうすでに当たり前のことだと思っているから、そこまで重要に思えないといったほうが正しいかな。

はたまた当たり前のこと過ぎて、いまさら言われることじゃない、という感じかもしれない。

でもやっぱりここは大切だし、バッファーやバイアスによって見えていない可能性も考えられるので、課題が正しいかどうか?っていうのを見極めることが重要になる、とこの本の中では語られます。

たとえるなら、受験勉強なんかが挙げられるかもしれません。

受験勉強では、「テストの点」を取ることがゴールであり、塾なんかも生徒を学校に受からせることがゴールです。

ですから、イシューとなる課題は「テストでいい点を取ること」であり、塾の先生や学校の先生は「テストでいい点を取らせること」がイシューになる。

でもじゃあ、そもそも学生が受験勉強をするのはなぜなのか。

それはおそらくいい大学に入り、一流企業に入れば、将来安泰だから。

これが一つ定説として言われているコースです。

つまり受験勉強は、将来の安心を買うための手段なわけです。

別の受験として勉強した科目が、将来一切役に立たなかろうが、そんなことは関係なく。

「テストでいい点を取る」

これが受験生に課せられたイシューなわけです。

でも、将来の安心とはつまるところ「お金」から成り立っていて。

将来一切役に立たない勉強をして、その時の時間を過ごすより、実生活に役に立つ勉強をして、今から現場に出て学んだほうが、実際に役に立つ経験ができるわけです。

マイクロソフト創業者のビルゲイツも大学を中退して、起業していますし、スティーブジョブズもそうです。

彼らにとってのイシューというのは、「テストでいい点を取る」ということではなく、インターネットを活用したビジネスモデルを「より早く世に出すこと」ことが求められていたため、課題をきちんと見極め「中退」という道を選んだ、とみることもできるわけです。

つまり、僕らの目線では「ある意味」正しいことというのは、必ずしも正しいわけではなく。

そして、イシュー自体が間違っていると、頑張って起こした行動がまったくもって意味がなくなってしまう。

だからこそ、物事の本質を掴み、イシューを見極めなければいけない、ということなんですね。

イシューを見極めるには

じゃあ次に。

どうやってイシューを見極めていけばいいのか。

詳しいことは、本を読んでみてほしいんですが、僕的に納得だなぁって思ったのが、「1次情報にアクセスすること」と「知識肥満になってはいけない」ということ。

まず「1次情報にアクセスする」というのは、現場の声や消費者の声など、直接の意見を聞くことを意味します。

この本でも言っているんですが、「自分なりの仮説を立てること=イシュー」の重要性を説きます。

そのうえで自分なりの仮説を立てるときに重要になってくるのが「一次情報」で。

その理由は、情報が人から人へと移るときに、情報がゆがんでいき、他人の思惑や価値観が乗ってくるので、その情報から考えた仮説というのは、「自分なりの仮説」ではなくなっているわけですね。

そもそも、僕ら人間っていうのは、何人も間に人を挟むことによって、情報がゆがんでくるんですね。

これは伝言ゲームなんかをイメージするとわかりやすいと思いますが、伝言ゲームでは人が多くなればなるほど、簡単な情報でもだんだんと間違って伝わっていきます。

後半になると、情報は原形をとどめなくなってくる。

そうならないために、きちんと1次情報にアクセスすることが重要だと、この本では書かれています。

また反対に。

「知識を蓄えすぎるのもダメ」という風に、この本の中では語られていて。

これはよく「知識肥満」という風に言われたりしますが、僕らの体も栄養を蓄えれば蓄えるほどいいか?っていうとそうじゃなく。

それはいつしか「肥満」となり、フットワークの重さや健康への被害を産む。

これは情報や知識の吸収においても、「適度」が適切であり、きちんとその知識を吸収しきって次に行かないと、意味がない、ということなんですね。

ですから、イシューを見極めるためには「1次情報にアクセスすること」と「知識肥満になってはいけない」ということが重要になってくるわけです。

良いイシューと悪いイシュー

では続いて。

「良いイシュー」とはどういったものなのか。

これは逆に悪いイシューを見ていけば、良いイシューも自然と見えてくるわけで。

詳しいことは先ほども伝えた通り、本を読んでほしいのですが、ピックアップして伝えると「具体的」であり、「常識から逸脱している」ことが、良いイシューだと書かれています。

悪いイシューはこの逆で。

「具体的ではなく、常識的であるイシュー」こそが、悪いイシューだということになります。

具体的っていうのは、これはもうある意味ビジネス的には当たり前ですが、僕ら人間というのは「具体的」ではないことに関して、行動を起こすことができません。

それが会社単位の人数になれば、結果は見えていて。

漠然とした課題を掲げても、何が問題なのかをきちんと把握していないため、行動に移せないわけですね。

まあこれは当たり前の話で基礎的な部分。

次の「常識から逸脱している」という部分は、要するに「常識的、当たり前」のことをイシューに掲げたとして、それは大半が「すでに行っていること」なんですね。

例えば、イシューが「売り上げが少ないこと」としたとしても、毎日の仕事が「売り上げを上げること」のためにやっていることは当たり前の話で。

売り上げを上げると課題を明確にしたところで、今までの行動から変革を起こすには至らないわけです。

つまり、「今までの行動を変えるイシューを掲げる」ことが重要であり、それは「常識的ではない」ことが分かりやすくつながってくる、ということ。

だからこそ、常識から逸脱していることをイシューに掲げることが重要になってくるわけです。

感想レビュー

ってな感じでざっくりとイシューからはじめよのあらすじと内容を振り返りましたが、読み終わった感想的に言えば、やっぱり冒頭に伝えた通り「既知の情報」が多い印象で。

それがぬぐえなかった感じはしますね。

イシューって名刺を変えられても「課題から考えよ」って言われれば、それはすでに知っていることで。

(知っていると出来ているは違いますし、イシューが重要であることは変わらないですが)

それを改めて言われても、「新しく知ったこと」よりも「すでに知っている」っていう既知な情報だったので、僕的には微妙でしたね。

ただ所々のエピソードであったり、安宅さんの考え方自体は、面白い部分もあったので、それで取り返した、という感じ。

なので、おすすめできるとしたら、新人ビジネスマンだとかにはおすすめできるかなって感じですね。