今回はタイトルにある通り。
影響力の武器に関してのまとめとレビューをしていこうと思います。
この本自体「いまさら?」ってな感じがするんですけど、昔から影響力の武器は持っていて。
最近になって今一度読み返したんですね。
すると、やっぱり「人間の普遍的な心理」を描いているので、王道でありながら色あせないんですよね。
感想の結論から言ってしまえば「ビジネスをやるのであれば読んでおくべき1冊」ってな感じですね。
第一印象
じゃあまずあらすじから行こうかなぁ。
いや。
第一印象から話そう。
この影響力の武器っていうのは、僕が最初に買ったのはもう5年前。
ただこの本自体は80年代に出ているので、発売からもうかなり立っている。
でもそのこと自体知らずに、僕はのうのうとビジネスの世界に飛び込むことになりました。
まあ、その時は右も左もわからないわけですが、どんなビジネスにおいても共通することっていうのは「人間」であり、「心理」です。
なぜなら人間が貨幣を生み出し、お金に価値を感じるのは人間だけだから。
犬にお金を上げても、見向きもしないでしょう。
要するにビジネスっていうのは「対人間」がすべてであり、人間にとって「心理」というのは切っても切れない関係にある、っていうことなんですよね。
ってなことで、購買心理であったり、人が行動原理だったりをビジネスを始めてから勉強し始めたわけです。
でもこの時はまだ影響力の武器には出会ってなくて。
断片的に「希少性」であったり、「返報性」であったりを、別々のソース元から学んでいました。
この断片的に学んでいたもの、一本の体系化されたノウハウではなかったので、かなり時間を要していました。
その後になって「影響力の武器」に出会うわけですが、その時思ったことが「もうこの1冊に全部書いてあるじゃん」
これが第一印象でした。
あらすじ
そんな出会いだった影響力の武器ですが、どんなことが書いてあるのか。
まだ見たことがない人もいると思うので、ざっくりとあらすじを解説しておくと。
著者は社会心理学者のロバート氏で、「人間が行動するのは6つの心理トリガーがきっかけとなっている」という風に解説しています。
この6つの心理トリガーを駆使することによって、人間を動かすことができるor操ることができる、そんな風に言われます。
「人間を動かすことができる、操ることができる」
って聞くと、犯罪者や詐欺師だけが使う技術で、自分には関係な言って思う人もいるかもしれませんが、ビジネスというのは「購買」という行為を「お客さんに促す」ことで、成果を得ています。
つまり「買ってもらう」という行動を起こさせないとビジネスは成り立たないわけで、そこには「人を動かす」というのは切っても切れない関係ないんですね。
これはどのビジネスでもそうですが、原本は結構えぐいです。
耐性がないと「ヒドイ」って感じる人もいるかもしれませんが、サランラップが「戦争」から生まれたのと同じ。
また、マーケティングや戦略などで有名な「ランチェスター戦略」や「孫氏の兵法」も基本的には「戦争」から生まれてます。
要は「人を殺すため」に生まれてきたものたちです。
それをビジネスに転換したのが、現代の人たちなわけで、原本は結構えぐいものだったりします。
少し話はそれましたが、こういった「人の心理」を活用し、影響力を身に着け武器にし、「動かす」ためにはどうすればいいのか。
こういったことが描かれるのが、影響力の武器だということなんですね。
心理トリガー
ここからは結構、本書の内容部分に入っていきますが、詳しくは買って読んだほうがいいと思うので、さらっと内容をさらっていくと。
人を動かすために必要なのは「心理トリガー」と呼ばれるものが必要だという風に著者は伝えています。
そのうち心理トリガーというのは、大まかに6つあるとされていて。
その6つが
- 返報性
- 希少性
- 権威性
- 一貫性
- 好意性
- 社会的証明
この6つが人を動かすための武器になりえると、本書では語られます。
1つ1つ見ていくとわかってくるんですが、これは実生活において「かなり頻繁に」使われています。
知らない人からすれば、驚きかもしれませんが、購買活動には切っても切れない存在で。
先ほど言った「人を操るなんてヒドイ」っていう方には、ちょっと驚きかもしれませんが、もうすでに活用されつくしているんですね。
しかもこれは「古い」というものではなく、人の普遍の心理をついているため、「今でもなお現役」で使われているものです。
僕らがグーグルアースを自然に使うのも、火薬を使うのも、「戦争は嫌だ」という意思とは関係なく、軍事目的で開発されたものの恩恵を受けている、ということはこの影響力の武器にも言えそうです。
だからこそ、ビジネスをやる人はもちろん、そうじゃない人も知っておくべき1冊、だということだと思うんですよね。
返報性
それでは1つ1つの心理トリガーを紐解いていくと。
先ほども言いましたが、詳しくは本を読んで自分で確認してほしいので、さらっとだけ解説していきますが、まず1つ目の「返報性」
これは「人はだれかに施しを受けたら、返したくなる」という心理現象のこと。
たとえるなら、「無料サンプル」や「ティッシュ配り」、スーパーの試食なんかが挙げられます。
これらを無料でもらうことによって、「返してあげたくなる」という感情に僕ら人間はおちいります。
そうすることによって、「返報性」をうまく活用し、商品を買ってもらう、という行動につなげているわけです。
希少性
続いて希少性。
これは説明するまでもないと思いますが、「限定〇個」だとか「〇日までのセール」という風なうたい文句があると、僕ら人間は商品を買ってしまったりします。
それは希少だからこそ、その瞬間やその商品に価値を感じてしまう、という人間の性質があるため。
これが心理トリガーのうちの「希少性」です。
権威性
続いて権威性。
これは人というのは「権威」がある人には、「ついていく」信じてしまう」という感情を抱きやすいことが分かっています。
仮に、お医者さんが「白衣」を着ていて「あなたは風邪です」といわれれば、それを盲目的に信じてしまうわけです。
ただよくよく考えれば、医者であれど人間であり、完ぺきではありません。
だから診療を間違えることだってあるし、その保険のために「セカンドオピニオン」という言葉まであったりします。
何が言いたいのかというと。
「医者」「白衣」という権威を見せられると僕ら一般人は「盲目的に従ってしまう」ということ。
これが「権威性」の効果だということです。
一貫性
続いて一貫性。
これは僕ら人間が「私は筋を通す人間であり、嘘をつく人間ではありたくない」という心理が影響しています。
どういうことかというと。
友達や友人に「私はやせる」と宣言したとして。
でもなかなかダイエットが継続できず、暴飲暴食をしていたとします。
こうなった場合、「筋を通しうそをつきたくない」という一貫性が働くため、友人などの周りの人間にあまり暴飲暴食していることを吐けなくなります。
それは「痩せる」というコミットメントに対して、暴飲暴食は反対の行為であり、「一貫性」をなくす行動だからです。
これをビジネスに転換すると、ジムや会員性のサービスなんかで「初月無料」とあったりしますが、先ほどと同様に「痩せる」ということを無料の機関にコミットメントさせることによって、「痩せないと一貫性を貫けない」という状態にし、継続的にジムに入ってもらうなどの応用がされています。
要するに初月無料などにさせ、コミットメントさせて「やめられない状態」を作ることで、サービスに加入してもらう、という意図があるわけですね。
これも一貫性を活用した方法です。
好意性
続いて好意性。
好意性はシンプルなもので、好意を持っている人には「同調しやすい」という人間心理から生まれています。
恋人からの頼みごとが断れないのも、いわゆる「ヒモ男」というのが存在するのもこのためです。
ですから、前職のサラリーマン時代。
営業で僕は「お客さんに好かれて来い」とよく言われてました。
これは今考えれば、この好意性を活用して契約を取ってこい、っていうことだったんだと後に知りましたね。
社会的証明
そして最後に社会的証明。
これは少し権威性と似ている部分がありますが、要するに「社会的に証明されている」というのには、僕ら人間は影響されやすい、ということが心理学的に言われています。
例えば、身近な例でいえば「ぐるなび」で高評価のお店は、必然的に「おいしいお店」という風に判断してしまいがち。
でも実際においしいかどうかは、行くまでわからないわけです。
ただ、大多数の人が高評価をつけているので「うまいだろう」という風に、影響を受けて判断しているわけですね。
また「ハーバード大学の論文では、、、」と世界的に有名は大学の名前が出されれば、「それは真実に違いない」という風に感じてしまうことも社会的証明の1つです。
よくビールのcmなんかで「○○賞受賞」と謡うのも、この社会的証明を利用するため。
一説にはお金を出せばもらえる「○○賞」というのも存在するそうです。
感想レビュー
ってな具合に、影響力の武器の主要な部分は話してしまいましたが、こうやって書いていても「エグイなぁ」って感じます。
でもね。
これに対して「ビジネスは綺麗ごとじゃない」っていう人もいたりするんですが、そう思うかどうかは別にして。
「購買を促す」ということ自体、まったく悪いことじゃないんですよね。
だって、そもそも資本主義というものの成り立ち自体が、営利目的が主体となっており。
どんな会社に勤めていようが、どんな業種で働いていようが「モノを売って利益を出す」ということは全部の会社が行っていることです。
となると、「購買を促すことが悪」だということになれば、それは資本主義を否定することになるし。
今働いている人たち全員が「悪人」ということになるから。
社会人であれば、絶対に消費活動と生産活動を並行して行っている問事実。
そして、そこには「購買」が絶対にかかわってくるわけですから。
ですから、「購買を促す」というのが悪なのではないということ。
まずここを訂正しなくちゃいけません。
そのうえで、商品の魅力を正しく伝える、より説得しやすいようにスキルを磨く。
こういったことは努力の結晶であり、それはビジネスには必須の技術。
もちろん悪用することもできますが、それは100均に売っている包丁で人を殺すことができるのとまったく同じこと。
どういう使い方をするのか?というのが、この影響力の武器にも言えるわけです。
最近僕は素敵な営業マンに出会いましたが、その人から買い物をして、すごく得した気持ちになりました。
ですから、そういった人になるために影響力の武器を活用してほしいですね。
んで。
込み入った社会人であれば「ある程度知っている」と感じた人もいるかもしれません。
僕もそうだった。
それは冒頭に伝えた通りで、断片的に知っていた内容がこの1冊に詰まっていた、と伝えたかと思います。
でも結局何週もしていって、分厚い専門書なんかを読み漁っても、こと「ビジネス上の人間の心理」においては、ここに立ち返る気がします。
そして当然読み返したときには、新しい発見がある。
だからこそ、何十年も前に発売されたこの影響力の武器が今でも売れているんだと思います。
そんな人間の普遍の心理を描いた、影響力の武器ですが、ビジネスマンであれば1回は読んでおくべき本だと思いますね。
ぜひ参考にどうぞ。