仕事だけの付き合い,人脈は人間関係を疲弊させることが判明。

今回はタイトルにある通り。

「仕事だけの付き合いや人脈」は人間関係を疲弊させて悪化させることを知ったので、それをシェアしておこうと思います。

とは言っても、大方人間関係は選べるものではない仕事についている方が多いと思いますし、仕事には付き合いなんかも存在しているかと思います。

その上で、人間関係を良好にするポイントは「仕事」だけの付き合いにはせず、「その後も友達として付き合えるかどうか」を想定することで、人間関係が悪化することはないことがわかっています。

根拠

まずは、「仕事だけの付き合いや人脈」は人間関係を疲弊させて悪化させることの根拠から解説していくと。

これは2014年にトロント大学が発表した「The Contaminating Effects of Building Instrumental Ties: How Networking Can Make Us Feel Dirty」という論文が元になっています。

(※参考文献

この論文では、被験者306人を集めて、これから人間関係を1から構築していくと想定してもらい、2つのグループに分けて検証していきました。

1つ目のグループは「仕事だけの関係」で1から人間関係を構築していくと想定してもらったグループ。

2つ目のグループは「友達の関係」で1から人間関係を構築していくと想定してもらったグループ。

この2つに分けていき、これから人間関係や付き合いを進めていくときに、どういった変化があるのかを調べて行ったわけでした。

その結果わかったのは、一番最初に「仕事付き合いとして人間関係を構築する」と決めていたグループは、人を騙したり嘘をついたりしてしまうようなモラルの低下が見られることが判明しました。

そして騙したり嘘をついてしまうことに罪悪感を感じ始め、これから付き合う人間関係においても「臆病」になってしまうことがトロント大学の研究により明らかになったのでした。

一見すると「仕事」として付き合うのか、「友達」として付き合うのか、この両者を見てみると、当然「友達として付き合う」方が、仕事として付き合うよりも真摯で、友好的な関係が築けそうだと感じます。

それは当たり前の話ですが、この研究の面白いところは、「これから人間関係を構築すると想定して「仕事としてか、友人として」付き合うかどうか」を「考えるだけ」で、これらの違いが生まれたということ。

つまり何が言いたいのかというと。

「これから作る人間関係は「仕事か友人か」を、始めの段階で「想像するだけ」で、その先の人間関係に対する付き合い方が変わり、もし仮に「仕事だけ」と損得だけの感情で人間関係を作ろうとしてしまうと、自分に害が生まれる」

ということが、この研究の面白いところ。

要は「人間関係をつくるつくらない」の前に、その影響は決まっていて。

始めから「この人は仕事だけの付き合いだから」と考えるだけでも、モラルの低下が生まれ、嘘をついたり、猜疑心を抱いたりして、結果的にそのことにより罪悪感を感じ、人間関係に臆病になってしまう、ということ。

一方で「この人とは仕事だけじゃなく、友人としてもこれから付き合っていきたい」と考え想定するだけで、人間関係は良好に進んでいく、ということが見えてくるわけです。

応用方法

なぜ、仕事と友達との人間関係をはじめに想定するだけでも、その後に影響するのかは、おそらく想像に難しくないと思います。

当然「仕事」なれば、それは損得、メリットだけの関係になってしまうので、「自分の都合のいいように利用しよう」という感情が生まれるもの。

そうなると、当然「相手」も同じように考えているのでは?と疑ってしまい、良好な付き合いなんてできるはずもありません。

このように、おそらくほとんどの人が「仕事をベースにしての付き合い」で、親友のようにいい人間関係を作れない理由を理解していると思うので、「原因」に関しては割愛して。

大切なのは「どうやってこれから仕事上での付き合いをうまくして行ったらいいのか?」というポイント。

ここが一番大切なので、伝えておくと。

この2014年にトロント大学が行ってくれた研究において、研究者もコメントをしていて。

そのコメントというのが、「例え仕事上の付き合いだとしても、その後友人として付き合うことを想定するのが解決方法の1つではないか」というようなコメントをしています。

仕事だけの付き合いであれば、そこはメリットだけの考えしか生まれませんが、友人や友達であれば、損得の感情は生まれない。

まさしく良い人間関係や付き合いの源は、ここにあるわけです。

さらに研究を深掘りしていくと、「これから人間関係を構築していくことを前提としてAまたはBを考えてもらう」ことでも変化がったように。

「想定する」ということだけでも、心構えが変わることで、損得以外のことも視野に付き合えるようになるわけです。

そのため、仕事上の付き合いだとしても、その後友人として付き合うことを想定するのが解決方法の1つではないか」というようなコメントをしている。

つまり、「仕事だけの付き合いだから嫌だ」と考えるのではなく、「友達として付き合う」ことを想定するだけでも、付き合い方が変わってくる可能性が見込める、ということなんですね。

おそらく僕らがこの論文を生かす方法の1つが、これなんじゃないかなと思います。

そうなると当然「僕ら人間は鏡」ですから、相手が損得だけじゃなく、真摯に向き合ってくれれば、そのように対応しようと思いますし。

一方で「損得だけのビジネス上の付き合い」と相手が感じ取れば、深い関係にはなれない。

まさしく「僕ら人間は鏡」のような存在だからこそ、相手に代わってもらうためには自分たちが変わる他ない、ということが言えるんだと思います。

実際にやってみた結果

んで。

このトロント大学の研究を知ってから、だいぶ時間が経ちました。

その中で、僕自身もいろいろと試していく中で、実際のところどうなのか?っていうことがいろいろと見えてきたので、その実体験を解説していくと。

自分の中の心の持ちようが違う

まず一つ目に感じたのは、心の持ちようが違うっていうこと。

これは大きな差だと思いましたね。

まあ、そもそも僕自身いやな人間関係があれば、付き合わないんで、これは個人差があるとは思いますが、「仕事だけ」と割り切る人間関係よりも「今後友達になるかもしれないな」って思うと、相手に対して親切にしてあげないと、とか「今後のこと」を意識するようになります。

最初の方は、「自分だけ思っているだけじゃ意味ないのでは?」と思ったりもしていたんですが、心理学用語で「返報性の法則」という言葉があるように、相手は「自分の鏡」でもあったりします。

つまり、自分が親切かつ今後を見据えて丁寧に接していると、相手もそれに応えてくれるということなんですね。

だから、自分だけが思っていることだったとしても、それに効果がないということではなく、心の持ちようが違うだけでも、十分効果があるなっていうことは感じました。

話が広がるし、広げようとする

次に感じた効果としては、話や対話に関してで。

基本的に「仕事だけの関係」だと思えば、最低限仕事をするうえで問題ないぐらいの人間関係を築ければいいと思うので、さほど話を広げようとはなりません。

ただ一方で「友達になるかもしれない」と心の持ちようが違うと、仕事上の関係以上の会話に自然となっていったんですよね。

これは結構意外で。

「夢」だったり、叶えたい「コト」だったり、生い立ちといったパーソナルな部分まで結構話したり、相手も話しているの聞いたりと、仕事上の付き合いだったらありえない内容にまで発展したりしてました。

これには結構驚きでした。

振り返れば、自分自身の心の持ちようが違うので、自己開示するわけですが、自分が自己開示すれば相手も自然と心を許してくれる。

これも同様に返報性の法則が働いたと感じた瞬間でしたし、「人と仲良くなる方法」としてパーソナルな部分を共有するのは、かなり重要なことだということが知られています。

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上記記事で詳しく解説していますが、イリノイ大学の研究なんかでも報告されていますので、気になる方はぜひ参考にしてみてください。

とまあ、こんな感じで実際にトロント大学の研究を知って、実際に実践してみたんですが、こんな単純なことであっても、結構な効果があるんだぁっていうのが個人的な感想で、すごいなぁと思いましたし、今後も「この人とは仲良くなりたい」という人には活用していこうと思いましたね。

まとめ

最後にまとめておくと。

最初の心構えでこれから付き合う人間関係が決まる。

「仕事だけの付き合い」と想定するだけで、嘘をつくなどのモラル低下が見られ、罪悪感を感じることから、その後の人間関係においても臆病になってしまう。

そのため、「仕事だけではなく、友人として」と付き合うことを想定するだけでも、いい人間関係へと改善が見込める。

まとめるとこんな感じですね。

よく映画なんかで、家族ぐるみの上司と部下、って言ったような映画があったりしますが、まさしくあれが科学的にも仕事におけるいい付き合い方なんですね。

ぜひ参考にどうぞ。