今回はタイトルにある通り。
「クリエイティビティと子供」に関して、面白いことを知ったので、それをシェアしておこうと思います。
クリエイティビティが高い子供にはある共通した特徴というものがあることが分かっていて。
結論から行ってしまうと、幼少期における「家庭のルール」がものすごく少なかったことが分かっています。
しかもこれ。
子供の時の家庭環境から見てもそうですが、実際には「大人になってからも有効」だということも示唆されているので、クリエイティビティを高くしたい場合は是非とも参考にしてほしい方法です。
創造性の高い子供を育てた驚くべき家庭環境とは
では。
具体的な解説に入っていきますが、まずは根拠から。
これはペンシルバニア大学の心理学者である「アダムグラント」教授が行った研究になっていて。
このアダムグラント教授というのはかなり有名で、心理学会の中での権威と呼ばれている人です。
28歳で学士号を取得し、最年少でペンシルバニア大の教授となり。
その後30代前半で、終身在職権というものを獲得しています。
この終身在職権というのは、学者がノーベル賞を目指すのと同等の位だとされているもので。
いわば「この大学に在職してくれるだけで、生涯給料を払いますよ」といったもの。
在職さえしていれば、好きなことをしているだけで、生涯お金がもらえる。
それがざっくり言えば、終身在職権になるわけですが、ペンシルバニア大から30代前半という若いうちに、その権利をもらった超すごい人。
簡単に言えばアダムグラント教授というのは、そういう人です。
この人が行った研究が、今回紹介するものですが、調査は家庭環境のデータをもとに行っていて。
- 「クリエイティビティが高い子供」
- 「クリエイティビティが低い子供」
この違いはいかにして生まれるのか、といったことを調査していきます。
まず調べたのは一般的な家庭のルールの数とそこで育った子供のクリエイティビティのレベル。
これらを調べていったわけですが、まず判明したのは平均的なクリエイティビティだった子供と海底のルールの数に相関関係があることが分かりました。
一方で、クリエイティビティが高い子供たちの家庭では、ルールの数が圧倒的に少ないことが判明しました。
そして、平均レベルのクリエイティビティを持った子供が育った一般的な家庭におけるルールの数は、なんとおよそ600種類も存在していることが判明しました。
これは明文化されているものだけじゃなく、暗黙のルールというものも含まれた数になっています。
逆にクリエイティビティが高い子供たちは家庭でのルールが、おおよそ1~2つ程度で圧倒的に少ないこともこの研究によって判明しています。
つまりこれらのことから家庭の環境によってクリエイティビティが変化し、ルールの数によってその創造性は変わってくる、ということがアダムグラント教授の研究によって分かった、ということなんですね。
なぜルールの数が創造性に影響を与えるのか
では次に。
なぜクリエイティビティが低い子供は家庭でのルールの数が多く。
一方でクリエイティビティが高い子供は家庭でのルールが少なかったのか。
これに関しては、「考える癖」が大きな影響を与えているのではないか、とされています。
例えば。
ルールの数が多く
- 5時までに帰ること
- ゲームは1時間までにすること
- ご飯は残さず食べること
これらをきちっとルール化した場合、多くの子供たちは「ルールを守ること」に支配されていきます。
支配されることの代償として考えられるのは「自分で考えなくなる」ということ。
5時に帰ればいい。
ゲームは1時間だけできる。
ご飯は残さず食べるようにする。
こうやって親が取り決めたルールさえ守ればいいと考え、次第に大人になっていくと、「誰かが決めたルール」にのっとって行動し、逆にルールからはみ出さす思考が奪われていくことにつながります。
それが大人になったときは、
- 会社の規則
- 法律
- 市区町村
- 人と同じ
家庭のルールが弱まっていく大人となったとしても、これらの社会のルールが存在するため、これらにのっとっておけばいい、と自らで考えるのではなく、人の意見についていくという行動につながるわけです。
この「思考停止」こそが、クリエイティビティを下げる一番の要因。
それに対してクリエイティビティが高い子供はルールの数が1~2つだと伝えましたが、最も多かったのは「自分がされて嫌なことをされたとき、それを人に伝える」というものが多い傾向にありました。
この「人にされて嫌なことは相手にしない」といわれるルールは、応用性が高く、一方で「これをしちゃだめ、あれをしちゃだめ」と指示された形ではありません。
裏を返すと、「自分がされたらイヤなことかな?」と自分で考え、改めないと適応できないルールだということ。
そのため、子供たちは一回一回きちんと考える幅ができ、その幅がクリエイティビティが高い子供につながったことが推測されています。
これってミニマリストが創造性が高い、っていうのとかなり近い理由で。
上記記事でも解説していますが、トレド大学の研究で「少ない手持ちから考える思考」こそが、クリエイティビティを高めることが判明しています。
ミニマリストは持つものが少ないからこそ、「考えなくてはいけない」という状況にあるからクリエイティビティさが高いわけで。
ルールが少ないからこそ「考えないといけない」となった、創造性が高い子供と同じことがここでも示唆されています。
大人になった今からでも間に合う
またルールで雁字搦めにすることは、創造性を下げる、というのは別の視点からも言われていて。
まさに大人になった今でも十分応用が可能なことです。
上記記事はデューク大学の研究を紹介しているものですが、がちがちに決めたスケジュールややることが多すぎるマルチタスクなんかは、幸福度が下がる、といった研究結果が報告されています。
- 5時に家に帰る
- ゲームは1時間
- 夕飯はスマホをいじらない
こうしたルールは大人にはあまり存在しませんが、仕事におけるスケジュールなんかは、ほぼすべての社会人に適応したことです。
この社会人におけるスケジュールでも「ルールの数」と「クリエイティビティ」には影響を与えます。
だからこそ、大人になってからでもなるべく「ルールの数」を減らし、幅を持たせる。
そうして幅を持たせたうえで「考える癖」というものを身に着けることによって、クリエイティビティを高めることにつながる、ということなんですね。
オススメなのは、今あるルールやスケジュールを見直し、「1つにまとめるとしたら?」と考えてみたり。
はたまた「一言でいうなら?」とルールをより明確に分かりやすくしたり。
そうしたことが創造性を高める上で、重要になってくるポイント化と思います。
実際にやってみた結果
んでね。
この研究を知ってから、ある程度の時間が経ちました。
なので、色々と検証してみて分かった事も出てきたので、改めて解説して行こうと思いますね。
まず、大きなポイントとしては、僕の中のタスクのルール数を大きく削って行きました。
というのも、ガチガチにやる事が増えた1日と大きな枠組みだけあって、あとはフリーに出来る1日とを、比べてみたんですね。
すると、圧倒的にフリーにできる1日の方が、ガチガチに決まったスケジュールの日より、充実してたんですね。
ガチガチに決まったスケジュールって、本当にタスクをこなす事が精一杯で、時間に追われている感覚がめちゃくちゃあります。
だから、考える余白もないし、少し空想にふけってアイデアを出す余裕もない。
空想にふける人の方が、創造性が高いっていう研究もあったりします。
そう考えると、ルールの数が多い事と、クリエイティブ性が低い事との相関をマジマジと感じたんですよね。
その一方で、やることの大枠は決まっているけど、ある程度自由にできるっていう日は、自由があるし時間にも追われていないので、空想にふける時間をもったり、次のアイデアを考えることもできる。
何より、自分自身のスケジュールを管理できているという決定権があるのが、一番大きくって。
この決定権が、幸福度に大きく影響するという研究もあるので、充実度でいうとかなり違ってくるなっていう感じがします。
もちろんある程度のルールや規律は大切ですが、ルールの数が多くなりすぎると、それは悪影響に繋がるっていうことは、身をもって体感しましたね。
だから、個人的なルールとしては、午前にタスク1つ、午後にタスク1つ。
僕自身のスペック不足は否めないですが、これぐらいがベストなんじゃないかなって思います。
まとめ
ちょっと長くなってしまったので、最後にまとめておくと。
クリエイティビティの高い子供と低い子供との違いは「家庭のルールの数」
クリエイティビティの低い子供の家は、およそ600種類のルールが存在していて。
クリエイティビティの高い子供の家は、たった1~2種類のルールしか存在していなかった。
これは少ないルールにすることで「自分で考える癖」が根付く一方で、ルールが多く存在すれば「自分で考えずルールに従うだけ」の子供が育つため。
またこれらは子供を育てるというケースだけで言えるのではなく。
社会人として「大人」になってからも、スケジュールやタスク管理などにも当てはまること。
ポイントなのは「ルールを減らし、自分で考える癖をつける」
これが一番大切なポイントである。
まとめるとこんな感じですね。
ぜひ参考にどうぞ。