今回はタイトルにある通り。
「無駄遣い、浪費」に関して、面白いことを知ったので、それをシェアしておこうと思います。
なぜ無駄遣いをしてしまうのか。
これに関してストレス発散や快楽成分の分泌など、あらゆる理由が感がられていますが、今回は「行動経済学」の観点から浪費や散財に関しての見解を上げておくと。
「参照点」が原因で、僕ら人間は買い物などをするときに「前に見た数字」に大きな影響を受けることが分かっています。
今回はそんな行動経済学の参照点に関して、話していきます。
結構面白いです。
参照点とは一体何か
ではまず参照点とは一体何なのか。
この言葉の意味から解説していくと。
ロンドンビジネススクールで行われた研究で、大学生を被験者として集め、ある質問をしました。
その質問というのが「ガンジーは何歳に亡くなりましたか?」という質問でした。
これは一見すると単なる「歴史」や「社会」における学習やテストのように感じますが、事前に被験者である大学生を2つのグループに分けていました。
その2つのグループというのが
- ガンジーは9歳より後に亡くなったと思いますか?
- ガンジーは122歳より後に亡くなったと思いますか?
2つのグループに分けた被験者に対して、それぞれ事前にこうした質問をした後に「何歳でガンジーが亡くなったのか」を回答してもらいました。
当然のことながら、9歳より後だろうが、122歳より後だろうが、両方の質問に意味は全くありませんし、一見すると意味不明の質問です。
実際にガンジーの享年は78歳だといわれているので、9歳より後と122歳より後というのは、立て付けで「9と122」という数字を事前に与えることがこの研究の趣旨なわけでした。
そしてこの「9と122」という事前に対象となる数字のことを「参照点」と行動経済学では言います。
そしてこの研究の結果は面白い反応がみられました。
普通に考えればまったく意味のない質問ですから、両者のグループの回答に変化は見られないように思えるところですが、「9歳より後に亡くなったと思いますか?」と質問されたグループは「平均して50歳」と答え、「122歳より後に亡くなったと思いますか?」と質問されたグループは「平均して67歳」と答えました。
「50歳と67歳」
全く意味のない質問であったとしても、事前に与えられた数字が低ければ「低い数字」を。
事前に与えられた数字が高ければ「高い数字」を回答する、ということがこの研究により判明したんですね。
参照点によって無駄遣いが増える
では話を元に戻して。
無駄遣いや散財といった、いわゆる「浪費」が起こってしまう原因として、例えば車を買う場合。
100万円の買い物をするとしたら、「1~2万円ほどのカーナビおぷしょんはどうですか?」とすると急に安く感じることがあると思います。
また、100万円の時計をみたあと、5000円の時計を見ると急激に安く感じる。
これは「事前に見た100万円」が参照点となり、一つの基準を自分の中に作ってしまうわけですね。
100万円という基準を見た後だからこそ、その100分の1の1万円という価格は急激に安く感じてしまう。
無駄遣いや浪費に多いのは、こういったケースが往々にして存在していて。
行動経済学という視点から見ると、普通に考えれば「1万円」というのは高額なお金なのにもかかわらず、事前に見た金額や参照点が高いがゆえに「安く思える」という錯覚からきているわけですね。
だからこそ行動経済学から見た時に、もし仮に、無駄遣いや散財といった浪費をやめたいのであれば、「参照点をズラす」ということが重要になるわけです。
無駄遣いや散財をやめるには
ではどうやったら参照点をずらせるのか。
これはシンプルで「事前に安い金額を見る」ということで、無駄遣いや散財を無くすことにつながります。
先ほど紹介したロンドンビジネススクールの「ガンジーが亡くなった年齢」に関して質問した「9歳の後、、、」と「122歳より後、、、」という質問は両方とも「まったく意味のないこと」でした。
質問自体に意味はなく「事前に見た数字が影響される=参照点となる」ことによって、回答する数字が低いか高いかという違いが表れたわけです。
目の前に買おうとしているものが「高いか安いか」というのは、事前に見た数字に大きな影響を受ける。
だからこそ、冷静に判断しバイアスをなくすためには「事前に安い数字を見る」ということが重要になってくるわけです。
通販なんかはそこらへんが巧みで、事前に高い金額を紹介して「今ならなんと50%オフの3000円です」というように、誘導しています。
彼らも商売ですから、この参照点をうまく活用しているわけですね。
そして重要なのは、「そんなテレビショッピングの企みを知っていても、僕ら人間は簡単にバイアスにかかる」ということ。
だって、ガンジーが9歳より後に亡くなったことも、122歳より後に亡くなることがないことも、誰しもが知っていたのにもかかわらず、その参照点に影響されてしまっていたわけですから。
「簡単に騙されてしまう」ことが、この参照点はもとより行動経済学が伝えたい一番の理由なんですね。
「カラクリを知っていても騙されるし、バイアスには簡単にかかる」
だからこそ、多くの人が無駄遣いや散財を含む、浪費や消費をやめられないわけです。
そのためにぜひ事前に「低い数字を見ておく」ということをすることが大切になってくるわけです。
まとめ
ちょっと長くなってしまったので、最後にまとめておくと。
参照点とは、比較対象となる数字のことで、多くが事前に見たものが参照点となるケースが多い。
そして参照点が決まってしまうと、それを軸に物事を判断してしまうため、高い安井の判断が出来なくなる。
行動経済学の観点から見ると、このことが原因で金銭感覚のずれが生じ、無駄遣いや散財が引き起こり、浪費がや出費が増えていく。
この参照点をうまく活用し無駄遣いを避けるためには、「低い数字を事前に見る」ことによって無駄遣いを回避することが出来る。
まとめるとこんな感じですね。
ぜひ参考にどうぞ。