今回はタイトルにある通り。
「やる気」に関して、面白いことを知ったので、それをシェアしておこうと思います。
結論から言えば、この記事を見るとやる気が出ない本当の理由や脳内で何が行われているのか。
こういったことが分かるようになります。
そして一番大事なのは、やる気というのは出なくなる、落ち込むようにできているという点。
だから、「やる気が出ない自分はダメ」という風に思いこむ必要はなく、やる気が落ち込んだときの対策や落ち込まないようにするための対策が重要だということ。
最近知った中でいうと、かなりトップに入るぐらい重要な知識なので、共有していこうと思います。
知られざるやる気が出なくなるホントの理由
ではまず。
やる気というのは、自然と低下していき落ち込んでいく、というその根拠から解説していくと。
これは2018年にキャンベラ大学が行ったレビュー論文が元になっていて。
先にレビュー論文というものを解説しておくと。
レビュー論文というのは、いわゆる銀行の銀行が日本銀行のように、今まで行った論文を精査していき論文を書く形式のことを言います。
なので、基本的にはその精度はほかの論文よりも高いといわれているのが、このレビュー論文なわけですが、その形式をキャンベラ大学が行ったわけですね。
そしてこのキャンベラ大学が行ったことというのは、精神疲労と運動パフォーマンスについて書かれた論文を精査していき、その関連性と対策に関して研究していきました。
すると判明したのが、精神疲労がたまると運動パフォーマンスが落ちる、ということが判明したのでした。
運動パフォーマンスというのは、要するに行動力や持久力を表しているので、「疲れればあまり動きたくない」ということが、科学的にも引き起こるということを明言したわけです。
ただ、これはよくよく考えると、まあ当たり前のことですよね。
そのうえでこのキャンベラ大学では「なぜやる気が奪われるのか」の明確な理由まで解析してくれました。
分かりやすく簡単に伝えると。
脳を働かせるためには、エネルギーを必要とするわけですが、そのエネルギーとして用いられるのが「ブドウ糖」という成分です。
車で例えるところの「ガソリン」というものが、脳にとってのブドウ糖という成分。
そしてブドウ糖を消費して、脳を働かせると、それと同時にアデノシンという物質を生み出します。
ガソリンを消費して車を走らせると「排気ガス」が生まれますよね。
この排気ガスが、いわゆるアデノシンという物質。
このアデノシンという物質がキーポイントになってきます。
アデノシンがやる気を奪う
このアデノシンが分泌されるとどうなるかというと、ドーパミンの生成を阻害するとこのキャンベラ大学のレビュー論文では伝えています。
ドーパミンというのは、ほとんどの人が聞いたことあると思いますが、やる気の源といえる成分です。
興奮状態やモチベーションが高まっているときは、脳内からこのドーパミンが分泌されていて、活発的な状態になる。
ただ、このアデノシンが溜まる=精神疲労が積み重なると、ドーパミンが出づらい(ストップされる)ため、やる気が出なくなる、というロジックなんですね。
先ほどの車の例でいえば、アデノシンが排気ガスとなり、排気ガスがたまることで、太陽の光が届かなくなる。
そんなところでしょうか。
車を走らせるためにガソリンが必要で。
ガソリンを燃焼させて車を走らせると、排気ガスが溜まる。
そのことにより太陽のエネルギーが届かない。
これこそが、やる気が出なくなるサイクルになっているんですね。
あてはめていくと、脳を活動させるためにブドウ糖が消費され、そのことによりアデノシンが分泌される。
アデノシンが分泌されると、ドーパミンがストップされるので、やる気が落ちていく(orでなくなる)。
こういったことが体内で行われているんですね。
そのため精神疲労が積み重なると、運動パフォーマンスが低下する、というキャンベラ大学が伝えた、最初の結論に結びつくわけです。
やる気を落とさせない4つの秘策
じゃあ、どうすればやる気を落とさずドーパミンを分泌することが出来るのか。
これは言い換えると「アデノシン対策」をすることが、一番のキーポイント成るわけです。
その方法に関しても、このキャンベラ大学の論文では伝えられていて。
このアデノシン対策に関しても結論から先に伝えておくと、4つの方法があるとキャンベラ大学では伝えています。
それが
- カフェイン
- 激しい運動
- 休憩
- 慣れ
この4つがアデノシン対策として推奨されています。
一つずつ見ていくと。
カフェイン
まず1つ目がカフェインで。
このカフェインがアデノシン対策として有効だということが分かっています。
こちらの記事でもカフェインと疲労物質の詳しい解説をしていますが、簡単に説明すると。
疲労物質であるアデノシンは、リセプターと呼ばれる箱に入ることで、僕らは疲労を感じます。
ただこの疲労物質がリセプターに入る前に、カフェインを摂取することで、疲労物質より先にカフェインがリセプターに入ります。
そのことにより、疲れを感じづらくなるというロジック。
だから実はカフェインというのは「疲れた」と感じてから飲むのではなく、疲れる前に摂取する、ということが重要なんですね。
上記の記事では「コーヒーナップ」と呼ばれる適切で効果的なカフェインの取得方法と一緒に解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
激しい運動
続いてのアデノシン対策は「激しい運動」
これに関しては「スターンフォード式 疲れない体」という本でも紹介されています。
要するに、物事を考えるときにブドウ糖を消費してエネルギーを作る反面、アデノシンが生成されてしまう。
ただ激しい運動をすることによって、「何も考えない時間」というものを強制的に作ることが可能となります。
脳にとって「何も考えない」ということこそが、休憩であり栄養となり、軽い運動では脳が働いてしまうため、何も考えられないぐらい激しい運動がいいんですね。
さらには運動をし体を動かすことによって、ストレスなどを発散する効果もあるため、スタンフォード式 疲れない体にも書いてある通りですが、「精神疲労」には運動が効果的だということですね。
オススメの運動として、アンチエイジングなどの効果も期待されている、ノルウェー式HIITという方法を解説した記事を添付しておきますので、参考にしてみてください。
休憩
そして3つ目が「休憩」。
ただ、これは普通の休憩ではありません。
先ほども説明しましたが、脳が働かないようにすることがアデノシン対策でした。
ですから普通の休憩ではなく、「何も考えない」ということこそが、脳にとっての本当の休憩に当たります。
スマホを触ったり考え事をしたりするのは、結局のところ「脳が働いている」ということにつながるので、休憩ではなくなってしまう。
そのためおすすめされるのが「瞑想」です。
瞑想に関しては数々の研究により、その効果は証明されていて、あらゆる研究者が取り入れている習慣になります。
これは個人的にかなりおすすめ。
と同時に、瞑想を始めてみると「何も考えない」という時間を現代人は全くとっていないということが分かります。
その証拠に、瞑想を始めた時のは「何も考えない、何もしない」というのが苦痛でしょうがない。
それぐらい何かしら考えたり、手持ち無沙汰を嫌がっているのが、現代人なんですね。
ただその現代人のほとんどが「やる気が低下している」という現状。
どちらが正しいかはもう明白です。
ただ論より証拠。ぜひ一度試して実感してみてほしいです。
慣れ
そして最後の対策は「慣れ」です。
慣れというのは、いわゆる「投げやり的」な言い方ではなく、「適度にストレスを感じたほうが健康である」ということで。
ストレスがまったくないことも、幸福度の低下や免疫の低下、ひいてはGDPの低下など、様々な報告があります。
このストレスに対しては上記の記事で詳しく取り扱っている部分です。
気になる人はぜひ読んでみてほしいのですが、このアデノシンに対しても人体は「慣れ」を引き起こすため、軽度であれば「慣れ」の部分も大きいとキャンベラ大学では伝えています。
なので、適度に頭を使いアデノシンへの免疫をつけておく習慣をすることも、対策としてなりえます。
仕事柄頭を使うのであれば、それで十分かと思いますが、肉体労働の人であれば、クイズや謎解きなどのゲームなどを取り入れて慣れさせておくのもいいかもしれません。
まとめ
少し長くなってしまったので、最後にまとめておくと。
やる気が出ない原因はドーパミンが放出されづらい環境にあるため。
というのも、脳を働かせるために、ブドウ糖をエネルギーとして活動させる。
ブドウ糖を消費してエネルギーを産むと、それと同時にアデノシンが生成される。
このアデノシンがやる気物質であるドーパミンの生成をブロックしてしまうため、やる気が芽生えづらくなる。
このためアデノシン対策が重要になってくる。
その対策として
- カフェイン
- 激しい運動
- 休憩
- 慣れ
これら4つが考えられる。
簡単にまとめるとこんな感じですね。
ぜひ参考にしてみてください。