前田裕二「人生の勝算」の重要なポイントを要約しながら感想をレビュー!

今回はタイトルにある通り。

showroom代表の前田裕二さんが書いた「人生の勝算」を読んだので、まだ読んでいない人のためにざっくり要約していきながら、感想をレビューしていこうと思います。

まず先に感想の結論から先に伝えておくと、前田裕二さんの代表作である「メモの魔力」よりも、僕は断然こっちのほうが好き。

というか、こっちの人生の勝算のほうが、圧倒的にビジネスマンに役に立つエッセンスが盛り込まれている印象です。

メモの魔力はどっちかっていうとテクニック系で、この人生の勝算は「土台」になる部分。

要するに、人生の勝算に描かれる「これまでの経験」があったうえで、メモの魔力のような「効率的にアイデアを抽象化し転用するテクニック」につながっている。

スポーツでいえば、どれだけテクニックを磨こうが、そもそもの話「体力」がなければ活躍できないのと同じで。

そして、体力が爆発的にある人のほうがスポーツで上達するのが早いのと同じで。

前田裕二という人の成り立ちやその土台を司る源を、本書の「人生の勝算」から抜き取った方が、「ビジネスとしても役に立つ」と僕は思いました。

なので、個人的には面白さとしても、メモの魔力より人生の勝算だし、役に立つレベルも本書のほうが高いかなって印象でした。

著者:前田裕二の魅力

じゃあさっそくこの前田裕二さんが書いた人生の勝算の内容を、まだ読んでいない人のためにざっくりと要約していくと。

ほとんどの人がshowroom代表で、やりてのIT社長というのは、知っている事実かと思います。

そしてまだ人生の勝算を読んでいない人からすると、茶髪のロン毛で、どこからチャラチャラしている印象さえ持ってしまいがちな彼。

残念ながら、チャラチャラしているIT社長だけだったら、こんなに多くの人が注目しない。

ここまで前田さんが注目されるのは、showroomという斬新なサービスを提供していることともう1つ、大きなポイントが隠されていて。

それが「著名人からの推薦」。

これがあることによって、彼の魅力が何層にも広がっているように思います。

それこそ人生の勝算の帯にはホリエモンこと堀江貴文氏からの推薦も書かれていて。

そこには「ある人に天才がいると紹介され会ってみたら本物だった」と推薦文では書かれる。

当然帯なので、誇張もあることだろうけど、あまり他人をほめないホリエモンが、ここまで「天才」と認める前田裕二。

そして「ある人」というのが、あのAKB、坂道グループや着信アリや美空ひばりの作詞を務めた「秋元康氏」。

まだホリエモンが絶賛するのは、同じ業界だから納得といえば納得。

だけど、異業種の中の大御所でありながら、いまだにヒット曲やヒットグループを輩出する秋元康さんでさえ「硝酸なんて何の根拠もないことを、この若き経営者は知っている。だから前田裕二を信じた」と帯につづっています。

チャラチャラしたIT社長というイメージから、各業界の著名人を持って「天才」と称される人物。

この権威が前田裕二という人物を何層にも深みが増している理由だと思うんですね。

そしてそして。

「8歳で両親を失い、親せきの家をたらいまわしになり、生きるために8歳にして路上ライブで生計を立てる」

そんな天才で才能を持ち合わせた若き経営者のイメージからさらにかけ離れた「幼少期」を送っていることが、この本では描かれます。

正直この触れ込みだけで、この前田裕二さんのイメージが良い意味で崩れるし、「あの秋元康をして天才と言わしめた人が、壮絶な過去を送っていた」ということが、彼の魅力の原点かつ頂点で、何層にも人として深みが増している所以だったことに気づかされます。

壮絶な幼少期

では実際にどんな幼少期だったのか。

この部分が本書の人生の勝算では、より細かく描かれるわけですが、僕個人的にはこのパートが、この本の中でメインディッシュになる部分で、伝えたいメッセージが一番盛り込まれている部分だと思います。

正直ここだけを読んでも元は取れる。

前田裕二という人間を構成した、源が知れる。

スポーツでいうところの小手先のテクニックではなく、土台となる部分を知れる。

そう思っていますし、それだけ伝えても言いすぎじゃないと思っています。

なので、このポイントを重点的に要約していくと。

まず前田さんは8歳のころに両親を亡くし、10歳離れた兄と一緒に親せきの家を転々とする幼少期でした。

そのころに強烈に芽生えたのは「先天的に幸せになれるかどうかが決まるのは不公平だ」という思い。

親がお金持ちで、家があって、塾にも通える。

そういう人が良い職業について、お金持ちになり、幸せになる。

要するに運命が生まれた時から決まっている(=先天的)という人生に、猛烈に反発する気持ちを抱いたのでした。

「家庭環境に恵まれていなくたって、幸せになれる」

運命にあらがうかのような、この価値観を壮絶な幼少期に強く思います。

その時に兄から受け取ったギターがあったため、「自分の手で運命を変える」ということを胸に、路上ライブを始めたのでした。

なんとこの時8歳の出来事。

路上ライブで月10万円稼ぐまで

当然、8歳で「自らで稼ぐ」と決意することもすごいんだけれど、本当にすごいのはここからで。

当時住んでいた近くの葛飾区で初めての路上ライブを始めていきます。

そのためにギターを練習し、オリジナルの曲も創作して、万全を期す。

ただ当然稼げるわけもなく、聞いてくれる人も皆無。

全く相手にされなかった。

でも「後天的に運命を変えられる」と願っていた彼にとって、諦めるという選択肢はない。

「何がいけないのか」を考え、新しい仮説を立てて検証していく。

「8歳の子供が知らない曲を演奏していたところで、誰も聞いてくれない。では誰もが知っている曲ならどうか」

そうやって未知ではなく、既知の仮説を立て、わずか8歳ながら、PDCAサイクルを行い、改善を図っていきます。

未知の曲から、誰しもが知っている曲を披露して行くと、次第に人が立ち止まってくれるようになり、初めて500円を手にしたのでした。

ただされど500円。

でも彼は立ち止まらない。

「葛飾区だから、路上ライブにお金を払わない人が多いのではないか」と仮説を立て、即実行。

港区の白金に場所を移し、お金に余裕がある地域を選びます。

でもそう簡単にうまくいくほど甘くはない。

また葛飾区で路上ライブをしていた時と同様に立ち止まってはくれずに、そそくさとスルーされてしまう。

ただ、諦めず待ちゆく人たちを観察すると、白金には「きれいな女性が多い」ということに気づく。

そこから「きれいな女性が好きそうな曲」をチョイスし、松田聖子やテレサテン、美空ひばりなどをピックアップし、白金の人が好きそうな曲を練習していきました。

その結果「8歳の子がこんな曲を知っているの?」と待ちゆく女性の目に留まるようになり、徐々に投げ銭をしてくれる人が増えていったのでした。

そしてまたある時転機が訪れる。

それはある女性が「白いパラソルという曲は知らないの?」とリクエストをしてくれた時のこと。

当時前田少年は、その曲を知らなかったのですが、「来週の同じ曜日と時間にここに来ますので、それまでに覚えておきます」といい、白いパラソルを持ち帰ったのでした。

そして翌週の同じ時間に白いパラソルを演奏したところ、リクエストをしてくれた女性からなんと1万円を受け取ることに。

要するに、「単なる曲」ではなく「白いパラソルを私のためにわざわざ練習して披露してくれた」という一連のストーリーに価値がある、ということを学んだのでした。

ご存じの通り、この経験はのちのshowroomの発案に大きくかかわってくるわけですが、この「仮説と検証、即実行」を行うことで、わずか8歳ながら10万円という金額を稼ぐことが出来たのでした。

人生の勝算を読んだ感想レビュー

もうまさに、この前田さんの幼少期のストーリーに、ビジネスを成功させるための土台がすべて盛り込まれていると思っていて。

この部分だけ読むだけでも、この本のもとの価値は得られるといっても過言じゃないと思っています。

そして、この後に外資系の証券会社でトップセールスマンとなり、showroomを立ち上げ、代表取締役となるわけですが、幼少期が全ての源であり原点。

さらに言えば、「後天的に運命は変えられる」と定めた価値観の源と自信につながっている。

ビジネスを成功させるための土台として、前田裕二という人から学び取れるところを因数分解していきながら感想としていくと。

まずは「即実行」という行動力。

当然のことながら行動しなければ結果は出ない。

走れないとサッカーはできないように、行動しなければ成功も何もない。

そのうえで、「仮説」を立て、それを「検証」していきながら一歩一歩前に進んでいく気概。

どんな物事にも近道はなく、行動して気づいた「課題」を「仮説」によって、「検証」していく。

何度も何度も気づかされますが、うまくいくには「仮説と検証」しか道はないです。

これを路上ライブというフィールドで「葛飾区を白金に」や「知らない曲より知っている曲」という風に、変化させながら改善してきた。

そのうえで、適切な改善をした後には「成功体験」を得ている。

「これで正しかったんだ」「500円もらえた」

こういった成功体験を得て、より前に進む活力になる。

ビジネスといえば、マーケティングやMBAといった専門的なすごいスキルとセットのように思えますが、実はそんな机上の空論だけではうまくいかず。

上記のような「地道な改善」と「成功体験」を繰り返しながら、「行動し続ける」ことでしか得られないんですよね。

このビジネスの基礎となる経験をわずか8歳にしてやっている。

だからこそ、その後の大成功にもつながり、秋元康やホリエモンをしても「天才」と言わしめる逸材になっていったと分析できるわけです。

本書ではさらに詳しく描かれますが、この土台があるからこそ以下のような逸話につながる。

「サドルを盗まれるが、立ちこぎすれば時間が節約できると考え1年間立ちこぎで仕事場まで向かう」

「就職活動の際に自己分析のためにノートを30冊使い込む」

「朝4時半から出社し、皆が帰ってからも仕事をする姿を見た仲間が「クレイジー前田」と名付けた」

などなど。

こうして見てみると、「チャラチャラしたIT社長で、時代の流行に乗っただけ」という印象は瞬時に吹っ飛ぶ。

そして、何層にも広がっている、彼の魅力の源泉に気づく。

でも、それは8歳の幼少期の経験が全ての土台となっている。

仮説検証していく行動力。

そしてその努力からつかみ取った成功体験。

ビジネスの基礎であり、土台であり、すべてだと思います。

これをなくしてマーケティングも戦略もあったもんじゃない。

この基礎であり、土台部分があるからこそ今の成功につながっており、そしてそれは「後天的に変えてきた運命」だということが、この本を読むことで見えてくるでしょう。

最後になりますが、一応メモの魔力も読んではいます。

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ただ、僕的には大ヒットしているメモの魔力よりも断然こっちのほうが好きだし、より一層ファンになりましたね。

気になる方は是非一読してみてください。