よく「嫌なことや辛い経験が人を強くする」なんて言われたりします。
有名な歌では「涙の数だけ強くなれるよ」なんて歌われてますし。
でもこれは迷信でも、スピリチュアルな意味合いで言われているわけでもなく、科学的に「ストレスや嫌な経験体験」というのは、メンタルの成長や心を強くすることが証明されています。
(もっと厳密に細かくいうと、心のトラウマを抱えてしまうようなレベルは別の話ですが、大半の嫌なことはこれに当てはまる)
特に「判断能力」に関しては、嫌なことや経験をしている人の方が高いという研究が出ています。
そのことを知ったので今日はそれをシェアしておこうと思います。
なので、今嫌なことがあったり、辛いことで落ち込んでしまっている人は、ちょっと立ち止まってこの話を聞いてね。
根拠
このトラウマや嫌な経験に関して、研究を行ったのはケンブリッジ大学で。
ケンブリッジ大学の論文が元になっています。
じゃあどんな研究家っていうと、過去に嫌な経験や軽いトラウマを抱えている48人の被験者を募集します。
トラウマのレベルですが、冒頭でも伝えた通り、もう心に深い傷を負って精神的な病気にかかるレベルではないですが、身近で大きな交通事故を見てしまった、だとか。
比較的結構辛い経験をしたことがある48人に集まってもらっています。
かたや、トラウマや嫌な経験をしていないという人にも集まってもらい、あるテストを行いました。
そのテストっていうのが、「60個の単語」を提出して、3つの指示を送ります。
- 単語を覚える
- 単語の穴埋めクイズ
- モニターの判断テスト
この3つの実験を行いました。
単語を覚えるっていうのシンプルな話で、60個の単語を記憶してもらうということ。
この単語を記憶するという数値に「トラウマあり」と「トラウマなし」とで、差が出るのであれば、「記憶能力の差」が証明できるため、単語を記憶してと指示を送ったわけですね。
2つ目の「穴埋めクイズ」というのも、1つ目と同様に「記憶力」を調査するための指示なので少し割愛します。
そして最後の指示である「モニターの判断テスト」っていうのは、覚えた単語がモニターに映し出されて、「緑で表示されてたら声に出す」「赤で表示されてたら声に出さない」ということを被験者に指示しました。
要するに、「トラウマありなしにおいての、脳の判断機能」をチェックするための指示だということです。
- 単語を覚える
- 単語の穴埋めクイズ
- モニターの判断テスト
トラウマと思われるような嫌な体験や経験を持った人たちとそうじゃない人たちを集めて、この3つのテストを行ったわけですが、結果としてどうなったかというと。
「単語を覚える」や「単語の穴埋めクイズ」というような、記憶力の面ではそこまで差がなかったのに対して、モニターの判断テストという「判断能力」をチェックする項目では、トラウマありの方が成績が上でした。
緑色なら声を出して読み上げる、赤色の文字なら声を出さない。
これは「瞬時に判断し、脳が思考を切り替える」ことを意味していて、この思考の切り替えに関しては、トラウマありの方が結果が良かったのです。
つまりどういうことかというと、嫌な経験や辛い過去を感じている人の方が、そうじゃない人に比べ「判断能力に優れている」ということが言えると、ケンブリッジ大学の研究で明らかになったのでした。
効果
「判断能力に優れている」というのは、聴く人によってそう大事なことじゃないと感じる人ももしかしたらいるかもしれません。
が。
この判断能力や「緑なら声にする、赤なら黙る」というような思考の切り替えが上手なことは、心を正常にし強くあるために、これ以上の力はありません。
というのも、嫌な体験や経験によって「落ち込んでしまう」というのは、往往にして「嫌なことばかり考え込むこと」によって引き起こされます。
「嫌なことがあった時、即座に立ち直る!イギリス式ネガティブ克服法」
この記事にも書いてますが、シェフィールド大学の研究によって落ち込みづらい人の特徴として「気持ちの切り替えが早い」ということを挙げています。
要するにメンタルが強いというのは、「切り替えが早い」ということを意味するわけです。
しかし、多くの人が嫌な気持ちを引きづり、二の矢を受けてしまう。
二の矢というのは、「事実への解釈」という意味。
例えば、上司から「お前は使えない」と言われたとします。
こんなことを上司に言われたら大半の人が落ち込むかもしれませんが、事実は「使えない」と言われただけにすぎません。
それ以上でも以下でもないのです。
「使えない」というのは、「上司にとって」使えないということかもしれないし、仕事ができるあなたへの妬みで言った言葉かもわからない。
要するに、事実とは違う「解釈」の部分で、自分を自分で傷つけ、余計落ち込んでしまうというのが、二の矢によるメンタルの落ち込みです。
使えない=仕事ができない=自分には価値がない
こうやって嫌なことをどんどんと考え込んで言ってしまうため、立ち直ることができないわけです。
そこでシェフィールド大学の研究でもある通り、「気持ちを切り替える」ことによって、二の矢を受けず「嫌なことを考えすぎない」ことが重要になってくるし、この切り替えの早さこそがメンタルの強さにつながってくるということ。
このメンタルの強さである、切り替えの早さが、「トラウマがある人の方が早い上、正確である」ということがケンブリッジ大学で証明されたことだということです。
実際に試してみた結果
んでね。
このケンブリッジ大学の研究を知ったときに、まさしくだなって思ったんですよね。
というのも、僕自身「メンタルが強いってどういうことなんだろう」ってめちゃくちゃ思ってた時があったんですよね。
そして何よりもメンタルが強くなりたいって思ってたんですよね。
地獄の営業時代
というのも、僕がサラリーマンだった時に営業マンとして働いていたんですね。
で、営業っていうのは、やっている人ならわかると思うんですが、本当に精神をすり減らしながら働いています。
基本断られることがほとんどの営業。
そして断られるって、「断る側」からすれば、「いいです。結構です」というような一言かもしれませんが、営業マンからすれば「人格の否定」だととらえてしまうんですよね。
要するに、断られるということは、自分自身が否定されているんじゃないかって思えてしまう。
それが新規営業だと1日100件とかざらにある。
だから、本当に精神をすり減らしながら、働いていたのを覚えています。
メンタルが強くなりたかった
そんな営業経験の中で、当然一回断られただけで落ち込んでしまう自分なんかがいい成績を残せるはずもなく。
営業成績もずっと下の方でした。
「どうしたら断られてもへこまずにいられるだろうか」
当時はずっとそのことを考えていて、メンタルや精神面が強くなりたいって思っていたんですね。
この時は本当にいろんな書籍を読み漁りました。
その中で、本当に今でも覚えている言葉があって。
それがケンブリッジ大学の研究にもある通り「メンタルが強いとは、何を言われてもへこたれないことではなく、何か言われてショックを受けても、すぐに心の気持ちを切り替え立ち上がることだ」という言葉があったんですね。
これは本当に衝撃的で。
ココロが強い=なにも動じない、ではない
というのも、当時メンタルが強いというのは、何か言われても「何も思わない」という、いわゆるロボットのような人だと思い込んでいました。
でも、僕自身は断られたり暴言を言われたらショックを受けるし、悲しい気持ちにもある。
何も思わないということがメンタルが強いということならば、「何言われても動じない」ことができない自分は、メンタルを強くないし、メンタルを強くすることはできないと思っていたんですね。
でも「切り替えの早さこそがメンタルの強さであり、いくらメンタルが強い人であっても落ち込むときは落ち込む」ということはどういうことかっていうと、「メンタルは才能ではなく、筋肉とかと同じように鍛えることが可能」だということを知れたということなんですね。
これが本当に大きな気づきで。
それと同時に、めちゃくちゃうれしかったのを覚えています。
「あ。メンタルが弱いのは仕方のないことで、これから鍛えていけばいいんだ」って思えたから。
この経験があったからこそ、トップセールスマンにれれたわけですけど、今回紹介したケンブリッジ大学の研究はまさに言おうとしていたことを、科学的な見地から証明してくれたっていうもので。
「やっぱりそうだよね」という感じがめちゃくちゃしますね。
結論
つまり、科学的においても「嫌なことを経験している人」の方が、メンタルは強いということが言えますし、判断能力が高いということが言えるわけです。
そして嫌なことをより経験している人の方が、他人の痛みを知ることができますし、それを共感することができる。
さらには、嫌なことを乗り越えるために、柔軟に考えた角度的に物事を捉えなければいけないため、クリエイティビティが上がるという研究さえもあります。
「涙の数だけ強くなれるよ♪」
この歌詞は科学的に正しかったのかもしれません。
もっと言えば「涙の数だけ強くなれるし、創造性も増すよ♪」
こっちの方が正しいかも。笑