今回はタイトルにある通り。
「睡眠学習」に関して面白いことを知ったので、それをシェアしておこうと思います。
一応知らない人のために睡眠学習というものを解説しておくと。
寝ている間に音声などを流しておくと、無意識に学習している、というのが「睡眠学習」と言われるもので。
起きて頑張って勉強しなくても、寝ながら自動的に学習が出来ているという、夢のような話。
これが本当にあるのかどうか?っていうことですが、結論から先に伝えてしまうと「存在します」。
ただし限定的に。
今回はそんな睡眠学習についてお伝えしていこうと思います。
根拠
では早速。
限定的というのはどこまで限定的でどういったシーンにおいて活用できるのか。
その解説と根拠の方を伝えていくと。
まずそもそもこの睡眠学習というものの研究は数々の大学やチームが行っていますが、実際にその効果のほとんどは「否定」されています。
これは「新しい知識」を取り入れる際に、寝ている間にCDや音声を流しインプットする形で行われた研究だったりしますが、効果はほとんど確認されませんでした。
つまり、現段階の化学としてのアンサーは「睡眠学習において効果はない」というのが、一つの見識でした。
ただ、ある限定的な状態なら睡眠学習に効果があるかもしれない、としたのが今回紹介する研究で。
その限定的なシーンというのは「日中学んだ内容の復習」においては、一定の効果が確認されました。
これはスイス大学が行った研究が元になっていて。
まず被験者を集め、午前10時ほどから外国語であるオランダ語のCDを聞いてもらいます。
その後に、被験者には何も伝えず、睡眠をとってもらう訳ですが、2つのグループに分けて睡眠をとってもらいました。
その2つのグループというのが、
- 特に何もしないグループ
- 日中聞いてもらったCDを流しながら寝てもらったグループ
この2つに分けて、睡眠をとってもらいます。
当然「オランダ語のCDを流すグループ」の被験者には何も伝えずに、一見すると両者何も知らずに、午前中勉強して夜普通に寝た被験者でした。
その後に、両者にオランダ語のテストを行ってもらった訳ですが、驚きの結果となっていて。
実際には、「特に何もしなかったグループ」に比べて、「日中聞いたCDを流しながら寝たグループ」は単語の正答率が10〜20%ほど高く、記憶力が向上していることが判明しました。
つまり、睡眠学習というのは、他の研究によって「新しい知識を寝ている間にインプットする」ということは難しいものの、「日中勉強した内容を復習する」ということには一定の効果があるかもしれない、ということがこのスイス大学の研究により明らかになった、ということなんですね。
なぜ寝ている間に学習が進んだのか
ではなぜオランダ語のCDを聴きながら寝たグループの方が、正答率が高かったのか。
その睡眠学習の理由を開設していくと。
このスイス大学の論文では「勉強するときと同じ状態になっている」とし、寝ている間も学習状態にあることが理由だとしています。
実際にこの実験では、睡眠中の被験者に対して脳波を測定していったのですが、日中の学習中に「シータ波」というものがが測定されています。
そしてオランダ語のCDを聴きながら寝た状態であっても、同様のシータ波が確認されたんですね。
つまり、無意識の中で「学習状態」にあり、外で流れているオランダ語のCDを無意識下のうちに学習していた(=復習していた)ということが脳内では起こっていた訳です。
そのため、特に何もしなかったグループよりも、テストの正答率が高く、日中勉強した内容を深く記憶していた、と考えられています。
ですから冒頭でも伝えた通り、「新しい知識」をインプットするにはあまり作用しない脳波ですが、「日中学んだ知識」であれば活性化するため、睡眠学習には一定の効果があるかもしれない、ということが言える訳ですね。
睡眠学習の取り入れ方と応用方法
僕も含め多くの人が「寝ながらにして勉強できたらどれだけ便利だろう」って思うことだと思います。
ドラえもんの道具にでも出てきそうなこの夢のような話ですが、応用するには少しばかりテクニックが必要になってきそうです。
まず1つ目は何度も出てきている通り「新しい知識」を睡眠学習に取り入れても効果はない、ということ。
なので、「予習か復習か」ははっきりと分ける必要があり、注意が必要な部分。
裏を返すと「復習」には睡眠学習を応用できるので、日中学んだ内容を聞き流すことが睡眠学習の肝になってきます。
その上で当然睡眠中は「見たり読んだり」することはできないので、基本的に「音声ベースのファイル」であることが大切になります。
スイス大学の研究も「オランダ語のCD」ということで、音声ベースで勉強が進められました。
なので、音声などで勉強できれば睡眠学習として応用が可能ですが、本や教科書の内容は少し難しいので、ここも工夫が必要。
ただいまではyoutubeなどで勉強する人も増えてきていますし、オンラインスクールなどもだいぶ充実しています。
動画は音声とは違いますが、動画はながら聴きすることができるので、睡眠学習にも応用ができますね。
後読書に関しても、最近ではオーディブルなどが発達しているので、オーディブルなどで日中勉強することで、睡眠学習にも応用することができます。
つまり、テキストベースでの応用は難しいが、動画であれば「音声」として学ぶことはできるので、日中は「動画や音声」で学ぶと睡眠学習に移行がしやすいっていうことになりますね。
また本や教科書といったテキストベースのものも「オーディブル」などの「音声に変換するサービス」を活用することで、応用ができたりもします。
あと教科書などの「音声がないテキストベース」も、今は写真で撮ってpdfに変換するアプリなんかが存在します。
そのpdfを自動で読み上げてくれる機能もiPhoneにはあったりするので、うまく活用すれば、色々な方法ができそうです。
実際この記事で「オーディブル化」する方法を記載しているので、参考にどうぞ。
まとめ
少し長くなってしまったので、最後にまとめておくと。
寝ながらにして勉強ができる「睡眠学習」は存在するのか?
という質問に対しては、「存在するが限定的である」というのが、回答で「新しい知識」を睡眠中に学習することはできないが、「すでに学んだ知識」を睡眠中に復習することには効果があるかもしれない、というのが科学の答え。
それは睡眠中であっても学習中に発せられるシータ波が確認され、睡眠中に学習が行われていた証拠が見られ、かつテストの点も高かったことが睡眠学習の理由として存在している。
応用方法としては、「音声」として睡眠中に聞けることが重要で、動画なら画面を見ずに音声での学習をし、テキストベースなら音声に変換する工夫が必要。
まとめるとこんな感じですね。
ただ、この睡眠学習の研究に関しては、まだまだ論文も少なく若干信憑性が薄い状態だったりします。
やらないよりやった方がいい、ということに違いはありませんが、データが少ないということは念頭に置いておいた方がいいかと思いますね。