今日は最近読んだ中でも結構面白かった「やばい集中力」に関して、紹介しておこうと思います。
うん。結構面白かったっす。
なのでこの記事は、まだ見ていない人のため、前半に「書籍:やばい集中力」の紹介をして、後半に解説というか、レビューをしていこうと思います。
概要
まずそもそもこのやばい集中力っていうのは、なんなのか。
これは著者である鈴木祐さんという人が、まずピックアップされて。
この方は、年間で論文を5000冊ほど読む人で、年間5000冊といえば1日10本以上の論文を見ていることになります。
となると当然、常人からすれば異常なほど集中力を持って、知識を取り入れていることになる。
そんな著者である鈴木祐さんが、「どういった方法を持って集中力を維持しているのか?」っていうのを紹介するのが、このやばい集中力です。
当然「論文を5000冊」も読んでいることから、この本のエビデンスとなるのは「科学的根拠」
僕はここが好きで、この本を読み始めました。
そこに個人的主観はあまりなく、科学的なエビデンスベースで話をするので、よくある自己啓発や占いのような曖昧さを綺麗に排除しているのも特徴です。
(結構集中力だとか、成功だとかっていうのは、根拠がないベースに寄りがちなので)
内容、あらすじ
その上で、僕らのような人間は、最近で話題になっていますが、「ゲーム中毒」となってしまい、ゲームのやりすぎで死んでしまうなんてニュースがあったりします。
当然これは悪いことですが、「この集中力を他の分野で使うことができたら?」って考えるのは至極当然のこと。
死ぬぐらいそれに没頭して集中し続けているわけですから、この集中の対象をゲームから、ビジネスに置き換えたら、上場企業を作ることだってできるだろうし。
絵描きに費やしたら、歴史に名の残る絵描きになっていたかもしれない。
こういった「自らをしに追い込むほどの集中力はどこから来るのか?」と考えれば、この集中力に関する本を読んでおくに越したことはないわけです。
その上で。
この本では、「集中力」を保つために必要なことととして、大きく分けて3つのことを挙げています。
それが
- 土台
- 獣
- 調教師
これがこの本のメインテーマとなるわけですが、いわば集中力を作るための基礎知識や栄養、あとは睡眠といった脳を正常に活動させるための土台がまずあって。
その上で獣っていう表現をしていますが、いわば潜在意識。
この潜在意識の存在をわかりやすく伝えるために、「自らの中に住む魔物」という形で獣として登場させています。
そしてこの獣をコントロールするのが、調教師になるわけですが、これはいわば「顕在意識」。
この顕在意識をわかりやすく比喩するために、調教師という風に言っています。
つまりこの本っていうのは、まず基本的な知識を身につけて、土台となる睡眠や食事に関して獣に栄養を与えつつ、その上で「獣をどうやって集中したい事柄に導くか?」ということや「調教師が獣に負けなくなるためには?」ということを描いたのが、このやばい集中力だということ。
当然ですよね。
集中しようと思ったけど、昨日やっていたテレビ番組にが気になりだしたら、もうサイド集中し直すことは容易じゃないし。
ダイエットしようと思っていたけど、スイーツが食べたくなったら、その衝動を抑えることはそう簡単じゃない。
そうなんですよね。
これは矛先を「集中力」に向けているから、タイトルが「やばい集中力」っていう風になっていますが、要は「内なる欲望」と「理性」をどうやってコントロールして、自分が成し得たいことをするのか?っていうのが話の本筋になっているんで、集中力以外のところにも十分に応用が可能です。
というか、多分ですが集中力を上げることとしてこの本を読む以上に、「潜在意識を味方につける」ということの方が、より身になる。
(集中力と潜在意識とは対になるものなので、やることはそこまで違いはありません)
だから、潜在意識を味方につけて、欲望だったりを制御して律したい。って人には是非おすすめの本だと思いますね。
レビュー、感想
しかもこういった本っていうのは、「潜在意識」や「セルフコントロール」の類って、どうしても自己啓発によってしまいがちなんですよね。
なぜかって、長年積み重ねた習慣や欲望を律するのは、容易なことじゃなく、どれだけ抗っても勝てない時は勝てないから。
そこに来て自己啓発的な本になってしまうと「あたかも簡単に潜在意識を味方にできる」って言えちゃうので、「もっと楽な方法ってあるんじゃないの?」って目移りしてしまう。
要は難しすぎるが故に、もっと楽を求めてしまう人間の心理が生まれ、その隙間に「自己啓発」などといった科学的根拠がないロジックが入ってくるんですよね。
ビジュアライゼーションだとか、アファーメーションだとか。
もちろんこれらに科学的根拠を備えた方法を解説してくれればいいんですが、大半はそれらがなく、また体感としても効果を感じられない。
だから、大半の本が嫌いなんですが、このやばい集中力は作者がそもそものベースとして「論文を年間で5000本読む」というところがベースになっているので、当然ながら「科学的根拠」が元になっている。
このエビデンスを持って説明しているので、効果ができる可能性は高いとして紹介しているわけです。
その量は僕が見てきた本の中で圧倒的に多かったです。
それはノウハウを含めですけど、ノウハウには必ず1つ1つのエビデンスがつくので、「これほど科学的根拠を丁寧に乗せた本はないな」っていうのが、初めて読んだ時の印象でした。
そして最後の章では、一つのまとめとして「効果が高いもの順」に、習慣として取り入れやすい方法をまとめています。
これが実は結構ありがたい。
結構ノウハウベースの本だと、「どこから取り入れていったらいいのか?」っていうことが、本を読んだ最後に迷子になる時がある。
そんな時に「効果が高い順」に習慣に入れていく順序を示してくれるので、僕的な読み方としては本書を読んである程度理解したら「最後のまとめ」だけ読むのでも十分活用できると思いましたね。
良いなと思ったところ
そうそう。
このやばい集中力では、最初と最後に念を押して「獣を扱うのは容易なことじゃない」
そうやって言います。
これが上記でも伝えた「自己啓発」とこの「やばい集中力」の違いなわけですが、自己啓発では「こうすれば潜在意識は自在にコントロールできますよ」なんて言い切ります。
いやいや。それはない。
それだけ簡単にコントロールできるのなら、この世から戦争なんてとっくになくなってる。
人間は欲になかなか勝てないから、これだけ葛藤があるし、生きるのが難しいわけです。
でもこの本では「獣を簡単に扱える」なんて一切出てこず、終始「獣を扱うのは容易なことじゃなく、暴れ出したら止められない」
そんな風に言っています。
だからこそ「調教師」の章で、「獣が暴れたら、決して抑圧しようとしてはいけない。客観的な視点で「どう感じているか」だけを分析するように心がけ、収まるのを待つしかない」なんて言っています。
これには偉そうながら「熟知しているなぁ」って感銘していました。
その上で冒頭でも「獣を扱うのは容易じゃない」って言い切りますし、最後には「休む」っていうこともきちんと入れています。
要は、獣をコントロールする調教師が疲れ、理性を失うことがあるため、「その時は諦める」という選択肢も必要だし、「休む」ことも重要だ。
そう言って1つの章に関して「休む」ことを解説しています。
これが僕の好きなところ。
本当に心理学とかをよく理解しているし、「一長一短ではいかない」と現実的なことをきちんと明文している。
その上で「徐々にコントロールしていくためには?」っていう方法を順を追って説明している。
だから、僕が思うに「これ以上潜在意識を操る方法」として最短な道を描いた本はないんじゃないかなって思いました。
当然「獣」をコントロールするのは並大抵のことじゃないですし、潜在意識を味方につけるのも楽な道ではありません。
それは初めに忠告しておくとして。
でも、獣さえ調教できてしまえば、ゲームに没頭して死んでしまうほどの、「何かに死ぬまで取り掛かるほどの集中力」に近いものを身につけることができるわけです。
なぜゲームに死んでしまうほど没頭してしまうのかは、あれは脳の中の獣が喜ぶように自然と設計されたのがゲームだから。
「それを実生活に活かすには?」っていうのがこの本のテーマだと感じました。
まとめ
最後に感想をまとめておくと。
僕は最近読んだ本の中では、結構ランキングは高かったです。
最近読んだ中で、「成り上がり方法」的な本を読みましたが、そこには一切科学的なエビデンスがなく、あんまり面白くはなかった。
一方で「エビデンス重視」な人の場合、これでもかってぐらい1つ1つのノウハウには科学的な根拠が入ってくるので、その効果は成り上がり本なんかよりよっぽど信憑性も効果も高いと思います。
そういう人にはオススメですね。