今回はタイトルにある通り。
「暗記力」を高める方法に関して面白いことを知ったので、それをシェアしておこうと思います。
まず先に結論から伝えておくと、「人に向かって話しかける」ことによって、僕らの記憶力は向上する傾向にあることがわかっています。
なので、資格勉強や学校のテストなど、覚えなければいけないことがあれば、「人に向かって話しかける」ようにして覚えると、より記憶できるため実践していくといいでしょう。
根拠
では人に向かって話しかけるようにすると記憶力が高まる、と言ったその根拠から解説していくと。
これはカナダのモントリオール大学が行った研究で。
この論文では被験者を集め、単語を覚えて行ってもらいました。
その上で、単語を覚える方法をそれぞれ4つのグループに分けていきます。
- 覚えた単語を頭の中で復唱したグループ
- 覚えた単語を唇を動かし暗唱したグループ
- 覚えた単語を声に出したグループ
- 覚えた単語を人に向かって暗唱したグループ
この4つのグループに分けた訳ですが、シンプルに区分すると「声に出すか否か」で2つのグループに分かれています。
声に出さないのが「頭の中で暗唱」したグループと「唇を動かして暗唱」したグループ。
声に出したグループはそのまんま「声に出したグループ」と「人に向かって暗唱した」グループでした。
詳しく分ければ、声に出さずして「頭」の中だけで暗唱した人と、声に出さずして「唇」を動かした人。
声に出して覚えた人と、実際に話しかけるようにして声に出した人。
このいづれで「どれが一番記憶に定着しやすいのか?」ということを調べて行ったのが、このモントリオール大学の研究だった、ということですね。
その後、それぞれの暗記法を活用してもらった後に単語テストを行ってもらい、それぞれのグループの人たちがどれぐらい記憶しているのかをテストしていきました。
その結果はいづれの通りでした。
- 覚えた単語を人に向かって暗唱したグループ
- 覚えた単語を声に出したグループ
- 覚えた単語を唇を動かし暗唱したグループ
- 覚えた単語を頭の中で復唱したグループ
一番記憶力がよかったグループは「人に向かって暗唱した」グループで、ついで「単語を声に出した」グループが2位。
そして3位が「唇や口を動かして覚えた」グループとなり、最下位は「頭の中」で覚えたグループでした。
振り返ってみると「声に出す」というのは、1位2位でフィニッシュとなり、暗記することにおいては「声に出すこと」がモントリオール大学の研究により有効であることがわかりました。
なぜ人に向かって話しかけると記憶力が高まるのか
ではそれぞれ「声に出す」ということと「人に向かって話かける」ようにすると記憶力が高まるその理由について解説していくと。
1位と2位に共通していた「声に出す」ということに関しては、「声に出すことでの再理解」と「アクティブラーニング」が影響していると考えられています。
「声に出すことでの再理解」というのは、自らで声に出し話すことによって、耳から再度情報をインプットすることにつながります。
頭の中で復唱するだけではこの現象は起こらず、一度インプットしたことを「2度」復習したことにつながる。
さらには声に出すというアウトプットは同時に「アクティブラーニング」へとつながる傾向にあり、このアクティブラーニングは「学習効率が高い学習法」としても知られています。
いづれの理由で「声に出した方が記憶力が高くなる傾向」にあることが、説明されている訳です。
その上で。
1位と2位の違いであった「人に話しかける」ことによっても差が出た理由は、「コミュニケーションによる脳の発達」が原因だとされています。
「コミュニケーションによる脳の発達」というのは、僕らに人間は「連携」をとることで、弱肉強食の世界を生き抜いてきました。
ライオンやトラなどに比べ非力なホモ・サピエンスは個人個人で生きぬことはできず、「コミュニティ」を形成することで生き抜いてきた訳です。
そして、コミュニティを形成する=コミュニケーションを図るということにつながってくるため、「他者と交わる時に脳がより活性化する」という進化を遂げてきました。
さまざまな研究においても、これは証明されていて、僕ら人間は「他者とのコミュニケーション」を図る際に、さまざまな脳の部位が活性化することがわかっています。
またコミュニケーションを取ると脳がより活性化し成長することもわかっています。
なので、人に向かって話しかけるようにした方が、より脳が活性化するため、相対的に「記憶力が高まった」ということが言える訳ですね。
実際にやってみた結果
んでね。
実際に僕自身も、頭の中で復唱する方法と声に出す方法の2つをやってみたんですね。
1回だけ試したとかじゃなくって、何度も何度も検証してみました。
その体験から、どっちの方が記憶に残りやすいかって言う事を伝えていくと。
結論から言えば、声に出した方が僕としても記憶に残りやすいなって感じがしてます。
体感的には、1.5倍ぐらいは変わるんじゃないかなっぐらい、その差はありましたね。
暗記物
そもそもどういったシーンで使っているかって言うと。
このブログを書くためのインプットもそうだし、読んだ本なんかを覚えるためにも使っています。
で。
どのタイミングで復唱や声に出すかっていうと、本を読み終わった後やインプットし終わった後すぐに想起させています。
というのも、本を読んだ直後やインプット直後っていうのは、その瞬間から学んだものが抜け落ちていってるですね。
逆に本を読み終わった後だったり、インプットした直後に、すぐアウトプットすることによって短期記憶から長期記憶にさせることができることが分かっています。
なので、なるべくすぐに、想起なりアウトプットすることが大切。
頭の中で復唱する時
この想起したりアウトプットするやり方として、頭の中での復唱する方法と声に出す方法とがあるわけですが、頭の中で復唱する時はどういう時かっていうと、基本的には外です。
カフェで本を読んでいたり、公園で読書をしていたり。
周りの人に迷惑がかかるシーンにおいては、やっぱり声に出せないので、頭の中で復唱してアウトプットしています。
声に出す時
なので、裏を返すと頭の中で復唱しなくてもいい時以外は、声に出すようにしてアウトプットしています。
んで。
この両者による効果の違いなんですが、僕は学んだ内容の多くをこのブログで綴っています。
そのときに顕著に差が出るんですよね。
声に出してアウトプットした時っていうのは、めちゃくちゃサラサラ言葉が出てきて、学んだ内容がきちんと頭に入ってることが実感できる。
ただその一方で、頭の中で復唱した時っていうのは、何度か学んだ内容とかを見返したりしないとサラサラ出て来ないことがある。
そうやって比較してみると、かなり効果に差があるなって個人的には思いますね。
その差が、1.5倍ぐらい違うんじゃないかなって思えるのが、二つ実際にやり比べてみて感じた差でした。
まとめ
少し長くなったので、最後にまとめておくと。
記憶力を向上させる方法は「人に向かって話しかける」ようにして覚えると記憶力が高まる。
それはまず声に出すということが、アクティブラーニングや再復習ということを自動的に行っていることにつながり、さらに「コミュニケーション」を勉強に取り入れることで、より脳が活性化するため。
なので、暗記などをする際には人に向かって話しかけながら学習すると良い。
まとめるとこんな感じですね。
ちなみに言うと、「話しかける人がいない」という場合でも全く問題はなくって。
上記のモントリオール大学の研究でもそうでしたが、相手が聞いていると言うことはあまり大切なことではありません。
つまり「話し相手がいるかどうか」ではなく、「人に話すこと」が重要なので、相手がいない場合は「会話しているように独り言」を言うだけでも効果が期待できます。
さらに「人に話しかける」という派生の一つで「人に教える」という勉強法がありますが、これもかなり学習効率の高い勉強法の1つです。
この「人に教える」と言うことに関して「人に教えるつもり」で学習するだけでも学習効率が高まることがわかっているので、今回の「人に話かける」ということも同様の効果が期待できると言える訳です。
上記記事で詳しく解説しているので、気になる方はぜひ見てみてください。