今回はタイトルにある通り。
「早起きは三文の徳」ということに関して面白いことを知ったので、それをシェアしておこうと思います。
まず先に「早起きは三文の徳なのか?」ということに対しての結論から伝えておくと、「必ずしも徳とは限らず、人や遺伝子によって異なる」というのが科学の答えになります。
要するに「クロノタイプによる」ということで、誰しもに「三文の徳」が訪れるとは言い難いんですね。
まあ、「早起きは三文の徳」ということわざはいい言葉だとは思いますが、僕が一番懸念しているのは自己啓発などでありがちな「早起きすれば人生変わる」というような言葉を言っている人がいるのを一番懸念しています。
よくいますよね。
「1日24時間だが、4時ごろに起きて仕事を始めれば、1日27時間になる」的な謎の理論を話すセミナー講師みたいなの。
こう言った朝活の謎理論を展開する人に対しては、全くもって耳を貸す必要はないのでシカトしておきましょう。
根拠
では早起きは三文の徳とは一概に言いきれない、というその根拠から解説していくと。
これはイリノイ大学が2018年に行った研究が元になっていて。
この論文では15000人の学生を集め、最も活発に活動する時間帯を2年間にわたって調べていきました。
(この2年間にわたって15000人の人を調べ上げ、データ化すること自体がそもそもすごいよね)
その結果わかったのは、3つのクロノタイプがいることが判明しました。
- 〜12時に最も活発化するタイプ
- 12〜17時に最も活発化するタイプ
- 17時〜に最も活発化するタイプ
この3つのクロノタイプに分けられることが2年間の追跡調査によって判明したんですね。
要するに、人によって「活発に行動する時間帯は異なる」ということが判明して、誰しもが「12時よりも前=朝」に活動的になる訳じゃない、ということがこの研究と調査により見えてきます。
さらにイリノイ大学は調査を続けていて。
それぞれのクロノタイプと授業スケジュールとを調べていき、その相関に関して調べていきました。
わかりやすく言えば、
- クロノタイプにあって授業を受けている人
- クロノタイプの時間よりも前に授業受けている人
- クロノタイプの時間の後に授業を受けている人
この3つの学生がいる訳ですね。
この3つの学生のそれぞれの成績を調べていき、「成績と授業スケジュールとの相関性」を調べて行った訳ですね。
その結果わかったのは、クロノタイプと授業スケジュールがあっていない学生は総じて「成績が低い」ということが判明しました。
具体的に言えば、クロノタイプにあって授業を受けている人の割合が40%。
クロノタイプよりも前に授業を受けている人が50%。
クロノタイプよりも後に授業を受けている人が10%という割合だったこともわかっています。
例えば、12〜17時に最も活動的になるタイプの人が、9時とかに授業を受けているケースは「クロノタイプよりも前に」授業を受けており、〜12時に最も活発的になる人が15時から授業を受けていれば「クロノタイプよりも後に」授業を受けていることになります。
そして、このどちらにおいても「授業スケジュールとクロノタイプがあっていない生徒」というのは、成績が低い傾向にあった訳でした。
つまり「早起きは三文の徳っていうのは本当か?」という問いに対しては、「自分自身のクロノタイプによる」ということがこの研究が示すところであって。
「〜12時に最も活発化する」という人以外にとっては、「三文の徳」とは言えない、というのが科学のアンサーになる訳です。
理由
ではなぜ「クロノタイプに合わない授業スケジュールを受けていると成績が低い傾向にあるのか」
これに関しては、ソーシャル時差ぼけが原因だとされています。
ソーシャル時差ぼけというのは、かんたんにいえば「体内時計」のことで、人それぞれに体内時計を有しています。
この体内時計が、クロノタイプと合わないことによって、パフォーマンスの低下を招きます。
全然寝れていない日にパフォーマンスや生産性が上がらないことと同じように、時差ぼけを感じている状態では、成績の向上にはつながらないことは想像に難しくないと思います。
つまりこのソーシャル時差ぼけが原因となって、「活動タイミング」と「クロノタイプ」とがあっていない場合、成績が低い傾向に当てはまる、と考えられる訳です。
そしてさまざまな説があり、今なお研究されていますが、この「体内時計」に関しては多くの割合で「遺伝子」が関係しているとされていて、後天的に同行することは難しいとされています。
なので、余計に「早起きすればいい」というのは間違っていて、「早起きした方が得する人なのかそうじゃないのか」は、遺伝子によって決められており、誰しもに当てはまる訳じゃない、ということが言える訳です。
大切なのは、自分自身のクロノタイプを見分けて「最も活発化する時間帯」に作業や仕事、勉強などを当てはめること、ということですね。
まとめ
少し長くなってしまったので、最後にまとめておくと。
「早起きは三文の徳はほんとなのか」という質問に対しては、「人によりけり」というのが答え。
それは主に活動が最も活発化する3つのクロノタイプに分かれることがイリノイの研究によって明らかになっていて。
- 〜12時に最も活発化するタイプ
- 12〜17時に最も活発化するタイプ
- 17時〜に最も活発化するタイプ
このそれぞれ別々の時間帯で、パフォーマンスが最大化する人というのは異なってくる。
さらに、クロノタイプに合わない時間帯で授業を受けている生徒は、成績が低い傾向にあることから、全ての人が「早起きは三文の徳」とは言い難い。
大切なのは、自分が一番活性化しパフォーマンスが最大化する時間帯なのか、ということを知り、その時間を生かすことが大切で。
それが「朝の時間かどうか」というのはあまり関係がない。
まとめるとこんな感じですね。
ただし。
これにちょっと補足を付け加えておくと、これあくまで「授業」という頭を使った作業になります。
また無駄に早く起きる必要はない、ということを意味しているわけで、「朝活」自体に意味がない訳じゃありません。
軽くでいいので朝から体を動かす、ということはかなり脳にとってもいい影響なので、「朝活の散歩」は取り入れておきたい習慣です。
その朝活の効果に関して解説した記事を添付しておくので、気になる方はどうぞ。