書籍:アイデアのつくり方の感想,レビュー!【まとめ】

今回はタイトルにある通り。

書籍「アイデアつくり方」を読んで結構面白かったので、それをまとめて最後レビューしておこうと思います。

アイデアのつくり方を読むべき人

まず最初に。

「アイデア」

そう聞くと、多くの人が「芸術家やアーティスト」だけが必要なものだと錯覚する。

でもそうじゃなくって。

言葉を変えた途端に、誰しもが必要な能力になる。

それが「問題解決力」

当然生きていたら、問題や障壁は必ず発生する。

そんなときに「どうやったら乗り越えられるのか」

そうやって考える力を「問題解決能力」と言い換えることができるし、まさしく障壁を乗り越えるのは「アイデア」があって初めてなせる技だと思います。

この「問題解決能力」に関しては、以前「今でしょ!」でお馴染みの林修さんが、テレビ番組にて「社会に出てから一番必要な能力は問題解決力だ」

そう言っていたことがあった。

これは間違い無いと思うし、年齢を増すごとに、その言葉の重みを実感する。

またどこかは忘れてしまったけれど、今や各方面にて活躍する「キングコング西野さん」が、「問題が起こったときはシステムで解決させる」

そんなふうに言っていた。

これも1つの問題解決の方法であり、アイデアが為せる技。

それの1つの例として、キンコン西野がインタビュー中に言っていたのが印象的で。

「もし仮に今僕の声がうるさくて、それを黙らせたいのなら、「黙れ」って言ってもあまり効果はない。それよりも目の前の照明を「ロウソク」に変えるだけで、声のボリュームを下げることにつながる。これがエラーをシステムで解決するということ」

そんなふうに言っていたのが印象的で。

これらの例をとっても、問題解決能力は現代において必須能力とも言っていいスキルであり、そのスキルをわかりやすい名前で言えば「アイデア」ということになる。

これこそがアイデアのつくり方を読む、僕自身のきっかけであり、アーティストでもなければ芸術家でもない僕らがこのアイデアのつくり方を読むべき理由だと思います。

アイデアの作り方

ちょっと前置きが長くなってしまったけど、本題はここからで。

ではいったいどうやって「アイデアを作っていけばいいのか」

ここがこの本の大トロの部分であり、一番気になるところ。

この本の初めに「アイデアの作り方」をシンプルに解説している訳ですが、大前提として「既存の要素の組み合わせでしかアイデアは作れない」

そんなふうにこの本の中では伝えていきます。

この最後の方には日本人の方の解説なんかも載っている訳ですが、そこで僕が印象的だったのは、進化論のダーウィンと大陸移動説のウェゲナーの話。

これらは今の科学界の定説となっていますが、これら「進化論」も「大陸移動説」などの世紀の大発見もすでにそのときには考えられていた要素であったと、語られます。

ダーウィン以外にも進化論を唱える学者もいたし、ウェゲナー以外にも大陸移動説を唱える人は、同年代に生きていた。

つまり、何が言えるのかというと、世紀の大発見もその当時同じ考えをする人は複数にいた、という事実から、アイデアというのは既存の要素の組み合わせでしかない、ということ。

これがアイデアの作り方の「全て」です。

アイデアを作る5つのステップ

ただ当然。

「アイデアというのは既存の要素の組み合わせでしかない」と聞いても疑問は残り、何から手をつけたらいいのかわからない。

そう思う人が大半かと思いますが、書籍:アイデアのつくり方では薄い本にもかかわらず、無駄なく5つのステップが語られます。

要するに、「既存の要素の組み合わせをするための5つのステップ」があるということ。

それが

  1. 情報収集
  2. 多角度的視点
  3. 熟成
  4. 常にそのコトを考える
  5. 形にする

この5つだと紹介されています。

(当然ニュアンスだけを伝えていて、言葉は違いますが)

情報収集

まず要素を掛け合わせるための1つ目のステップが「情報収集」

この情報収集というのは、2つの情報からなります。

それがこの本でも伝えている通り、「一般」と「専門」の2種類。

この一般と専門とをわかりやすく伝えるのであれば、例えばものすごく難しい医学の本があるとして。

普通の人が見れば、何を意味しているのかわからない単語が出てきたりする。

でも、日本語は読むことはできるので、ページをめくることはできる。

つまり日本語であれば読むことはできるが、単語がわからなければ理解できない、ということ。

これと「一般」「専門」は同じで。

アイデアを発想したい「専門的知識」は吸収する上で、「一般」での知識もきちんと収集しなくては豊かな発想は生まれない、とこの本では伝えています。

数ある発明品が「日常の生活の中で」生まれたコトを考えると、これは納得できて。

研究所にこもって研究ばかりしてても、知識は偏る。

だからこそ、専門知識を収集していきながらも、他のジャンルにも興味を向け情報を収集する必要がある、ということ。

いわば「様々な情報を収集する」のが重要だというコトですね。

多角度的視点

次に一般や専門に限らず収集した情報を、多角度的視点から見て、理解を深めるというのが2つ目のフェーズになっていて。

本の中では紙を用いたやり方なんかが紹介されています。

ただ本質を言えば、いろんな角度から集めた情報を見ることによって、理解を深める、ということがコトの本質。

詳しくは書籍を見て確認するコトをお勧めします。

熟成させる

知識を吸収させ、理解を深めたら、次は「熟成」というフェーズ。

本の中では「ここから際立ててやることはない」というふうに伝えますが、まさしくその通りで、感性の赴くまま別な好きなコトをやるコトを推奨しています。

一見すると「何もせず別な好きなコトをやる」と聞くと、驚く人もいるかもしれない。

ただこれは科学的にも正しく証明された方法だったりします。

これも結構驚きで。

このジェームスヤングという人は「広告業界」の人であり、科学者ではない。

でも時折「科学的に正しいやり方」が顔をのぞかせていて。

それにびっくりしました。

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また別の研究でも「時間をおく」ことによって、アイデアの質が高まることがわかっています。

いわばこの時間をおくコトを、僕の言葉でわかりやすくさせるために「熟成」という言葉を使いましたが、科学的にも立証された方法な訳です。

常にそのコトを考える

そして4つ目の「常にそのコトを考える」という部分ですが、よくアイデアのジャンルで聴く「閃き」という言葉。

この閃きがこのフェーズに行ったときに引き起こるコトだと、著者は伝えています。

よく僕らは「閃きは才能がある人が天から降ってくるもの」だと勘違いしてしまいがちですが、そうではなく。

  1. 吸収
  2. 理解
  3. 熟成

この3つのパートを経て、あえて「時間をおく」ことによって潜在的に知識と知識を組み合わせられ、あるとき「思いつく」

この仕組みこそが「閃き」であり、天才たちが裏でやっているコトだと本では伝えています。

素人の人はこう言った裏側を見ずに、アーティストに天才だとか投げかけますが、当然知識もない中で閃きが出るはずもなく。

知識を吸収し、理解を深め、熟成させた上で「常に頭の片隅にあり、考えている」から閃く訳です。

具体的に1と2ほどやることはないですが、健在的な意識で理解したのちに、潜在的に知識を掛け合わせるというのが3と4のフェーズだということですね。

そして最後に思いついたアイデアを時代やルールに乗っ取り、アウトプットにし形にする。

これが「アイデアの作り方」で語られるアイデアを作る5つのステップです。

感想レビュー

まず僕的に驚いたのは、この本の薄さ。

サブタイトルでは「60分で読めるけど、一生あなたを離さない本」となっていて。

キャッチコピーとしては管理秀逸ではあるものの、正直読む前は「そんなバカな」ってのが正直な感想。

でもそれが見事に覆されて。

読み終わってから何十時間と経っていますが、すでに頭の片隅では5つのステップが色濃く残っています。

しかもこの本は2つの構成から成り立っていて。

前半がこの本の著者であるジェームスヤング氏が書いていて。

後半は竹内均さんが「解説」をするパートになっています。

そう考えるとただでさえ薄い本なのにもかかわらず、その半分の分量しかない。

前半の著者の部分だけであれば、30分前後で読めるものなのに、「一生離さない知識」がそこにはある。

それを可能にしたのは、「徹底的な無駄の排除」が所以だったりします。

基本的に外国人の著書っていうのは、回り道が凄かったり、日本人の僕らからすれば理解がしづらい例えが出てきたりする。

そう言ったこともあって基本的に外国人著者は読みづらく長いと言った印象があって。

(内容は面白いけどサピエンス全史なんかはその典型例)

ただその期待とは裏腹に。

徹底的に無駄を省き「アイデアは既知の要素の組み合わせ」で生まれること。

そしてその要素を蓄積し、形にするための5つのステップだけが描かれます。

僕的にこの書き方が、書籍の本来の役割であり、必要なことだと思う。

なぜなら、読む前や読んでいる途中で挫折し、積読となり、無駄になった本が山ほどある人が大半だから。

この一切の無駄の排除と、必要なところだけを凝縮した本なので、読みやすくためになる。

まさに「60分で読めるけど、一生あなたを離さない本」だと思いましたね。