今回はタイトルにある通り。
「メモの魔力」を読んだので、その感想と書籍のまとめをしていこうかなと思います。
きっかけと第一印象
僕的にこのメモの魔力を手に取った時期っていうのは遅くって。
「売れてる」っていうのを知ってから、手に取って読んだ感じ。
書店によく並んでいるのは見ていたし、結構目立つ表紙だったのし。
さらに言えば著者の前田さんは著名人なので、そういった意味でも目立った本でした。
でもなんでか手に取る気がしなかったんですよねぇ。
「メモ」って言われても、その重要性は誰しもが分かっているし。
逆に「メモしない」って言っていた島田紳助さんの言葉のほうが重く引っかかっていて。
「メモをしたら頭で記憶するようになる。俺ら芸人は魂で話さなきゃいけないから心で記憶しておかなくちゃいけない。だからメモをしてはいけないんだ」
そんな風に前に話していたのが、かなり印象的で。
「メモ」っていうことに関しては、否定的ではないけれど、そこまで重要視もしていなかったのが、事実でした。
んで、読んでみた感想としては、2度読むことはないけど、1度目では面白いのかなと。
どーいうことかというと、僕的には自然とやっていることが、体系化されていて。
それを「メモ」を活用して、アクションに落とし込むという、1つのツールとしてメモ帳を活用していたようでした。
だからできるビジネスマンとか、僕がこれまであった人なんかは自然とやっている人が多い印象。
ただこれを知らない人もいるので、知らない人にとっては楽しめる本なんじゃないかなと思いましたね。
「あの人ってどんな分野でも成功しているよね」
そんな人がいたら、自然とこのメモの魔力を活用しているのかもしれません。
あらすじ
じゃあそんなメモの魔力に関して、どういったことが書いてあるのか。
ここに関してですが、まず最初に「メモのメリット」が当然語られます。
まあこれも知らない人にとっては面白いんですが、それよりも大切な概念として前田さんが提唱している「メモ」というのは、おおまかに2つ存在していて。
1つ目が「記録」としてのメモ。
多くの人が「メモをする」というのは、こっちの記録を指していることと思います。
ただ、前田さんが重要視しているのは、どっちかというと2つ目のメモの活用の仕方で。
その方法というのが「知的生産」をするためのメモ。
この2つの方法を活用して、メモを取っている、とメモの魔力では語られます。
知的生産とは
大体の人は1つ目の「記録としてのメモ」は知っているし、誰しもがやっていると思うので、割愛して。
本書のメインテーマとなっている「知的生産」のほうのメモを説明していくと。
知的生産は3つの項目から成り立っています。
それが
- 事実
- 抽象化
- 応用
この3つ。
(本の言葉とは完全一致ではなく、概要を伝えています。)
事実
事実っていうのは、その名の通り「客観的事実」です。
言い換えればファクトですね。
多くの人はここまでで止まってしまいますが、「ここから先に進め」というのが、このメモの魔力。
客観的事実から先に進むと「抽象化」というフェーズに進みます。
抽象化
抽象化っていうのは、「本質」と言い換えることができます。
要するに、客観的事実から本質を見抜くことで、「自分に応用させるためには」という視点を持つことが重要である。ということ。
多くの人が、本を読んでいても、「身にならない」であったり「積読」となってしまっていたり。
そういった「無駄」になってしまうことが往々にしてあります。
それは明らかに「行動」が伴っていないため。
アウトプットが伴っていないため。
そのアウトプットを促すためには、知りえた情報から「本質」を見抜き、自分へのアクションとして返還していかなければいけません。
それをメモを活用して行うためには「抽象化」というものが必要になってくるわけです。
応用
そして抽象化を行い、物事の本質を見抜いたら、そこから「具体的なアクション」につなげていくのが、この応用の部分です。
僕ら人間は具体的なアクションが見えてこないと「行動できない」という性質を持っているため、「本を読んでも何も変わらない」という人がいるのは、行動できないということは元より。
具体的なアクションに落とし込んでいないことが、大きな原因だったりします。
そうならないためにも「応用」として具体的なアクションをメモ帳に書き込み、「何をすべきか?」ということを活用することが重要になってくるわけです。
一連の流れ~showroomができるまで~
- 事実
- 抽象化
- 応用
この3つの順序でメモを活用していくと聞いても、あんまり具体的なイメージが浮かばないと思います。
そこでメモの魔力でも描かれる、著者自身の会社showroomができるまでを見ていくと、このメモを活用することによってうまくいったことが分かり、メモの魔力一連の流れがイメージしやすくなるかと思います。
まず1つ目の事実として、前田さん自身は以前、路上ライブをやっている方だったそうです。
路上ライブをしているときに「自分が引きたい曲」をするよりも、「相手が求めている曲」を弾いたほうが喜ばれたそうです。
これが1つ目の事実。
そこから抽象化して法則を見出していったときに、お客さんとアーティストとの間では「交流」こそが真の価値を生む、ということ。
ここから発信者とお客さんとを結ぶshowroomのサービスを思いつき、会社を立ち上げる、という流れになっていきます。
だからこそ「投げ銭」という文化が生まれることにもつながっていくわけですね。
こんな感じで事実から抽象化して本質を見抜き、様々なことに応用できるようにしたうえで、自分へのアクションに落とし込んでいく。
これがメモの魔力で描かれる一連の流れです。
具体的なメモの活用方法
さらにメモの魔力では具体的なメモの活用方法まで書かれています。
本の中に書かれている内容では、本を丸々見開き、右と左の「2ページ」を使います。
そのうえで、右のページの中間に線を一本引き「3つのパート」に分けていきます。
左の1ページ分は「事実」を各ページで。
2パートに分かれている右のページには「抽象化」とその横に「自分へのアクション」を描きだします。
こうすることでメモ帳1つで、
- 事実
- 抽象化
- 応用
この3つが完結するわけです。
感想レビュー
ってな感じで、ざっくりとではありますが、メモの魔力の重要な部分を解説しまとめてきました。
んで。
読んでみた感想なんですが、まず入り口として「メモには2種類ある」というところの入り口は、面白いなって感じました。
多くの人はメモは1種類しかないと思っていますし、僕自身もそうだと思っていましたから。
そこからふたを開けてみれば、要するに「アウトプット」の重要性とその具体性を描いている本でした。
この時点で現実に戻った感じがしましたね。
もちろん重要なのは重々承知で、大切なことに変わりはないので、冒頭でも伝えた通り「知らない人」にとっては価値ある情報でしょう。
また具体的なアウトプットへの方針を描いているので、まあまあ楽しめる本ではありました。
ただ、最初に伝えた通り1度読んで2度目はない、という風に伝えたのは、そのためなんですね。
何度も言いますが、重要なことに変わりはなく、異論もない。
ただ、知的生産のためのメモは、できる人やビジネスマンなら、メモを活用する市内にかかわらず、抽象化し本質を抜き出したうえで、アウトプットにつなげる、というのは呼吸するのと同じようにしているわけですから。
(前田さんと同レベルかどうかは別として。)
ですから、1回目は楽しめましたが、おかわりはないかなっていう感じの印象でした。
ただ売れているには必ず理由があるのし、「売れているのは嫌い」というあまのじゃくにはなりたくないので、売れている理由を知りたくて買って読んでみたのが今回だった、ということですね。
メモの魔力の応用方法~おすすめの3つ目のメモ術~
あと追加しておくと。
メモの魔力では「2つのメモの仕方がある」という風に伝えていましたが、僕的におすすめなのは、3つ目のメモで。
1つ目の事実のメモと2つ目の客観的事実のメモと合わせて、3つ目の「コンプリートタスク」を書き込むのがおすすめですね。
このコンプリートタスクっていうのは、要するに「終わらせたタスク」を書き込むことを指します。
結構「これからやること」を書き込む人はいますが、終わらせたタスクを書き込む人が少ないように感じます。
このコンプリートタスクが意味するところっていうのは、最近話題にあっているゲームエフィケーションにあります。
このゲームエフィケーションというのは、仕事を「ゲーム化」していく、ということで、最近科学の間でもゲームエフィケーションの研究が進んでいたります。
ゲームエフィケーションの詳しい内容は割愛しますが、ゲームってやりすぎで死ぬ人が出るぐらい「ハマる」もので。
それが仕事に応用出来たら、どれだけ生産性が上がるか、が想像しやすいと思います。
このゲームのようにハマるために重要になってくるのが「レベル」であり「成長」です。
この記事で詳しく解説していますが、僕ら人間のやる気を最も底上げしてくれるのが「成長を体感できること」だということが分かっています。
要するに、ゲーム的にこの成長を実感させることにより、仕事自体を楽しくさせることにつながり、モチベーションを上げてくれる効果が期待できる、ということ。
そのために「コンプリートタスク」を書き込むわけです。
このコンプリートタスクを書き込むことによって、「どれだけ前に進んだか」という成長を確認させてくれることにつながります。
メモの魔力でも出てくる「知的生産」というのは、往々にして「目に見えない成果」が大半なので、成長を実感できる瞬間がなかなかないのがデメリットです。
だからこそ、知的労働者は往々にして「働きすぎ」な傾向になってしまうわけです。
この記事でも詳しく解説していますが、きちんと成長を実感させ、ゲームにハマるかのように仕事に取り組むために「コンプリートタスク」を3つ目のメモの活用方法として取り入れるのがいいと思いますね。
ぜひ参考にどうぞ。