今回はタイトルにある通り。
ホリエモンこと堀江貴文氏が書いた、スマホ人生戦略を読んだので、まだこの本を読んでいない人のために、買わずして内容を理解できる要約をしながらまとめていき、最後に感想とこの本のレビューをしていこうと思います。
まず最初に、この本の大トロの部分と結論を先に伝えてしまうと、「スマホというのは、単なる電話ではなく、身体拡張ツールである」
このことが、この本で一番大切な部分であり、大トロの部分になります。
スマホの概念を変えろ
「スマホというのは、単なる電話ではなく、身体拡張ツールである」
このことが、この本で一番伝えたい部分であり、一番重要な部分です。
なので、まずこのことに関して、詳しく解説していくと。
多くの人は、もうすでに「スマホは電話じゃない」
そんな風に理解しているかと思います。
一昔前であれば「スマートフォン=携帯電話」と認知している人も多かった印象ですが、今ではスマホでやれることが多くなり。
そしてそれに対応したアプリケーションも充実してきて、「手持ちできるパソコン」という風に、概念を変えてきた人も多いと思います。
一見すると「スマホというのは、単なる電話ではなく、身体拡張ツールである」というのは、「スマホ=小型pc」という概念に切り替えろ、ということと同じことと勘違いしてしまいがち。
ですが、もう一歩先に行っているのが、この概念です。
どういうことか。
これはスマートフォンの歴史を見ていけば、紐解いていける話です。
スマホが浸透した歴史
そもそも「スマホ=携帯電話」という歴史が紐づいていたのは、「iPhone」という名前が由来しています。
これは本書でも語られますが、iPhoneの普及により、スマートフォンの認知度が高まっていきました。
ただiPhoneが発売してからも、しばらくは「スマホ=携帯電話」という認識が強くありました。
この理由は、iPhoneという名前が由来しており、名前に「phone=電話」という言葉がつけられているためと、本書では語られます。
どういうことか。
これには裏事情があった、とホリエモンは語っているわけですが、スマートフォンという画期的なデバイスを浸透させるために、キャズムを乗り越えないといけない。
このキャズムというのは「溝」という言葉を意味していて、新しいテクノロジーを皆が受け入れるとき、障壁となるものを指しています。
ガラケーが浸透していた時、スマホを提示してもこのキャズムがあるため、「小型のパソコンです」と銘打っても「パソコン=難しい」という認知がまだあったため、浸透していきませんでした。
そこでスティーブジョブズは「phone=電話」という名前を付けて「賢い携帯電話=スマートフォン」という概念を生み出していきました。
それこそが、iPhoneが爆発的にヒットした理由だと、本書では語られています。
スマホ=小型のパソコンの一歩先
つまり何が言いたいのかというと。
先ほども伝えた通り「スマホ=小型のpc」ということの前に、大前提としてキャズムを埋めるために、pc以上の性能を持っているのにもかかわらず「携帯電話」という側面を残した。
これが重要なファクターなんですね。
この大前提があるからこそ、「単なる携帯電話」としてスマートフォンを使っている人と、ホリエモンのように「スマホ一台で仕事を完結させる」ほど使いこなしているのか、の明暗が分かれている、と冒頭で語られます。
ですから、単に「スマホはpcと同等の性能がある」と理解しているだけでは、この本の「スマホ人生戦略」は見えてこず。
インターネット黎明期から、最先端を走っていたホリエモンだからこそ、スマホのポテンシャルを見抜けていたため、「スマホの可能性」をいち早く見抜き、最大限にそのポテンシャルを生かしている、というバックボーンが見えてくるわけです。
ここまでの要約を見てわかる通り。
この「スマホ人生戦略」という本は、スマホのハウツー本じゃなく、その「スマホのポテンシャルに気づく」ということがメインテーマ。
そして、スマホのポテンシャルというのが、先ほど伝えた「身体拡張ツール」ということなんですね。
身体拡張ツール
では本来のスマホのポテンシャルである「身体拡張ツール」とは一体どういったことを意味するのか。
「拡張ツール」という言葉が分からない人のために補足しておくと。
グーグルクロームなんかで検索していると、「拡張」という機能があります。
これはGoogleクロームの機能を増やせる機能で、広告を消したり、アイクラウドと同期させたり。
いろいろな機能を追加することができます。
いわゆる「オプション」的な存在ですね。
身体拡張ツールというのは、身体の機能をより増やすことを意味していて、それが「スマホ」によって可能になった、というのが、この本の大トロ部分になります。
たとえば。
今やスマホのカメラは「人の目」よりも、鮮明かつ遠くを見ることができたりします。
これは「目」という機能を拡張させていることと同義。
また、スポーツ観戦なんかもスタジアムで見るより、ダゾーンなどが提供しているアプリをスマホで見たほうが、リアルで見るより多角度的に試合観戦が可能になります。
また、今までは「勉強をする」といえば、学校に通ったり塾に通ったりすることがデフォルトにありました。
英語や資格はその典型でしょう。
でも今やアプリで、語学学習ができたり、ズームなんかでオンライン英会話なんかもできたりする。
本書で紹介されていた面白い例として、部活に入らずに「YouTube」で野球の練習をして、プロになった人も紹介されています。
これはフューチャードリームスという野球球団の「杉浦選手」が実際に、けがで中学の部活をやめたが、あきらめきれずに、動画で独学し、プロテストを受けて合格したのでした。
これも全て「スマホ」があってなしえたこと。
これからもっともっと、スマホで勉強して結果を残す人が多くなっていくことでしょう。
まさにこのことが「身体拡張ツール」としてのポテンシャルを発揮しているスマホの活用法だ、という風に語られています。
つまるところ。
だらだらと動画を見たり、友達とやり取りしているだけのスマホから、スマホを使いこなし、仕事の効率化を図り、最適化していけ、ということこそがスマホ人生戦略の根底にあるんですね。
どうやってスマホで仕事をしていけばいいのか
そしてさらに。
ホリエモン自身はもうずっと前から、パソコンを使うのをやめていて、スマホだけで仕事を完結させています。
だからこそ、このスマホ人生戦略という本が描かれるわけですが。
となると疑問になってくるのは、どうやってスマホだけで仕事を完結させていけばいいのか。
「実践例」が次に気になってくるポイント。
これに関してもまず結論から伝えると、「既存の価値」+「趣味」だという風に、この本では描かれます。
どういうことか。
例えば、本書の中で取り上げられているホリエモンの例を挙げると。
今取り組んでいる事業の一つに「wagyuumafia」というものがあります。
これが生まれた経緯は、「牛肉」という趣味と「インターネット」という既知の価値とを組み合わせて生まれた、と語られていて。
メイクが好きでshowroomで配信をする人やYouTubeをやる人も、「既存の価値」と「趣味」とを掛け合わせた典型的な例。
だからこそ、ボランティア活動が趣味なのであれば、その支援をクラウドファンディングで募ったっていいし。
本を読むのが好きなのであれば、ブログやnoteなんかでその要約をしたっていい。
今や動画編集やDJなんかも「スマホ」で行っている人が多くなっており、スマホでプログラミングもできる時代。
そのためのプラットフォームはスマホからアクセスが可能であり、既存の価値を使えばいくらでもマネタイズはできる。
だからこそ、「好きなことに没頭しろ」というのが、ホリエモンが一貫している首長だったりするわけです。
また、僕個人の話で最近面白いなと思ったのは「趣味に没頭しろ」というポイントで、ゲームがあったりします。
一昔前であれば、ゲームをやりすぎてはいけないといわれていたものの、今ではスポーツに数えられるようになっています。
ゲームをやり切ればeスポーツ選手になれる、ということもあり得ますが、それ以上に「コーチングプラットフォーム」というものが今では存在します。
要するに、そのゲームでうまくなりたい人に対して、時間単価で「コーチングする」というビジネスモデルが生まれているわけです。
このことも「趣味に没頭する」という生き方における選択肢が増えたことを意味している。
また。
本書で紹介されていて面白かったのは、今では映画もスマホで作られているそうです。
unsaneという映画は、iPhone11で全編とられたそうです。
さらに言えば、写真家の蜷川実花さんもiPhoneを使い、写真を撮るチャレンジをするといっている動画を見たことがあります。
つまるところ。
「スマホで仕事」というのは、既存の価値と趣味との掛け合わせであり、「既存の価値」を知らないことが、差を作ってしまう。
クラウドファンディングのキャンプファイヤーやクラウドソーシングのランサーズ。
コーチングプラットフォームやメルカリなどなど。
この既存の情報を仕入れるのもスマホから、目と耳で仕入れられる。
だからこそ、「身体拡張ツール」といえるわけです。
不自由からの脱却
そして、このスマホで仕事ができるようになることを、本書では「不自由からの脱却」という風に締めくくられています。
どういうことか。
これはハラリ教授が書いたベストセラー「サピエンス全史」にも書かれていることですが、これまで人類は「狩猟民族」から「農耕民族」へと変貌してきました。
この記事ではあまり触れませんでしたが、狩猟民族から農耕民族になったことで、「安定的に食料が確保できるようになった」という反面、「穀物の奴隷」になっていった、とサピエンス全史では語られます。
要するに、穀物を作るために住む場所を固定し、仕事時間も決められ、不自由になっていった、と。
それが昨今の社会でも続いているわけですが、スマホという「持ち運びできるデバイス」で仕事できるようになることとは、「不自由からの脱却」を意味していて。
住む家はエアビーで借りれるし、移動もウーバーがある。
買い物はAmazonでできるし、決済はペイペイも存在する。
縛られた生活や仕事(穀物)の奴隷になることもなくなっていく。
これこそが、スマホ人生戦略においてもたらされる一番の恩恵でありメリットだということなんですね。
だからこそ、この本ではスマホを携帯電話だととらえずに、身体拡張ツールとしてポテンシャルを理解し、使いこなすことを推奨している、ということにつながってくるわけです。
感想レビュー
と、まあ「スマホ人生戦略」をかいつまんで要約しまとめてきました。
ここから感想とかこの本のレビューに関してつらつら語っていこうと思います。
が、結構ホリエモンの本って、本人も語っていますが、使いまわしが多いんですよね。
「打合せ」とか「電話」が大嫌いなホリエモンだからこそ、インタビューした内容をそのまま書籍化するっていうのが、デフォルトで。
そうなってくると、昔言ったことがそのままのニュアンスで書かれていたりする。
だから結構当たり外れがある印象を持っていますが、このスマホ人生戦略に関しては結構面白かったです。
なので、僕的に好印象。
ホリエモンの本って、基本構成が「過激な主張」とそれを裏付ける最新テクノロジーや最新情報。
この構成が多いんですが、ヒューマロイドの話だったり、スマホでの独学で野球選手になった杉浦選手など。
この最新テクノロジーの話も多くて、結構楽しめました。
(最近ホリエモンの本を読んでなかったので、使いまわしかどうか分からないっていう点もありますがw)
そのうえでこの記事にも書きましたが、仕事を「スマホ完結」っていうポイントや「スマホというデバイスのポテンシャル」に関しては、完全に同意見で。
読む前よりも一層スマホのポテンシャル理解が深まった気がしますね。
本書でも語られますが、変化というのは一瞬で世の中が変わる、というよりかは「じわじわ」と変化していくもの。
スマホの変化や仕事のあり方というのは、今日からどんどんと変わっていきます。
そうなったときに、どう向き合うのか。
はたまた、pcに向かい合っているのか。
スマホというものの可能性や穀物の奴隷から抜け出したい人は、一読してみてもいいと思います。
結構面白かったです。