今回はタイトルにある通り。
「なかなか性格を変えることができない理由」に関して、面白いことを知ったので、それをシェアしておこうと思います。
結論から言ってしまうと、なかなか性格を変えることができない理由は「自分の長所」と「直したい性格」とが密接に結びついているから。
これが原因だということがわかっています。
では具体的にどうすれば性格を変えることができるのか。
なかなか変わらない自分を変えるにはどうすればいいのか。
ここら辺を合わせて解説していこうと思います。
なかなか性格が変わらない理由
まずは「自分の長所」と「直したい性格」とが密接に関わっている、という根拠から。
これは心理学者で有名なエレンランガー教授が行った研究が元になっていて。
ハーバード大学が率先して行ったこの研究では、被験者を集め、リストを手渡し、性格分析を行ってもらいます。
そのリストには、ポジティブな要素を羅列させ「自分の特徴として当てはまるものにチェックしてください」とお願いしました。
例えるなら
- 決めたことを守り抜く方だ
- 主旨一貫している
- 優しい性格だ
- 信頼関係を構築するのがうまい
こういった性格分析をしてもらい、自分の性格として当てはまるものにチェックをして行ってもらいました。
初めに渡したリストには、おおよそ「ポジティブな要素」を組み込んでいるわけですが、次に「治したいがなかなか治せない性格」として別のリストにチェックして行ってもらいました。
2つ目のリストは、「ネガティブな側面」を持った性格分析を行ってもらったわけですが、ここから面白いことが判明して。
それはポジティブな要素として、自分のチェックした性格と真逆のネガティブな要素にチェックを入れる傾向が強まっていた、ということでした。
どういうことか、噛み砕いてわかりやすく説明すると。
仮に「自分は意志が強い方だ」という性格分析をし、ポジティブなリストに、チェックを入れていた場合。
それに反する「ネガティブな性格分析リスト」には、「他人の意見をあまり聞かない」という項目にチェックを入れる割合が強かった、ということ。
物事は表裏一体で、良いところもあれば悪いところもある。
これは性格分析にも同じことが言え。
「ポジティブな側面」を認識していると、その反対のネガティブな側面を「許容」してしまう傾向がある、ということなんですね。
裏を返すと「治したい性格」と思っていても、「ポジティブな側面もあるから直せない」ということが言える。
これがエレンランガー教授の研究によって、証明されたことでした。
なぜ性格は変わりづらいのか
もう少し、「「治したい性格」と思っていても、「ポジティブな側面もあるから直せない」ということが言える。」
ということを紐解いて、わかりやすく解説していくと。
就活なんかをしたことがある人ならイメージがつくと思います。
面接なんかで「あなたの短所はなんですか?」という質問をされた場合。
「私の短所は無我夢中になると周りが見えなくなるところです。」
そんな風に答えたとします。
ただ就活を経験した人ならわかると思いますが、「短所を短所のまま終わらせてはいけない」とよく聞きます。
なので、「私の短所は無我夢中になると周りが見えなくなるところです。が、その反面集中力は他の人よりも高いところが私の長所だと感じています。」
ってな感じで、短所の反面である「長所」を押し出して、面接官にアピールします。
これと全く同じことが「性格」にも言えるので、なかなか変えることができないということなんですね。
周りが見えない
↓
集中力がある。
こう言った表裏一体な特徴があった場合、「周りが見えない」という短所があることは把握しているものの。
「集中力がある自分は嫌いじゃない」
そう感じているので、周りが見えないことをある意味「許容している」
だからこそ、なかなか性格を変えることができない。
むしろ「変わらないことを望んでいる」
という図式が生まれるわけです。
また別の例を出すと。
「人見知り」という性格が嫌だった場合。
「寡黙でクール」であることが、自分の長所として捉えている特徴かもしれない。
そうなると、人見知りであることがクールを支えることになるので、「人見知り」を直すことができない。
直してしまうと長所である「クールでかっこいい様」を壊してしまうことにつながる。
こういう連結が「なかなか性格が変えられない原因の1つだ」ということを、ハーバード大学の研究により示唆しているわけです。
性格を変える方法
ではいったいどうしたら良いのか。
このエレンランガー教授は同時に「自分を変えるためにどうしたら良いのか」
ということに関しても、合わせて解説していて。
それは「分離させること」だと説いています。
どういうことかというと。
治したい性格が「決めたことを守れないこと」だとします。
そうなると、この「決めたことを守れない」ということの裏には「隠れた自分のメリットとなる特徴」が潜んでいる。
それを探す。
それは
- ロックスターへの憧れ
- 尊敬している人がそうだった
- 自由奔放さがいい
こういった特徴があるが故に、「決めたことは守らない方がいい」と遮っているのかもしれない。
決めたことが守れないという性格が、仮に「ロックスターへの憧れ」であって、小さい頃にみた破茶滅茶なロックスターの生き方が大好きだったことが原因だとします。
破茶滅茶なロックスターの生き方が大好き
↓
自分も自由奔放に行きたい
↓
決めたことを守らない
こうした図式になっていたため、決めたことが守れなかった。いや守らない方がいいと思い込んでいたことが浮き彫りになったとする。
そうなったならば、「メリットとデメリット」を分離させる。
具体的には「テレビの前では破茶滅茶なパフォーマンスをするが、テレビの収録時間は守るし、規制の中でパフォーマンスを行っている」ことが普通に考えたらわかる。
そうなると「全てを破茶滅茶にして生きているわけじゃなく、決まったルールの中で破茶滅茶にする」ことが、自由奔放であることが見えてきます。
とすると「ルール内で自由奔放にする」ことが重要だという指針が見えてくることになるので、「決まったことを守らない」というが長所と短所で結びつかなくなっていきます。
治したい短所というのは、直したくない長所と密接に結びついていたため、「直せない」としていたので、長所と短所が結びつかなくなった途端「直した方がいい短所」に変わり、性格を変えることができる。
そのために「分離」することが重要で。
短所と長所を話て考え、その間を埋めることが分離ということ。
だからまずすべきことは、「短所に隠れた直したくないと思っている長所」を見つけ。
その長所と短所の結びつきを分離させ、間を取り持つ方法を考えること。
先程の例で言えば、
「ロックスターへの憧れ」が、長所との結びつきで。
「ロックスターでも決めたルールは守り、そのルールの中で破茶滅茶に活動する」
↓
「ともすれば、決めたルールは守り、その中で活動する」
という間をとっているわけです。
これはあくまで一例ですが、短所には「直したくない長所」が結びついています。
これを見つけ、分離させることで、なかなか直せなかった性格を直すことができる、というのが今回の結論。
まとめ
少し長くなってしまったのでまとめておくと。
性格や自分自身において、治したいことは「直したくない長所や自分の特徴」と密接に結びついていることが、ハーバード大学の研究により判明した。
そのため、「変えたい」という感情は「変えたくない感情」と併設しているので、なかなか性格を変えることができていなかった。
だからこそ、まずは隠れている「変えたくない感情=特徴や長所、メリット」を浮き彫りにし、長所と短所を分けて考え(分離させ)、間を取り持つことが重要。
まとめるとこんな感じですね。
ぜひ参考にどうぞ。