今回はタイトルにある通り。
「後回しにしてしまう癖」に関して、面白いことを知ったので、それをシェアしておこうと思います。
まず結論から伝えてしまうと、
- 鏡
- 非合理生コントロール
- 瞑想
この3つをすることが、モノゴトを後回しにしてしまう癖を取っ払ってくれることがわかっているので、おすすめです。
モノごとを後回しにする癖を持っている人の割合
では具体的な解決法を解説していく前に。
実際に、どれぐらい「後回しにする人っているのか」ということから見ていくと。
これっていうのは、かなり多い割合の人が「後回しのくせ」を持っていて。
「私だけなのかな」ということは、全くありません。
これはピアーズスティール教授という、先延ばし研究においてかなり有名な学者が行った研究により判明していて。
過去の行われた先延ばし研究の論文、40年間分を調査した研究では、軽度のものも含めるとおよそ95%もの人が、後回しにしてしまう傾向にあることがわかっています。
40年も前の研究から調べているわけですから、もう人間のDNAに刻まれている一つの特徴とさえ言えそうなレベルです。
さらに。
そのうちの全体の20%は、通常よりも重い内容であっても後回しにする傾向があることがわかり、全体の10%は「かなり重い出来事」であっても、後回しにする傾向にあることがわかっています。
これをわかりやすくいうと。
ダイエットしようと思ったけど、来月からやろう。
これは軽度の後回しで、これぐらいのレベルであれば、ほぼ全ての人が経験していて。
「やらないとクビになる仕事を後回しにして手をつけない」
という人は、20%ほどいる、ということを意味しています。
さらにそのうえの「ヤバイ出来事」であっても、10%の人は後回しにしてしまう傾向にある、ということ。
だから、「自分だけ後回し癖が治らない」という風に悲観する必要はなくって。
人間というのは、後回しをしてしまう癖を持っているので、「対応策を講じる」ことが重要、という事実を知ることが大切なんですよね。
裏を返すと「あの人は後回しせずテキパキ行動している」という人は、後回し対策を行っているから、瞬時に行動することができているわけです。
後回しにすることでムダにしている平均時間
また、このピアーズスティール教授は、次のことも調べていて。
後回しにすることによって、就労時間の4分の1が無駄な時間として使われていることが、過去40年の研究を解析することによってわかった、と述べています。
これはつまり、9〜17時の8時間労働をしている人であれば、2時間は無駄な時間を使っているということ。
1日2時間ですから、週5日で考えると10時間。
月で考えると40時間も「ムダ」にしているということになります。
さらにさらに。
月40時間もムダにしているわけですから、それ相応に機会損失が出るのも当然で。
時間をムダにした結果、年間において1万ドルの損失が生まれている、ということもわかっています。
一ドル100円と単純計算しても、後回しすることが癖づいていることで、1年間で100万円損していることと同じこと。
時間もムダにして、お金も損している。
つまり後回しするっていうことは、「タバコ」とほぼ同じで。
時間とお金を捨てて、いっときの快楽に逃げている、ということと同じなんですね。
しかもそれは、軽度のものも含めると、「ほぼ全ての人」に当てはまる。
さらに言えば、後回しにすることによるストレスで、健康に危害を加え、後回しにする人ほど寿命が短い、という研究さえあったりします。
まさに百害あって一利なしなタバコと同じ、ということが言えるわけですね。
後回し癖の原因とは
じゃあ、この後回しの癖をどう治していけばいいのか。
これを考えるには、「なぜ後回しをしてしまうのか」
その原因を知ることが大切で。
このピアーズスティール教授は、先の研究と同時に「後回しの原因」に関しても、解説してくれています。
その後回しの原因というのは、大きなところで言うと「衝動性」
これこそが原因だと伝えています。
どういうことか。
衝動性というのは、詰まるところ「抑えられない感情」です。
この衝動性と後回しとの関連性を見ていくと。
仮に「勉強しよう」というケースで当てはめた場合。
「試験に受かるために勉強しなければいけない」
こう考えることによって、ある種のストレスやプレッシャーを人間は感じます。
そのプレッシャーが強くなると、人は現実を直視するのが嫌になり、そのプレッシャーから解放されるような選択をとりにいきます。
この場合、試験勉強であるなら、「勉強しなくちゃいけない」というプレッシャーを感じ、それから逃げるために快楽である「テレビを見る」という行動に逃げる。
要するに、プレッシャーから逃れるために、テレビを見るという衝動を抑えられずに後回しにして「逃れる」という行動をとってしまう、ということなんですね。
これは仕事においても同様で。
目の前に「いつ終わるか分からないぐらいの資料がある」となった場合。
「終わりが見えない作業」には、当然プレッシャーやストレスが襲います。
そうなると、簡単で楽に終わる仕事に逃げたくなる衝動を抑えられず、本来の仕事を後回しにして、手軽な作業に取り掛かってしまう。
「勉強をやろうと思っていたけど、部屋掃除を始めてしまい、気付いたら2時間たっっていた」
そんな経験がある人がいると思いますが、まさにプレッシャーから逃れるために衝動を抑えられなかった典型的なケースです。
つまり「衝動性」を抑え、本来あるプレッシャーと適切に向き合うことが、後回しをなくすポイントだということ。
そして原因が見えてくれば、解決法も自ずと見えてくるわけです。
後回しの癖を直す3つの方法
ではどうしたら後回しを直すことができるのか。
衝動を抑えられないことこそが、後回しの原因でした。
じゃあどうすればいいのか。
衝動を抑えられるようにするため、「セルフコントロール=自分をコントロールする力」を身につけること。
これが重要になってくるわけです。
そして、それが冒頭に伝えた
- 鏡
- 非合理生コントロール
- 瞑想
この3つにつながってくるわけですね。
まずは鏡。
実際に上記記事にて、研究モデルや論文の解説を行なっていますが、鏡を使うことにより、セルフコントロール力を高められることがわかっています。
経験がある人は多いと思いますが、鏡の前では「きちんとした自分」であるのを演じてしまった経験があるんじゃないでしょうか。
まさにそれで。
僕ら人間は「誰かに見られている」と思うと、そこの自制心が働きます。
その心理を利用するために、鏡を置いて「誰かに見られている」という感覚を作り出すことで、衝動を抑える方法です。
具体的なやり方は、仕事上のデスクや勉強机に鏡を置くだけでよくって。
衝動が襲ってきたときに、鏡を見て「見られているからちゃんとしなくちゃ」と思い直すだけでオッケー。
簡単でなおかつコスパも良く、効果が高い方法が1つ目の鏡です。
そして2つ目の「非合理性コントロール」
詳しくは上記記事で解説していますが、簡単に解説してしまうと。
人間の欲望は非合理性であることがほとんどです。
合理的と非合理的とを一応解説しておくと。
ダイエットを例にとったとき、ダイエットをする理由を合理的に考えると「健康的になる」などの理由が挙げられますが。
一方で「もっと美味しいものを食べたい」と衝動が襲ってきた時っていうのは、合理的じゃなく、非合理的。
「痩せたいけど食べたいんだ」
こうやって考えます。
痩せたいからダイエットを始めたのに、「揚げ物を食べたい」って、どう考えても理に適ってない。
つまり衝動性っていうのは、子供がおもちゃを買ってもらえないときに、駄々をこねるように、「非合理的」であり「矛盾」してるんですね。
それを利用するのが、非合理性コントロール。
一言で言うなら、「子供が駄々をこねるのなら、駄々をこねて諦めてもらう」ということで。
「非合理的な理由には非合理的な理由をぶつける」というのが、非合理性コントロールです。
この方法も、おおよそ4倍ほど、セルフコントロール力が高まった研究があるので、取り入れたいテクニックの一つです。
もっと詳しい方法や具体事例を見たい場合は、上記記事で解説しているので、参考にしてみてください。
そして3つ目の方法は「瞑想」
瞑想の研究は数多くあり、その効果は多くの研究で実証されています。
上記2つの鏡や非合理性コントロールは、ある意味テクニック的な手法ですが、瞑想は毎日行ってもいい「ベース」となるもので。
ぜひ習慣にして欲しいことの一つです。
実際にサピエンス全史を書いたユダヤ人学者のハラリ教授も1日2時間瞑想をしていると公言していますし、その効果は折り紙付き。
セルフコントロール力を高める「筋トレ」のようなものが瞑想です。
ただ。
多くの人が「瞑想とセルフコントロール力」との繋がりが見えないと思うので、補足しておくと。
上記記事でも解説していますので、ここでは簡単に解説しますが、主に脳の前頭部にある前頭葉が感情を司っているとされている脳の部位です。
瞑想をすることにより、前頭葉が活性化することがわかっています。
感情を司る脳の部位が瞑想により活性化するため、「自制心」を鍛えることができ、セルフコントロール力が高まる、と言うことなんですね。
ですから、お坊さんなんかは、自制心が強い印象がありますが、あれは瞑想などのメンタルトレーニングを積んでいるため、欲に負けず衝動性を抑えることができているわけです。
ぜひこの瞑想も取り入れてみてください。
まとめ
ちょっと長くなってしまったので、最後にまとめておくと。
軽度のものを含めると、後回し癖を持った人が95%もいる。
そのうち10〜20は、重要なことさえも後回しにする傾向にある。
また、後回しにした結果、労働時間の4分の1の無駄に過ごし、1年間に100万円ほどの機会損失をしている。
その後回しの癖は「プレッシャーやストレスから解放されたいと言う衝動性」が原因で。
衝動性を抑えるための「セルフコントロール力を鍛える」ことによって、後回し癖を直すことが期待できる。
おすすめの方法は
- 鏡
- 非合理生コントロール
- 瞑想
この3つを駆使すること。
後回し癖を治したい、と言う方はぜひ参考にどうぞ。