今回はタイトルにある通りなんですが、藤原和博の必ず食える1%の人になるという本を読んだので、まだ読んでいない人のためにざっくりと要約していきながら、本音で感想とレビューをしていこうと思います。
先に結論から伝えておくと。
1%の人になるというのは、プロ志向がより重要視されている中で、自分自身の希少性を高めるために貴重な人材になることを指していて。
この10%×10%=1%というように、特殊なスキルや能力を複数掛け合わせることによって、誰でも1%の人材になることが可能だということが、本書の本筋の主張。
そして、この最初の10分の1というスキルや能力というのは、1万時間の法則から論理展開していて。
要するに、数年間没頭することで1万時間を費やし、貴重な人材になる。
その後別の分野を掛け合わせて、さらに貴重な人材になる。
その唯一無二の希少価値があなたの価値となって、収入や報酬につながる、ということがこの本の1万時間の法則で描かれることと、スキルの掛け合わせ論理です。
この部分は後半で詳しく伝えていますが、実は1万時間の法則って結構、最近の研究では懐疑的な見方が広がっていています。
要するに1万時間を費やせば、誰でもエリートクラスになれるっていうのが1万時間の法則なわけですが、残念ながらエリートクラスには1万時間でも足りないという主張や、そこには才能や遺伝子が大きく影響しているという見方が主流になっていたりします。
なので、この本の言うところの1万時間を費やして貴重な人材になれるっていうのは、少し難しい。
ただ、スキルや能力の掛け合わせで、貴重な人材になれるっていうものの見方自体は面白いので、その部分は評価できるなっていう感想です。
概要
では早速。
藤原和博の必ず食える1%の人になるという本を読んだことの無い人のために、ざっくりと概要と要約をしていくと。
先ほども少しだけ触れましたが、必ず食える1%の人になるという方法というのは、「貴重価値のある人間になる」ということが、本書の大まかな主張です。
当然ですが、100人中1人にしかできないことは、かなり貴重な価値があります。
そして価値があるということは、当然仕事を奪われる可能性や失う可能性、また報酬という面においても優位に働く。
誰でもできる仕事はアルバイトでもいいし、AIにでも任せておけばいい。
この二極化が大きく進んでいるからこそ、唯一無二の自分になる=1%の人材になるっていうのが、本書の冒頭で描かれる主張なわけです。
じゃあ次に。
どうしたら今現在0の状態で、1%という貴重な人材になれるのか。
ここが本書のメインディッシュというか、面白みが深いところだと思うんですが、本書の藤原和博の必ず食える1%の人になるでは「10%と10%をかけたら1%になれる」という掛け算によって、1%を実装するっていう考え方を取っています。
1%の人材っていうと、すごくハードルが高いような気がする。
1%って100人に一人ですからね。
だけど、10人に一人とかならまだ頑張れるかもしれない。
もっと言えば、3人に1人出来ることを、4つ掛け合わせたら1%を下回る貴重人材になれるわけです。
3人に1人であれば、そこまで大層なスキルや能力じゃなくても十分なしえる範囲です。
学生の時のクラスをイメージしてもらえたら分かりやすいと思いますが、クラスメイトをランダムに自分含め3人思い浮かべて、その中で自分しかできないことを考えて該当すれば、それで3分の1ですよね。
ビジネス的な見方をすれば、
- 営業経験がある
- エクセルの関数やVBAが少しできる
- 統計学を学んでいる
- 月に3冊は読書をしている
このようにとってみると、営業スキルがあり、プログラミングスキルや統計、データ分析のスキルもあり、学習意欲の高い人とすると、どれぐらいの希少価値になるのか?
一つ一つの分野に対しては、自分よりもっとできる人がいるかもしれない。
プログラミングスキルももっと上の人はいるだろうし、営業スキルが高い人はもっといるかもしれない。
しかし、営業スキルがありながら、データ分析もできて、プログラミングスキルもある人はそうそういない。
このように、一つのスキルを特化させるのではなく、1万時間の法則に乗っ取って、一つの分野をある程度マスターしたのなら、別の領域を学習し掛け算することによって、自分自身の希少性を総合的に高めていくことが重要だという風に伝えているんですね。
これが著者である藤原和博さんの必ず食える1%の人になる方法だということです。
感想とレビュー
当然、本書ではこんな雑な方法とか書き方ではなくって、結構丁寧に4つのタイプにカテゴライズされており、マークシートに沿ってやっていくだけで自分のタイプ別の分け方から、どういったスキルを伸ばしていくのか?という部分を解説してくれています。
なので、この部分が気になる人は、ぜひ手に取ってみ手続きを読んでみてください。
ここではあくまで、ざっくりとした概要と全体的な話の流れまでを解説させてもらいました。
さて、ここからはこの「藤原和博の必ず食える1%の人になる」という本の感想とレビューをしていこうと思うんですが、冒頭でも伝えた通り考え方の発想として面白い部分も多いなって思っています。
確かTEDトークでもあった題材だと思うんですが、人というのは最初の学習に対しての吸収量や学習量が多く設定されています。
0%から6~70%ぐらいにはすぐになれる。
でもそこから80%、90%とドンドンと高めていくのは本当に難しくなる。
例えるんであれば、まったく走るトレーニングをしたことない人が50m走を早くは知りたいと思ってトレーニングし始めたら、すぐに1秒2秒と早くなっていく。
でも、その世界の頂点だったウサイン・ボルトとかの世界になると、0.001秒を伸ばすのに何か月何年とかの時間を費やす。
要するに、0から10に伸ばすことと、90を100にすることっていうのは、まったく異なる次元に時間がかかるっていうこと。
でも多くのケースで0から50~60には数か月頑張れば行ける可能性が高い。
受験勉強なんかも、まったく勉強したことない人が少し頑張れば偏差値10ぐらいすぐに上がるが、すでに偏差値65の人が10上げようと思ったら、どれぐらいの努力が必要なのか?
想像に難しくないわけです。
こんな感じで、最初のスキルが伸びやすいところを頑張ってトライして、一つの分野を6~70ぐらいの値を確保したら、そこで80%90%を伸ばすんじゃなくて、別の分野をまた6~70%のスキル取得を目指す。
そして元あるスキルAとスキルBを掛け合わせることによって、替えの利かない希少性を生み出すことができるっていうわけですね。
日本人はやっぱり職人気質でまじめな正確な人が多いんで、一つの分野で浮気をしてはいけないと思い込んでいる人も多い。
終身雇用なんてまさにその典型だし、少し前まで転職=悪だなんて見方もあった。
終身雇用とかっていうのはまさに90%を100%に近付けるために、40年50年かけて時間をかける作業を意味していているわけです。
そこで藤原和博さんは、必ず食える1%の人になるために、別分野、異業種の掛け算という見方を本書から持ってきた。
この部分の発想はめちゃくちゃいいなって思います。
実際に、アインシュタインとかダーウィンとか、天才と呼ばれていた人って結構いろんな知識やら情報を収集したりしています。
物理学や生物学などの専門分野があるわけですが、その分野だけをやっているかっていうとそうじゃなくって、まったく関係のないことをやっていることが分かっているんですよね。
でもそれが周りに回って、自分の研究につながっていく。
例えば、シャーペンの握る部分である”ゲルグリップ”ってありましたけど、あれは商品開発している人が奥さんとけんかしている時に、奥さんが投げたものが壁に張り付いたっていうことをきっかけに発明されたものだったりします。
こんな感じで、まったく別の発想とか、別の分野を学ぶことで見えてくる世界や見えてくる視点ってあるんですよね。
後、吸収率や効率っていう面で見ても、90%を100%に近付けるよりも、0から50~60%のスキルを得ようとする方がはるかに簡単です。
正直90%を100%にするって、数十年かかってできるかどうか?っていう話だと思いますが、全くの0の初心者の状態から、50~60の中級者レベルの状態であれば数年、早くて半年とか1年ぐらいで行けると思います。
そう考えると”希少性”という面では、後者の戦略をとった方が、はるかに優れているっていうのは言えそうですね。
ただ、冒頭でも伝えた通り、その1%の希少価値を持つためのスキルを獲得するのに1万時間の法則を使い、1万時間を費やせばだれでもエリートレベルになれるっていう、本書の主張は結構覆ったりしています。
残念ながら、1万時間を費やせばエリートレベルになれるっていうのは、そうではないんですよね。
考えればわかることですが、1万時間を費やせばウサイン・ボルトに誰でもなれるか?って言ったらそうじゃないし、1万時間頑張ればジョニーデップになれるか?って言ったらそうじゃないわけです。
そこには才能もあるし、遺伝子的な特徴、DNAも影響してくる。
だから残念ながら、本書で主張されている1万時間の法則っていうのは、現在では否定されています。
なのでその部分は注意が必要かなって。
ただ先ほども伝えた通り、エリートレベルになれるの難しいってだけで、中級者レベルであれば九州速度や成長速度というのは早いため、そのレベルでの「スキルの掛け算」っていう見方はかなり面白いと思うので、気になる人がぜひ参考にどうぞ。