茂木健一郎「最強メンタルをつくる前頭葉トレーニング」の感想レビュー

今回はタイトルにある通り。

茂木健一郎氏が書いた「最強メンタルをつくる前頭葉トレーニング」を読んだので、まだ読んでいない人のためにざっくりと要約していきながら、感想をレビューしていこうと思います。

先に感想のほうを結論から伝えておくと、この本結構面白いです。

なんていうかなー。

脳科学だとかの本って結構外国人著書が多かったりするんですよね。

そっちのほうが具体的かつ、内容も濃いので面白かったりする。

だけど翻訳の関係で少し読み取りづらかったり、はたまた例えば外国の文化ベースで話されるので、理解しづらかったりするケースもある。

ただ、今回の最強メンタルをつくる前頭葉トレーニングは、著者の茂木さんを初め日本人が書いてくれているので、例題もわかりやすく、初心者の人にとっても読みやすいかと思います。

なので、「メンタルを鍛えたい」だとか、僕みたいにそもそも「脳が好き」だとかいう人は、一読しておいて損はないんじゃないかなと思います。

メンタルを鍛えるには前頭葉を鍛えること

ではさっそく、この「最強メンタルをつくる前頭葉トレーニング」をまだ読んでいない人のために、先に分かりやすく、かつざっくりと要約していこうと思います。

始めにこの本で語られるのは「前頭葉の重要性」が語られます。

メンタルや自制心に関して、この前頭葉が大きな働きをするということは、知っている人には知っている話ですが、ほとんどの人は知らないと思うので、前頭葉における重要性を伝えておくと。

前頭葉というのは、車で例えるとブレーキのような役割を担っているとされています。

自制心やセルフコントロールなど。

メンタルに大きな役割を与えているパートには前頭葉が大きくかかわっているとされているんですね。

一方で脳には、側頭葉の部分にある偏桃体という部分が存在します。

この偏桃体というのは

  • 怖い
  • イヤだ
  • 不安
  • うれしい

こういった原初的な感情を感じる役割があるとされています。

この前頭葉と偏桃体の話を分かりやすくしているのが「攻撃的な若者」と「老害」という説明で語られていて。

攻撃的な若者がニュースになったりしますが、これは年齢が若いため、前頭葉が未発達な状態であるため、偏桃体で感じた原始的な感情そのままに行動してしまうことで引き起こる、とされています。

また一方で「老害」といわれる老人がいますが、これも年齢を重ねたことで、脳の機能が落ち、前頭葉の働きが低下したたため、偏桃体で感じた感情のまま動いてしまうことで引き起こるとされています。

要するに、偏桃体がクルマでいうところの「アクセル」であるならば、前頭葉はそれを止める「ブレーキ」の役割を担っている。

だからこそ、前頭葉を鍛えることがメンタルを鍛えることにもつながり、さらにはこの前頭葉というのは「年齢を重ねてからも鍛えることが出来る」

ということにつながってくるわけですね。

前頭葉を鍛えると起こるメリット

さらに前頭葉におけるメリットを追加で紹介しておくと。

マシュマロ実験というものが有名で、面白いので紹介しておきます。

このマシュマロ実験というのは、スタンフォード大学の心理学者のウォルターミッシェル教授が1960年代から行っている研究で。

この実験というのは、4歳前後の子供たちを一人一人、部屋に誘導していきます。

その部屋の机には「マシュマロが1つ」おいてあって、そのマシュマロを「食べてもいいけど15分待てれば、もう1つマシュマロを上げるよ」という風に子供に伝え「待つことが出来るか=自制心を持っている子供かどうか」ということを測定していきました。

その結果わかったのは、4歳前後の子供の中のおよそ「3分の2」は、15分魔手丸を待つことが出来ずに食べてしまった、ということでした。

さらにこの研究が面白いのはここからで。

3分の2の「自制心がない子供たち」と3分の1の「自制心を持った子供たち」とを追跡調査して「将来成功している子供たちはどちらで、その割合はどれぐらいか?」ということを調査していったんですね。

その結果わかったのは、子供の時に魔手丸を我慢できた子供(=自制心があった子供)は、自制心がない子供よりも、将来的に成功を収める割合が高かった、ということでした。

普通「自制心を鍛える」ということは意識しなければやらないことですし、その自制心を持つか否かで、社会的成功を収めるかどうかに大きな影響を与える、ということが、このスタンフォード大学のマシュマロ実験から明らかになった、ということなんですね。

そしてこの自制心を鍛えるというのは言い換えると、前頭葉を鍛える、ということで、本書のメインテーマにつながってくるわけです。

前頭葉を鍛える3つのトレーニング方法

じゃあ、次に。

どうやったら「前頭葉を鍛える」ことが出来るのか。

本書から抜粋して3つの方法を解説しておくと。

ノイズのあるところで、少しハードルの高い問題に取り組む

まず一つ目に上げてられているのがこれ。

ノイズというのは、「雑念」だとか「雑音」だとか、そういったイメージでよくって、例として挙げられるのは「カフェ」なんかが近いかもしれないですね。

なので、カフェで少しハードルの高い問題に取り組むと前頭葉が鍛えられる、と本書ではピックアップされています。

というのも、IQが高い人ほどノイズに惑わされない、ということが2013年に行われた研究によって明らかになっています。

具体的な研究は本書を見てほしいのですが、IQが高い人ほど「いらない情報の取捨選択がうまく本質を見抜くことが出来る」という結果につながっています。

また、少しハードルの高い問題に取り組むことによって、適度なストレスと達成感を感じられるため、それが脳にとっていい影響を与えます。

なので、ノイズのある所で、少しハードルの高い問題に取り組むことによって、前頭葉を鍛えることが出来る、ということなんですね。

便利なものをあえて使わない

次に「便利なものを使わない」ことによっても前頭葉を鍛えられると、本書では上げられていて。

本書の中では、子供たちがグーグルマップを使わずに家に帰るというストーリーが解説されています。

実際に茂木さんの知り合いの子供たちは、ある日グーグルマップを使わずに帰る遊びを提案し、それを実行しました。

便利なマップ機能を捨てたので、時には迷い、時には時間をロスし、結果的には大変な1日だったです。

ただ、子供たちはみな、その日のことを「楽しかった」と話していて、思い出に残った1日だと話していたそうです。

これが前頭葉を鍛えるポイントで。

要するに、便利なものというのは「考える隙間」を奪います。

グーグルマップを使えば、どうやって道を進むのかを考えなくて済むようになる。

当然脳というのは「考えれば考えるほど発達する」ことで知られていますから、便利なものを使うというのは、それだけ脳を退化させることにつながるわけです。

なので、あえて便利なものは使わずに、意図的に「脳を使う」ことをすることで、前頭葉を鍛えることが出来るわけですね。

当然すべての便利器具なんかを捨てたり、使わないことはできないので、「今日は使わない」という1日をあえて設けたり、たまにやるぐらいでも効果的なので、最初は隙間に挟み込む意識でいいかと思います。

ストレスの元凶に脳のリソースを使わない

そして3つ目が「ストレスの回避」に関してで、要は脳のリソースをストレスに充てない、ということが描かれます。

例えば、SNSの誹謗中傷なんかもそうですし、芸能人の不倫ニュースなんかもそう。

自分の身の回りには全く関係のない、ネガティブなニュースを見てもいいことなんて1つもないし、誹謗中傷もあえて自分から突っ込む必要もない。

無駄なリソースをストレスに向けていては、「ザルに水を貯めるが如く」なので、なるべくそちらにリソースを使わないようにすることの重要性が説かれています。

ここで「リアプレイザル」という手法が紹介されていたりして、結構面白いうえ、為になる話なので、見てみるといいかもしれません。

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まあちなみにリアプレイザルに関しては、僕の記事でも紹介しているので、SNSでの悪口が自分の手元にきて、脳のリソースをストレスに使ってしまう、ということであれば、一読しておくことをお勧めします。

感想レビュー

ってな感じで、ざっくりとではありますが、

  • 前頭葉の重要性
  • 前頭葉のトレーニング方法

ということで、この「最強メンタルをつくる前頭葉トレーニング」を要約してきました。

んで。

この本を読んだ感想を最後に伝えて終わろうと思いますが、冒頭でも伝えた通り、「日本人著書」と「外国人著書」って大きな違いで。

いくら英語を翻訳していたとしても、細かいニュアンスだったり、例えだったりが分かりづらいケースがあったりします。

後外国人著書のあるあるで、話がいきなり飛んだりするし、シーン展開が一瞬よくわからないときがあったりする。

あと、身近な人の話をするときに「ジェームス」「トム」だとか、僕らにはなじみのない名前が挙げられるので、スムーズに頭に入ってこない時もある。

ただ名著だったり、有名な本だったりは、外国人著書が多かったりする(特に脳科学や心理学系は)ので、外国人著書を読まざるを得ないシーンって出てくるんですよね。

それに対して、今回の「最強メンタルをつくる前頭葉トレーニング」は、茂木さんという日本人の方なのでそもそも読みやすい。

かつバラエティにも出ているぐらい有名な方なので、当然おしゃべりもうまいので、活字においても「読みやすく構成されている」という印象です。

なので、初心者の人にはかなりおすすめできるんじゃないかなと。

ただ一方で、マーケティング的にそういった層を捨てているので、深い話や高度な話は抜きにして語っているので、より理解度が高い人はあまり進まないのかなと。

それは一長一短なので仕方ないですが、そういう人は「外国人著書」を見るべきだし、専門書や論文のほうに行くべきなのかなとも同時に思いました。

これはいい意味ですが、やはり「初心者向けの人」だったり、ビジネスマン向けというのが一番適切な本書のターゲットかなと思います。

まあ、本って「自分にとって必要なのは16%前後」だといわれているので、読みやすさって重要なポイントなんですよね。

そう考えるとそれはそれで価値がある気はします。

ぜひ参考にどうぞ。