今回はタイトルにある通り。
「緊張」に関して、面白いことを知ったので、それをシェアしておこうと思います。
緊張や不安を克服して力に変える方法として、リアプレイザルが効果的だとされています。
そのリアプレイザルというのは、いいかえれば「解釈を変える」という方法のこと。
リアプレイザルとその効果とは
まずは根拠から。
「リアプレイザル」と呼ばれる心理テクニックは、やり方としては「違う解釈を与える」ということを意味します。
どーいうことかというと。
ある研究において。
被験者を集めて、集まった人に対して「自身の経験談を話して」と、いきなりスピーチをお願いしました。
しかもこのスピーチは、研究者1人の前というわけで、100人規模の大人数の前でお願いされたスピーチでした。
どうです?この状況。
普通であれば、いきなり集められて「大勢の前でスピーチしろ」と言われれば、緊張して心臓はバクバクだし、手汗はかくだろうしで。
通常の状態ではいられない環境下です。
実は研究者たちも、このように被験者たちを「緊張や不安な状態」にすることが目的でした。
というのも、このように不安や緊張状態にしたあとに、2つのグループに分けていきます。
それがこちら。
- スピーチする前に、時間を開け落ち着いてもらったグループ
- リアプレイザルをしてもらったグループ
この2つのグループに分けていき調査をしていきました。
スピーチをする前に落ち着いてもらう、というのは言葉の通りで。
いきなりお願いするのではなく、いったん落ち着いてもらって、それからスピーチをするというものですね。
一方で、リアプレイザルというグループですが、これは「違った解釈をする」ということで。
スピーチをする被験者に対して「緊張して心臓がバクバクしているのは、パフォーマンスを高めるために体が勝手に血流循環させてくれているんだ」
というように、その緊張や不安に対して「意味」を持たせてあげることをリアプレイザルと言います。
このようにして2つのグループに分けてスピーチをしてもらった後に、スピーチを聞いていた人たちに「どちらのグループの方がいいスピーチだったか?」ということを聞いていきました。
するとわかったことが「落ち着いてもらう」としたグループよりも、リアプレイザルを行ったグループの方がはるかにいいパフォーマンスであることがわかりました。
つまり、緊張した時や不安を感じた時というのは、緊張や不安から目を背けずに、真正面から向き合い、そこに「意味を見いだしてあげる」ということが重要だということ。
そのため「違った解釈」で物事を見ることが重要だ、ということなんですね。
なぜリアプレイザルを行ったグループはパフォーマンスが高いのか
ではなぜ。
リアプレイザルを行ったグループの方が、緊張や不安に対するパフォーマンスが高かったのか。
これに関して詳しい理由はわかっていませんが、「不安や緊張に対しての捉え方」が変わったことが原因ではないか、とされています。
というのもの僕ら人間が不安や緊張、いわゆるストレスを感じた時に「そのストレスをどう解釈するか?」によって、分泌されるホルモン自体が変わる、という研究が存在します。
詳しくはこの記事なんかで解説していますが「ストレスは体に悪いものだ」という風に捉えていた人は、
- 平均寿命
- 生産性
- GDP
こういったものが低下しているのに対して。
「ストレスは成長には欠かせないものだ」と捉えていた人たちというのは、平均寿命が長い傾向にあり。
生産性も高く、一人当たりのGDPも高い傾向にあることがわかっています。
このように「捉え方一つ」でかなり変わってくるのが、不安や緊張からくるストレスなんですね。
また「逃げるのではなく、解釈を変えて立ち向かう」というのも重要な要素だと考えられて。
例えば
この記事ではビッツバーグ大学が行った研究を紹介していますが、「お化け屋敷やジェットコースター」など。
一見すると「恐怖」と感じるようなものを「自らで飛び込むこと」によって、メンタルが向上したりモチベーションが高まったりと。
脳の状態をチェックしていくと数々の変化が見られました。
それもこれも「やらされる状況」ではなく「自らで向き合う」ことによって訪れた変化でした。
このリアプレイザルに対しても。
「違った解釈をし、自らできちんと向き合う」ことをすることによって、スピーチでもいいパフォーマンスを発揮できたのではないか。と考えられる訳です。
応用方法
では次に。
「どうやってリアプレイザルを日常生活で応用していけばいいのか?」という部分を解説して行こうと思いますが。
リアプレイざるの方法は、シンプルに「解釈を変え、違った見方をする」ということが、シンプルな方法です。
だから研究のスピーチにある通り「緊張しているのは、心臓が血流を促して、いいパフォーマンスを発揮させようとしてくれているからだ」
という風に、解釈を変えるだけで十分効果が得られる訳です。
ですから「解釈を変えるには?」という視点で見ていくと、自然とリアプレイザルを応用することができるでしょう。
またそのほかにも、不安や緊張と向き合う色々な方法があるので、合わせて紹介しておきます。
この記事でも紹介していますが、成長ゴールを持つことによってもプレッシャーに打ち勝ちやすくなることがわかっています。
なので、成長ゴールを使うのも1つの手だと言えるでしょう。
後この記事でも書いていますが、暗算することが不安や緊張に対して効果的だということもわかっています。
あとはこの系統的脱感作法も試してみるといいと思いますね。
友人にリアプレイザルしてみた
僕は、リアプレイザルという方法を知る前から、「解釈を変える」ということを自然とやっていたので、結構体に染み付いていたりします。
そして最近あったのは、友人からある相談をされたことでした。
その友人曰く。
通勤途中の駅までの道のりで、歩きスマホをして道を歩いていたら、おじさんに注意されたそうで。
その時は「すいません」と言い、気をつけるようにしたそうなんですが、毎朝そのおじさんとすれ違うので、歩きスマホをしていないのに「なぜか注意されるのではと思い、心臓がバクバクしてしまう」という話をされました。
と同時に「俺はメンタルが弱いんだ」という風に嘆いてもいました。
まあ歩きスマホはいけないことですが、もうやってもいないことに、「注意されるのかどうか」とビクビクする意味もありません。
なんか警察が近くにいると背筋が伸びるのに似てますね。
そんな話をしたら友人は笑っていましたが、僕なりの解釈を付け加えると。
それはメンタルが弱いわけでもなんでもなく。
僕ら人間というのは、常に争ってきた歴史がある訳です。
ホモサピエンスとネアンデルタール人など、他人種との争いに勝って今こうしてヒエラルキーの頂点に立っている。
それはホモサピエンス同士でも全く同じことで。
人種、宗教、色々な理由で今でも争っています。
そう考えるとある意味心臓がバクバクしたのは「臨戦態勢」を作りあげて、「戦う準備」をしているわけで、メンタルが弱いのとは別の話です。
むしろ「戦う意志」がある訳なので、メンタルは強いとさえ考えられるでしょう。
(この文明社会で実際に戦うかどうかは別の話です)
つまり臆病だから心臓がバクバクしてしまうのではなく。
「戦って勝ち抜いてきた遺伝子がそうさせている」
もしくは「戦闘態勢を作るために、体が血流を流して準備させている」と捉えることができる訳です。
運動したりすれば、心拍数は上がることを考えれば、心拍数を上げて「体を動かせる準備」をさせているとも捉えられますし。
何度も言いますが、実際に戦う稼働かは全く別の話で。
解釈を変えるにはどうしたらいいのか?を考えていくことで、不安や緊張とうまく向き合うことができる、という一例を紹介しておきました。
まとめ
ちょっと長くなってしまったので、最後にまとめておくと。
緊張や不安に対してはリアプレイザルを行うとパフォーマンスを高めることができる。
リアプレイザルとは、「違った解釈」を見出すことによって、物事に意味をつけるということ。
このことにより恐怖や不安、緊張から目を逸らさずに真正面から向き合うことによって、恐怖や不安に打ち勝つことにつながり。
ストレスなどの見方を変えることで、プレッシャーに打ち勝つことができるため、効果があるとされている。
まとめるとこんな感じですね。
ぜひ参考にどうぞ。