今回はタイトルにある通り。
自分をコントロールできない人のための面白い研究を知ったので、それをシェアしておこうと思います。
その研究内容っていうのは、「自分をコントロールしようとすればするほど、自分をコントロールできなくなる」というもの。
要するに、自制心が働かなくなるってことですね。
じゃあどうすればいいのかっていうと「ありのままの自分をまず受け入れ、その上で対策を練る」ということ。
この改善策に関しては、後ほど詳しく伝えるとして、まずは根拠となった研究を紹介しておきます。
根拠
これはロイバウマイスター教授が書いた「willPower 意志力の科学」っていう本の中で紹介されている内容が元になっていて。
この研究では635人を対象にして4つの実験を行いました。
まず1つ目がアンケート。
このアンケートでは、簡単に言うと被験者に対して「どれぐらいセルフコントロール能力が欲しいか」ということを調査します。
その次に、ヒアリングを行い、第3者に対して、「被験者はどれぐらいセルフコントロール能力があるのか」を調査しました。
これにより、より客観的に対象者の「セルフコントロール能力」を見極めていくために行ったわけですが、3つ目にアナグラムの問題を解いてもらいます。
具体的には、よくテレビ番組でやっているような「「火」「日」「水」この3つの単語を組み合わせて一つの感じにしなさい」というような問題をイメージしてもらうとわかりやすいかも。
このアナグラム的な問題を出題した理由というのは、こういった問題は自制心を働かせ集中しなければ解けない問題となるためで。
この3つの調査をもとに、セルフコントロール力が欲しい人との関係性を調べて行ったわけですが、ロイバウマイスター教授の研究により面白いことがわかりました。
「セルフコントロール力を欲している人ほど、セルフコントロール力が低い」
という事実が、この635人を対象にした研究によって明らかになったのでした。
根拠2
ただこれだけ聞くと「セルフコントロール力を欲しているということは、元々自制心がないから欲しているわけで、セルフコントロール力が低くて当たり前」と思う方もいるかもしれませんが、その矛盾が引き起こらないために、ロイバウマイスター教授が事前にあることをしていました。
それは「事前にセルフコントロール力のベネフィット」を伝えていたということ。
自制心が高く、自分をコントロールすることができるようになると、どんなメリットがあるのか。
どういった成果を残せるのか。
こういったベネフィットを被験者全員に対して、事前に伝えていて。
要するに「全員が一定の割合で、セルフコントロール能力の重要性」を知っている状態でスタートしているのが、この研究だということ。
この重要性を被験者全員が知っているため、「セルフコントロール力がないから、欲している」という矛盾をあらかじめ解いてあったということ。
その上で研究の結果は変わらず「セルフコントロール力が欲しいと思う人ほど、セルフコントロール力が低くなる」ということが明らかになったのでした。
理由
じゃあ何故自分をコントロールしようと思えば思うほど、できなくなるのか。
これはシンプルな話で、コントロールしようと思えば思うほど「ダメな箇所」が目につくようになってしまいます。
そもそも、自分自身を100%コントロールしようなんていうのは無理な話。
それは外的要因が含まれるケースもあれば、欲求に負けてしまうときもある。
だからこそ、100%自分をコントロールするのは土台無理な話なわけですが、「やろうやろう」と極端に思ってしまうと、「なぜ100%コントロールできないのか」というダメな箇所にスポットが当たってしまいます。
「なぜ痩せようと思っていたのに、お菓子を食べてしまったのか」
「なぜダイエットしようとして運動すると決めたのにできなかったのか」
このように、自分をコントロールしたシーンよりも、「コントロールできなかったシーン」にスポットが当たってしまうため、モチベーションがどんどんと下がっていきます。
この結果「コントロールできない自分はダメだ」と落ち込んでしまうという負のループにはまってしまうことにつながるため「自分をコントロールしようとする人」の方が、コントロールできないという状態になってしまうわけです。
対処法
では、どうすれば自制心を働かせて、自分をコントロールすることができるようになるのか。
この方法として考えられるのは、まず「ありのままの自分を受け入れた上で、対応策を考えておく」ということ。
この方法を知った時に、僕は本田圭佑が思い浮かびました。
あれだけストイックに練習をこなし、試合にも出ているのに、サッカースクール運営やカンボジアの実質代表監督、または投資などと色々なことに時間を割いている本田圭佑。
僕らから見れば圧倒的に高いセルフコントロール力を持っていて、常に自分を律しているイメージがあります。
だけど、プロフェッショナルでやっていた本田圭佑の密着を見ていると「僕は弱い人間で、常に自分自身には負けっぱなし」という風に言っていました。
本当に自制心が強いか弱いかは、僕らには判断ができないし、それは本人にしかジャッジにしようがありませんが、間違い無いのは「ありのままの自分を受け入れている」という点に間違いはありません。
その上で、「負けそうになった時どうするのか」という対応策をきちんと考えている。
オフの日も練習するのもそうだし、セカンドキャリアに向けて「ビジネス」の勉強をしているのも、その一環と捉えることもできる。
要するに、「負けそうになった時どうするか」という対応策をきちんと考えておくことが、自分をコントロールする上で大切なわけです。
応用方法
例えばダイエットしたいけれど、甘いものが食べたくなってしまった。
そうなった時どうするか。
この記事に詳しく書いた方法ですが、「ディスラプティング」に着目して、トリガーを取りのぞく行動をしよう。
そうやって事前に対策を練っておく。
これでもいいし、「【ハーバード大学式】良い習慣を楽に身につける方法とは。」この記事に書いた20秒ルールを取り入れると決めておいてもいい。
色々と応用は効きますし、自分に合った方法で対応策を考えてみるといいんじゃないかなと思います。
終わりに
そして、ここで大切だなと感じるのは、実際に「ありのままの自分を受け入れる」ということがないと、「対策を考える」という思考には至らないということ。
セルフコントロール力を高めたい。
そう思えば思うほど、「決まり事を守れなかった自分」に着目するばかりか、100%を目指してしまうので、対策することもない。
これが「ありのままの自分を受け入れて対策を練る」ということの本質なんだと思いますね。