今回はタイトルにある通り。
「未来」に対する不安だったり、「今後」に対する不安だったり。
生きていればいろんな「不安」と向き合うことになりますが、不安対策に関して科学的に効果のあるトレーニング方法が見つかっていたことを知ったので、それをシェアしておこうと思います。
その不安を取る方法というが、
- 暗算
- 神経衰弱(トランプの遊び)
- なぞなぞ
これらが不安を取り除くのに効果的だということがわかっています。
根拠
これらがなぜ不安を取り除くのに効果的なのか。
- 暗算
- 神経衰弱(トランプの遊び)
- なぞなぞ
この3つに共通しているのは「記憶力」に関することで、この記憶力というのが1つのキーパーソンになっています。
そもそもこの記憶力と不安に対するコントロールとの相関性を伝えてくれたのは、2017年に行われたデューク大学の「Prefrontal Executive Control Rescues Risk for Anxiety Associated with High Threat and Low Reward Brain Function」という論文が元になっています。
この論文の中にある研究では、被験者120人を対象にして2つのグループに分けます。
1つ目のグループは、暗算や神経衰弱をしてもらうグループ。
2つ目のグループは、特に何もしなかったグループ。
これらに分けた上で、被験者に対して「不安」を感じさせるように、研究者側は仕掛けます。
具体的には怖い画像や写真というものを被験者に見せることで、意図的に不安を感じてもらうようにしたのですが、その際に脳機能の状態を図るため、ファンクショナルMRIをいうものを使って、被験者の脳の状態を同時に調べていました。
すると、面白いことが判明して。
ファンクショナルMRIによって、それぞれの被験者の脳の状態を見て行ったわけですが、何もしなかったグループに比べて、暗算や神経衰弱などといった「頭を使ったグループ」というのは、DLPFCという部分が活性化していることが明らかになりました。
理由
このDLPFCというのが一体なんなのか。
このDLPFCという部分が活性化していたことこそ、「暗算や神経衰弱が不安への対策」につながる理由となるので解説していくと。
このDLPFCというのは「背外側前頭前野」と言われる脳の一部分で。
わかりやすく言えば、前頭葉の外側にある部位だとされています。
このDLPFCというのは、「モチベーションややる気」と言ったことや「不安な気持ち」と言ったことまでを扱っている部位とされており、プラスもマイナスも含め「感情」を扱っている部分だと言われています。
要するに、このDLPFCと言われる部分が、おろそかになってしまうと、不安でいっぱいにあったり、やる気がわかなかったりしてしまうことにつながる、ということ。
しかし、このデューク大学の研究においてわかったことは、暗算や神経衰弱と言った「記憶力」を司るトレーニングを行ってもらった被験者は、MRIで脳機能の変化を確認していくと、このDLPFCが何もしなかったグループに比べ活性化していたため、「不安」に対する免疫ができていると推測できるわけです。
つまり、記憶力を使うトレーニングや遊びを行うことにより、前頭葉の外側にある「感情のコントロール」を行う脳の部位が活性化されるため、不安を取り除くことができる(うまく向き合うことができる)ので、暗算や神経衰弱が不安対策に効果的だということが、この研究から判明したことでした。
さらにはこの記事で紹介している研究でも(同じデューク大学)、暗算がメンタルに効果的ってことが証明されていたりもします。
(デューク大学暗算好きだなww)
応用方法
同様に「なぞなぞ」も基本的には「記憶力」を含めた「頭」を使うトレーニングも、不安やストレスに対して効果が期待できるものだとされていて。
ですから、冒頭に伝えた通り、
- 暗算
- 神経衰弱(トランプの遊び)
- なぞなぞ
これら3つの遊びが、不安を取り除くトレーニングにつながるわけですね。
当然これら3つだけが、不安を取り除くトレーニングのすべてというわけではなくて。
様々な方法で応用が可能です。
大切なのは「頭を使う」ことであり。
更に言えば「記憶力」を鍛えることが、メンタルトレーニングにつながることが、この研究からわかった本質になるので、記憶力を鍛えるトレーニングであれば、いろいろな方法で効果が期待できるでしょう。
山手線全駅を覚えたり。
本を読んだり。
スマホで謎解きのアプリをやったり。
色々なことができますね。
あとは「語学学習」なんかも「ワーキングメモリー」と呼ばれる短期記憶を鍛えるのに効果的だとされているので、不安を取り除くトレーニングとして応用が可能です。
「ネガティブを治すためには、記憶力を高めるといいってことが科学的にわかったよ。」
この記事でも紹介していますしね。
更に言えば、不安などのメンタルコントロールをするのに「言葉のボキャブラリ」が密接に関わっているという研究なんかもあって。
「海外に行ったら人生観が変わる言われる科学的な理由が見つかったよって話。」
この記事で詳しく理由な内容を説明していますが、この語学学習なんかは「言葉のボキャブラリ」が増えるので、不安を取り除くにはかなり効果が期待できるでしょうね。
遊びよりも、どちらかといえば「自分の身になることをしたい」って言う人は、資格勉強だとか、語学学習なんかに時間を使ってあげると、「スキル」と「メンタル」の両方が取れるので、いいかもしれませんね。
実際にやってみた結果
んで。
このデューク大学の研究を知ってから、結構な時間が経ちました。
その中で、自分自身でやってみたり、実際に取り組んでみた中で、色々と体感したことがありましたので、僕自身の実体験と「実際にやってみた結果どうだったのか」という部分を合わせて伝えておくと。
暗算や神経衰弱をやる機会を作れない
まず効果云々の前に、このデュークのポイントからおさらいしておくと。
個人レベルとして痛感したのは、そもそも論「暗算」や「神経衰弱」をやる機会というのが、なかなか作れないというのが、まず一つ上げられると思います。
小学生とか子供ならまだしも、社会人になれば勉強するケースって少なくなるし、神経衰弱といった遊びもやらない。
だから、結構日常生活の中で、こうした暗算や神経衰弱などを取り入れるのが、難しいなっていうのが、僕が一番初めに抱いた感想でした。
記憶力を鍛えるためにやったこと
ただ、上記でも触れていますが、このデューク大学の研究で一番大切なのは、暗算や神経衰弱が大切なのではなく、「記憶力を鍛える」ということが、脳のDLPFCを鍛えることになり、不安に強くなるメンタルを作る、という話でした。
なので、社会人や大人の応用方法として僕が取り入れていたのは「読書」です。
この読書も、DLPFCとは関係なしに「せっかく読んだのなら、内容は覚えておきたい」ということが念頭にあるので、インプットよりもアウトプットをより優先した読書をしています。
それこそ、このブログに内容を要約して書いたり、頭の中で想起したり。
様々な方法を使い、短期記憶から長期記憶へ移行させるための手段をとっていますが、まさにこれが「記憶力を上げること」に直結するわけですね。
なので、個人的には暗算や神経衰弱といった応用しづらいものよりも、読書とか人によっては語学学習だとか、そういったことで応用していった方が実用的かなと思います。
実感するのは難しいが価値はある
そして「実際にやってみた結果どうだったのか」という部分ですが、結論から言えば「実感するのは難しい」というのはやってみて思った結果でしたね。
これは僕が悪いんですが、メンタルや不安、抑うつ効果があるものは、結構色々と試しています。
そのうえで、今回のデューク大学の研究も並行していてやっていたので、「記憶力だけを高めた効果」というのは測定できなかったんですよね。
んで。
そうしたメンタルや精神面でのトレーニングはやっているので、不安にどう向き合うのか?ということはある程度知っているつもり。
そのため、結構不安に対しては対策できているので、この期間に色々とありましたが、不安とうまく向き合って来れました。
ただ、この効果っていうのが、「記憶力を鍛えること」による効果なのか、それとも別のやつのモノなのか、はたまた複合的なものなのかっていうのは、実情や割合はわからないんですよね。
これは確実に、僕という実験台が悪かった例です。
ただ、間違いなく言えるのは、脳を鍛えることが悪いことではないし、僕自身読書は好きだし、どちらかといえば記憶力が上がって困ることはないので、「効果は実感するのは難しいが、価値はある」というのが、正直な感想です。
なので、これからも続けていこうと思っています。
また何かあれば追記で解説していきますので、参考にどうぞ。
まとめ
不安を取り除く方法は、記憶力を鍛えること。
その理由とは、記憶力を鍛えることで、DLPFCと言われる前頭葉の外側部分にある「感情のコントロール」を行なっている部位が鍛えられ、不安とうまく向き合うことができるため。
不安を取り除くトレーニング
- 暗算
- 神経衰弱(トランプの遊び)
- なぞなぞ
- 語学学習
- など。
これらに代表される「記憶力」を鍛えるトレーニングであれば、色々なトレーニングが不安を取り除くことに効果が期待できる。
まとめるとこんな感じですね。
ぜひ参考にしてみてください。