今回はタイトルにあるとおり。
「自制心」に関して、面白いことを知ったので、それをシェアしておこうと思います。
その方法っていうのが、「自分と他人の利益を考える」という方法。
ちょっと意味がわからないと思いますが、誘惑に弱いと感じている人にぜひ試してみてほしい、簡単な方法です。
誘惑に負けづらくなる方法
「自分と他人の利益を考える」っていうことと、「それがなぜ誘惑に対して有効なのか」っていうことを合わせて解説していくと。
これはマックスプランク研究所などが行った研究が元になっていて。
この論文では、5〜6才の子供達200人以上を集めてある実験を行いました。
後に「5〜6才の子供たちを集めた理由」も明らかになっていきますが、それは後で解説していきます。
この被験者として集まってもらった子供たちを、2人組でペアになってもらい、ボール投げなどをして親睦を深めてもらいました。
そのあとに、別々の部屋に入ってもらい、子供たちを1人にした状況で、研究チームはお菓子のクッキーを子供にプレゼントします。
ただここで一つ忠告をしていて。
その忠告というのが「もし仮に今クッキーを食べたら1枚しかあげないけれど、今我慢することができたら後で2枚あげる」
という風に、研究チームは忠告しました。
これは要するに「クッキーを我慢できるか」という意思力を測る状況を作っている、ということなんですね。
そして5〜6才の子供たちを集めたのは、利己的に物事を考えるのが苦手で、「意思力が弱い対象」を集めて研究をしたかったため、5〜6才の子供たちを集めた。ということでした。
当然子供たちからすれば、すぐクッキーを食べたくなってしまうため、意志力も弱いのですぐに飛びつきそうなシーンです。
そこで研究チームは2つのグループ分けて、この研究を行いました。
1つ目のグループは、上記のように「1枚のクッキーを我慢することができたら、2枚クッキーを上げる」としたグループ。
もう1つのグループは、先ほどペアになって親睦を深めた友人を隣の部屋にこさせて、「B君も一緒に我慢してるから一緒に我慢しよう」と、「友人と一緒である」ということを強調したグループ。
この2つに分けて、誘惑に関して「どれぐらい我慢できるか?」を調査していきました。
要するに、「自分だけの利益」なのか「自分と他人との利益」なのか。
この2つの違いがある、ということですね。
そして、その結果わかったのは、子供たちは「自分だけの利益」で誘惑に対応するよりも、誰かと一緒に誘惑を我慢した方が、意志力が強いことがわかりました。
これはよく言われることですが、「自分のためよりも、誰かのためにやる方が、力になる」なんて言われますが。
まさしくこのことが、上記の研究により判明したということ、なんですね。
しかもこの研究は、まだまだ自制心が弱く誘惑に負けてしまいがちな、5〜6才の子供たちを対象にして行った研究です。
そう考えると、自制心があり、誘惑に強い大人であれば、よりセルフコントロールできる可能性は高くあります。
だからこそ、「誘惑に弱い」と自覚しているのであれば、より「自分よりも、自分と他人の利益につながること」を考えていくと、誘惑に勝てる可能性が高くなる、ということが言えるわけですね。
しかも上記の研究は「隣に友人がいる」という状況ではなく、あくまで部屋にはその子供は一人だけです。
だから、「心の中で思っている」というだけでも効果が期待できますし、この研究では色々な人種の子供たちを対象にしていますが、個人差はあるものの「国籍」を問わず効果がありました。
なぜ他人との利益を分かち合った方が誘惑に強くなったのか
ではなぜ。
自分のためだけよりも、他人との利益を子供たちは選んだのか。
これに関しては、色々な理由が考えられていますが、まずあげられるのは「協力して生き抜いてきた種族」だということが挙げられます。
というも。
僕らホモサピエンスは、ライオンやゴリラといった動物と比べると圧倒的に非力です。
ですから、コミュニティを作って、弱肉強食を生き抜いてきました。
その経験がDNAに刻まれており、「他者と協力して生きていく」ということがプログラムされている、と考えられています。
そのため、自分の利己的な目標よりも、他者と協力する方が、誘惑に打ち勝ちやすくなった。
これが誘惑に負けなかった理由だとされています。
その証拠に「他人のために尽くす」ということが、様々ないい影響をもたらす、ということがいろんな研究で証明されています。
たとえば、この記事で紹介したカリフォルニア大学の研究では、他人に親切にすることでモチベーションが向上する「ヘルパーズハイ」という現象を立証させていますし。
この研究では他人に親切にしている人の方が、年収が高いこともわかっています。
またこの記事でも紹介したとおりで。
他人の幸せを願った方が、不安やストレスも軽減されることがわかっています。
- 不安やストレス
- 年収
- モチベーション
数々の研究において、他人に尽くすことで、これらの恩恵が受けられることがわかっている。
そう言った要因などもあり、他人のことを考えることが、誘惑にも強くなるということが言えるわけです。
日常生活で応用するには
あと個人的に、「みられている」という感覚も、誘惑に負けないための方法として、科学的に捉えられていて。
上記の研究においても「友人も我慢してるなら、僕も一緒に我慢しよう」と、利益以外にも「支え合っている」という感覚も、誘惑に負けなかった強い要因なんだと思います。
この研究でも、同様の研究モデルと報告があったりしますし。
だから、今回紹介した研究を「どう日常生活において応用するか?」と考えた場合、「2人で協力し合う」というのが、1つポイントかなと思います。
2人で同じ目標に沿って協力すれば、当然「他者の利益」にもつながります。
例えば、「ダイエットしたい」という目標を持った人が2人集まれば、「協力する」ことが、他者の「ダイエットの貢献」にもつながってくるため、他者の利益にもなり得ます。
そのうえ。
「あの人も我慢してるんだから、私も我慢しよう」と思えるので、誘惑に負けづらくなる。
ですから、同じ目標を持った人同士で、ペアになって「報告し合う」ことは、誘惑に対して有効なテクニックだと思いますね。
それがなかなかできない、「一人」だった場合。
この記事でも書いてますが、「鏡をおく」というのも有効な手段です。
鏡を置くことによって、「誰かに見られている」という感覚を作ることができるので、怠けたことはなかなかしづらくなる。
そのため自制心を働かせるのに有効な方法だとされていますが、友人との協力ができない場合は、「鏡」で代用するのも一つの手だと思いますね。
ただ。
協力し会える友人が見つからず、一人で誘惑に打ち勝ちたいって言った場合は、今回紹介した研究で応用するよりも、「非合理生テクニック」を使った方がいいと思うので、そちらもみてみるといいと思います。
こちらに非合理性テクニックの詳細を解説した記事を貼っておくので、参考にどうぞ。
まとめ
少し長くなってしまったので、最後にまとめておくと。
「自分のため」よりも「自分と他人のため」という目標の方が達成しやすく、誘惑に負けづらい。
このことが、5〜6才の誘惑に弱い子供たちを集めた研究で判明した。
誘惑に負けづらくなった理由として考えられるのは、「協力して生き抜いてきた」ということが、関係していると言われている。
そのため、「友人と協力して見守り合う」ということをすることで誘惑に負けづらくなることが考えられる。
まとめるとこんな感じですね。
ぜひ参考にどうぞ。