今回はタイトルにある通り。
「単純作業」に関して面白いことを知ったので、それをシェアしておこうと思います。
先に結論から伝えておくと、単純作業を退屈だ、と感じる人は実はその瞬間チャンスが訪れていて。
うまく活用すれば脳を活性化させ、良いアイデアが浮かびやすい状態を作り出すことが出来ます。
当然いいアイデアが浮かぶ状態であれば、「転職しようか」や「嫌ここでもう少しキャリアを積んで次の仕事のためのステップにしよう」といった方法を浮かぶこともありますし、副業に取り組むなど今の生活から抜け出す方法を模索することもできる。
何が言いたいのかというと、単純作業で気が狂いそうなときほどチャンスが転がっている、ということが科学的に分かっているので、そのことを今回は話そうと思います。
単純作業で気が狂いそうなときほどアイデアが浮かびやすい
ではさっそく。
なぜ単純作業で気が狂いそうなときほどチャンスといえるのか。
その根拠から解説していくと。
これはセントラルランカシャー大学が行った研究がもとになっていて。
この論文では、被験者を集めて2つのグループに分かれてもらいます。
そのグループというのが、
- 電話帳の番号を書き写すグループ
- 何もしない
この2つのグループに分かれて実験は行われました。
電話帳の番号を書き写すというのは、当然ですが退屈な単純作業で、面白くもなんともない。
研究者はあえて「単純作業」を被験者に課すことで、どういった現象が引き起こるのかをチェックしていったわけです。
その後2つのグループともに「マグカップを従来の使い方以外で独創的な使い方を教えてください」という創造性のテストを行いました。
その結果わかったのは、「電話帳の番号を書き写す」と単純作業を繰り返したグループのほうが、新しいマグカップの使い方や独創的なアイデアが浮かぶ回数が高まり、創造性がアップしていることが判明しました。
次に研究者はもう1つの実験を行っていて。
その研究においても2つのグループに分かれてもらいます。
- 電話帳の番号を書き写すグループ
- 電話帳の番号をひたすら読み続けるグループ
この2つのグループに分かれてもらいました。
その後全員に創造性のテストを行ったわけですが、この結果も同様に「電話帳の番号をひたすら読み続けたグループ」のほうが、創造性のテストの結果が高いことが判明しました。
ん?
電話帳の番号を書き写すグループではなく、電話帳の番号をひたすら読み続けるグループ?と思った人もいると思いますが、これは間違いじゃありません。
特に何もしないとしたグループの時は、電話帳の番号を描いたグループのほうが、比較したとき「退屈」でしたが、もう一方の「電話帳の番号をひたすら読む」というのはさらに退屈な作業になります。
番号を描くというのは、暗記して書くというひと手間が加わり、さらに何かしら体を動かせるので、いくばしか単純作業に工夫が加わります。
一方で電話帳を読むだけで何もしないというのは、ひたすら退屈な単純作業が続くので、おそらくこれを続ければ気が狂うでしょう。
要するに、「より退屈な作業」を行う人のほうが、創造性が高まり、良いアイデアが浮かびやすくなる、ということがこのセントラルランカシャー大学の研究により明らかになった、ということなんですね。
なぜつまらない作業をするほうが創造性が高まるのか。
では次に。
なぜより単純で気が狂いそうな作業を行うグループのほうが、創造性が高く良いアイデアが浮かびやすくなったのか。
その理由に関しては、脳の構造が原因として挙げられます。
気が狂いそうというのは少し大げさですが、いわゆる「単純作業」というのは、脳が退屈さを感じ、飽きを痛感している状態を指します。
脳が飽きることによって、「刺激」を求めるために、より活性化することが分かっています。
この退屈だからこそ、刺激を求め、脳がより活性化したことによって、良いアイデアが浮かびやすくなった、ということが原因なんですね。
このことって僕自身もめちゃくちゃ経験があって。
何も考えない流れ作業や、頭を使わない作業をひたすらやっているときに、ふっといいアイデアが浮かぶときが過去何度もありました。
後スマホの充電が切れて、電車でまったくやることがないってなったときにも、いろいろなことが目に付いて、今まで考えもしなかったアイデアが思いついたり。
そういった経験が何度もあるんですね。
事実上記記事で紹介しているカリフォルニア大学の研究でも、単純作業は創造性を高める、といった研究を報告しています。
研究ベースでも実体験ベースでも、納得できる結果として「単純作業は創造性を高める」ということが言えるわけです。
なので、どれだけつまらない単純作業であっても、気が狂いそうな状況であっても、見方を変えればそれは自分を変えるためのチャンスであって、「今この瞬間を変えるためにはどうすればいい?」と考えるきっかけにできる、ということなんですね。
応用方法
では次に。
どうやってこの単純作業をクリエイティブな状況に変えていくのか。
その応用方法を解説していくと。
思考にアクセントを入れる
まず一つ目に考えられるのは、上記でも伝えましたが「今この瞬間の状況を変えるにはどうしたらいいか」と思考にアクセントを入れるのが、まず一つ目の応用方法として考えられます。
これの具体例としてひとつ面白い話を紹介しておくと。
上記の記事でも少し触れていますが、Amazonの倉庫で働く人を対象にして行った実験で。
単純作業でつまらない仕事を、「その時起こった出来事をのちに本にする」という風に考えていた男性は、仕事に対しても前向きで、クリエイティブであったという研究が出ています。
これは要するに、つまらない仕事を「何か役に立てる」という思考にアクセントが入った結果で、そのおかげで単純作業に意味を持たせることができ、逆に仕事が楽しくなり幸福度も上がった、ということが分かっています。
なので、「思考にアクセントを入れる」ということを意識するのも、一つの応用方法だと思います。
単純作業をうまく割り振る
そしてもう1つの応用方法は、単純作業をうまく割り振り、使いこなすという方法です。
というのも、僕ら人間は単純作業だけではなく「同じことの繰り返し」によって脳が飽きを感じることで、つまらないという状態を生みます。
料理やご飯でも、同じものをずっと食べ続けては、いくら好物だとは言っても嫌いになってしまう。
それと同じで、仕事や作業、勉強においてもおんなじことが言えるわけです。
上記ではドイツのフリードリヒアレクサンダー大学の研究を紹介していますが、タスクをうまく切り替えることによって、生産性が高まることが報告されています。
これと同じことを応用してくのが、単純作業をうまく割り振るという方法になるわけです。
具体的には、複雑で頭を使う作業をやり、少し疲れてきたら、単純作業を入れる。
こうして振り分けることで、新しい刺激を脳に入れることにつながるので、単純作業もうまく乗り越えることができるわけです。
勉強でいえば、暗記問題をやって飽きたら、数学を解くなど頭を使う勉強をする。
このようにうまく切り替える演歌梅雨のように使えば、単純作業も意味があり、十分に応用することが可能です。
休憩中にお笑いを見る
ただそうはいっても、単純作業が永遠に続くという仕事をしている人もいるかと思います。
僕自身も工場で働いているときは、玉ねぎを永遠袋に詰めるという作業を4時間ずっと立ちっぱなしで続けていましたし、自由に仕事のスケジュールを割り振ることはできませんでしたから。
そういう人に向けて、単純作業とどう向き合うのかの応用方法を伝えておくと、お笑いの動画などを見ることによって、つまらない仕事を楽しくすることができることが知られています。
上記記事はニューサウスウェールズ大学の研究を紹介していますが、簡単に解説しておくと、つまらない仕事を被験者に与え、
- ドキュメンタリー映像
- お笑いの映像
この2つを見せて、再度単純でつまらない仕事を行ってもらう、という実験をしました。
その結果「お笑いの映像」を見たグループの方が、その後の生産性が高まった、という研究が明らかになっています。
なので、仕事の休憩中や合間にお笑いを見るなどをすることによって、生産性を上げることもできるため、参考にしてみてください。
まとめ
少し長くなったので、最後にまとめておくと。
気が狂いそうな単純作業ほど、創造性を高める。
これはセントラルランカシャー大学が研究にて証明し、報告した事実で、退屈な作業は創造性を高めることが知られている。
それは脳が退屈さを感じると刺激を求めるために、脳を活性化させるため、良いアイデアが浮かびやすくなる。
これはセントラルランカシャー大学が行った、より退屈な作業を行った被験者ほど創造性のテストの結果が高かったことが証明している。
そのため、気が狂いそうな単純作業であったとしても、それは「この状態を抜け出すためにいいアイデアを考えるための時間」と割り切ることで、単純作業を行う時間を有効的に活用することが出来る。
まとめるとこんな感じですね。
一見すると全く面白みのない単純作業ですが、僕はあえて単純作業を日常の中に組み込んでます。
楽しい仕事だけ、やりたいことだけやればそれでいい、という今の状況になってもあえて「単純作業」を組み込んでます。
ただ単にエクセルに数字を入れ込み続けたり、ノートに書き込んだり。
それはいくら楽しいことをしていても、脳はいづれ「飽き」を感じるためで、知的労働と肉体労働の2つを組み込むことによって、脳への飽きに対応しているからです。
詳しくはここら辺の記事で書いていますが、ぜひ単純作業をする時間を無駄に使わないでほしいなと思います。