今回はタイトルにある通り。
「目標達成における計画法」に関して面白いことを知ったので、それをシェアしておこうと思います。
まず結論から先に伝えておくと。
目標達成における計画法の中で、これらをやってしまうと目標達成率ががくんと低下し、わずか10%以下しか達成できなくなる、やらないほうがいい計画術が存在します。
それが
- 目標を達成したら人生が変わると想像すること
- ネガティブ思考を押さえつけること
- 成功している人のマネをして計画を立てること
- 計画通りにいかなければ恐ろしいことになると想像すること
- 意志力に頼ろうとすること
この5つです。
特に「目標を達成したら人生が変わると想像すること」だとか、「成功している人のマネをして計画を立てること」、「ネガティブ思考を押さえつけること」なんかは結構多くの人がやりがちなんじゃないかな。
そんな風に感じますが、これらは目標を達成する際にそこまで効果がないことが分かっているので、あまりやらないほうが吉ですね。
目標を達成する人とそうじゃない人の違いとは
ではさっそく、なぜ目標を達成する割合をがくんと下げるのが、先ほど挙げた5つの項目なのか。
具体的に見ていくと。
これは2010年に心理学者のリチャードワイズマンが行った研究がもとになっていて。
この論文では対象となる被験者を集め、とある質問をしました。
その質問というのが「あなたが目標を達成するために行っていることは何ですか?」といった質問で、被験者が行っている計画術を質問していきました。
当然あらゆる目標を達成するための計画術が上がってくるわけですが、それらはおおよそ以下の10パターンであることがこの研究により判明します。
- 目標を達成したら人生が変わると想像すること
- ネガティブ思考を押さえつけること
- 成功している人のマネをして計画を立てること
- 計画通りにいかなければ恐ろしいことになると想像すること
- 意志力に頼ろうとすること
- 段階ごとに計画を立て準備をする
- 計画がうまくいく際はご褒美を用意する
- だれかに報告する
- 計画通りに進んだとき良いことが起こると想像する
- 進展状況を記録する
これら10パターンであることが分かります。
(ここではざっとこんな種類があるんだぐらいで、覚えておく必要はないです。後で詳しく解説します。)
これらの「被験者が思う目標達成において重要なこと」を調べた後、ワイズマン教授は1年間にかけて追跡調査を行い、「どれぐらい目標達成を実際にしているのか?」ということを調べていきました。
要するに、事前に「目標達成において大事なこと」を調べ、「それらがどれぐらい効果があるのか」を研究していった、ということですね。
その結果わかったのは、冒頭にも伝えた通りで、およそ半分ほどがほとんど効果がなく、具体的に達成率においては「10%以下」であることが判明しました。
そしてその効果のなかった方法というのが、先に伝えた通りの5パターンで、
- 目標を達成したら人生が変わると想像すること
- ネガティブ思考を押さえつけること
- 成功している人のマネをして計画を立てること
- 計画通りにいかなければ恐ろしいことになると想像すること
- 意志力に頼ろうとすること
この計画法でした。
ただ一方で、それ以外の5つの方法は効果が確認され目標達成において有効であることが分かりました。
それが以下の5つです。
- 段階ごとに計画を立て準備をする
- 計画がうまくいく際はご褒美を用意する
- だれかに報告する
- 計画通りに進んだとき良いことが起こると想像する
- 進展状況を記録する
なぜ目標達成率が10%以下ほどの効果しか得られなかったのか
では次に目標達成率を下げる計画とそうじゃない計画との違いを解説していくと。
先ほど挙げた10パターンのうち、少し似ている項目があることに気づきます。
例えば「計画」でいえば、
- 成功している人のマネをして計画を立てること
- 段階ごとに計画を立て準備をする
この2つは少し共通点がある部分ですが、結果は間反対です。
これに関しては、よく言われる通り「成功」というのはその人にとっての「成功」であって、状況が違う上にそもそものポテンシャルや能力、スタート地点は大きく異なっています。
上手くいく計画術である「段階ごとに計画を立てる」というのは、「自分の能力値を基準に、一歩一歩前へ成長していくこと」にフォーカスが当たっている。
つまり「誰かのようになろうとしてもうまくいかず、自分らしく一歩一歩進むこと」が重要であるとわかるわけです。
次に、「想像」という部分に関しても似ている項目があります。
- 目標を達成したら人生が変わると想像すること
- 計画通りに進んだとき良いことが起こると想像する
この2つにも共通点がみられますが、ポイントとなるのは「プロセス」に目線があるのか「結果」に目線があるのか。
この2つに分けられます。
これは「ヤバイ集中力」という本でも紹介されていますが、「うまくいった成功シーン」をイメージするよりも、「作業しているシーン」をイメージするほうが目標達成率が上がることが分かっています。
成功は一瞬ですが、作業はそのあと継続的に続く。
要は作業のほうが行動している時間は長いわけですから、「プロセス」にフォーカスすると挫折しづらくなる。
そのため「プロセス=作業」を想像した人のほうが目標達成率が高かったわけですね。
またそのほかの「意志力」に関しては、専門の書籍である「FULL POWER」という本にこれでもかというほど描かれていて。
この記事でも解説していますが、意志力だけで突き進めほど僕ら人間は強くありません。
そのため失敗につながったことが容易に想像できます。
さらに「ネガティブ思考を押さえつける」という項目においても、無理にポジティブになろうとすることが悪影響を及ぼすことも判明しています。
裏を返すとネガティブだから成功できないわけじゃなく、ポジティブだからうまくいくとは限らないということ。
つまり、無理にネガティブをやめようとする必要はない、ということなんですね。
目標達成率を上げる、正しい計画術はこれだ
と、ここまで読んだ人はどんな計画術が目標達成率を下げるのかが、ある程度理解できたと思います。
となると、ここにきて知りたいのは「どういった計画術を立てれば目標達成率を上げることが出来るのか」という部分。
端的に言えば、先ほど挙げた
- 段階ごとに計画を立て準備をする
- 計画がうまくいく際はご褒美を用意する
- だれかに報告する
- 計画通りに進んだとき良いことが起こると想像する
- 進展状況を記録する
これらを駆使するのが、効果的で目標を達成するためのいい方法だということが分かります。
ただ少し覚えづらいと思うので、言い換えるとしたらこんな感じ。
「計画は遠足のチェックポイントのように立て一歩一歩進むように作りその進展状況を記録していき、1個のチェックポイントを突破したらご褒美を自分に上げる。」
「最初計画を立てたら作業やプロセスをイメージし、事前に「ここまで頑張る」と誰かに報告しておくと尚良い」
こんな感じですかね。
ご褒美に関してもペンシルベニア大学なんかの研究を見てみると、ある程度効果が期待されていますし、「誰かへの報告」も先ほど挙げた「FULL POWER」でもいい方法だと紹介されています。
ぜひ活用してみてください。
まとめ
少し長くなったので、最後にまとめておくと。
絶対にやってはいけない目標達成率を下げる5つの計画術は
- 目標を達成したら人生が変わると想像すること
- ネガティブ思考を押さえつけること
- 成功している人のマネをして計画を立てること
- 計画通りにいかなければ恐ろしいことになると想像すること
- 意志力に頼ろうとすること
これらの5つ。
逆に目標達成率を上げる計画方法は
- 段階ごとに計画を立て準備をする
- 計画がうまくいく際はご褒美を用意する
- だれかに報告する
- 計画通りに進んだとき良いことが起こると想像する
- 進展状況を記録する
これらの5つで、言葉でいいかえると以下の通りになる。
「計画は遠足のチェックポイントのように立て一歩一歩進むように作りその進展状況を記録していき、1個のチェックポイントを突破したらご褒美を自分に上げる。」
「最初計画を立てたら作業やプロセスをイメージし、事前に「ここまで頑張る」と誰かに報告しておくと尚良い」
まとめるとこんな感じですね。
ぜひ参考にどうぞ。